○下田敦子君 民主党・新緑風会の下田敦子でございます。
昨日、
能登半島地震による
被災者の皆様に心からお悔やみとお
見舞いを申し上げたいと思います。一日も早い
復旧復興対策を講じることを願ってやみません。
私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、ただいま議題となりました
平成十九年度
予算三案に対しまして、反対の立場から討論をいたします。
平成十九年度
予算案は、骨太方針二〇〇六で示されました五年間の歳出
改革の初年度に当たる
予算として、各経費の単年度の目標は、数字の上では一見一応達成したように見えます。しかし、このところのマスメディアは次のように述べています。
安倍政権三か月、税財政、
成長依存、くすぶる火種、これは
日本経済新聞です。
改革見劣り、
安倍予算、朝日です。それから、財政再建、危うい楽観、毎日新聞。不安定な税収増に依存、読売。来年度
予算、
改革減速させてはならぬ、産経など、いま
一つ安心、納得のいく論評はございません。
平成十九年度の最大のポイントは、国債発行額を抑えたと表現しているところでございます。
安倍総理は、昨年九月の所信表明で、歳出をゼロベースで見直すと言われました。果たしてそうでしょうか。前年度からの税収増は七・六兆円という過去最高額が見込まれる一方で、国債発行額は税収の増加額を下回っています。しかし、このたびの税収が伸びた理由は、小渕
総理時代から開始された定率減税の廃止、一・一兆円の税収増であります。及び、配偶者控除と特別控除が二重に適用できないなど、事実上の増税が国民に強いられた結果の税収増であります。国民の
生活格差は確実に広がりまして、
生活が非常に苦しくなっています。また、新たな国債の発行は二十五・四兆円と、国債発行額は長期的にますます増加することと理論上言えるのではないかと思います。
事ほどさように、財政制度の
基本的な見直しがなされず、財政改善への努力は私は見えません。
道路特定財源の一般財源化の事実上の骨抜き、そして
安倍内閣は参院選挙終了までは議論をしないという
消費税の引上げ隠しなど、民主主義を否定した選挙
対策としか
考えられないこの
予算編成は国民を愚弄するものであります。むしろ、この
消費税問題は参院選の最大の争点として広く国民に知らしめる必要があると私は
考え、国政
報告会の場で申し上げております。
国の債務残高の税収比は夕張市よりはるかに悪化しています。民間の経営感覚から見れば、この国会運営
一つにしても、霞が関のお役所にしても、人、物、金において無駄が多過ぎます。破綻する国の債務を子や孫に残すことはできません。早急に抜本的な財政
改革を望みます。
次に、特別会計の
予算についてですが、十九年度の
改革として、三十一の特会から十七の特会へ統廃合すると掲げています。例えば、先般
予算委員会でも申し上げましたが、石油特別会計と電源特別会計を統合して
エネルギー対策特別会計が創設されるようですが、このことに伴いまして、一般会計と異なる取扱いの整理、つまり、歳入歳出、借入金、剰余金処理等の統一的ルール作り、情報開示の
促進などが必要であります。しかし、現実には
予算説明に特別会計の説明がないので透明性に欠けます。
企業会計を参考にして、資産、負債のディスクローズをしないことには、私は特別会計の
意味がきちんと透明性を持ってでき上がることはないと思います。
次に、財投
改革です。
財投の規模の縮減を掲げていますが、融資計画の内容は特殊法人向けが依然として多く、地方向けが少ないのが
現状であります。また、地方財政計画は七年連続で赤字であります。ただいまも議題になったとおりであります。国と地方の会計、地方交付税、地方への財源移譲をどうするのか、使われ方の問題が今大きな今後の問題と
考えます。
最後に、
総理が書かれた「美しい国へ」の少子国家の未来の項目に、どこまでが国家の役割か、未曾有の超高齢国家に突入する
日本では高福祉国家は
実現不可能であるなどと消極的な
考えが述べられています。この中で、昨年の医療費減額により行き場のない介護難民が急増しています。現場では大変な悩みとして、家族も受け入れる側も悩んでおります。
社会保障費の毎年二千二百億円の減額により福祉切捨てに一層拍車が掛かっております。高齢化・
少子化対策に、
地域社会に貢献しようとする事業に対して、産業構造を変える
意味でも国の特段の配慮を望みます。
また、
生活保護費、なかんずく母子家庭の問題であります。
対象となる母子加算の段階的廃止等を図るなど、このような弱者切捨ての対応は
政府の役割を放棄することのほかにならず、私は強く反対いたします。私事で恐縮ですが、私は母に育てられました、母子家庭の出身者です。
何とぞこのことを心を持って対応していただくようにお願いを申し上げまして、このたびの討論を反対をして終わらせていただきます。
失礼いたしました。(拍手)