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2007-06-12 第166回国会 参議院 農林水産委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十九年六月十二日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月三十一日     辞任         補欠選任         岩城 光英君     中島 眞人君      野村 哲郎君     南野知惠子君      松下 新平君     山本 孝史君      山本  保君     渡辺 孝男君  六月一日     辞任         補欠選任         中島 眞人君     岩城 光英君      南野知惠子君     野村 哲郎君      岡崎トミ子君     小川 勝也君      前田 武志君     谷  博之君      山本 孝史君     松下 新平君  六月四日     辞任         補欠選任         野村 哲郎君     山下 英利君      松下 新平君     若林 秀樹君  六月五日     辞任         補欠選任         岩城 光英君     山崎 正昭君      山下 英利君     野村 哲郎君      小川 敏夫君     平田 健二君      若林 秀樹君     尾立 源幸君      福本 潤一君     風間  昶君  六月六日     辞任         補欠選任         山崎 正昭君     岩城 光英君      尾立 源幸君     松下 新平君      平田 健二君     小川 敏夫君      風間  昶君     福本 潤一君  六月七日     辞任         補欠選任         岩城 光英君     山東 昭子君      野村 哲郎君     北岡 秀二君  六月八日     辞任         補欠選任         北岡 秀二君     野村 哲郎君      山東 昭子君     岩城 光英君      福本 潤一君     山本 香苗君  六月十一日     辞任         補欠選任     ツルネン マルテイ君     芝  博一君  六月十二日     辞任         補欠選任         小川 勝也君     尾立 源幸君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         加治屋義人君     理 事                 岩城 光英君                 常田 享詳君                 主濱  了君                 和田ひろ子君     委 員                 岩永 浩美君                 国井 正幸君                 野村 哲郎君                 小川 敏夫君                 尾立 源幸君                 芝  博一君                 松下 新平君                 山本 香苗君                 渡辺 孝男君                 紙  智子君    国務大臣        農林水産大臣   赤城 徳彦君    副大臣        農林水産大臣  国井 正幸君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       永岡 桂子君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木 朝雄君    政府参考人        公正取引委員会        事務総局審査局        長        山田  務君        総務大臣官房審        議官       門山 泰明君        総務大臣官房審        議官       岡崎 浩巳君        外務大臣官房審        議官       本田 悦朗君        厚生労働省医薬        食品局食品安全        部長       藤崎 清道君        農林水産省総合        食料局長     岡島 正明君        農林水産省消費        ・安全局長    町田 勝弘君        農林水産省経営        局長       高橋  博君        農林水産省農村        振興局長     中條 康朗君        林野庁長官    辻  健治君        水産庁長官    白須 敏朗君        国土交通大臣官        房技術参事官   林田  博君        海上保安庁警備        救難部長     石橋 幹夫君    参考人        独立行政法人緑        資源機構理事長  前田 直登君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○農林水産に関する調査  (WTO農業交渉及びEPA交渉に関する件)  (農林水産物輸出に関する件)  (米政策改革及び担い手育成に関する件)  (福島県沖の貨物船ジェーン号座礁事故対策に  関する件)  (地方公共団体森林環境税等に関する件)  (独立行政法人緑資源機構問題に関する件)  (赤城農林水産大臣への政治献金に関する件)     ─────────────
  2. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、山本保委員前田武志委員岡崎トミ子委員福本潤一委員及びツルネンマルテイ委員委員辞任され、その補欠として渡辺孝男委員谷博之委員小川勝也委員山本香苗委員及び芝博一委員選任をされました。     ─────────────
  3. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと思います。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事岩城光英委員を指名いたします。     ─────────────
  5. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) この際、赤城農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。赤城農林水産大臣
  6. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 農林水産大臣を拝命いたしました赤城徳彦でございます。  委員長を始め委員の諸先生におかれましては、日ごろから農林水産行政推進に格段の御理解と御支援をいただいているところであり、この機会に厚く御礼を申し上げます。  山本国井両副大臣、福井、永岡大臣政務官共々、農林水産行政推進全力を挙げてまいる考えであります。  委員長を始め委員皆様方の御指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  農林水産委員会の開催に当たりまして、当面の課題に関する私の考え一端を申し上げます。  まず、去る五月二十八日に逝去された松岡利勝大臣の御冥福を謹んでお祈り申し上げるとともに、深く哀悼の意を表します。  農林水産業農山漁村は、食料安定供給はもとより、国土自然環境保全、良好な景観の形成といった多面的な機能を有しております。農林水産業を健全な姿で維持発展させるとともに、活力ある農山漁村づくり推進することが、豊かで安定した国民生活実現し、美しい国づくりを進めるに当たっての基本であると考えております。  現在、農林水産行政をめぐっては、WTOEPA交渉への対応や、品目横断的経営安定対策を始め本年度から開始した農政改革の円滑な実施、更なる改革としての農地政策具体化など、内外にわたる多くの政策課題に直面しております。  こうした折、農林水産大臣を拝命し、その責任の重大さを痛感しています。全力を傾注し、農林水産政策推進する考えでありますので、よろしくお願いを申し上げます。  以下、当面する主な課題取組方針について申し上げます。  その第一は、国家戦略としての食と農に関する基本政策推進です。  現在、大詰めを迎えつつあるWTO農業交渉については、各国との連携を図りつつ、食料輸入国としての我が国主張交渉結果にできる限り反映されるよう、全力を挙げてまいります。また、日豪を始めとしたEPAFTA交渉については、WTOを中心とした多国間貿易体制を補完するものとして、国内農林水産業への影響を十分踏まえ、守るべきものはしっかり守るとの方針の下、政府一体となって、各国地域との交渉に戦略的に取り組んでまいります。  また、最近、途上国経済成長バイオ燃料需要の増大、地球温暖化の進行など、国際的な食料事情が変化している中で、我が国は、世界最大食料輸入国として新たな食料戦略確立していく必要があります。このため、国際的な食料情報を一元的に収集、分析する国内体制整備するとともに、食料をめぐる諸問題について国民全体で認識を共有するため、国民的な議論を喚起していきます。  さらに、我が国農林水産物食品輸出促進については、平成二十五年までに輸出額を一兆円規模にするという目標の達成に向け、輸出環境整備品目別の戦略的な取組日本食日本食材の海外への情報発信等に重点的に取り組みます。  第二は、国内農業体質強化です。  本年四月から、品目横断的経営安定対策導入米政策改革推進対策の見直し、農地・水・環境保全向上対策導入という三本の柱から成る政策改革を一体的に実施に移しているところです。農業従事者の減少、高齢化経済グローバル化の進展など、我が国農業を取り巻く状況が変化する中で、関係機関団体と連携協力しつつ、担い手への施策集中化重点化により構造改革を一層推進し、競争力を備えた農業経営育成確保を加速化します。  また、農業の最も基礎的な生産基盤である農地政策改革は、残されている大きな課題であります。担い手への農地面的集積を加速化するとともに、新規参入促進優良農地確保耕作放棄地発生防止など総合的な観点から、農地政策の全般にわたる改革を進めます。  このほか、生産流通などの各段階を通じた食料供給コストの縮減の取組を強力に推進するとともに、農協の経済事業改革を進めます。  以上のような政策推進に当たっては、イノベーションや知的財産の力を活用していくことが重要です。ITやロボット等先端技術活用して生産性や品質の向上を図るほか、知的財産の戦略的な創造、保護、活用を進めます。  第三は、国民消費者の視点に立った食料政策展開です。  食品の安全に対する国民関心が高まっている折、食品企業に対し、関係法令の遵守を徹底するとともに、衛生管理改善等取組支援します。また、食品の安全と消費者信頼確保に向け、農業生産食品加工への工程管理手法導入推進食品表示適正化等を進めます。  さらに、食育を一層推進するため、教育ファーム農山漁村での子供たち長期宿泊体験活動を一層推進し、食や農への理解の増進を図ります。  米国産牛肉の輸入については、昨年七月に輸入手続を再開し、現在日米間で合意した対日輸出プログラムの検証を行っているところであります。我が国としては、食の安全と消費者信頼確保を大前提に、科学に基づいたステップをきちっと踏んで対応することが重要と考えており、厚生労働省と連携して適切に対応してまいります。  第四は、地球温暖化対策等資源環境対策推進です。  農林水産業は、バイオマスなど再生可能な資源生産活用などを通じ、循環型社会実現地球環境保全に貢献するものです。  バイオマス利活用については、平成二十三年までに国産バイオ燃料を五万キロリットル生産することを目指すとともに、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大に向けて技術開発等推進します。  また、食品関連事業者農林漁業者リサイクル業者等と連携して行う食品リサイクルを一層推進します。  さらに、農林水産分野における地球温暖化防止策等に関する総合戦略を策定するなど、地球環境保全に積極的に貢献する農林水産業実現を図ります。  第五は、美しい国の原点である農山漁村地域を守り、活性化する政策推進です。  農山漁村活性化に関しては、本国会で成立した農山漁村活性化のための定住等及び地域間交流促進に関する法律に基づき、地域創意工夫による取組を総合的に支援してまいります。  また、野生鳥獣による被害については、農林水産業のみならず、農山漁村に暮らす人々の生活にも大きな影響を与えることから、被害広域化深刻化に対応した対策充実強化を図ります。  第六は、森林林業政策推進です。  我が国国土の三分の二を占める森林は、安倍内閣の進める美しい国づくりの礎であります。先人から引き継いだこの財産を守り、次の世代に引き継いでいくため、幅広い国民理解協力を得ながら、政府一体となって美しい森林づくり展開していきます。  また、昨年九月に閣議決定された新たな森林林業基本計画に基づき、多様で健全な森林整備保全国産材利用拡大を軸とした林業木材産業の再生、国民の安全、安心確保のための治山対策を柱に、具体的な施策を総合的に推進していきます。  特に、地球温暖化防止に向けた国際約束達成のため、間伐の推進など森林吸収源対策取組を加速してまいります。  なお、談合問題を起こした緑資源機構については、廃止する方向で検討することといたします。受注法人林野庁事業、人事、組織の在り方も含め、幅広い検討を行っている第三者委員会議論を踏まえ、早急に再発防止策を取りまとめ、一刻も早く国民に対する信頼回復を図ってまいります。また、これに関連して、官製談合再発防止や再就職の在り方について検討してまいります。  第七は、水産政策展開です。  本年三月、新たな水産基本計画を策定しました。これは、水産物安定供給環境生態系保全、居住や交流の場の提供など、水産業漁村の有する多面的機能が適切に発揮され、国民期待にこたえる水産業漁村確立するための新たな政策指針となるものです。  この基本計画に基づき、水産資源回復管理推進漁船漁業水産物流通システム構造改革、新たな経営安定対策導入新規参入促進、漁港、漁場、漁村総合的整備推進を始めとする水産政策改革を早急に進め、力強い水産業確立を図ってまいります。  以上、当面の課題に対する私の考え一端を申し上げました。  我が国は、国土が急峻、狭小で、経営規模が小さいなど農業生産にとっての制約が多くある一方で、国土は南北に長く、亜寒帯から亜熱帯まで気候や風土が多様であるなど自然環境に恵まれている面もあります。そうした中で、我が国は、購買力が高い消費者が数多く存在する世界でも有数の食料消費市場となっており、消費者のニーズにこたえ、高度な技術やノウハウに基づき、世界に誇れる優れた農産物を生産、供給できる農業者も数多く存在しています。こうした我が国農林水産業農山漁村が有している潜在能力を最大限に発揮すれば、これを二十一世紀にふさわしい戦略産業として発展させることが可能であると考えています。  農林水産業が大転換期にあるときだからこそ、私は、あらゆる面において攻めの姿勢で我が国農林水産業の将来展望を切り開いていきたいと考えています。その際、関係者が、これらの改革の先に明るい展望を見通せ、よし、やってみようと前向きに取り組むこととなるような政策展開に努めていきたいと考えています。  委員各位におかれましては、農林水産行政推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう、切にお願い申し上げる次第であります。     ─────────────
  7. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、公正取引委員会事務総局審査局長山田務君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  9. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、独立行政法人緑資源機構理事長前田直登君を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  11. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  12. 常田享詳

