○
内閣総理大臣(
福田康夫君) 長妻議員にお答えいたします。
議員から、大変幅の広い、また多くの
質問をいただきました。大変ありがたいことでございますけれども、関連する御
質問、多少まとめながら
答弁をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
まず、
安倍内閣からの
政策の継承、
安倍内閣との違い、戦後レジームからの脱却をどう評価するかということについてお尋ねがございました。
一昨日の
所信表明演説におきまして、
安倍内閣からの継承や違いといった点を意識するのではなく、私が日ごろから
考えている
政策について率直に申し述べさせていただきました。
政治は
国民のものだということ、これは
自民党の立党宣言にある
言葉でありますけれども、同じ
自民党に所属する
小泉元
総理、
安倍前
総理と、目指すべき
方向性においては大きく異なるところはございません。構造
改革を今後とも継承してまいります。
そういう中にあって、私は、
実態を十分に把握した上で、生じた問題には一つ一つきちんと処方せんを講じていく、そういう
考え方をいたしております。
安倍前
総理が言われた戦後レジームからの脱却という
言葉については、その真意を十分に承知しているわけではありませんけれども、時代の変化を踏まえ、将来を見据えながら、見直すべきものは見直していくということは当然であると
考えております。
年金保険料の流用禁止についてのお尋ねがございました。
年金保険料は、使途を徹底的に見直し、現在では、年金給付のほかには年金給付に密接に関連する事業運営費のみに充てております。年金給付と密接不可分な経費に
保険料を充てることは、民間保険はもとより、他の公的保険や諸外国の例から見ても妥当なものであると
考えております。重要なことは、税
財源であれ
保険料財源であれ、
無駄遣いは絶対にさせないということであり、今後さらにこのことを徹底してまいります。
年金制度の
信頼性についてお尋ねがございました。
年金制度については、
平成十六年の
制度改正において、長期的な給付と
負担の均衡を確保し、
制度を持続可能なものとするための見直しを行ったところであります。適切な
制度となっているものと
考えております。
次に、年金記録問題への対応策についてお尋ねがございました。
私も、年金記録問題に対する
国民の不安を解消していくことは重要であると
考えておりまして、本年七月五日に
政府・
与党で決定した
方針に基づいて、まずは、
平成二十年三月までを目途に、基礎年金番号に未統合の五千万件の年金記録について名寄せを実施し、記録が結びつくと思われる方に加入履歴をお送りし、そして、その後、
平成二十年十月までを目途に、それ以外のすべての方にもお知らせをお送りするとともに、これらの取り組みによってもなお残された記録については、過去の勤務事業所、住所地市町村などに照会を行って、徹底的に調査を行います。
こうした着実な取り組みにより、
国民の
皆様一人一人の記録が点検され、基礎年金番号への統合が行われて、正しく年金が支払われるようにしてまいりたいと思います。
年金記録問題の解決、
責任問題等についてのお尋ねがございました。
年金記録問題については、基礎年金番号に未統合の五千万件等の名寄せ、ねんきん特別便等によるすべての方へのお知らせ、また御本人による確認を通じた記録の統合、コンピューターの記録と台帳等との計画的な突き合わせ等の施策を行うことにより、一人一人の年金記録が点検され、正しく年金が支払われるということにより解決していくものと
考えております。
また、年金記録問題の発生の経緯、原因、
責任の所在等については、年金記録問題検証委員会において検証を進めており、その結果も踏まえ、適切に対処することといたしております。
年金記録問題への取り組みについて、
安倍前
総理は最大限の努力を傾注されたところでありまして、私も、この問題の解決に向け全力を尽くすことによって
責任を果たしてまいりたいと
考えております。
自民党の広報資料についてのお尋ねがございました。
これについては、当時、名寄せや突合といった
国民にとって耳なれない、わかりにくい用語が
社会保険庁において使用されていたため、
自民党としては、
国民にわかりやすい表現を用いる観点から、統合という
言葉を用いたものと聞いております。
