○西
委員 大臣のおっしゃるこのキャッチフレーズ、私もまさしく、この
教育基本法、
教育三法の
議論を通じて結論するならば、多忙な
先生方に
子供と向き合う時間を少しでも多くとれる、本来の
教育、
指導に時間を割いてもらえる
環境づくり、これが今回の結論であったのではないかというふうに思っておりまして、ぜひともその方向で、
実態調査等も既になさっておられますので、きちっと説得をし、
予算の確保に向けて頑張っていただきたい、こう
思います。
続きまして、教科書検定についてお伺いをしたいと
思います。
先日、沖縄の方が私のところに見えまして、私、残念ながらいなかったんですが、教科書検定意見撤回を求める県民大会実行
委員会という、この代表の方が決議書を持ってお見えになりました。秘書の話によると、その中のお一人が、私
たちは政治介入とか何かを求めているわけではない、歴史を正しく伝えたい、その
思いだけで行動しているというふうに議員に伝えてほしいと言ってお帰りになったという話をお聞きしました。
私自身も、歴史
認識など教科書の
内容に関しては当然政治介入はすべきではない、こういうふうに思っております。ただし、今回の問題では、現行の教科書検定に至るプロセスについて、制度的にやはり
考え直さなければいけない問題があったのではないかという気がしております。
そこで、きょうは、この点について改善点を探るべく若干の
議論をさせていただきたいと
思います。既に
大臣もおっしゃっている部分もあると思うんですが、それを踏まえた上で
お話し申し上げたいと
思います。
教科書用図書検定
調査審議会は、
学習指導要領や教科書用図書検定基準に基づいてその
内容を審査する、こういうことになっております。その審議会の提言に沿って、
文科省は、ふさわしくない文言について再度
検討するように出版社側に伝える、それを受けて、また出版社が
内容についての記述を
検討する、こういう順序になっております。
さて、今回の問題では、申請用の教科書の記述が変わった、つまり、まず初めに出版社側の記述が変わったということではないというふうに
理解をしております。それでは何が変わったかというと、これはつまるところ、検定する側の基準が変わったということが今回のあの結論ではないかというふうに
思います。
審議会の審査に先立ち、検定申請のあった教科書については教科書
調査官の
調査が行われます。教科書
調査官は、審議会に、
調査審議の
参考となる資料として
調査の意見書を提出する。私は、この教科書検定制度の問題の一つは、この
調査意見書の扱い、これをどうするかということにあるというふうに思っております。
つまり、この意見書は、
参考資料というものの、実質上、
学習指導要領や教科書図書検定基準以外の基準というふうに個別問題としてはなっているのではないか。意見書は、教科書
調査官が意見書をまとめるときに
専門家の意見を聞くとか、審議会はそれを
参考にしてしっかり
議論をするということが前提となって初めてその意味をなすものだというふうに
思いますが、今回は、残念ながらそういう前提が崩れている、十分な
参考意見を聞き、十分な審議が行われた上で、その結果が出版社側に伝えられるという丁寧なプロセスが残念ながら崩れていたのではないかというふうに
考えております。
さらに、
調査意見書によって歴史
認識にかかわる記述が変更されるということを
考えるときに、他の、
学習指導要領や教科書用の図書検定基準の
改正では、それぞれ
中教審や教科書用図書検定
調査審議会の
議論を経て、その
議論も周知されながら
改正されることと比べると、その扱いが軽過ぎたのではないかというふうに思っております。
もちろん、
調査意見書のすべての意見についてこういうことをやろう、つまり、てにをはを変えることまでそういうプロセスを経るということを言うわけではありませんが、少なくとも
調査意見書の歴史
認識の変更にかかわるものについては学術的に公正にオーソライズするプロセスを明確にすべきではないか、こう
考えているわけでございます。
現在、審議会の透明性の確保や情報公開、さらに沖縄条項の設置な
ども検討課題となっているというふうに聞いておりますが、あわせて制度上の問題を見直すということを提案したいと
思います。
例えば、
調査意見書にかかわる
専門家の意見の聴取を、先ほどのように歴史
認識にかかわる大きな変更の場合には義務づける、それから、変更の根拠となった資料等をきちっと添付する、それから審議会の
専門家の
議論の確保を要請する、それから
議論となっているテーマの周知などが少なくとも必要ではないかというふうに私自身は
考えておりますが、このことについて御意見を賜りたいと
思います。