○早川
委員 自由
民主党の早川忠孝でございます。
まずは、
法務大臣、御就任おめでとうございます。福田総理は、自立と共生をその政策の基本にしながら、丁寧にぬくもりのある温かい改革を進め、政治に対する
国民の信頼を取り戻すということを第一にされております。私も共感をするところであります。
福田内閣は、謙虚に、かつ、与野党の立場を離れ、
国民にとってよりよい政策を実現するために、話し合いを大事にしながら、必要な改革は一切後退させないという断固たる決意を秘められた、まさに仕事師がそろった内閣であろうと存じております。
鳩山法務大臣には、この難局に当たりまして、司法・
法務行政の長としてのお役目をお引き受けいただき、ありがたく感謝しております。歴代の内閣が取り組み、明治維新や戦後の大改革に匹敵すると言われる大きな成果を上げてまいりました司法改革を後退させることなく、さらに前進、加速するために全力を尽くしていただきたいと願う次第であります。
今次の司法改革については、さまざまな視点からの評価がなされるところでありますけれども、私自身の
考え方をまず示しておきたいと思います。
司法改革の理念は、少しわかりにくい表現でありますけれども、社会の隅々まで法の支配を行き届かせるということにあると思います。司法は
国民に開かれ、
国民の役に立つものでなければならない、法のもとの平等がその根幹をなすものであって、公平で公正で、しかも透明なルールが貫徹されなければならないというふうに
考えております。
これまでは、官がすべてを決める時代でありました。
国民の自立を前提にして、事前
規制から事後チェックの社会に転換を図ろうとするのが司法改革であろうと思います。社会的な弱者にも十分配慮し、その権利利益、名誉を尊重するものでなければならないと思っております。
国民の司法参加は、これまでは法曹の専門家が独占してまいりました司法に
国民が参加することにより、司法をより
国民に身近でわかりやすく、利用しやすいものにするための改革であろうと思います。一年半後には裁判員
制度がスタートいたしますけれども、私たちは、
国民が実現してよかったと実感できるような、心底
国民が歓迎するような
制度にしていかなければならない、この改革を失敗に終わらせてはならないと改めて覚悟をしているところであります。
さらには、法科大学院
制度を発足させ、司法試験合格者の大量増員を実現いたしました。これも社会の隅々まで法の支配を貫徹するためであります。
あらゆる分野で規範を遵守し、コンプライアンスの
体制を確立することが求められているところであります。しかし、残念ながら、
政治家の政治資金規正法の収支報告書の不適切記載あるいは違法な献金の収受、官製談合を初めとする公共工事をめぐる談合
事件あるいは耐震強度偽装
事件やさまざまな職員の偽装
事件などが続発しておりまして、いまだ
我が国は法令遵守、コンプライアンスの基盤が十分確立していないと言わざるを得ないわけであります。このような
状況のもとでは、法曹養成
制度の改革の手を緩めてはならないというふうに
考えているところであります。
さらに、
国民に身近な司法を実現するためには、司法の担い手をふやすとともに、いつでも、どこでも、だれでも司法へのアクセスができるようにすることが不可欠であります。日本司法センター、法テラスは、司法のネットを日本の隅々まで張りめぐらせていくという視点から、まさに今次の司法改革の目玉に位置づけられるものであり、その活動の一層の充実と拡大が求められているところであります。
さらに、
少年事件の弁護士付添人
制度や被疑者に対する国選弁護
制度の拡充とともに、これまでほとんど国政の場で考慮されてこなかった
犯罪被害者に国選弁護人をつけ、その権利利益の実現を図るということも、
国民のために真に役立つ司法を実現するという上では重要な改革になろうと
考えております。
これまで自民党は、世界に誇るべき司法、世界の最高水準を行く司法をつくり上げようという理想に燃えて司
法制度改革に強力に取り組んでまいったところであります。
法務大臣には、ぜひその理想の実現に向けて全力で取り組んでいただきたいというふうに思います。
そこで、
法務大臣に、司
法制度、ひいては日本の
法制度全体を見渡して、大きな視点から
法務行政全般の重要な課題について御
質問をさせていただきたいと思います。
きょうは、その
質問に先立って、実は
死刑問題についての
法務大臣の御
発言について、いささかどうであるかと、ショックを感じたことがありましたので、御
質問をしようと思いました。しかし、先ほど
神崎委員の御
質問に本当に丁寧にお答えいただきました。やはり一人一人のとうとい命にかかわる問題である、しかし法の求めるところによって法の
執行は厳正に行っていかなければならない、そういう
状況の中で、誤ったメッセージを
国民に発信するようなことがあっては、これは遺憾な
事態になると思いますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
そこで、司法改革の残された課題について御
質問を申し上げます。
先ほども申し上げましたように、
国民にとって身近で早くて頼りがいのある司法の実現に向けて、法テラスや裁判員
制度の導入、法曹養成
制度の改革を初めとした大規模な司法改革の先頭に立って、我が党は、政府あるいは
裁判所との連携のもとで大きな成果を生み出してきたと思っているところであります。しかし、司
法制度改革はまだ道半ばであります。
国民の利益のために、必要な改革は継続をしていかなければならないと
考えているところであります。
法務大臣は、政府の中で司法改革に取り組むための中心的存在でございます。現在までに実現された司
法制度改革の成果と今後の取り組みについて、まず
法務大臣の御所見をお
伺いいたします。