    常田享詳君 おはようございます。自民党の常田享詳でございます。  まず、質問に入らせていただく前に、改めて松岡大臣の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、深く哀悼の意を表したいと思います。  赤城大臣におかれましては、諸課題国内国外ともに山積の下で、大変な状況下でありますけれども、是非ともこれまでの御経験を生かされ、御活躍を心から御期待申し上げる次第であります。  大臣とは、特に私は貿易調査会水産調査会等で大変御指導いただきました。その力量、識見は私も十分高く評価をさせていただいております。また、大臣は防衛庁の副長官も歴任されました。そういった意味で、その甘いマスクとは違って極めてしんが強いということも私は承知いたしております。そういった点にも大きな期待を掛けさせていただきたいと思います。  ただいま大臣から所信の表明を聞かせていただきましたが、その中で、時間がありませんので、WTOFTAのみに限って質問をさせていただきたいと思います。  WTO交渉につきましては、大変正に今重要な時期に差し掛かっているというふうに認識しております。交渉の現状を見ますと、先日、ファルコナー農業交渉議長我が国にとって非常に難しい内容を含む議長ペーパーを発出したところであります。さらに、六月末ごろにはモダリティー案改訂版が提示される予定と聞いております。G4を始め主要国による協議が活発に日本頭越しに行われているということも聞いております。  正に、先ほど申し上げましたように、正念場を迎えております。食料輸入国としての我が国主張交渉結果にできる限り反映されるように、今次ラウンドが成功裏に終結するように、赤城大臣に引き続き松岡大臣同様しっかりと交渉に臨んでいただきたいと思います。  我が国農業にとって非常に重要な課題であるWTO農業交渉に臨む赤城大臣決意をお伺いしたいと思います。
  13. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 常田委員にお答えをいたします。  常田委員におかれましては、これまでも農林水産政策に多大なお力添え、また御指導をいただいておりまして、誠にありがとうございます。  常田委員指摘のように、WTO交渉、大変長い経過がありますけれども、いよいよ重大な局面に来ていると考えております。  御指摘のそのファルコナー・ペーパー、これ四月の末に農業交渉議長ペーパーとして出されたわけでありますけれども、これ、私ども拝見しましたところ、重要品目の数などで我が国にとって非常に厳しい整理がなされております。これまでも、輸出国輸入国バランスが大事であるとか、我が国の提案、しっかり織り込まれるように、そういうことを主張してまいったわけでありますけれども、なかなか厳しい内容であると考えております。  一方で、その御指摘のG4、アメリカ、EU、ブラジル、インド、ここが精力的な会合を重ねておるわけでございまして、そもそも貿易というのは輸出国輸入国があってそれで貿易が成り立つわけですから、G4という国だけでこのように交渉が進んでいくということであってはいかぬだろうと、こう思っております。G4に日本オーストラリア加えてG6という場もございます。このG6の閣僚会合を是非開くべきであるということを私も主張しておりまして、就任以来、交渉関係者と累次電話会談をいたしておりますけれども、そこでG6会合を開くべきだ、こういうことを強く申し入れておるところであります。  今後とも、食料輸入国としての我が国立場、またこれは我が国だけの事情ではないと思うんですね、世界全体の貿易のルールを決めるということに当たってそういう輸出国輸入国とのバランスがしっかり取られているということは大変大事なことだと考えております。そういうことを踏まえて、また我が国主張我が国農業をしっかり守るという、守るところはしっかり守るという基本精神でこの交渉全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
  14. 常田享詳