また、「今後一年で問題解決」とは、その時点から一年で未確認の年金記録五千万件の名寄せをすべて完了させることを述べたものであり、「全額支払い」とは、年金記録の訂正に伴い年金の未払いが判明した場合、年金時効特例法により、さかのぼって全額をお支払いすることを述べたものであります。
いずれにしても、年金記録問題への対応としては、その後、七月五日に
政府・
与党が決定した
方針に基づき計画的に取り組んでおります。
サンプル調査についてのお尋ねがございました。
お尋ねのサンプル調査は、年金記録問題検証委員会が、基礎年金番号に未統合となっている五千万件の年金記録について、問題の発生の経緯、原因等を調査する観点から、未統合の原因となっている氏名、生年月日の正確性など、必要な事項について調査しているものであります。
検証委員会の調査、検証は現在も継続中であることから、検証を適切に実施する観点から詳細を明らかにすることはできませんが、サンプル調査についても鋭意取りまとめ中であり、検証委員会の
報告書の中で結果が明らかにされるものと承知をいたしております。
年金の台帳等とコンピューターの記録との突き合わせについてお尋ねがございました。
年金記録問題への対応においては、正しい年金をより早くお支払いすることが重要という観点から、まずは基礎年金番号に統合されていない五千万件の記録について名寄せを実施し、記録が結びつくと思われる方に加入履歴等のお知らせをすることを最優先課題としており、コンピューターの記録と台帳等との突き合わせについては、効率的に行われるよう、今後、具体的な実施方法の
検討を進め、来年度以降に計画的に実施することとしております。
また、御指摘の一年以内で突き合わせを行うと仮定した場合に必要な人員、経費等の算出については、実施方法の詳細を踏まえた上で試算すべきものと
考えております。
なお、御指摘の紙記録の件数は、現在、
社会保険庁において確認中であります。
コンピューターには記録がなかったが、
社会保険庁の資料に記録があったものの件数及び記録回復による受給額増額についてのお尋ねがございました。
昨年八月より実施している年金記録相談の特別強化体制の中で、コンピューターでは記録を確認することができず、被保険者等が保有する
領収書等に基づき被保険者記録を訂正したもののうち、
社会保険庁及び市町村の資料に記録があったものの件数は二百二十件であると承知いたしております。
なお、未統合の記録の基礎年金番号への統合等によりまして年金額が増額になったものの総額については、現在の
社会保険オンラインシステム上では把握する
仕組みとなっていないと承知しております。
年金記録問題に関するデータベースの作成についてのお尋ねがございました。
年金記録問題については、御指摘のデータベースの作成が直ちに正しい年金の支払いにつながるかどうかという問題もあり、年金記録確認第三者委員会における公正な判断を通じて適切に対応することが重要であると
考えております。
保険料の横領問題に関するお尋ねがございました。
自治体については、先般、厚生労働
大臣及び総務
大臣より市町村に対し調査の
協力要請をしたところでありますが、現時点で、市町村において把握している事案はすべて御
報告をいただいたと
考えております。
社会保険庁については、現役の正規職員に対し、他に横領等事案の存在を承知していれば申し出るよう指示するとともに、OB職員については、住所等が判明した者に順次調査票を送付し、調査を実施しており、最終的な回答の締め切りは十月十二日としております。
国民年金保険料の特例納付などの
実態調査、脱退手当金の横領件数、年金の未払いの
実態についてのお尋ねがございました。
特例納付の事務の
状況については、既に調査結果を公表したところであり、不在者設定についても、一部の調査結果を公表し、残った
部分についてなお調査しているところであります。
その他の脱退手当金や障害年金につきましては、
国民の方々に不当な不利益が生ずることのないよう、
制度をよく
説明するとともに、不服申し立て等に適切に対応してまいります。
なお、不正に現況届がなされた事例については、調査は困難と
考えております。
脱退手当金の横領件数については、公表した五十二件の
社会保険庁職員による横領等事案のうち一件であります。
国民年金基金の年金について裁定請求を行っていない方の人数等については、現在、
国民年金基金連合会において調査中であります。
なお、お尋ねの年金の未請求の件数等については、現行の
