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2007-04-18 第166回国会 参議院 本会議 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十九年四月十八日(水曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第十八号   平成十九年四月十八日    午前十時開議  第一 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体   及びシンガポール共和国との相互承認実施   に関する法律の一部を改正する法律案内閣   提出)  第二 道路交通法の一部を改正する法律案(内   閣提出)  第三 温泉法の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)  第四 刑法の一部を改正する法律案内閣提出   )     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改   正する法律案趣旨説明)  以下 議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 扇千景

    議長扇千景君) これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、  社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案について、提出者趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 扇千景

    議長扇千景君) 御異議ないと認めます。柳澤厚生労働大臣。    〔国務大臣柳澤伯夫君登壇拍手
  4. 柳澤伯夫

    国務大臣柳澤伯夫君) 社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  介護福祉士社会福祉士制度につきましては、認知症である方に対する介護など従来の身体介護にとどまらない新たな介護サービスへの対応サービス利用支援成年後見権利擁護等の新しい相談援助業務拡大など、近年の福祉ニーズ多様化高度化への対応が求められております。このような中で、介護福祉士社会福祉士について資質確保及び向上等を図るため、これらの定義義務資格取得方法等を見直すこととした次第であります。  以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、介護福祉士の行う介護を「入浴、排せつ、食事その他の介護」から「心身状況に応じた介護」に改めるなど、定義規定を見直すこととしております。  第二に、個人の尊厳の保持、認知症等心身状況に応じた介護福祉サービス提供者及び医師等保健医療サービス提供者等との連携等について新たに規定するなど、介護福祉士社会福祉士がその業務を行うに当たっての義務に係る規定を見直すこととしております。  第三に、介護福祉士社会福祉士資質向上を図るため、介護福祉士については、一定教育プロセスを経た後に国家試験受験するという形でその資格取得方法を一元化するとともに、社会福祉士については、福祉現場における高い実践力を有する人材養成するための資格取得方法見直しを行うこととしております。  第四に、社会福祉士任用活用の促進を図るため、身体障害者福祉司等任用資格社会福祉士を追加することとしております。  最後に、この法律施行期日は、一部を除き、平成二十四年四月一日としております。なお、介護福祉士資格を取得するために新たに国家試験受験することとなる介護福祉士養成施設卒業者については、当分の間、准介護福祉士名称を用いることができることとしております。  以上が、この法律案趣旨でございます。(拍手)     ─────────────
  5. 扇千景

    議長扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。下田敦子君。    〔下田敦子登壇拍手
  6. 下田敦子

