○遠山清彦君 今の
審議官の御答弁にあったように、高村
大臣はよく御存じだと思いますが、他
省庁に振り分けられたODA予算というのは実はデータとして集約されていないんですね。私、
参議院には今、ODA特別
委員会もありますし、それから私、
決算委員会でいろんなODAの案件を扱ってきましたけれども、
外務省所管のODAとか、あるいは、まあ
財務省ですけれども、JBICの関係とかというのはかなり透明性の高い、今まで
国民にいろんな御批判もありましたので透明化を図り評価基準も公表してやっているわけでありますが、他
省庁というのはほとんどないんですね。
後ほど若林
大臣、農水省のプロジェクトを具体的に取り上げてお聞きしますけれども、例えば農水省所管のODA予算でやっているプロジェクトは、多分、農水
委員会ではほとんど取り上げられたことがないんですね。かといって、じゃ外交防衛
委員会でも取り上げられないし、あえて言えば予算
委員会とか
決算委員会、こういうところで取り上げるしかないんですけれども、
国民の皆さんも国
会議員のほとんどの皆さんもODAイコール
外務省になっていますから、ほとんど聞かないんですね。聞かない中で、世界的には事後評価ちゃんとやれというふうになっているのに、そこだけ実は抜けているというふうに私は感じているんです。
それからもう
一つは、
政府全体のODA事業を総合的にモニターする機能あるいは援助効果が本当にある事業をやっているのかどうかということを統括する、チェックする機能が
政府に欠けておるわけです。これは、国会でも従来から開発援助庁みたいなところをつくればいいんだとかいろんな議論ありましたが、
財政再建やっているさなかにそういう新しい行政官庁をつくるわけにはいかないので、私自身としては、後ほど聞きたいと思っていますけれども、何らかの形で
政府のODA全体を見る機能なり部署なりをそろそろ明確化した方がいいんではないかというふうに思っているわけです。
ところで、この私が申し上げた一点目の、他
省庁のODAの事業が余りかいま見られていないということの
一つの例として、私、若林
大臣に意趣はないんですが、農水省のODA予算に焦点を当てて聞かせていただきたいと思います。
平成十八年度の同省ODA予算は、約四十八億円でございます。その四分の一に当たる約十二億二千七百万円が財団法人海外漁業協力財団に拠出をされております。私、この財団を調べましたけれども、財団の
理事長は元
水産庁長官、それから常勤の専務
理事一名は元
財務省、それからもう一名は水産庁の資源
管理部
審議官、それから非常勤の
理事、監事十名ほどおりますけれども、水産庁次長、
林野庁長官、水産庁次長、水産庁研究部長と、四名水産庁のOBが入っております。誠に申し訳ないんですが、これ普通に見たら典型的な役人の
天下り組織なんですね。そこに農水省のODA予算の四分の一が
委託をされているわけでございます。
そうしますと、
大臣、ここで御答弁いただきたいんですが、これ見方によっては何か、農水省のODA予算少ないんですよ、四十八億ですから。しかし、何か農水省というか、この場合、水産庁、林野庁が出てくるわけです。しかも、
長官ですけれども、その農水省の役人のOBの
天下り先確保というか仕事確保のために農水省のODA予算が使われているという非難をされても致し方ない面があるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。