社会保険オンラインシステム上、把握する
仕組みとなっておりません。
年金問題に対する
認識についてお尋ねがありました。
今回の年金記録の問題は、
国民の
皆様の
政府に対する
信頼を損なうものであったと
考えております。それ以上に、国家の威信にかかわる問題であるとも思っております。
この問題の解決は、
内閣の最重要課題の一つであると
考えており、本年七月五日に
政府・
与党が決めた
方針に基づき、一つ一つ着実に対策を進め、
国民の
皆様の
信頼を回復してまいります。(
拍手)
次に、中小企業退職金共済
制度についてのお尋ねがありました。
退職して五年経過後も未請求の退職金の
状況は御指摘のとおりでありますが、金額では当該期間の支払い済み額の累計に対して〇・六三%であり、また、件数で見ると、この十年間に半分以下に減少しております。
しかしながら、退職金の未請求者を発生させないようにすることは極めて重要であると
考えており、今後は、機構から直接
従業員に請求手続を促すなど、改善を図っていくことといたしております。
なお、機構の役員については、業務内容を考慮し選任されているというような
認識をいたしておりますが、今後とも適材適所で選任されるべきものと
考えております。
未返還の
補助金についての
実態や、その
理由、高年齢者
雇用開発協会等に関するお尋ねがございました。
一部の
補助金が未返還となっており、その
理由は、事務作業がおくれている場合、返還する者が資力に乏しい場合などがございますけれども、早期に返還されるよう努めております。
返還を求めなければならない事態の発生はまことに遺憾であり、今後さらに適切な執行に万全を期してまいります。
また、高年齢者
雇用開発協会に対する
補助金の不適正支給については、協会の職員に国家公務員の出身者がいることとの関連性が指摘されましたけれども、助成金等の支給に際し、要件の確認が不十分であったことによるものと
認識をいたしております。
次に、いわゆる
天下りと
補助金、契約などの
関係についてお尋ねがありました。
国家公務員の再就職については、
国民から疑念を抱かれるものであってはならないのは当然であり、その透明性を確保することが重要です。
これまでに具体的にお尋ねいただいた件につきましては、再就職先の法人に確認すべき事項が含まれるなど、少なくとも一カ月程度の調査期間が必要となる見込みですが、既に調査に着手しておりまして、可能なものから順次回答してまいります。
会計検査院の
天下りについてお尋ねがございました。
政府はこれまで、国家公務員のいわゆる
天下り問題に対し、
国民の厳しい批判があることを真摯に受けとめ、
行政に対する
信頼を取り戻すため、公務員
制度改革を進めてまいりました。
なお、会計検査院は、
内閣から独立した地位を有する機関として、厳正かつ公正な会計検査を実施することが求められており、職員の再就職についても、こうした趣旨を踏まえて適切に行われるべきものと
考えております。
北陸建設サービス株式会社との随意契約についてのお尋ねがありました。
北陸建設サービス株式会社との創業後、現在までの随意契約の総額については、年数が経過しており不明でありますが、
平成十四年度から十七年度までの間、同社との随意契約の各年の平均額は約四億三千万円となっております。
過去の契約については、事務所の清掃業務等を庁舎内の秘密保持の観点等から随意契約により委託してきたものですが、
政府の随意契約の全般について、問題がないか見直すことといたしておりました。現在は、その
方針に基づきすべて一般競争入札によっており、今後とも適正な業務発注に努めてまいります。
次に、退職国家公務員が設立した会社の
実態及び当該退職公務員に係る規制についてお尋ねがございました。
退職国家公務員による会社の設立については、
国民に疑念を抱かれることがあってはならないのは当然であり、その透明性を確保することが重要です。
これまでに具体的にお尋ねいただいた件につきましては、再就職先の法人に確認すべき事項など一定の調査期間が必要なものが含まれますが、既に調査に着手しており、可能なものから順次回答してまいります。
また、
さきの
通常国会で成立した国家公務員法等の一部を
改正する
法律では、退職国家公務員が会社を設立した場合も含め、営利企業等の地位についている元職員の出身省庁への働きかけを規制し、これに関する不正行為に対して刑罰を導入しています。