    下田敦子君 民主党新緑風会下田敦子でございます。  質問に入ります前に、昨夜の長崎市長狙撃事件民主主義を脅かす愚行であります。厳重に抗議いたしますとともに、伊藤一長市長の御冥福を心からお祈り申し上げます。  それでは、ただいま議題となりました社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案について、民主党新緑風会を代表して質問申し上げます。  昭和六十一年、東京で開催されました国際社会福祉会議において有力な海外参加国方々から異口同音に指摘されたことが、日本社会福祉制度が予想以上にすばらしく発展している反面、福祉マンパワー専門職の人々が必ずしも十分でないということでございました。古くから社会福祉従事者福祉の核として高く位置付けしてきた欧米の国々の率直な専門家指摘を励みといたしまして、昭和六十二年一月、斎藤十朗厚生大臣の肝いりで、医療福祉分野で新しい専門資格化検討が始まりました。  そして、第百八回通常国会において、我が党の千葉景子議員始め熱心な議員各位の御議論の下、社会福祉士及び介護福祉士法全会一致で、新しい社会福祉専門職が制度化されました。すぐさま、これらの専門家養成施設国家試験などの検討会も組織され、同年十一月には土台となる案ができ上がり、同じく十二月十五日には省令が官報登載となりました。関係者の間にも何か唐突な感や戸惑いの声も聞かれるほどに急激な展開を見た新国家資格の誕生でございました。  昭和六十三年二月、一期校として全国二十五校が厚生大臣指定養成施設となり、介護福祉士養成が始まりました。あれから二十年の月日が経過し、当初二十五校が現在全国で四百九校となり、正に二〇〇七年問題を前にして、特に介護福祉士を取り巻く状況混然一体としてきている昨今であります。このことから重点的に質問をさせていただきます。  そこでお伺いいたしますが、十年後の要介護者は六百四十万人と推計されます。それに対する必要介護職員は百五十六万四千人と推計されますが、その介護職員のうち介護福祉士資格取得者は何人と見込まれますか、お尋ねをいたします。  そして、その資格取得者のうち不就労者仕事に就かない方々が現在推計で二十万人くらい介護業務に就いていないと言われていますが、その不就労理由は主に何であるかを柳澤厚生労働大臣はどのように考えておられますか、お尋ねをいたしたいと思います。  二番目でございますが、このたびの法改正社会援護局福祉基盤課所管であり、訪問介護員、いわゆるホームヘルパー所管老健局所管であります。介護職員資質向上及び確保につながるような法的拘束力は直接には及びません。例えば、ホームヘルパー三級、二級などの方々介護福祉士国家試験を受ける方々実務経験二年、介護職員基礎研修五百時間を社会援護局所管実務経験三年以上ルートとは大幅にレベル差異があります。ホームヘルパーは数的には圧倒的に多く、任用資格者としては現場を支えてきた人たちですが、残念ながら国家資格者ではありません。介護を受ける側からすると、介護に携わる職業人として資質向上を図るべく今回の法改正に同じく歩調を合わせてもらえないことが問題点として残ります。この縦割り行政について、厚生労働大臣いかがお考えでしょうか。  また、平成十六年、社会保障審議会介護保険部会は、ホームヘルパー資格を将来的に介護福祉士資格に統一化し、その質の向上を図るとマスメディアに発表されました。その報道は各社同時に報じられました。今も私の手元にそれらの新聞記事がございます。しかし、このたび老健当局は、そのような発表はしていないし、ホームヘルパーコースはなくしない、理解してほしいとのコメントを出してきました。