    常田享詳君 正に大臣が今最後におっしゃった、守るべきものはしっかり守るんだと、国の、日本食料輸入国立場もしっかり主張して守るべきものは守る、そして日本農業を守っていくんだということに強い御決意を伺いました。よろしくお願い申し上げたいと思います。  次に、FTA日豪EPA関係でありますけれども、このことについてお尋ねを申し上げます。  この日豪EPAにつきましては、昨年十二月交渉入り決定され、本年四月には第一回の交渉が持たれたわけでありますが、今後の交渉行方につきましては大きな関心を持って注視しなければ極めて日本農業にとっては危機的な状況を招くことになると思っております。日豪EPA日本農業を根底から揺るがしかねないような交渉であります。交渉の結果次第では正に国家の土台である我が国農業が崩れてしまう、多くの農家や農業関係者もそういう不安を抱いております。本日も多くの全国農業者方々がこの東京に結集され、日豪EPA基本農政確立対策緊急全国大会が行われるところであります。正に全国農業者方々がこの行方を本当に心配をしておられるわけであります。  私は、今年の三月十九日、参議院の予算委員会安倍総理にこのことについて質問をいたしました。そして、安倍総理はそのことの中で、私の質問に対し、農業重要性は十分認識している、そして衆参における国会決議は重く受け止めている、その上で関税撤廃対象品目から重要品目例外扱い豪州に求めることを確約いたしました。  これから総理もこのように重要品目例外扱い豪州に求めると、それからそういった品目交渉に入ったら即引き揚げるんだと、引き揚げてこいという衆参委員会決議も重く受け止めるというふうに私の質問に答弁しているわけでありますけれども、このことに対して大臣はどのように重く受け止めておられるのか、質問させていただきます。
  15. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 日豪EPAについてでございますが、これまで日本はいろんな国とFTA交渉EPA交渉をやってまいりましたけれども、オーストラリアという国は少しく状況が違っておりまして、日本と比べて耕地面積、実に一戸当たりの耕地面積は千八百八十一倍と全く国土条件が違うわけでございますし、もとより日本は、農業というのは単に食料生産だけでなく地域にいろんな多面的な機能、貢献をしているという大変大事なものがございます。  そういう中でオーストラリアとのEPA交渉がスタートしたわけでありますけれども、御指摘のとおり、これを進めるに当たって、まず政府間の共同研究報告書というものを策定しまして、その中で、これまでの他国との共同研究とは異なりまして、関税段階的削減のみならず除外とか再協議を含む、我が国農業を守る上で必要なすべての柔軟性の選択肢が用いられ得ると、こういうこととされたわけでございます。先般、キャンベラで第一回の会合が開かれたわけでございますが、そこでも、この交渉はこの共同研究報告書を基礎として行われるということについて日豪双方の共通認識が得られた、そういう共通の認識、土台の下にこの交渉が始まると、始まったということでございます。  そういう経緯又はその日豪の条件の違い、そういうことも十分念頭に置きながら、委員指摘のように、昨年の十二月に本委員会決議をいただいております。その決議の趣旨に即して、しっかり体して守るべきものは守るということで、我が国構造改革の進捗状況にも留意しながら、日本の利益、そういったものを得られるよう政府一体となってこれは取り組んでいきたいと考えております。
  16. 常田享詳