さらに、実効性を確保するため、外部監視機関を設置し、厳格な監視を行うことといたしております。
次に、公益法人からの事業譲渡等についてのお尋ねがございました。
お尋ねの事例につきましては、現在調査を行っており、可能なものから順次回答してまいります。
次に、株式会社夢閑歩サービス及び株式会社保健
医療ビジネスについてのお尋ねがありました。
御指摘のかんぽの宿の食堂業務については、財団法人簡保加入者サービス協会が受託していたところですが、公益法人
改革の一環として、同協会は
平成十九年三月に当該業務を株式会社夢閑歩サービスに譲渡し、同年四月に解散したものであります。
なお、当該事業譲渡は公認会計士、弁護士に確認した上で行われたものと承知しております。
また、御指摘の株式会社保健
医療ビジネスについては、
平成十年当時、財団法人厚生共済会において収益事業の比率が大きく、適当ではなかったため、その改善を図る観点から、当時の厚生省の指導により当該財団法人の収益事業を当該株式会社へ譲渡したものであります。
次に、公益法人が解散し、株式会社に業務を引き継いだ場合についてお尋ねがありました。
公益法人の設立当時には公益目的として
社会的に評価されていた事業でも、
社会経済情勢の変化により、事業内容が営利企業と競合する
状況になる場合があります。そのような場合で、公益法人にふさわしい事業内容に改善することができないときは、各主務官庁は、公益法人に対して株式会社等に転換するよう指導しております。過去五年間において、指導に従い、公益法人から株式会社等に業務を譲渡して解散した法人は十二法人です。
なお、国所管の公益法人が事業を株式会社へ譲渡した事例における国家公務員出身者の
状況については、先ほど
答弁いたしましたが、現在調査を行っており、結果がまとまり次第御
報告いたします。
次に、独立
行政法人の出資についてお尋ねがございました。
各府省による調査の結果、独立
行政法人が出資等を行っている企業、公益法人のうち退職公務員等が再就職しているものは四十三法人であったと承知しております。
また、
政府としては、独立
行政法人による出資については、法令で定められた業務のために必要がある場合に限ることとしております。
個々の出資については、独立
行政法人の整理合理化方策の
検討を行っている中で、必要に応じて、その適否を
検討するとともに、評価の枠組みにおいても関連公益法人等への出資、出捐の必要性等を厳しくチェックしてまいりたいと
考えております。
次に、公営企業金融公庫の宿舎への総務省職員の入居についてのお尋ねがありました。
国と公営企業金融公庫は相互に人事交流を行っており、国から出向して公庫の職員となった者が公庫の有する宿舎に入居することは予定されているところでございます。しかしながら、国家公務員が公庫の職員でないにもかかわらず入居した場合など、
国民の誤解を招くおそれのあるものについては、できる限り早く退去するよう求めたところであります。
次に、公務員の再就職先への支出のお尋ねがございました。
御指摘の六兆円は
衆議院調査局の調査結果を
民主党で集計したものであり、コメントは差し控えさせていただきますが、国は、公務員の再就職
状況とは
関係なく、
政策的な必要に基づいておのおのの支出を行っております。
今後とも、真に必要な経費については適切に措置する一方、
天下りについては、各府省等による再就職あっせんを全面的に禁止するとともに、財政支出全般について聖域なく見直しを行ってまいります。
公務員の再就職先のあっせんの禁止についてお尋ねがございました。
各府省が行う再就職あっせんは、
国民の目から見れば、
予算や権限を背景とした押しつけ的なあっせんと受けとめられかねないことから、
さきの
通常国会で成立した国家公務員法
改正法において、各府省の再就職あっせんを全面的に禁止し、中立、透明な
仕組みによる官民人材交流センターに一元化することとしたところでございます。
仮に、官民人材交流センターを設けず、あっせんを禁止し、ハローワークを利用することとした場合、公務員には身分保障が存在するため役所に残ろうとし、
行政の減量や効率化を妨げる要因にもなりかねないものと
考えております。
現在、センターの具体的な
制度設計については、
官房長官のもとの有識者懇談会における
検討結果を踏まえ、
平成二十年中にセンターを立ち上げるべく、鋭意取り組んでまいります。
独立