担当者が替わったにせよ、行政社会保障審議会介護保険部会意見をどのように考えているのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。  次に、介護福祉士資格者をしっかりと介護保険制度に位置付ける任用拡大を図るべく、早急に具現化するべきであると考えますが、厚生労働大臣いかがお考えでございましょうか。  さて、このところ各マスメディアをにぎわしている訪問介護大手会社数社が全国的に展開を図っている事業所で、実際に勤務していないホームヘルパーを常勤とし、偽りの届出を出したり、介護保険法基準以下なのに何千万円もの報酬を水増し請求したり、これらの事業所訪問介護計画書は実際に何の介護をしたのか確認できないなどの実態が発覚いたしました。また、この訪問介護大手会社ホームヘルパーは非正規雇用が多く、その雇用条件給与状況等透明性がございません。  次に問題なのは、ホームヘルパー養成講座全国的に展開しているこれらの訪問介護大手会社等では、その受講生に対し、夜間コースで約一か月の受講料を例えば八万円から十万円を納入させ、その傍ら国教育訓練給付金制度活用し、失業保険支払期間にもよりますが、受講料の四〇%、最大で三万二千円を受給させているシステムがつくられています。例えば、ある大手介護会社は、制度開始から平成十九年一月末までの国の支給総額は百六十二億円にも及んでいます。ちなみに、去る四月二日付けの、同社はほとんどの全国紙や主たる地方紙に一面七段の多額な経費を掛けて受講生募集新聞広告を掲載しています。  そこで、厚生労働大臣にお伺いいたしますが、教育訓練給付金指定講座上位十社の支給先とその支給総額をお答えください。その事業報告内容をまた情報公開できないのはなぜであるかもお尋ねいたしたいと思います。  最後に、介護という一連の高い精神性を有するものを七兆円市場と言われる介護事業として営利目的化し、それに伴うホームヘルパー方々の三Kと称される雇用環境を生みながら介護会社が昨今存在しているというこの事実をどのようにお考えでしょうか。介護大手三社の不正発覚から、不正、過剰受給に対するチェックをどのように取っていかれるのかもお尋ねをしたいと思います。  また、介護保険の総費用の二〇〇七年度予算、二〇〇〇年度の約二倍、七・四兆円に上がりましたが、この国民の納める介護保険料とその介護職員の適正なる教育訓練育成をどのように考えていらっしゃるのかもお伺いいたしたいと思います。  次に、専門的介護福祉士必要性についてお伺いいたします。  これらの介護福祉士在り方については、幅広い利用者に対する基本的介護を提供する能力に加え、より専門的な介護を提供できる認知症専門介護福祉士重度障害者専門介護福祉士ユニットケア管理専門介護福祉士等資格創設について速やかに検討を行い、その人材育成に努める必要に迫られています。その内容と時期等について、具体的方針厚生大臣にお伺いいたします。  ドイツの介護福祉士法、いわゆる老人介護法を見ますと、老人介護士、アルテンプフレーゲリンという資格創設されています。また、デンマークでは、早い時期からカリキュラムを大幅に変えて介護専門職員のペダゴーグという資格がつくられ、更なる介護専門職育成をしています。このたびの法改正に当たって、資質向上を図り、専門家育成をする必要をどのように考えておられるのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。  次に、このたびの法改正准介護福祉士という新資格創設が盛り込まれていますが、本年三月に改正案国会提出される直前に准介護福祉士名称が示されました。