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江頭参考人 日本損害
保険協会会長の
江頭でございます。
本日は、損害
保険業界の
取り組みについて御
説明申し上げる機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
まずは、一昨年来、付随的な
保険金の
支払い漏れ、あるいは
保険金の不適切な
不払い、さらには火災
保険等の
保険料誤りなどの問題により多大な御迷惑をおかけしたことにつきまして、損害
保険業界を代表して改めて深くおわび申し上げます。
これらの問題のうち、付随的
保険金の
支払い漏れにつきましては、本年六月末までに
調査を終了し、その結果、損害
保険会社全社合計で約四十九万件、約三百八十一億円の
支払い漏れが判明しております。
各社とも迅速なお
支払いに努めておりまして、現在までにおおむねお
支払いを完了しております。
現在、損害
保険協会及び会員
各社は、こうした事態を厳粛に受けとめ、一日も早く
信頼を回復すべく、全力で取り組んでいるところでございます。
本日は、これらの問題の
原因及び再発
防止の
取り組みにつきまして御
説明申し上げたいと存じます。
最初に、これらの問題の
原因について御
説明申し上げます。大きく
三つの
原因があったというふうに考えております。
一点目は、
保険金支払い体制でございます。
自由化以降、新しい商品の開発を積極的に行い、
お客様ニーズにこたえてまいりましたが、
保険金をお
支払いする際の
体制、
支払い漏れを
防止するシステムなどの整備について、商品の高度化、多様化と比べて相対的に立ちおくれていた面があったのではないかというふうに考えております。
二点目は、商品開発
体制でございます。
新商品の開発におきまして、商品部門と
保険金支払い部門の連携が不十分なままで開発を進めることがあったのは否めないというふうに考えております。
三点目は、募集
体制でございます。
社員や代理店に対して実務
教育が十分に行われておらず、そのため、募集時の
確認が適切に行われていない場合もあったのではないかと考えております。
以上、
三つの
体制に問題があったことが
原因であると考えておりますが、全体としては
経営管理
体制が十分ではなかったと猛省をしているところでございます。
続きまして、再発
防止に向けた
取り組みについて御
説明申し上げます。
現在、会員
各社におきましては、このような問題の再発を
防止することを
経営上の最優先課題に位置づけ、発生
原因に基づいた対策を進めております。
まず、
保険金支払いに関する
取り組みでございますが、システムや
体制の整備などを行っております。
具体的には、事故受け付けの時点でお
支払いの
可能性がある
保険金を自動的に登録するなど、
事務的な
ミスを
防止するシステムを整備するとともに、要員の拡充など
体制を強化しております。また、事故受け付けの時点で
お客様に
対象となる
保険金を御
案内したり、
請求書類などをわかりやすくする
取り組みを行っております。さらに、御相談や
苦情を受け付ける専門部署や、外部の
意見を
確認できる不服申し立て窓口を設置しております。
次に、商品に関する
取り組みでございます。
お客様にわかりやすい商品を提供するために、商品数の削減や
特約の廃止、あるいはわかりやすい
説明資料の作成などを行うとともに、商品開発に当たりましては、商品開発部門と
保険金支払い部門が密接に連携する
体制を整備いたしております。
また、
契約の引き受けに当たり、
お客様のニーズに合った商品を適正な
保険料で引き受けるために、
お客様から
確認書面をいただいております。この
確認書面については、動画や音声を使い、わかりやすく御
説明するナビゲーションシステムや、印鑑レス、ペーパーレスで手続を行うシステムなどを導入し、
お客様利便の向上に努めております。
最後に、募集についてでございますが、社員や代理店の
教育プログラムの
見直しなどを行い、レベルアップに取り組んでおります。
他方、損害
保険協会といたしましては、会員
各社の
取り組みをバックアップするための
取り組みを行っております。
まず、
保険金支払いについては、
保険金支払いに関する
ガイドラインに加えて、第三分野商品専用の
ガイドラインを作成しております。また、商品開発については、わかりやすい
保険約款のための
ガイドラインの策定に取り組んでおります。
また、募集については、損害
保険募集人の資質を向上させるために、資格試験のレベルアップを図るとともに、資格の更新制度を導入いたしました。さらに、商品に関する専門試験制度についても検討しております。
なお、
お客様の御
意見を真摯にお聞きするために「
消費者の声」諮問
会議を設置しており、
取り組みに当たっては、この
会議で御
意見をちょうだいしつつ進めております。さらに、今般、全国の消費生活相談員の方からの御
意見を
業務改善に生かす
取り組みを強化しております。
そのほかに、
お客様からの御相談や
苦情への
対応体制の強化や、
お客様の損害
保険についての御理解を促進する
取り組みなどにも力を入れております。
以上、御
説明申し上げましたとおり、損害
保険業界を挙げて、
信頼の回復に向けて懸命に取り組んでいるところでございます。
私
ども損害
保険業界といたしましては、一日も早く
信頼を回復し、安心と安全の提供を通じて国民生活の安定や
社会経済の活性化に貢献するという
社会的使命を果たしてまいりたいというふうに考えております。
議員各位の皆様におかれましては、引き続き御指導賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。ありがとうございました。