○水岡俊一君 ちょっと局長も苦しいんだろうと思いますけどね。いやそれは、ちょっとやっぱりこれは
答弁にはなっていないと思いますよ。やっぱりこれは、きちっと
教員の免許制をどうするかということの本質から論理が組み立てられていないということをそれはちょっと露呈しているんじゃないですか、それは。私は、そういう
意味でもっと、外部の圧力は別にして、
文科省の確固たるそれこそ自信と誇りを持ってやってほしいと私は思いますよ。
確かに、
教員が十年を迎える、つまりは中堅として活躍しなきゃいけないという立場に置かれるときに、多くの勉強をしなきゃいけないということは私も思うんですよ。それというのは、でも、例えば三十時間あるいは五十時間受けたとしても、もっと百歩譲って百時間受けたとしても、そういうものを講習の中ですべてカバーするということはまずできないですよ。これはやっぱり日々の
取組の中で、自己研さんもあるでしょうし、仲間同士の高め合いもあるでしょうし、また、力のある、
指導力のある大学の
先生なりの指導も受けながらやっていくということも、これは必要なんでしょう。でも、
教員というのはばかではないですから、自分たちでレベルアップしたいという思いそれから自分たちが
研修をしたいという意欲、そういったものを大事にする中でこそこれは実現するものだと私は思うんですね。
そこで、講習
内容についてどうかという問題は、今言ったように論理がどう組み立てられているかということの大きな表れだと思うからこそ、ちょっとまた自分の話で恐縮ですが、
お話を申し上げたいんです。
どういうことを言うかというと、つまり
教員に求められる、じゃ中堅の
教員として、あるいはベテラン
教員としてどういうことが求められるかというのを、
学校の
教員を経験した人と
学校以外から見ている人たちと、これは大分ずれが僕はあると思うんですね。それはもうしようがないですよ。それをやっている人と、それを外から見ている人、あるいは親の立場から思う気持ちってありますから、それはずれがあるんですよ。
例えばの話をしますね。私が
教員だったころを思い出して考えてみますと、六校時の授業が終わります。ピンポーンとチャイムが鳴ります。六校時の授業が三時十分に終わりました。理科の授業が終わりました。
子供たちが礼をして出ていきました。残念ながら割れたビーカーがあるのでそれを片付けて、それが薬品の瓶に影響を及ぼしていないかということをチェックをしながら理科室でがたがたやっていると、もう掃除が始まって全校ざわざわとしている。
しかし、そういう中にあって、先日もやけどの事故が起こったから、ごみ焼き場にすっ飛んでいって、
子供たちがそういったやけどを負わないようにちょっと監視をしなきゃいけないと思ってすっ飛んでいくんですよ。そうしているうちに
子供たちがやってくるんです。
先生、
先生、トイレが詰まってる。じゃ、トイレが詰まってるんだったらちゃんとこういう器具を使って取れと、こういうふうに指示をするじゃないですか。そしたら、やりますと言って、やった。
先生、今度は何かお菓子の袋とかたばことか出てきた、どうしましょうと、こうまた、じゃすっ飛んでいく。
そういっている間に、終わりの学活の、学級活動の時間になる。そうすると、今日はどうしても次の野外活動のための実習費を集めなきゃいけない。そういうお願い文書を
子供たちにちゃんと配らなきゃいけないから、それを持ってすっ飛んで上がっていく。それを配りながら、
子供たちの顔を見ながら、いつもお金がなかなか納められなくて困っている子がどんな顔をしているのかということも少し気になりながら見てなきゃいけない。そうして、その終わりには、次の学習
発表会のクラスの出し物についてちゃんと指示をしておかなきゃいけない。
こうやっているうちにチャイムが鳴って、今度は部活動が始まる。部活動が始まっていると、呼びに来るわけですよ。
先生、
先生、今日の練習は試合の形式をするから、
先生審判してくれないと困るんだと言うから、また走っていって審判をする。そうしていると、校内アナウンスで、水岡
先生、すぐ会議室へ来てくださいと。何か。修学旅行の企画会議ですよ。企画会議で、修学旅行をどうやってやるんだ、何か
子供たちに参加学習的なことをできないかとかという企画をし、そしてそれをレポートを書く。レポートを書かなきゃいけない、これはいつまでに書かなきゃいけないか、あさってまでには書かなきゃいけないと言っているときに、
子供たちは部活が終わって下校する。下校すると、今度は、自転車通学ですから、事故が起きないようにまた交通指導に出ていかなきゃいけない。
こういうのが
学校六時間目が終わってからの
教員の一こまですよ、これが。こういう中にあって、
教員の専門性であるとか、あるいは中堅
教員の信頼であるとか、あるいは頼りになる
教員、先輩格としてやっていかなきゃいけないという
資質を磨かなきゃいけないわけですよ。
だから、こういうことを
文科省の方には是非考えていただいて、そういう
教員を支援しようではないかと、
教員の力を高めて、それが
子供に向かうようにもっともっと支援してやろうじゃないかということがあるんなら、僕は五十歩も百歩も譲って、そういう免許の更新制もそれは考えようということになるわけです。
だからこそ、民主党の案の中には、
教員の力を高めるためにどういう支援の仕方があるのか、それは裏付け
教員の話もあるし、あるいはそういった機会をちゃんと保障していこうとかいうことをやっているわけですから、是非このことについてはお考えをいただきたいと思うんですが、
大臣、いかがでしょうか。