    常田享詳君 政府一体となってというところでありますが、私は大臣とかつて貿調で、貿易調査会農林水産省と経済産業省と外務省の三頭立ての馬車が別の方向へ向かっているんじゃないかということで御一緒に、これを一つにまとめて一つの方向で交渉しないと外国との交渉というのは向こうの思うつぼにはまってしまうということを一緒に取り組まさせていただいた経過があります。  どうかそこのところを、農林水産省、そして大臣はしっかり分かっていただいている、それから総理大臣も、ああいう総理答弁をいただいている。しかしながら、いざ交渉の現場になると経済産業省、外務省等の思惑も働いて必ずしも大臣考えておられる方向に行かないということも過去ありましたから、絶対今回はそういうことになると本当に正にオーストラリアの思うつぼでありますから、このことについては、今最後に申された点については是非ともお願いをしておきたいと思います。  最後に、私は農林水産委員会でずっとこの六年間させていただきまして今まで余り他党のことについて申し上げたことはありません。しかし、この機会に、このWTOFTAのことに関して民主党さんの主張について私はいかがなものかというふうに今感じておりますので、大臣の見解をお尋ねいたします。  民主党さんは、本年の初頭に、民主党INDEX二〇〇七という正に民主党の政策を発表しておられます。その農業の部分で、農家への戸別所得補償制度ということをうたっておられます。そして、生産費と市場価格の不足払いをすると言っておられます。しかし、その前に書いてある一字があるんです。その前に、自由貿易促進しつつ、生産費と市場価格の不足払いをすると明確に書いておられます。これが民主党さんの政策なんです。  自由貿易促進するということは、これは大変なことですよ。米も小麦も牛肉も乳製品も、そして砂糖も壊滅してしまうということであります。壊滅させておいてその生産価格と市場価格の間を補てんする、二・五兆円か幾らか分かりませんけれども補てんすると。これはこういうことができることなのかどうなのか。また、もう一点だけ。今民主党さんがおっしゃっているような生産費と市場価格の不足払いをやるということは、これは正にWTOの協定上においてはこういう補償は削減すべき黄色の政策ということになっているわけであります。いわゆる国際ルールに違反するわけであります。  こういった点で、大臣は、この民主党さんが主張しておられる、私は民主党さんが主張しておられるすべてを否定しているわけではありません。この今申し上げた自由貿易の問題について、こう今民主党さんが主張しておられるようなことは本当にできることなのか、通ることなのか、国際的に国内的にできることなのか、国際的に認められることなのか、明快に答弁していただきたいと思います。
  17. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 常田委員から民主党の農業政策についてのお尋ねがございました。  民主党さんの資料、あるいはその施策の表現、内容、ちょっとどれが確定的なものなのか、ちょっとよく分からないところありますけれども、基本的には民主党は昨年来、すべての販売農家に生産費と販売価格の差額を支払う戸別所得補償制度の創設や食料の完全自給体制の確立などを柱とした農業政策主張されていると考えております。  自由貿易の話もちょっと聞くんですけれども、そこら辺は確かなところはよく分かりませんので、ちょっとそこについては、基本的にはそういうことを柱とした農業政策主張されているんではないかと考えておりますが、この戸別所得補償制度については、すべての農家を対象として支払を行うと、こういうことになりますので、農業従事者が減少、高齢化しているとか耕作放棄地が増加しているという今の脆弱な農業構造が固定化されるんではないかと、そこを心配しております。その結果、農業体質強化にはつながらないんではないかという懸念がございます。それから、食料の完全自給という点も、完全自給のためには現在の国内農地面積の三倍の農地面積が新たに必要であるということでありまして、これもなかなか現実は難しいんではないかなと考えております。  私どもとしましては、経営安定対策を始め担い手に対し支援を集中、重点化することで強い農業を育てていこうと、これが基本政策でございますし、食料自給率も、工程管理をしながら、カロリーベースで四〇%の現状を四五%に着実に向上させると、こういうことを目標に掲げております。  民主党さんの施策について、私どもが知るところは以上のような状況でございます。
  18. 常田享詳

