○大塚
会計検査院長 平成十八年度決算検査報告につきまして、その概要を御
説明いたします。
会計検査院は、
平成十九年九月七日、内閣から
平成十八年度
歳入歳出決算の送付を受け、その検査を行って、
平成十八年度決算検査報告とともに、
平成十九年十一月九日、内閣に回付いたしました。
平成十八年度の一般会計決算額は、歳入八十四兆四千百二十七億余円、歳出八十一兆四千四百五十四億余円、各特別会計の決算額の合計額は、歳入五百一兆五千三百六十三億余円、歳出四百五十兆五千七百九十五億余円でありまして、会計検査院ではこれらの決算額を確認いたしました。
また、国税収納金整理
資金は、収納済み額六十三兆六千六百七十億余円、歳入組み入れ額五十三兆一千九百七十八億余円でありまして、会計検査院ではこれらの受け払い額を検査完了いたしました。
政府
関係機関の
平成十八年度の決算額の総計は、収入四兆五千三十一億余円、支出三兆七千九百二十七億余円でありまして、会計検査院ではこれらの決算額を検査完了いたしました。
平成十八年度の
歳入歳出等に関し、会計検査院は、国、政府
関係機関、国の出資団体等の検査対象機関について、書面検査及び実地検査を実施いたしました。そして、検査の進行に伴い、
関係者に対して八百余事項の
質問を発しております。
検査の結果、検査報告に掲記した不当事項等について、その概要を御
説明いたします。
まず、
法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項は、合計三百六十一件、百一億六千二百四十七万余円であります。
このうち、収入に関するものは、十一件、三十九億九千七百七十一万余円であります。
その内訳は、租税の徴収額が適正でなかったもの、保険料の徴収額が適正でなかったものなどとなっております。
また、支出に関するものは、三百件、五十四億七千五百二万余円であります。
その内訳は、契約の履行の検査が適正でないもの、委託費の支払いが適正でないもの、医療費の支払いが適切でなかったもの、補助
事業の実施及び経理が不当なもの、貸付金の経理が不当なものなどとなっております。
以上の収入、支出に関するもののほか、現金等が領得されたものは、五十件、六億八千九百七十三万余円であります。
次に、
平成十八年十一月から十九年十月までの間におきまして、会計検査院法第三十四条または第三十六条の規定により
意見を表示しまたは処置を要求いたしましたものは十一件であります。
その内訳は、官報号外等製造加工請負契約に関するもの、豊川用水施設の改築に伴う固定
資産の計上に関するもの、独立
行政法人国立印刷局における土地及び土地譲渡収入などによる
資金に関するもの、農業災害補償制度(農作物共済)の運営に関するもの、信用保証協会に対して行う融資
事業の効果等に関するものなどとなっております。
次に、本院の
指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項は六十五件であります。
その内訳は、木質バイオマス関連
事業により整備した施設の運営
状況の評価に関するもの、不要漁船・漁具処理対策
事業における助成金の分担及び休漁推進支援
事業における助成金の額の算定に関するもの、スマートインターチェンジの社会実験のために整備した設備の取り扱いに関するもの、談合等があった場合の違約金等に係る国庫補助金相当額の取り扱いに関するもの、情報システムの受変電設備等に係る固定
資産の
管理に関するものなどとなっております。
次に、
平成十八年十一月から十九年十月までの間におきまして、会計検査院法第三十条の二の規定により
国会及び内閣に対し報告いたしましたものは二件であります。
その内訳は、さきに御
説明いたしました談合等があった場合の違約金等に係る国庫補助金相当額の取り扱いに関するもののほか、特殊法人等から移行した独立
行政法人の業務運営の
状況に関するものとなっております。
次に、
平成十八年十一月から十九年十月までの間におきまして、
国会からの検査
要請事項に関し、会計検査院法第三十条の三の規定により検査の結果を報告いたしましたものは五件であります。
その内訳は、政府
開発援助(ODA)に関する会計検査の結果に関するもの、日本放送協会における不祥事に関する会計検査の結果に関するもの、各府省等が締結している随意契約に関する会計検査の結果に関するもの、我が国政府
開発援助における無償
資金協力及び技術協力において被援助国が実施する施設の建設や資機材の調達等の契約に関する会計検査の結果に関するもの、
平成十三年度から十八年度までの間に内閣府が実施したタウンミーティングの運営に関する請負契約に関する会計検査の結果に関するものとなっております。
最後に、本院の検査業務のうち特にその検査の
状況を報告する必要があると認め、検査報告に掲記いたしましたものは八件であります。
その内訳は、租税特別措置等(生命保険
関係)の適用
状況等に関するもの、
都道府県における不適正な経理処理に係る国庫補助金等の
状況に関するもの、
国民年金
事業における被保険者資格の適用、保険料収納等の実施
状況に関するもの、福島、和歌山、宮崎各県における国土交通省所管の国庫補助
事業に係る入札・契約の
状況に関するものなどとなっております。
以上をもって概要の
説明を終わります。
会計検査院といたしましては、機会あるごとに
関係各省庁などに対し、適正な会計経理の執行について
努力を求めてまいりましたが、なお、ただいま申し述べましたような
事例がありますので、
関係各省庁などにおいてさらに特段の
努力を払うよう望んでいる次第であります。
次に、
平成十八年度国有
財産検査報告につきまして、その概要を御
説明いたします。
会計検査院は、
平成十九年九月七日、内閣から
平成十八年度
国有財産増減及び現在額総
計算書及び
平成十八年度
国有財産無償貸付状況総
計算書の送付を受け、その検査を行って、
平成十八年度国有
財産検査報告とともに、
平成十九年十一月九日、内閣に回付いたしました。
平成十八年度末の国有
財産現在額は百六兆七千五百六十八億余円、無償貸付
財産の総額は一兆八百四十一億余円になっております。
検査の結果、国有
財産の
管理及び処分に関しまして、
平成十八年度決算検査報告に掲記いたしましたものは六件であります。
その内訳は、不当事項といたしまして、配電設備の改修工事の設計に関するもの、
意見を表示しまたは処置を要求した事項といたしまして、独立
行政法人国立印刷局における土地及び土地譲渡収入などによる
資金に関するもの、本院の
指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項といたしまして、河川区域の一部が廃止されるなどして普通
財産となった土地の
管理等に関するもの、国立公園内の集団施設地区における土地使用料の債権管
理事務等に関するもの、艦艇乗員待機所の仮眠室の
利用の促進に関するもの、
国会及び内閣に対する報告といたしまして、特殊法人等から移行した独立
行政法人の業務運営の
状況に関するものとなっております。
以上をもって概要の
説明を終わります。