○
鈴木寛君 これ、総理、今慎重にということでございますが、もう少し踏み込んで御検討いただけないかと。
これ、私思いますのは、やっぱり今、我々はどういうつもりで
教育再生の議論をしているかと、こういうことだと思うんですね。その
基本問題だと思うんですね。
基本姿勢だと思うんです。すなわち、日本の
教育というのは戦後一貫してトップレベルにありました。しかし、この二〇〇〇年に入って急速に、例えば読解力とかコミュニケーション
能力で申し上げると、二〇〇〇年に国際学力調査でいうと八番になってしまって、二〇〇三年に十四番と、急速に落ち込んでいるわけですね。
このコミュニケーション
能力とか読解力というのは、単に学力だけの問題ではなくて、正に今問題になっているいじめとか引きこもりとかあるいはニートとか、こういう問題のやっぱり根底にもあることでありまして、これを何とかやっぱり本当に総掛かりで上げていこうと。そのことは私たちも全く同じ思いで前国会から総理、
大臣とも一緒に議論をしてきたと思うんです。
それで、特に中を分析してみますと、やっぱり塾に行けないお子さんあるいはスポーツ教室に行けないお子さん、今は学力だけじゃなくて体力のこの学力格差も問題になっていますよね。でありますから、公
教育をきちっと立て直して、もう一回この世界一の
教育立国を目指していこうではないかと、こういうことで議論をさせていただいているんだというふうに思います。
確かに、今、大体五千人弱でしょうか、
修士の枠というのは。二万人ということになりますと一万五千人の枠が必要だと、こういうことで、そこについては慎重にと、こういうことなんですが、私は、だからこそ正に国会の最大の
課題で、これ結局、財務省とか
文部科学省にお任せをしていたんであればこの一万五千というところの定数は埋まらないと思います。しかし、そこで正に政治的リーダーシップでこの一万五千に向けて、もちろん来年からというわけではありません。しかし、大きな
方針をきちっと決めて、五年とか十年とかという
目標を持ってこの一万五千を埋めていこうと、こういう議論に私は是非この国会の議論をしていきたいと。
実は、この場は今日は
文教科学委員会ですが、
文教科学委員会は私は六年間所属させていただきましたが、この六年の間に二つの
修士化というのをやっているんですよ。それは、一つは二〇〇二年にロースクールというのをつくりました。法科大学院です。これ総理も御承知のとおり、今までは法学部を出て、そして大変難関な司法試験を受けてそこから法曹、弁護士とか検事さんとか裁判官になると。これはまあ、もちろん優秀なすばらしい人徳の方も大勢いらっしゃるんですけど、余りにも過酷な司法試験によってその才能に偏りがあるということで、もっと、きちっと
修士課程をまじめに通えば、まあ半分ぐらいの方々が法曹になれると、こういうことで、
基本的には法曹人材というのは
修士化をするということでやりました。そして、本当に大勢の方の御努力によって、今七十を超える大学に法科大学院ができて、そこで六千人の方が正に法曹を目指して頑張っておられるわけですね。とかですね、あるいは二〇〇四年にも薬剤師、これを六年制にしました。これも今、毎年薬剤師というのは八千人なんです。
ですから、その法曹人材で、法曹人材になるのは三、四千人ですけれども、しかしその枠としては六千人の枠を
確保し、薬剤師についても今こうした方向に向けて頑張っているわけです。薬剤師の八千人ができて、弁護士の六千人ができて、そして今、安倍
内閣、一番大事だと。私も
教育、本当に大事だと思います。恐らく、
国民の皆さんも裁判官とか弁護士とか薬剤師と同じように教師は大事だというふうに恐らく思っていただけると思うんです。合意いただけると思うんです。この問題にあと一万五千人、何とか取り込めないだろうかという御
提案を申し上げているわけです。
先ほどお話ありましたように、今すべての大学生の数というのは三百万人いるんですよね。三百万人の中でそれこそめり張りを付けて、もちろん奨学金なんかはちゃんと、ロースクールのときもつくりましたから
教職大学院向けの奨学金もつくらなきゃいけないと思います。私たちもそういう
提案をしています。もちろん、お金は多少掛かりますけれども、しかし本当に今危機的にあるこの日本の
教育を立て直すために、ここは是非、昔は、私は、昔いいことも悪いこともありましたけれども、やはり師範
学校というのはなかなか良かったと思うんですよ。やはり戦前、戦後、先生になる、正に帝大に行くよりも東京高等師範に行くということは
社会的にも尊敬を集め、それぐらいのステータスがあった、総理もそのことは御賛同いただけると思いますが。
やっぱり、そういう中で、今ほとんどのこうした専門職ですね、プロフェッショナルが六年制になっていると。この実態を踏まえて私たちは真剣に予算のことも
提案をさせていただいていますんですが、もう一度、積み上げの議論ではなく、正にリーダーシップをここで発揮していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。