    常田享詳君 終わります。
  19. 岩城光英

    岩城光英君 一昨年の三月に食料農業・農村基本計画が改定されました。その中で、高品質な農作物の輸出などいわゆる攻めの農政への転換が言われております。その輸出額ですけれども、平成十六年には二千九百五十四億円、十七年には三千三百十億円、十八年には三千七百三十九億円と順調に伸びているようであります。この四月には、故松岡大臣の御尽力で中国への米の輸出合意、これもなされたところであります。また、私の地元福島県からも、台湾や中国あるいは東アジアへ桃などの輸出が行われておりまして、つい先日は、いわき市の小名浜港から上海に向けてカツオなどの水産品を輸出する合意もなされています。  攻めの農政の中核となるこの農林水産物輸出促進につきましては、先ほど大臣発言の中でも触れられておりますが、改めて赤城大臣決意をお伺いしたいと存じます。
  20. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 岩城委員からのお尋ねでございます。  先ほどの所信の中でも攻めの農業と、こういうことを申し上げました。これは亡くなられた松岡大臣も積極的に取り組んでこられたことでございまして、特にこの輸出を伸ばしていこうと、こういうことを取り組んでこられました。  これは今世界の、特にアジアの経済情勢、非常に良くなっておりますし、世界じゅうで日本食ブーム、日本の食材に対する関心も高まっております。今大きなチャンス、波が来ていると思います。日本のすばらしいこの食品、食材、そういったものを、日本の食生活、食文化も含めて世界に大いに発信していこうと、輸出額も拡大していこうということで、平成二十五年に一兆円の農産物輸出を目指していくと、こういうことを掲げて取組がされているわけでございます。  先生の御地元でも、福島県でも様々な取組をされているということを今伺いました。これまでリンゴとかナシ、ナガイモ、コシヒカリ、様々な産品について、海外でもこれは高級品だと、こういうことで大変好評を受けてございます。  このチャンスをとらえて一兆円輸出をと、こういうことでございますけれども、これは実際に、これ、ただ目標を掲げただけではいけませんで、しっかりどういうふうな対策を立てて、工程を決めてこれを実現していくかと、こういうことで、今年の五月の二十五日に農林水産物輸出促進全国協議会で我が国農林水産物食品の総合的な輸出戦略、これを了承いただきました。これに沿いまして、一つ目は検疫交渉の加速化など輸出環境整備すること、また、重点国を明確化しまして、それぞれの国に応じてどういう品目がいいのか、品目別に戦略的な取組推進していく、あるいは意欲ある農林漁業者に対する支援でありますとか、日本食日本食材を海外へ情報発信していくと。いろいろなその手段があると思いますけれども、挙げてそういう総合的な対策で取り組んでいきたいと考えております。
  21. 岩城光英

    岩城光英君 大臣が先頭に立って頑張っていただきたいと思います。  さて、去る四月十七日、福島それから宮城県の県境の海岸に外国の貨物船が座礁しました。この問題につきましては既に紙委員それから和田委員からも質問がございましたが、その後の進展、現状につきましてお伺いしたいと存じます。  私も現地を訪れてまいりましたけれども、事故発生以降、重油が流出し、両県の周辺海域ばかりでなく、新地町の海岸などにも漂流、漂着し、その結果、最盛期のコウナゴ漁、これが操業自粛に追い込まれました。この座礁船が撤去され、重油除去、これが完了しない限り、良好な漁場やノリなどの養殖漁場である海域に大きな被害をもたらすばかりでなく、海開きを間近に控えた新地町の釣師浜海水浴場にも風評による影響が出かねない、そんな状況にあるわけであります。地元にとって最大の関心事は、二次被害を引き起こす重油汚染であり、船体撤去であり、また漁業被害の補償であります。  そこで、重油抜取りの状況はどうなっているのか、また船体撤去の見通しはどのようになっているのか、お伺いいたします。
  22. 石橋幹夫

    政府参考人(石橋幹夫君) 福島、宮城県境に乗り上げましたジェーン号に積載されている重油等の油の抜取り作業については、当該作業に当たるサルベージ業者が油の抜取りに使用する資機材を現場に搬入するとともに、特殊な作業台船が現在、現場向け回航中であります。当該作業台船は、順調に進めば今週中にジェーン号が乗り上げた海域に到着し、その後、油の抜取り作業が開始されると承知しております。  また、ジェーン号の船体撤去については、まず油と積荷である石炭の抜取り作業を、その後船体の撤去作業を行う段取りであり、海上模様等を勘案すると二か月程度の期間が必要であると承知しております。
  23. 岩城光英

    岩城光英君 コウナゴ漁ですけれども、例年、漁期である三月から五月の水揚げ額五億三千万円前後でありますけれども、今年は高値が付いていて、事故発生の四月半ばまでで既に四億八千万の水揚げがあったようです。漁民からしますと、通常の漁期の半分が残っていたという残念な思いが強いわけであります。  この漁業などへの被害に対する補償が適切に、適正に行われる必要があると思いますが、関係者との調整に政府は万全を尽くすべきだと思いますが、その対応についてお伺いします。
  24. 白須敏朗