関係者やその団体事前説明がなく、時間的にも十分でないことも相まって、ここ一、二か月、戸惑いの声が聞かれます。  昨年の秋、フィリピン政府との経済連携協定合意フィリピン人介護員の受入れが決まりましたが、その時点では試験免除養成施設への入校が想定されていたので、このたびの同法改正に伴い、フィリピン政府との経済連携協定合意にそごを来すおそれがないのか、このことを外務大臣お尋ね申し上げたいと思います。  フィリピン外貨収入の第一位を占めているのは、看護師介護福祉士、しかも英語圏における活動はレベルも高く、ホスピタリティー精神の下、最近はカナダ、イスラエルへの希望者が多く、残念ながら日本への希望者は非常に少ないと聞いております。アキノ大統領から伺いました。  介護福祉士を今の二・五倍から三・五倍に増やすことは急務であります。高校卒業後、専門学校、短期大学、四年制大学、大学院と履修してきた介護福祉士希望者も、このたびの法改正によりすべて国家試験受験することになりました。資質向上のためには一歩前進でございます。  しかし、このたびの法改正に伴う激震緩和措置期間も設けるべきだという声もあり、千八百時間も履修した専門家には介護という専門分野に就職してほしい立場から、准介護福祉士一定期間あるいは特例期間として設けてほしいという声もございますが、厚生労働大臣いかがお考えでございましょうか。  次に、法制定時にわずか二ないし三校だった福祉系高校が、規制緩和の時代だからのツルの一声でその後野放し状態に増え、現在二百二十五校まで増加しています。しかし、その養成内容は、厚生労働大臣指定した養成施設と比較して、教育時間が千六百五十時間に対し千百九十時間、専任教員資格要件人員配置教授要員取得免許内容、例えば、医学一般教科科目医師が担当指導するとあるものが、福祉系高校においては看護師と定めてあります。社会学社会科でそれに読み替えたり、介護実習教科科目がなく、養成施設としての実習、教具、教材が同じ養成なのに差異があり過ぎます。また、元来厚生労働省所管養成なのに、そのほとんどをなぜ文部省のみの指導監督を受けてきたのか、文部科学大臣お尋ねをいたします。  それから、介護福祉士通信教育のみでは許されないのが決まっておりますが、NHKにおいては介護福祉士通信養成が許され続けてきているのはなぜであるか、これも厚生労働大臣にお伺いいたします。  次に、このたび政府経済財政諮問会議で、安倍晋議長の下、柳澤厚生労働大臣により、高齢者団塊世代が家事などの生活支援サービスを提供できるようにするために簡易な資格制度、称して介護サポーター創設すると報じられましたが、この有用性は何であるか。同資格創設介護を取り巻く環境混乱させる、そういうことにおいての整合性はどのように取っていかれるのかもお尋ねいたします。  昨今、介護をめぐる職場環境混然一体とした混乱がここに生じ、少なくともこのたびの法改正まで整理整とんするのに五年の歳月を要していますが、厚生労働大臣いかがお考えでしょうか。  昨年、WHOは介護をサイエンスであると明言しました。介護という作業は、専門的な知識と技術をもって人間の人体や心に接していくものであります。介護サポーター有用性と、その混乱を生むことがいかがお考えであるかもお尋ねをいたします。  次に、法改正社会福祉士の部分についてお尋ねいたします。  また、社会福祉士社会的認知度は低い。そして、介護福祉士配置基準を明確化し、さらに厚生労働大臣お尋ねいたしますが、この有用性任用拡大についていかがお考えでしょうか。  最後に申し上げます。
  7. 扇千景

