○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
私は、
被告人質問の問題に少し絞って
質問をさせていただきたいというふうに思います。
今日、午前十一時過ぎから東京地方
裁判所に見学に行かせていただきまして、大変勉強になりました。
そこで、私は、これは現実の
事件ではありませんけれども、
委員の皆さんと一緒に
被害者の
意見陳述、現行法で認められております
被害者の
意見陳述というものをモデルを使って初めて聞かさせていただきました。文書を読み上げておられたわけでありますけれども、
裁判員席に同僚の先生方と一緒に座って、そして、目の前で
被害者の
意見陳述というものを聞かさせていただきました。それだけでも大変迫力を
感じました。多分、現実の
裁判では文書を読まれるのか、あるいは生の
言葉で話をされるのか、あるいは表情はもっと生々しく伝わってくるんだろうというふうに思いまして、これが更にいわゆる
求刑意見まで入ったときにどうなるのかなというイメージをかなり具体的に持つことができまして、大変勉強になりました。
私は非常に驚きましたのは、先ほど簗瀬議員の論議の中にもありましたけれども、
被害者の
意見陳述といっても、現在、この
法案で新たに創設されようとしている
求刑意見、事実と
法律の
適用に関する
意見と一体どこが違うのかなというふうに見まがうほど非常に具体的に
お話をされておりました。
殺人事件で、そしてその遺族の方が言わば
意見を言うんですけれども、自分の父と同じように極刑に処していただきたいということも言っておりましたし、あっ母ですか、お母さんと同じように
被告人には極刑に処していただきたいということも言っておりましたし、あるいは
被告人はいろんなことを言っていますけれども、これは違うということをかなり具体的にその事実に踏み込んで、
証拠の引用等ありませんでしたけれども、事実についても、ここは違う、これはこうだというようなことをかなり細々と言いながら遺族の無念の気持ちを切々と訴えておられました。
私は、こういう現行法の二百九十二条の二で定められている被害に関する心情その他の
被告事件に関する
意見の
陳述がこういう、今日私が東京地方
裁判所で一つのモデルとして体験させていただいた形で、多分あれは、披露されたのは、
通常こういう形で行われているんだろうということで、それで示されたと思うんですが、こういう形で行われているなら、なおそれ以上、具体的な事実あるいは
法律の
適用、つまり
求刑までする必要というのは具体的にどこにあるのかなというふうに非常にやっぱり思えてなりませんでした。
というのは、昨日の
参考人質疑の中でも
参考人の一人が、いろいろ
意見はあるけれども、少なくとも
求刑までは
被害者にさせるというのはやっぱりいろいろ問題がある、これは
弁護士だけではなくて、法曹界の自分は多数の
意見ではないかと、自分が体験した範囲内ではですね、そういうふうなことまでおっしゃっておられた後で私は今日の体験をしまして、現在もあそこまで行っているなら、更になぜ言わば具体的な
求刑までする必要があるんだろうかと、その辺の必要性とかあるいは趣旨、目的について率直な疑問を持ってしまったわけなんですが、いかがでしょうか。