    政府参考人(白須敏朗君) ただいまのお尋ねでございます。  今回のジェーン号のケースにおきましては、船舶所有者がはっきりいたしておりまして、船主責任保険へも加入をいたしておるということでございますので、いわゆる汚染者負担の原則ということで、漁業被害に係ります補償につきましては、被害を受ける漁業者とそれから原因者との間の交渉によりまして民事的に解決されるべきという考え方が原則であるというふうに承知をいたしているわけでございます。  県からの情報によりますと、漁業団体におきましては、今後の補償交渉を円滑に進めますために、五月の十一日には全漁連の顧問弁護士が現地の漁業者に対しまして補償に関する説明会を実施をいたしましたほか、現在、交渉の円滑化に向けまして、福島、宮城の両県の関係漁業者間で交渉窓口の一本化を図っているというところというふうにお伺いをしているわけでございます。  私ども水産庁といたしましては、いずれにせよ、ただいま委員からお話ございましたとおり、円滑かつ適正な決着が大事であるというふうに考えておりまして、引き続きまして補償交渉を注視をいたしますとともに情報収集に努めまして、関係機関と連携をいたしまして、必要に応じまして関係団体に情報の提供を行うといったようなことを含め、適正な対応を図ってまいりたいと考えている次第でございます。
  25. 岩城光英

    岩城光英君 今後とも保険会社に速やかな対応を、これを求める等、適切な指導等もお考えいただきたいと思います。  次に、こういった海洋事故にかかわる法令、組織令としては次のようなものがあります。  まず、海洋汚染等及び海上災害の防除に関する法律、この第四十一条の二には、海上保安庁長官は、政令で定めるところにより、排出された油、有害液体物質、廃棄物その他の物の除去、その他の海洋の汚染を防止するため必要な措置を講ずることを要請することができる、また、この四月に成立しました海洋基本法第十八条には、船舶の事故等により流出した油等の迅速な防除、海洋の自然景観の保全その他の海洋環境保全を図るために必要な措置を講ずるものとするとあります。また、国土交通省組織令の港湾局技術企画課の所掌事務には、港湾等の整備及び保全に関する工事並びに国が行う海洋の汚染の防除に関する業務の用に供する船舶及び機械の運用に関すること、そして国際・環境課の所掌事務には、国が行う海洋の汚染の防除に関する業務に関することと定められております。  これらの法令に定められている対応が、海上保安庁からの要請を受けてということではあるにしましても、今回迅速になされたとは言えないというふうに地元でも判断しているわけでありますが、この辺についてはいかがでしょうか。
  26. 石橋幹夫

    政府参考人(石橋幹夫君) 今回のジェーン号の海難事故への対応について、海上保安庁としましては、事故発生の当日から、国の機関、地元の自治体、漁業関係者等から構成される連絡調整会議を開催し、ジェーン号の乗り上げ事故に関する説明を行い、これら関係機関等への情報提供を行うとともに、海上保安庁、宮城県、福島県が保有する油防除資機材を事故現場付近に集結させ、船体の破損等による油の大量流出に備えるといった対応等を行っております。  さらに、船舶所有者に対し、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第四十条の規定に基づく船体の撤去命令を発出するとともに、必要な油防除資機材の準備及び防除作業の実施等について指導しております。
  27. 岩城光英

    岩城光英君 過日、我が党の県選出国会議員団が塩崎官房長官始め関係機関に要請書を提出いたしました。その中で、今回の座礁事故を教訓として、政府関係機関並びに地元自治体などの協力を得てしっかりとした座礁事故による被害防止計画を策定するよう求めております。  これらについてはどのように今後検討される予定か、お伺いいたします。
  28. 石橋幹夫

    政府参考人(石橋幹夫君) 海上保安庁では、平素から関係行政機関や地方自治体等との情報共有や協力体制の整備を図るとともに、これら関係機関等との合同訓練を実施するなど連携協力体制の構築に努めるほか、万一油流出事故が発生した場合は、関係機関等と連絡調整会議を開催して必要な調整を行いつつ、その処理に当たっているところであります。  船舶の座礁事故等による油の防除対策については、自民党福島県選出国会議員団が政府に御提出されました要請書の趣旨を踏まえ、関係機関等との連携協力体制や事故発生時における初動体制等、その対応体制のより一層の強化に努めてまいります。
  29. 岩城光英

    岩城光英君 早急にその対応方をお願いしたいと思います。  最後の質問になりますけれども、今回は出動されませんでしたが、国土交通省では、油の流出事故に備えまして、出動を決定してからおおむね四十八時間以内に全国をカバーできる大型しゅんせつ兼油回収船を北九州港、それから名古屋港、そして新潟港、三港に配備しております。今回の事故でこの回収船の出動について検討した経緯があるのか、検討した結果出動しなかったとすればその理由は何か、それをお伺いします。  それと併せまして、四十八時間ではちょっと遅いんじゃないかと思うんですね。例えば、オーストラリアとかマレーシアとかフィンランドは十二時間から二十四時間以内に対応できる、そういう配備を行っているわけであります。ですから、今後もこういった事故に備えまして、その配備を充実するということについてはどのようにお考えか、おただしをいたします。
  30. 林田博