    議長扇千景君) 下田君、時間が超過しております。簡単に願います。
  8. 下田敦子

    下田敦子君(続) 同法案の一部改正を機に、これから心ある、より質の高い、ホスピタリティー豊かな介護福祉士及び社会福祉士を育て得る環境を願ってやみません。  質問を終わらせていただきます。(拍手)    〔国務大臣柳澤伯夫君登壇拍手
  9. 柳澤伯夫

    国務大臣柳澤伯夫君) 下田議員にお答え申し上げます。  まず、要介護者数の増加に対応した介護福祉士数の将来推計等につきましてお尋ねがございました。  要介護者数の伸びに応じて介護福祉士数が伸びるものと仮定して機械的な試算をいたしてみますと、介護保険事業に従事する介護福祉士数は現在約二十二万人ということでございますが、十年後には約三十四万人に増加すると見込まれます。今後とも、介護福祉士につきましては、介護を支える中核的な存在として引き続きその育成に努めてまいりたい、このように考えております。  また、介護福祉士の転職の主な理由といたしましては、仕事のやりがい、職場人間関係給与水準等であると承知をいたしておりまして、介護業務に従事していない介護福祉士の不就労理由につきましても、これと同様の状況ではないか考えております。  次に、介護福祉士国家試験介護職員基礎研修との関係についてお尋ねがございました。  介護職員基礎研修修了後に実務経験二年で介護福祉士国家試験受験資格を与える取扱いにつきましては、今回の法律案には盛り込んでおりません。  この取扱いは、社会保障審議会意見の中で提案されておりましたが、同時に、このルートにおける基礎研修教育時間、教育内容等在り方について、更に検討を行っていくべきとされていたところでございます。したがいまして、引き続き関係部局間でよく連携を取りながら、介護福祉士教育カリキュラム見直しの結果を受けまして、介護職員基礎研修についても検討を行った上で、その位置付けを考えてまいりたい、このように考えております。  介護職員資格の統一についてお尋ねがございました。  御指摘平成十六年七月の社会保障審議会介護保険部会におきまして、将来、介護職員任用資格介護福祉士基本とすると、こういうことがございましたが、今議員の御指摘のような、統一するとはいたしておりません。当面は、研修強化等によりまして、ホームヘルパー資質向上を図ることを検討する必要があるとの意見をいただいた、このように受け止めているところでございます。  これを踏まえまして、昨年度から新たに認知症ケア医療看護との連携等内容を含む介護職員基礎研修創設したところでございまして、将来的にはホームヘルパー養成研修介護職員基礎研修に一元化し、介護職員についてその資質向上を図ることといたしております。  介護保険制度における介護福祉士任用についてのお尋ねがありました。  介護ニーズ多様化高度化対応して、介護福祉士を始め高度の専門性を有する者が介護保険制度においてもっと評価される必要があると考えております。このため、平成十八年度の介護報酬改定では、訪問介護事業者従業者のうち一定割合以上が介護福祉士であることを要件として、介護報酬に加算評価する仕組み創設したところでございます。  今後とも、介護福祉士取扱いについては、介護福祉士確保に努める事業所評価をどうするかという点も含め、社会保障審議会でも御議論をいただきながら考えていただきたいと考えております。  次に、教育訓練給付指定講座を受講した者に給付された金額に係る総額上位十社についてのお尋ねがございました。  制度創設から本年一月までの間の実績を申し上げますと、一、株式会社ニチイ学館、以下順位は省きます、約百六十二億円、日建学院、約百六十億円、株式会社ノヴァ、約百六十億円、株式会社アビバ、約百五億円、株式会社ヒューマンアカデミー、約八十七億円、株式会社イーオン・イースト・ジャパン、約七十八億円、株式会社メディア・エデュケート、約七十七億円、株式会社東京リーガルマインドが約六十七億円、ベルリッツ・ジャパン株式会社、約五十七億円、総合資格学院、約五十六億円となっております。  次に、教育訓練給付指定講座を運営する教育訓練施設事業報告内容情報公開についてお尋ねがございました。  教育訓練給付指定講座を運営する教育訓練施設からは、指定講座において目標とする資格試験合格実績講座修了後の就職状況等を定期的に報告させております。これらの報告はすべて情報公開の対象であります。合格実績等については既に中央職業能力開発協会のホームページに掲載しており、さらに、講座修了後の就職状況等についても掲載する準備を進めておるところでございます。  介護事業者の不正に対する対策についてのお尋ねがありました。  今月十日に東京都が公表した大手介護サービス事業者に対する監査結果を踏まえ、厚生労働省といたしましても、同日、全都道府県に対して、広域的に事業展開する指定訪問介護事業所に対して速やかに監査を行うよう指示したところであります。  