行政法人の見直しについては、現段階で具体的な削減数字を念頭に置くことはなく、百一の全法人について、原点に立ち返って徹底的に見直しを行い、本年内を目途に独立
行政法人整理合理化計画を策定いたします。
公益法人については、
基本的に法人の自主性が尊重されるべきものであり、国がその廃止を強制することは法人の性格からなじまないと
考えております。なお、
行政委託型の公益法人については、
行政改革の立場から引き続き注視してまいります。
次に、公益法人の内部留保についてお尋ねがございました。
公益法人については、その財産を用いて積極的に公益事業を実施することが求められます。したがって、その内部留保は、公益事業の適切かつ継続的な実施に必要な程度とすることが適切であります。
国所管の公益法人で、内部留保の水準が一事業年度の
活動に必要な額の三〇%を超える法人は、
平成十八年十月一日現在で二千六百七十一法人であり、これらの法人の三〇%を超える金額の合計は約三千九百九十八億円となっております。
また、これらの法人のうち、国家公務員の出身の理事が在職し、かつ国から
補助金、委託費を受けているものは二百十七法人であり、三〇%を超える金額の合計は四百十一億円となっています。
個別の公益法人の適正な内部留保の水準は、当該法人の事業内容、財務
状況等によっても異なります。大きな内部留保を有することをもって直ちに法人の解散等が必要であるということは
考えておりません。御指摘のような批判があることも踏まえまして、積極的に公益事業が行われるよう、各主務官庁において適切に指導監督を行ってまいります。
次に、社団法人
日本国民年金協会及び財団法人
社会保険協会についてお尋ねがございました。
これらの法人はいずれも公益性のある事業を行っていると承知しておりますが、両法人の内部留保について適切な水準とするなど、適正な事業運営が行われるよう指導監督してまいります。
次に、
特別会計についてお尋ねがございました。
そもそも
特別会計の廃止だけでは
財源につながらず、その事業等を見直さなければ、単に一般会計に移管されるだけになります。
政府としては、徹底した事業の見直しを踏まえ制定された
特別会計に関する
法律に基づき、
平成十八年度に三十一あった
特別会計を
平成二十三年度までに十七に縮減することとしております。
また、
特別会計歳出のうち実質的に見直しの対象となる歳出は、
平成十九年度
予算において、
特別会計の歳出単純合計約三百六十二兆円から、
特別会計間の重複計上額のほか、国債償還費等、
社会保障給付といった
特別会計改革とは別途議論すべきものを除外した約十一・六兆円であります。
この十一・六兆円については、
無駄遣いの排除の観点から
改革に取り組み、十九年度
予算において対前年度〇・七兆円程度削減しており、今後とも合理化、効率化の徹底を図っていく所存でございます。
次に、
官製談合についてお尋ねがございました。
談合への職員の関与を疑うに足る事実がある場合、
関係府省において徹底して事実解明を行うことは当然であり、調査結果に基づき万全の対策を講ずる必要があると
考えます。
官製談合防止法案については、既に
国会で継続審議中であり、立法府で十分御議論をいただきたいと
考えます。
政府としては、
官製談合を
根絶するため、現行
官製談合防止法を厳正に執行してまいります。
次に、
地方整備局における公益法人との契約についてお尋ねをいただきました。
公益法人との随意契約については、昨年六月の随意契約見直し計画に従い、競争性のある契約方式に移行中であります。
全
地方整備局における公益法人との契約の
状況については、作業が膨大となるため直近の数字を直ちにお答えすることは困難ですが、今後、
地方整備局を含む計画全体のフォローアップを行った上で、効率的かつ透明な公共調達が実現されるよう、計画の着実な実施を図ってまいります。
次に、
民主党が提出された随意契約等透明化
法案についてのお尋ねがございました。
政府としては、随意契約に係る情報についても、契約の相手方、契約金額、随意契約によることとした
理由等を各府省のホームページにおいて従前から公表しているところであります。
今後とも、こうした取り組みを着実に推進し、引き続き
政府調達の適正化、透明化に努めてまいる所存でございます。
無駄遣いをなくすことなどによる
予算の削減額についてお尋ねがございました。
政府としては、
基本方針二〇〇六等におきまして、今後の歳出抑制の全体像とともに、各分野の歳出