    政府参考人(林田博君) お答えを申し上げます。  委員指摘がございましたように、平成九年に発生いたしましたナホトカ号による大量油流出事故を契機に、当該事故で活躍いたしました名古屋港配備の清龍丸のほか、新たに北九州港及び新潟港に大型しゅんせつ兼油回収船を配備しております。これら三隻の大型しゅんせつ兼油回収船の配備によりまして、東北地方を含む全国の海域を出動からおおむね四十八時間以内でカバーする体制が整い、油流出事故への迅速な対応の強化を図ってまいったところでございます。  今回の事故に対する大型しゅんせつ兼油回収船の出動につきましては、事故現場が海岸のごく近くの場所であったということがございまして、水深が浅く、大型しゅんせつ兼油回収船が現場に入れないということもございまして、油回収のための具体的な活動は困難ではないかというふうに私ども考えたところでございます。また、こうした現地の状況から、海上保安庁からも大型しゅんせつ兼油回収船の出動要請もなかったものと考えております。  以上述べましたように、この三隻体制によりまして全国をカバーしているところでございます。今後とも効率的、効果的な油回収業務に取り組んでいきたいと考えております。  なお、委員指摘がございました新たな油回収船の配備ということでございますが、これにつきましては、今後の事故の発生状況あるいは一般海域におきます油回収状況といったような状況を踏まえまして、適切、適正な油回収業務がなされるように更に検討をしてまいりたいというふうに考えております。
  31. 野村哲郎

    野村哲郎君 自由民主党の野村哲郎でございます。  質問に先立ちまして、このたび赤城大臣におかれましては大変重要な課題を抱えている中で御就任されたわけでございますが、これまでの農水省での実務、そしてまた我が党の農林部会長としての御経験、これを十分生かしていただいてこの厳しい状況を是非とも乗り切っていただく、御活躍を御期待申し上げる次第でございます。  私は、今日は二つ御質問をさせていただきたいと思っております。  一つ目は、まず米政策改革の進捗状況についてお伺いをいたしたいと思います。  梅雨入りの声も聞こえて、水田地帯におきましては一年で最も活気あふれる季節を迎えておるわけでございます。米政策については、需要に応じた売れる米作りを目指して、平成二十二年度を期限目標として現在改革が進められておるところであります。そして、本年産から新たな需給調整システムが導入され、農業者や産地が自ら主体的な需給調整を実施することになっております。  これまでも、従来の行政による需給調整からの移行に当たりましては、地方自治体の取組の姿勢、あるいはまたこれまで需給調整に非協力的であった米農家、いろんなそういった対応など、様々な懸念なり不安があったわけでありまして、いよいよスタートしたわけでございます。  農水省におかれましても大変な御努力をいただいたということを私もお伺いいたしておりますが、この新しい需給システムが機能したかどうか見極めるためには、十九年産米の作付けが国の示した需要量八百二十八万トンに即しているか、特にこれまで過剰作付けが行われた地域やその状況を私は注視しなければならないというふうに思います。ここ二、三年は作況指数が一〇〇を下回ったことなどの偶発的な要因で需給のバランスは取れてきたというふうに思いますが、十九年産の作況指数を一〇〇とすると、十八年産よりも作付面積を九万ヘクタール減らさないと四十万トン以上の米が過剰となる試算もございます。  そこで、十九年産米の作付け状況がどうなっているのか。需給調整システムが行政から生産地に移ったわけでありますが、それが機能しているのかどうか。どのように分析されておるのか、お伺いしたいと思います。
  32. 岡島正明

    政府参考人(岡島正明君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、十九年産から農業者農業者団体が主体となった需給調整を行うシステムへ移行したところでございます。こうした中で、今委員からもありましたような幾つかの懸念が出されてきたわけでございますけれども、これに対しまして、農林水産省といたしましても、十九年産からの新たな需給調整システムの円滑な移行に向けての指導通知を発出する、あるいは担い手育成確保取組との連携を図りながら、米政策改革品目横断対策などの周知を図っているところでございます。  このような中で、まず一つは、農業者への生産数量目標の配分につきましては、ほぼすべての地域協議会に生産調整方針作成者が参画している、そこで十分な議論がなされた上で決定された配分の一般的なルールに基づき配分が行われてきたというふうに見ております。  また、地域協議会の運営状況につきましては、会長につきましては農業者団体関係者が約五割、市町村関係者が約四割となっている、あるいは事務局につきましては農業者団体が約三割、市町村が約六割となっていると。こういったことから見て、地域の実情に応じて農業者団体と市町村が一体的に取組を進めている状況となっているというふうに見ております。  今後とも、新たな需給調整システムの定着に向けて地域の行政及び農業者団体などが、関係機関が一体となって取組推進してまいりたい、そのように考えているところでございます。
  33. 野村哲郎

    野村哲郎君 今局長の方から御答弁いただきまして、確かにこれまでの進め方は、配分についてもルールどおり、そしてまたその協議体としても、行政、団体、一体的に取り組んでいる。そのことは私も重々承知をいたしております。  そこで、先ほど来申し上げております過剰作付け、これが大変気になるわけでありますが、この作付け状況を推測する一つの方法として、農協系統の調査によります種もみの配付状況を調べてみました。そうしますと、十九年産作付け用のその種もみの配付数量は前年比一〇〇・五%、こういう数字が出てまいりました。これは、品種更新なり、あるいは農家自ら種もみを保管する、あるいはまた、これは系統だけの話でありますから、系統外の業者からの種もみの配付、これはあるかもしれません。したがいまして、このデータからこの作付け状況を推察するというのは多少乱暴だとは思いますけれども、ただ私は、この需給調整が機能していれば、この種もみの配付というのはやはり前年を低下するんだろうと、これが上回ったというのは、やはりこの過剰作付けが増えたのではないかと、こういう不安を、危惧を感じるわけでございます。  農水省として、私はこれは系統だけで調べてみたんですが、農水省として、今申し上げましたいろんなところからの種子の配付があると思いますが、全体としての種子のその配付数量を押さえておられるかどうかということを一点お伺いしたいと思いますし、さらにこの過剰作付け解消に向けてのこれまでの取組と今後の対応、どうするのかというところをお聞かせいただきたいと思います。
  34. 岡島正明

