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福山哲郎君 それは責任があるということですよね、
大臣。告知はしなければいけなかったと今おっしゃったんですよね。
もっと言います。クリスマシンの方は告知されているんです。四百十八名、手元に来たものに対してほったらかしたことに対しては不作為責任があるということを認められているのに、ここには認めないと書いてある。どういうことなんです、これは。全く矛盾しているんですね、
総理。
これ、この
報告書と今の
大臣の
答弁はずれているんです。私は、この
報告書で役人の責任を問うことが実は
委員会の趣旨ではありません。要は患者をどう救うかが趣旨ですから、余りこのことに時間を取られるのは嫌なんですが、こういう
実施要綱が実態あるにもかかわらず、この
報告書では薬事法上責任がないと言い切って逃れようとしているという事実だけは、
総理、御存じいただきたい。これがまず第一段階です。
二つ目。実は今和解の協議が大詰めを迎えています。七日に和解勧告があるはずが十三日に延期になりました。実は今国が言っている和解の条件は、東京地裁の救済範囲で救済をするという議論を国は和解の場でしています。(
資料提示)これはお手元、
数字が小さいから見にくいと思いますが、青に色が塗られているのが実はその東京地裁の中で救済の範囲の方です。黒に塗られている方が、残念ながら今の国の和解案では救済をされません。なぜこの薬害について救済される方と救済されない方と二つに分かれなければいけないのか。これが今大変な問題になっています。
実は、四百十八名のリストがこの間出てきました。十一月の六日ですよ。十月の十六日に私が
質問して十一月の六日、この四百十八名のリストが特定できるような
状況になって、十一月の六日に病院から、あなたは、肝炎は実はこの
原因ですよと言われた加地さんという方がいらっしゃいます。この方がやっと
自分は、ああ、こういう
原因で肝炎になったんだと、今実は肝硬変の手前で本当に厳しい症状ですが、この方が実名を出して今回提訴をされました。この方は残念ながらこの黒塗りの部分に当たります。四百十八名ちゃんと告知をされていれば、ひょっとしたらもっと早く治療が受けられたのかもしれないのに、つい一月前にしか彼女は知られなかったと。
この方は、次の表を見てください。(
資料提示)これ、
総理、すごく重要な問題なので見てください。フィブリノゲン製剤をめぐる時系列という表をお手元にお配りをいたしました。実は加地さんがフィブリノゲン投与されたのは、ごらんいただいているように一九九一年の三月、下でございます。実は、加地さんが投与されたフィブリノゲン製剤のF023HTというのは、八八年の十月に製造されています。これがいわゆる三年後に加地さんに投与された。これは実は肝炎発生の報告のあるロット番号の付いている製剤でした。これは製薬会社も国も、回収する必要があったにもかかわらず回収をしないで三年後加地さんに投与されました。そして、更に言えば、スクリーニングが始まって、もう安全性
情報が流れてスクリーニングが始まった後、九一年一月、まだメーカーはスクリーニングをしないで製造を続けたF024HTというのを製造してこれも投与をし続けました。
次のこのペーパーを見てください。前回もお見せした四百十八名のリストの一部でございますが、星マークの付いている389Aというのが今申し上げた加地さんです。見ていただいたらお分かりのように、ロット番号023HTと書いてあります。見ていただきますと、023HTって何人もいらっしゃいます。そして、さっき言った製薬会社がスクリーニングをしないで製造を続けた024HTという方も四角に囲んでいらっしゃいます。この
方々が東京地裁の範囲だと全部外れるんです。なぜかというと、東京地裁の範囲は、もう一回表出していただけますか。(
資料提示)最初に出た判決のときの東京地裁の範囲は、東京地裁のこのこちら側の黒よりも向こう側の方しか原告団がいなかったからです。原告団がいないので、当然地裁の判決の範囲はそこまでに区切られました。
しかし、新たに四百十八名のリストが出てきて、現実問題として、今申し上げたようにスクリーニングをしなければいけないのに回収命令もしない、回収もしなかった、スクリーニングもしなかった製剤が世の中に出て投与をされました。そして、発症した人が今やっと告知をされて提訴を、十一月の六日に病院に言われて提訴をしています。今、このままの国のスタンスの和解の
状況ならば、この人たちが救われません。四百十八名のうち今何人いるかというと、二十九名いらっしゃいます。これ、
総理、こんなふうに救済を区別をすることが合理的な判断でしょうか。先ほど
大臣が言われた不作為責任、告知をしなかったことも含めて。
もう一個だけ余計なことを言わしてください。実は二年後、厚労省は医療
機関を広報して告知しているかどうかの
調査を全部しました。これは二分冊あります。これを全部見たらほとんど告知してないんです、医者が。二年後、百歩譲って二年後、あっ、お医者さんは何にも告知していないんだと厚労省は分かっていたんです。さっき厚労
大臣はおっしゃられましたけど、告知をしているものだと思っていたと。冗談じゃない、二年後のこの
調査報告書を見たらみんな告知してないと出ているんだ。それでもほったらかした。
総理、ここは、
舛添大臣は頑張っていただきました。勢いは良かった。しかし、だんだんだんだん
厚生労働省に押されてしりすぼみになっていった。この
報告書もさっき言ったとおりです。これは十三日に和解の勧告が地裁から出ると言われています。これはもう政治決断しかないんです。本当にこれを、この患者さんを区別をして国は救済をしないという立場を取られるのか。
福田総理が
内閣の責任者として、国の責任者として、この
状況の中で一律救済をするべきだと。
一律救済すると被害者が際限なく広がると恐らく厚労省は
説明していると思います。残念ながら、実はカルテが一九九〇年代のことですから残ってないんです。これ、原告になるにはやっぱり立証責任が要るんです。残念ながら、今これ多分テレビを見ながらでも、私もあのときそうだったかもしれないといいながら病院へ行ってもカルテが残ってない方がほとんどなんです。だからこそ幅広い医療費の救済が必要だということで我々は法案を出したし、そして自民党さんもそれに乗ってくれて今日から協議が始まります。それは必要です。しかし、これだけ明らかに立証責任ができた、そして四百十八名の中でも、国が告知をしてもらわなかったリストの中にも出てきた患者さんに関しては、そんなに際限なく広がるわけではありません。
一律救済をするというのが国としての、
総理、責任ではないでしょうか。是非、
総理の政治決断をこの場でお願いをしたいと思います。