○
白眞勲君 本
委員会の森
委員長、
岡田委員、工藤
委員、
内藤委員、広野
委員、
風間委員、緒方
委員及び私、白の八名は、去る二月二十二日、鳥取県米子市において、
北朝鮮による
拉致問題等に関する実情
調査を行いました。視察
報告書につきましては、
委員各位の机上に配付しておりますが、その概要を御
報告いたします。
まず、鳥取県の藤井喜臣副知事、米子市の五嶋青也助役及び鳥取県警察本部の永原光二
警備部長より、それぞれ説明を伺った後、意見交換を行いました。
藤井副知事からは、「昨年十一月に松本京子さんが県内初の
拉致被害者として認定されたが、
拉致事件発生以来、今年で三十年となり、早期の帰国を願っている。また、県内には
拉致の
可能性がある古都瑞子さん、矢倉富康さん、上田英司さんの三名の
事案があり、県外の方で県内で
拉致されたと思われる広田公一さんの
事案もある。県としては、
人権局に窓口を設け
対応しており、
拉致問題の
解決に地域を挙げて取り組むため、写真パネル展示やブルーリボン、チラシ等の配布、地元新聞への啓発広報掲載などを行っている。国に対しては、家族の方が高齢であることから、一日も早い
解決を願うとともに、
情報が得られた場合、迅速に家族に提供されるよう要望する」旨の
発言がなされました。
五嶋助役からは、「米子市は、国や県に対して
拉致事件の全容解明と早期
解決を求め、併せて特定失踪者問題
調査会による松本京子さんの
拉致被害者の
政府認定を求める署名に対する
協力、ブルーリボン及びチラシの配布、集会や松本京子さんの写真展などの活動を行ってきた。また、米子市議会において「
拉致問題の全容解明と早期
解決を求める意見書」が議決された。今後の取組として、
拉致被害者が帰国された場合の受入れ態勢について検討していく」旨の
発言がなされました。
永原
警備部長からは、「
北朝鮮による
拉致事件は、
我が国の主権を侵し極めて悪質・重要な犯罪であり、県警本部と
関係警察署の間で逐
一連絡を取り、警察庁、
関係都道府県警察等とも
連携を取り、全容解明に向け現在に至っている。
拉致被害者の松本京子さんの捜査を始め、特定失踪者についても、
拉致を含めたあらゆる
可能性を視野に入れて捜査を進める方針である。このうち、松本京子さんの
事案は、昭和五十二年十月の発生当初に捜索願を受理し、同時に発生した傷害事件と併せて捜査を行い、平成十六年には御家族からの国外移送目的略取誘拐罪の告発状を受理し捜査を進めてきたところであるが、真相解明につながる手掛かりは得られなかった。平成十四年に
北朝鮮が
日本人
拉致を認め謝罪したこと等を契機に、個々の
事案について捜査方法の見直し等の検討を行い、その結果、昨年十一月の
政府認定となった。矢倉富康さんの
事案は、昭和六十三年八月に漁船で境港を出港後、
海上で行方不明になり、当初は
海上保安庁が捜索に当たったが、平成十四年以降、警察が捜査を開始した。古都瑞子さんの
事案は、昭和五十二年十一月に米子市内で行方不明となった後、同年十二月には公開手配を行った。広田公一さんの
事案は、昭和五十九年七月に大山登山に行くといって行方不明となり、遭難救助隊、警察等合同で大山一帯を捜索した。上田英司さんの
事案は、昭和四十四年十一月に東京の下宿先から京都に行くといって行方不明になり、家族から警視庁に捜索依頼が出され、鳥取県警においても捜査を行った」旨の
発言がなされました。
次いで、
拉致被害者・特定失踪者の問題などについて、特定失踪者問題
調査会の杉野正治常務理事、
拉致被害者の松本京子さん、特定失踪者の古都瑞子さん、矢倉富康さん及び上田英司さんのそれぞれの御家族である松本孟さん、古都資朗さん、矢倉三夫さん及び上田淳則さん、
北朝鮮に
拉致された
日本人を救出する鳥取の会の今岡祐一会長より、それぞれの意見を伺った後、意見交換を行いました。
杉野常務理事からは、特定失踪者の
調査、特定失踪者家族の
支援、
情報発信・収集など同
調査会の取組について説明が行われました。
松本孟さんからは、「安倍
総理は
拉致被害者全員を救出すると言っておられるが、被害者の中には亡くなった方もおられると思うのでそういう方の遺骨を持ち帰れるようにしてほしい。また、これまでの
人道的
支援で行われた米や穀物の
支援が結局
北朝鮮を助けている。今回の六
者協議を受け、
支援することになっているが、
拉致問題が
解決するまでは
日本は絶対に援助してほしくない。日朝の
作業部会が開かれることになったが、経緯を見守りたい」旨の
発言がなされました。
古都資朗さんからは、「昨年十一月の松本京子さんの
政府認定は大変よかった。小泉
総理が五人の
拉致被害者を帰国させてから五年経過したが、
政府認定者はようやく十七名である。このようなスピードでは全員が認定されるのに何年掛かるか分からないと危惧している。認定のあるなしにかかわらず、全員救出をお願いしたい。
経済支援のカードを効果的に使いながら、家族の夢をかなえてほしい」旨の
発言がなされました。
矢倉三夫さんからは、「現在の国際
情勢や
北朝鮮という国を
考えれば、これまでの方法を変え、早急に
解決するしかない。非核三原則や憲法九条といったきれい事を並べていても、
北朝鮮は相手にしない。
北朝鮮と対等な
立場で交渉しなければ
解決しない」旨の
発言がなされました。
上田淳則さんからは、「弟が昭和四十四年十一月以来行方不明になっているが、当時は
拉致のことは思いも寄らなかった。弟が
北朝鮮で生きているのではないかと思っている。父は二年前に他界し、母は健在だが高齢で体が弱くなっている。できるだけ早い
解決をお願いしたい」旨の
発言がなされました。
今岡会長からは、「平成十二年六月の結成以来、啓発活動、署名活動、講演会、座談会等を行っている。昨年十一月の松本京子さんの
政府認定後、県内の関心が高まった。他方で活動に対する妨害もある」旨の
発言がなされました。
次いで、
北朝鮮拉致問題早期
解決促進鳥取県議
会議員連盟の廣江弌会長及び長岡和好幹事長から議員連盟の活動について説明を
聴取いたしました。
意見交換終了後は、松本京子さんの
拉致容疑現場である米子市内の自宅近辺の
状況を実地に
調査いたしました。
以上が
調査の概要であります。
今回の
調査により、鳥取県における各
事案の
状況、
拉致被害者とその御家族に対する
支援の在り方等について
認識を深めるとともに、
拉致問題の一日も早い
解決について思いを新たにした次第であります。
最後に、今般の
調査に当たり、鳥取県、同警察本部、米子市を始め御
対応いただいた
関係者の皆様方に対し心から感謝を申し上げます。
以上でございます。