改革の内容など具体的な姿を示しているところでございまして、今後の
予算編成に当たっては、こうした
方針のもと、御指摘のあった項目も含めて、歳出全般にわたる徹底した見直しを行って無駄を排除し、歳出の抑制に最大限の努力を行ってまいります。
税金の
無駄遣いをなくしていく取り組みについてのお尋ねがございました。
補助金については、厳正な執行に万全を期してまいります。
天下りについては、各府省等による再就職あっせんを全面的に禁止します。
特別会計については、
特別会計に関する
法律に基づき統廃合等を行い、合理化、効率化の徹底を図ります。
官製談合については、
官製談合防止法の適正な執行や入札契約
制度の改善等により
根絶を図ります。
随意契約については、見直しを着実に推進し、引き続き適正化、透明化に努めてまいります。
次に、
官僚の人事評価基準の見直しについてお尋ねがありました。
公務員
制度改革の一環として、
さきの
通常国会において国家公務員法を
改正し、能力・実績主義の人事管理を徹底するため、新たな人事評価
制度を構築することといたしたところであります。
新たな
制度については、簡素で効率的な
行政運営の観点も念頭に置きつつ、人事評価基準を含めた詳細設計を行ってまいります。
次に、決算検査
報告に掲記されていない案件に係る措置や公表、会計検査院職員の再就職と決算検査
報告掲記との関連、決算検査
報告掲記の判断の適否についてお尋ねがございました。
予算の厳正かつ効率的な執行等を図るため、会計検査院の照会文書を受けた各府省に対しましては、適切な対応をとるように改めて求めているところであります。
会計検査院の照会文書は、会計検査事務の過程において検査を受けるものの
説明を求めるために発せられる
質問であり、会計検査院の正式な見解や意見の表明ではないと承知しております。
そして、会計検査院では、
意思決定の中立性や厳正、公正な検査の実施を確保するため、照会文書の内容を公表しないこととしていると承知しており、
政府といたしましては、
内閣に対し独立した地位にある会計検査院の判断を尊重し、決算検査
報告に掲記されていない照会文書の内容、さらにはその内容に関してとられた措置を明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思います。
会計検査院の職員の再就職については、当該職員が在職中に培った経験や能力が再就職先において必要とされていることから行われていると承知しております。そして、会計検査院の職員が会計検査の対象である団体に再就職している場合においても、会計検査院としては当該団体に対し厳正な会計検査を実施していると承知しております。
会計検査院は、各事案を決算検査
報告に掲記するかどうかを一件ごとに、その事実
関係や規模、重大性、発生原因、事態の広がり等を
検討して総合的に判断していると承知しております。
政府といたしましては、決算検査
報告を活用し、
予算の厳正かつ効率的な執行と経理の適正な運営に努めてまいりたいと
考えております。
次に、公共事業における事業効果の試算、費用対効果が一を下回った事業、事業費の増加等についてお尋ねがございました。
完了後十年以内及び継続中の農水省所管事業で費用対効果が一を下回った地区は、高知西南、高幡、飛騨東部第一、富良野東部及び鳥海南麓の国営農地開発事業と中海及び諫早湾の国営干拓事業の七地区があります。これらは、いずれも事業開始後の
農業をめぐる
状況や
社会情勢の変化により、やむを得ず事業規模を縮小したものであります。この結果、事業効果も減少しましたが、これまで行った事業が無駄にならないよう、必要最小限の事業を継続し、結果として、費用対効果が一を下回ったものであります。
公共事業については、御指摘のような批判もあり、
平成十年度から事業の再評価
制度を導入し、費用、効果等について、学識経験者等から構成される事業評価監視委員会等における審議、評価結果の公表など、客観性、透明性の確保に努め、厳格な事業評価を実施しております。
公共事業費の増加に関する御
質問については、作業が膨大となるため、過去二十年間の数字をお答えすることは困難ですが、
平成十六年五月の議員提出の
質問に対する
答弁書等に基づいてお答えすれば、
平成五年度から