また、平成十七年の介護保険法改正により、一つ、問題のある介護事業者への勧告、改善命令ができるようにするとともに、二つ、指定更新制の導入、三つ、指定欠格事由の追加など、事業者規制を強化し、機動的な監査実施ができるように見直しをいたしたところでございます。  今後とも、不正な事業者に対しましては、地方自治体と連携を取り、厳正に対処してまいる所存です。  次に、介護保険料介護職員教育訓練についてのお尋ねがありました。  介護保険制度においては、事業所介護サービスを提供した際は、介護保険料と公費を財源とする介護報酬が支払われる仕組みになっていることは御高承のとおりでございます。この介護報酬につきましては、介護職員教育訓練に掛かる費用を含めた介護サービスに要する平均的な費用の額を勘案して設定をいたしております。  また、介護職員資質向上のための取組状況につきましては、例えば訪問介護事業所の場合、ほとんどの事業所において研修実施されているところでございます。  いわゆる専門介護福祉士創設についてのお尋ねがございました。  重度認知症障害等困難事例への対応分野において、より専門的な人材養成していくことは必要であると考えております。このため、社会保障審議会意見を踏まえ、専門介護福祉士在り方について、有識者及び関係団体意見もいただきながら早急に検討を行ってまいりたいと考えております。  次に、准介護福祉士についてお尋ねがありました。  今回の改正法案は、介護福祉士資格取得国家試験受験を必須といたしておりますが、現行制度を前提とするフィリピンとの間の経済連携協定との整合性確保にも配慮しつつ、改正趣旨を損なわないよう、当分の間、養成施設卒業者介護福祉士に準ずるものとして准介護福祉士名称を与えることといたしております。  この仕組みはあくまでも暫定的なものであり、今後、関係省庁とも協議、調整を行い、できるだけ早くこの仕組みが必要でなくなる状況になるよう最大限努力してまいりたい、このように考えております。  通信教育による介護福祉士養成についてお尋ねがありました。  福祉系高校につきましては、NHK学園も含め、通学制通信制にかかわらず、広く資格取得の機会を開くため、一定教科目及び単位数を修めた者について介護福祉士試験受験資格を認めているところであります。  今回の改正法案では、介護福祉士資格取得方法の一元化を図るものとする見地から、福祉系高校教育カリキュラムを見直す中で、原則として通信制は認めないことといたしております。現行通信制福祉高校につきましては、平成二十一年度から平成二十五年度までの入学者に限り、一定条件の下で経過的に受験資格を継続して承認することといたしております。  介護サポーターについてのお尋ねがありました。  御指摘の再チャレンジ支援総合プランにおきまして、介護教育、育児など、幅広い分野で新たなチャレンジを目指す高齢者団塊世代等の活躍の場の拡大を推進する方針が打ち出されまして、介護サポーターもこうした取組一つとして位置付けられております。  今後、団塊世代高齢者となっていく中、こうした介護サポーター介護福祉士を始めとした専門職とが適切に役割分担をしながら、高齢者団塊世代を含め、介護に参加する者のすそ野を広げることは重要と考えておりまして、今後、その活用方策については、議員指摘される科学的な側面も含む調査研究を行ってまいりたい、このように考えております。  最後に、社会福祉士認知度社会福祉士介護福祉士配置についてお尋ねがございました。  近年、成年後見権利擁護等の新しい相談援助業務拡大しておりますが、このような実務現場で求められる高い実践力を有する社会福祉士養成が十分に進んでいない状況にあると考えております。  また、社会福祉士介護福祉士につきましては、資格を取得した者にこれに見合った処遇が確保されるよう、今回の改正法案を契機として、施設長等任用要件在り方や、介護保険制度等における取扱いについて、十分検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣麻生太郎君登壇拍手
  10. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 下田議員より一問いただいております。今回の法改正日本フィリピン経済連携協定との関係についてのお尋ねであります。  御指摘のありましたとおり、日本フィリピン経済連携協定は、現行介護福祉士制度を前提として介護福祉士を目指すフィリピン人の方々を受け入れることを定めております。御存じのように、昨年九月、既に署名が終了し、同年十二月、締結についての国会の御承認もいただいておるところであります。  政府としては、准介護福祉士制度を含む今回の法改正によりまして、この協定との間でそごを来すことはないかとのお尋ねでありますが、ないと考えております。また、フィリピン政府との間でも今回の法改正日本フィリピン経済連携協定との関係について説明をいたしておりまして、フィリピン政府の理解も得ているところであります。(拍手)    〔国務大臣伊吹文明君登壇拍手
  11. 伊吹文明

