○澤雄二君 実は、このタミフルの予防的投与に対する
対応につきましても、二月五日、時間がなくて質問できませんでしたけれども、質問通告でさせていただいておりまして、それに対しても
対応していただきまして、これについても感謝をしたいというふうに思いますが。
予防的投与ということになりますと、治療薬だと五日間飲めばいい、しかし予防的投与ということになりますと、感染期が続いている間ずっと飲み続けなければいけない。例えば、救急隊員だとか社会的機能維持者はそうでございます。そうすると、治療薬よりも多分たくさんのタミフルが必要に将来なるだろうということが思いますので、昨日
予算的措置をしていただきましたが、今後も検討を続けていただいて、これについての見直しといいますか、それも逡巡しないでやっていただきたいなということをお願いしておきます。
次に、お配りしているグラフをちょっとごらんいただきたいというふうに思いますけれども、このグラフは
アメリカのCDCが発見して発表したものでございますが、一九一八年のスペイン風邪のときの
アメリカのフィラデルフィアとセントルイスにおける死者の数の違いをグラフにしたものでございます。
衆議院の
予算委員会で
民主党の末松議員もこのグラフを御使用になっておりました。
このグラフは実数ではございません。十万人単位の都市で同じような
状況が一年間続けばこれぐらいの死者の数になりますということを週間
当たりにしてつないだグラフでございます。ちょっと面倒くさいんですが、お分かりいただけるのは、青色のフィラデルフィアと赤のセントルイスでは死者の数が圧倒的に違うということがお分かりいただければいいというふうに思います。
なぜこんなに違うのか。二枚目の説明を見ていただきたいんでございますが、セントルイスでは一九一八年の十月五日に最初の死亡
報告がありました。それから一週間以内に市長が、いろんな抵抗はあったんでございますが、学校を始め劇場、映画館、市民集会、そこに書いてあるようないろんなイベントの集会、それから開会等を禁止いたしました。市民にはできるだけ外に出るなと。つまり、一種の閉じこもり
戦略作戦をこの市長はやったんでございます。その結果がこのグラフの差になって表れたと。一目瞭然でございますけれども、このことはいろんなことを教えてくれています。
国立感染症の岡田晴恵先生、最近よくテレビに出ておられますが、この岡田先生によりますと、素早い
対応によってセントルイスの死亡率は〇・三%であるのに対してフィラデルフィアは〇・七三%、つまり二倍以上に死亡率が高くなっている。それから、このグラフの差異が出たのは、セントルイスは先ほど言いましたように死亡
報告があってから一週間以内にやった。しかし、フィラデルフィアは二か月以上遅れた。そのときの発症率は一〇・八%になっていた。つまり、感染率ができるだけ低い間にやらなければ効果がないということをこのグラフは表しています。
それで、このグラフで我々が最も注目しなければいけないのは、このときセントルイスとフィラデルフィアの町で何が起きたかということであります。つまり、フィラデルフィアでこれだけ多くの人間が短期日の間に死んだということは、社会的影響を物すごく与えたということであります。つまり、
厚生労働省がガイドラインで守ろうとしている社会機能維持者がばたばたばたと死んでしまった。つまり、救急隊員とか消防士とか警察官だとか、それから電車の運転手だとかそういう人たちが一遍にいなくなった。それから、感染率が高まりましたから、みんな家に閉じこもってしまった。つまり、社会が物すごく混乱して、
生産性も非常に落ちたということであります。それを防いだのがセントルイスだということでありますので、このことが我々が一番注目しなければいけないことだというふうに思います。
このグラフを見て、最初の死亡
報告があってから一週間ぐらい余裕があるのかということは絶対思わないでいただきたい。それはもう移動のスピードが、それから人口密度がこのときと全く違いますので、今は
日本全国二日か三日と言われておりますので、
対応を決断するのに逡巡をしないでいただきたいというふうに思います。
このグラフでもこういうことを教えてくれていますので、そこで、我が国も各省庁ができるだけいろんな準備、
対応をしておくことが大事だと思いますので、少し個別に、省庁別にお話を伺いたいというふうに思います。
最初に、
総務大臣に救急隊員について伺いたいというふうに思います。流行期に入ると多分真っ先に被害を受けるのは医者と救急隊員だと。つまり、一一九番されますので、救急隊員が真っ先に患者と接触をするだろうと。そうすると、何も
対応策がないと、救急隊員というのは次から次へと倒れていくことになります。去年の
予算委員会それから総務
委員会でも
対応についてお伺いしましたが、どのような準備を進めていらっしゃるのか、
総務大臣、お願いします。