平成十八年度までの十四年間において、当初の総事業費見込み額が百億円以上で、最終的な事業費が二倍以上となった、国土交通省及び農林水産省所管の国などの実施に係る事業は八十一件、当初見込み額を超えた額は約五兆八千億円でした。
次に、電気製品や自動車が燃える事故についてのお尋ねがございました。
火災の原因には、種々さまざまなものが
考えられます。電気製品や自動車が燃える事故に関しては、市町村消防本部による火災原因調査の結果について、メーカー名、型式等の製品情報や人命等の
被害状況を取りまとめ、
関係省庁間で必要な情報共有を行うとともに、年内中を目途に公表を始めることといたしております。
なお、消費
生活用製品に起因する火災等の重大事故については、消費
生活用製品安全法に基づき、
経済産業省において、その情報の
報告を求め、公表しております。
自動車の欠陥をめぐる情報の口どめと国交省審査課から自動車メーカーへの再就職についてお尋ねがありました。
国土交通省で受け付けた自動車ふぐあい情報について一定の条件で検索したところ、情報の口どめについて触れているものが四件ありました。
自動車のリコールに係るふぐあい情報が適切に
報告されないことは、口どめの有無にかかわらず、問題があると
考えます。
国民生活の安全、
安心の確保、ひいては消費者の保護を図るため、自動車のリコールに係るふぐあい情報については、道路運送車両法に基づきメーカーに
報告を義務づけており、引き続きその確実な履行を図ってまいります。
国交省審査課から自動車メーカーへの再就職については、係員一名が、
平成十九年四月に二十六歳で自己都合により退職して、自動車メーカーへ再就職いたしております。
今後の営利企業への再就職についても、法令に基づき適切に対処してまいります。
次に、包括的な危険情報公表についてのお尋ねがございました。
私は、真に消費者や
生活者の視点に立ち、さまざまな分野において、
国民の安全、
安心を重視する
政治、
行政へと転換していく
考えであります。
この観点から、前広に危険情報を収集、公表して対応していくということは重要な課題であると
認識しており、この点では長妻議員と共通するところがあると
考えております。
政府といたしましては、具体的な
制度の実効性の観点も踏まえながら、事故の未然防止に係る
制度整備を含め、消費者にとって真に
意味のある対応をしっかりととってまいります。
次に、原爆症認定の見直しについてお尋ねがございました。
原爆症の認定につきましては、現在、厚生労働省に
検討会を設置し、その
あり方について
検討を進めているところであり、その議論を踏まえて、できる限り早く結論を得ることといたしております。
肝炎対策についてのお尋ねがございました。
肝炎対策については、これまでに種々の対策を講じてきたところでありますけれども、従来の
延長線上でない新たな対策を講じるよう
検討を進めているところであります。
民主党の
法案が昨日提出されたことは承知しておりますが、
政府としては、今後さまざまな御議論を踏まえつつ、できる限り早期に肝炎対策の具体案を取りまとめてまいります。
訴訟への対応については、先月、大阪高裁から、和解勧告をするかどうかを
検討するために各当事者の意見を聞きたいとの
考えが示されておりますが、これまでの五つの地裁判決内容がすべて異なっているということも踏まえ、現在、
関係省庁において
検討しているところでございます。
生活者の立場での
制度改革についてのお尋ねがございました。
私も、
所信表明演説の中で申し上げたとおり、成熟した先進国となった我が国においては、生産第一という思考から、
国民の安全、
安心が重視されなければならない時代になったという
認識を持っております。
政治や
行政の
あり方のすべてを、
国民の
皆様が日々安全で
安心して暮らせるかどうかという、真に消費者や
生活者の視点に立った発想で見直していくべきであると
考えております。
こうしたことが企業の国際競争力にもつながるとの長妻議員の御意見は、まさにそのとおりであると思います。長妻議員にもぜひとも御
協力をいただいて、与
野党で建設的な議論を行いながら、
国民のためにこうした
改革を前進してまいりたいと思います。
年金記録問題の原因についてお尋ねがございました。
年金記録問題については、現在、
政府部内において、その原因を含め事実
関係の調査を進めているところでございます。
次に、もたれ合いによって自浄能力なき
政治と官の
関係に成り下がったのではないかとのお尋ねがございました。