    国務大臣(伊吹文明君) 下田議員から一つ介護福祉士資格についてのお尋ねがございました。  厚生労働省指定を受けております大学等の養成施設修了した者は、御指摘のように、国家試験を経ることなく課程の修了をもって介護福祉士資格を付与されております。一方、厚生労働省指定を受けない福祉系高校は、大学等の養成施設に比べまして教育時間数が少ない等の理由から、必ず国家試験を課すことにより福祉士としての一定の水準を担保いたしております。  この二つのルートがありますが、今回の改正案では、介護福祉士資格向上を図るため、福祉系の高校につきましても、文部科学省だけではなく厚生労働省養成校としての指定をし、その上で、教育時間数の大幅な引上げや教員要件の新たな付加などにより、大学等の養成施設と同等の水準を担保するように法改正が行われることとなっております。(拍手
  12. 扇千景

    議長扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────
  13. 扇千景

    議長扇千景君) 日程第一 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体及びシンガポール共和国との相互承認実施に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。総務委員長山内俊夫君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔山内俊夫君登壇拍手
  14. 山内俊夫

    ○山内俊夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、適合性評価手続の結果の相互承認に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の適確かつ円滑な実施確保するとともに、外国との間で将来締結する相互承認協定についても迅速に対応できるよう国内法の整備を行おうとするものであります。  委員会におきましては、今後締結される相互承認協定の国会承認の必要性、本法に基づく実績が低調な理由とその対応策、認証業務への民間参入の促進と信頼される認証機関の育成、電気通信事業者に対する監督体制の在り方相互承認協定における消費者保護の位置付け等について質疑が行われました。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  なお、本法律案に対し三項目から成る附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  15. 扇千景

    議長扇千景君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  16. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  17. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数          百八十八     賛成            百八十八     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  18. 扇千景

    議長扇千景君) 日程第二 道路交通法の一部を改正する法律案内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長藤原正司君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔藤原正司君登壇拍手
  19. 藤原正司

    ○藤原正司君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、最近における道路交通をめぐる情勢に対応して、交通事故の防止その他交通の安全と円滑を図るため、飲酒運転を行った者等に対する罰則の強化、運転免許を取り消された場合における運転免許を受けることができない期間の延長、七十五歳以上の者に対する認知機能検査制度の導入、七十五歳以上の者及び聴覚障害者が普通自動車を運転する場合の標識の表示義務付け、普通自転車の歩道通行要件の明確化など自転車利用者対策に関する規定の整備、後部座席に係る座席ベルトの装着の義務付け等を行おうとするものであります。  委員会におきましては、溝手国家公安委員会委員長等に対して質疑を行い、また、四名の参考人から意見を聴取いたしました。  委員会における主な質疑の内容は、刑法及び道路交通法改正に伴う飲酒運転等の抑止効果、運転者に酒類を提供した者に対する罰則適用の要件高齢者及び聴覚障害者に対して標識の表示を義務化し、罰則規定を設けた理由とその妥当性、高齢者に対する認知機能検査の在り方、自転車利用者のルールの徹底と今後の対策の方向性、後部座席における座席ベルトの装着率向上策等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願います。  昨日、質疑を終わり、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し八項目から成る附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  20. 扇千景

    議長扇千景君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  21. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  22. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数          百八十七     賛成            百八十三     反対               四    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  23. 扇千景

    議長扇千景君) 日程第三 温泉法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。環境委員長大石正光君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔大石正光君登壇拍手
  24. 大石正光

    ○大石正光君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  温泉は、年間延べ一億人以上が利用し、国民の高い関心を集めていることから、入浴者に対する温泉の成分等についての情報提供の充実が求められております。また、我が国は豊富な温泉資源に恵まれておりますが、その資源には限りがあるため、持続可能な利用を進める必要があります。  本法律案は、このような状況を踏まえ、温泉の保護及び利用の適正化を図るため、定期的な温泉の成分分析とその結果の掲示、温泉の掘削等の許可への条件の付与等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、十年ごとの温泉成分分析を義務化する理由と、これにより期待される効果、温泉成分分析場所の見直しなど温泉に関する情報提供の充実強化、魅力ある温泉地づくりへの支援策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終了し、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  25. 扇千景

    議長扇千景君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  26. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  27. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数          百八十八     賛成            百八十八     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────
  28. 扇千景

    議長扇千景君) 日程第四 刑法の一部を改正する法律案内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。法務委員長山下栄一君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔山下栄一君登壇拍手
  29. 山下栄一

    ○山下栄一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、自動車運転による死傷事故の実情等にかんがみ、事案の実態に即した適正な科刑を実現するため、自動車の運転上必要な注意を怠り、人を死傷させた者に対する罰則を強化するとともに、危険運転致死傷罪の対象となる自動車の範囲を改めようとするものであります。  委員会におきましては、危険運転致死傷罪の対象に二輪車も含める必要性、危険運転致死傷罪の適用の在り方、自動車運転による過失致死傷を新たな犯罪類型とする理由、交通事故再発防止策の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  30. 扇千景

    議長扇千景君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  31. 扇千景

    議長扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  32. 扇千景

    議長扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数          百八十八     賛成            百八十八     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  33. 扇千景

    議長扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。    午前十時四十七分散会