年金記録問題などによって
政治や
行政に対する
国民の不信が高まっていることについて、私は、率直に受けとめております。また、御指摘のようなもたれ合い、自浄能力がないといった印象を
国民に与えているということになれば、
政治家も公務員も、そのことを深刻に受けとめ、
信頼の回復に向けて真剣に取り組んでいかなければならないと思っております。
国民の
信頼を取り戻すための秘策はございません。
国民の立場に立った
政治、
行政をこつこつと進めていくほかに手はないと思っております。
野党の
皆様とも十分に御議論させていただき、
協力をいただきながら、
国民の
皆様の目線に立った
政治、
行政を進めてまいりたいと思います。
局長以上の職員を対象とする
政治任用
制度の必要性についてのお尋ねがございました。
公務員
制度については、
政治任用などの幹部職員の任用の
あり方を含め、公務員の採用から退職にわたる課題について、有識者から成る懇談会において、我が国の
政治の統治システムを踏まえた総合的、整合的な
検討を進めているところであります。
検討結果を踏まえ、
行政に対する
信頼を取り戻すため、公務員一人一人が高いモラルを維持し、能力を高め、誇りを持って職務に専念できるような総合的な
制度となるように、公務員
制度改革を進めてまいります。
次に、
戦争の総括や統治機構の
抜本的見直しが戦後行われていないのではないかとのお尋ねがございました。
我が国は、戦後、平和主義に基づいた現行憲法を制定し、一貫して世界の平和と
繁栄のために貢献してまいりました。こうした我が国の憲法と戦後の歩みは、
さきの悲惨な
戦争についての率直な反省の上に立っているものでございます。
また、統治機構の
あり方についても、戦後は、それまでの反省の上に立って、三権分立のもとで相互にチェックしバランスを図るなど、現行憲法を制定する際に大きな見直しが行われたものと
認識しております。
衆議院と
参議院とでは与
野党が逆転している今日のこのような
状況では、
制度が有効に機能する方途を探る時期でもあると
考えております。今こそ、与
野党が
国会で議論を尽くし、
国民生活の向上に必要な
政策を一緒になってつくり上げていくべきであると
考えております。(
拍手)
次に、いわゆる村山談話の内容についてお尋ねがありました。
お尋ねの「国策を誤り、」に何が該当するのかについて、個々の事件や出来事をめぐりさまざまな議論があり得ると
考えております。いずれにせよ、
政府としては、
平成七年及び
平成十七年の
内閣総理大臣談話に示された
さきの大戦についての
認識を踏まえ、将来に誤りなきを期すことこそが重要であると
考えております。
沖縄の
集団自決についてのお尋ねがございました。
教科書検定は、審議会における専門的な審議を経て実施されることとなっております。今回の検定は、沖縄の
集団自決に関する記述について、軍の関与を否定するものではないと承知しておりますが、この件に関しては、
沖縄県民の思いを強く重く受けとめ、文部科学省においてしっかりと
検討してまいります。
次に、
戦争に関する
政府の公認記録を残す作業を開始すべきとのお尋ねがございました。
政府としては、今後も、
さきの大戦の悲惨な教訓を風化させず、二度と戦火を交えることなく、世界の平和と
繁栄に貢献していく決意であります。
国立公文書館、
外交史料館及び防衛研究所で保存している戦前、戦中のアジア
歴史資料については、アジア
歴史資料センターにおいて、インターネットを通じて利用できることとされており、今後ともその充実に努めてまいります。
なお、
歴史資料などにつきましては、今後、その収集、保存に力を入れていかなければいけないと
考えております。
次に、
政権交代の必要性と解散時期についてのお尋ねがございました。
国民生活を守り、国家の利益を守ることは、与
野党の立場を超えた
政治の使命でございます。今般、
政権を担うこととなり、私は、重要な
政策課題について、一つ一つ
野党の
皆様と誠意を持って話し合いながら、
国民の負託にこたえてまいりたいと思います。
今、
政治に求められていることは、解散について云々することではなく、
国民の不信の声を真摯に受けとめ、
国民の不安に対してきめ細かく対応していくことであります。まず、私が申し上げました
所信に基づいて、
国民の目線に立った
政治と
行政を進めてまいりたいと
考えております。
以上でございます。(
拍手)