    政府参考人(岡島正明君) 委員指摘のとおり、種子の配付量というのは極めて重要な一つの指標だというふうに考えております。私どもで、今委員の方から十九年産の話がございましたけれども、実はもう一つ前、十七年と十八年を比較しますと、二十四県で種子の配付量が上回っております。  一方で、これ十八年産ですから、もう作付面積が確定、過去のものですから、十七年と十八年比較いたしますと、その種子の配付が二十四県で増加したわけですけれども、二十四県のうちでも作付面積が前年同が一県、残りの二十三県は作付面積が減っております。ということからいたしますと、委員も御指摘のとおり、やはり品質を確保するための種子更新、そういったこともやはりその背景としてあるのかなと思っております。  いずれにしても、やはり種子のそこの部分も押さえながら、実効性のある、これまで非参加の方々も含めて生産調整に参加していただくということが極めて重要だというふうに思っております。そのために、先ほど申し上げましたけれども、農林水産省としても、担い手育成確保対策とともに、とにかく生産調整を現場できちっと御理解いただくと。あるいは、特に過剰作付けが顕著な県、そういったところを私どもとしても重点推進県として、とにかく農業者団体と一体となって過剰作付け是正に向けた取組などを実施しているところでございます。
  35. 野村哲郎

    野村哲郎君 過剰作付けをされている県というのは、これはもうずっと毎年同じような県が出てくるわけで、農水省としてもそういった重点県を中心にして御指導いただいているというのも私ども重々承知をいたしておりますが、なかなかこれはもう長年の懸案事項で決め手がないわけでありますが、そこのところを何とかしていかないと、正直者がばかを見る、そういったようなことにならないように、今後も引き続き強力な御指導をお願い申し上げたいと思います。  次に、先ほど大臣の所信表明にもありました担い手育成確保支援対策についてお伺いをいたしたいと思います。  今取り組まれております農政改革におきましては、担い手育成するために十九年度より新規事業として担い手育成確保支援対策が講じられ、施策集中化重点化が図られているところであります。  これは三月二十日の委員会で私は質問させていただきましたが、十九年度予算で新規事業に百七十六億円が計上され、担い手育成確保支援対策として画期的な措置を講じていただいたと、こういうふうに理解をいたしております。中でも、この地域担い手経営基盤強化総合対策実験事業、まあ長いんでありますが、いわゆる融資残補助事業でありますけれども、認定農業者や集落営農組織にとってはこれは大変魅力のあるものでありまして、先ほどの御質問申し上げました米の需給調整におきましても、非協力者を協力者へシフトさせる大変有効なツールになると期待いたしておりました。  と同時に、支援対策への要望が殺到しまして、予算額が不足になるのではないのかということで前の委員会でも質問させていただいたわけであります。といいますのは、やはりこの期待を込めてお願いをした、申請をした、しかしそれが不採択になったということになりますと、やはりこの生産現場への悪影響、逆効果が生じるのではないのかと、こういうことを申したわけであります。そのとき、今日お見えの高橋局長から、現在地域に対しての説明と集計作業を行っているとの御答弁をいただきましたし、また当時の松岡大臣からは、状況を見ながら適切に対応する旨の御答弁もいただいたわけであります。  一方、その後でありますが、農水省から四月になっていただいた資料によりますと、この融資残補助事業の実験事業につきましては、予算額三十億に対して七十二億、実に二・五倍の要望があったというふうに伺っております。その内訳は、要望額は七十二億、要望の地区数は二百五地区、希望経営体数は二千九百五十四、こういう経営体であったわけであります。これらの要望に対しまして、予算額の三割を利用して約二十億を配分したと、こういうふうに伺っております。配分対象となった地区は八十四地区、要望数の四一%、そして経営体数でいきますと七百二十八経営体、要望数のわずか二五%となっております。正に前回私の危惧していた状況が発生したというふうに感じておるわけであります。  そこで、改めてこのような配分結果になった経緯をお知らせいただきたいと思います。
  36. 高橋博

    政府参考人(高橋博君) 今委員指摘のございました、いわゆる融資残補助事業地域担い手経営基盤強化総合対策実験事業でございますけれども、この事業につきましては前回も御説明をさせていただきましたけれども、今回の農政改革推進する非常に重要な手法といたしまして、新規の事業ではございますけれども、予算額、今委員から三十というお話ございましたけれども、追加的信用保証の部分を含めまして三十五億円、事業費ベースでいきますと百億円を超えるというようなことでございまして、既存の事業についても相当手厚い予算措置という形で講じたところでございます。  この本事業の募集に際しましては、当然のことながら、この趣旨につきまして、いわゆる地域全体の担い手、そして地域全体の農業構造を底上げをしていくということで、事業計画等を作って、整備計画を作っていただく、それに基づいて事業の採択を行うということで実施をしてまいりました。  この関係につきましては、地域におけます担い手育成総合支援協議会でございますとか、あるいは担い手が中心となって設立しております農業法人協会、あるいは都道府県の普及センター、さらには、これ金融とセットでございますので、地域の金融機関あるいは事業導入を予定しております様々な農機メーカーなども通じて広範囲な説明をさせていただきました。  その結果、この予算につきましては相当地域期待も大きいということで、今委員からもお話ございましたように、基本的にはこの事業、新規ということもございましたし、ちょうど時期的に御承知のとおり市町村で、いろいろな理由からございますけれども、全国的にこの事業を申請するのにちょっと体制が間に合わないような地域もあったということでございますので、当初段階はこのうちの約七割の二十五億円についての申請の受付を行いました。  その結果が、先ほどお話ございましたように採択ベースで八十四地区、七百二十八経営体というようなことになっておりますが、これについてはやはり申請内容を精査させていただきまして、その中でやはり地域全体の担い手というものをどのようにつくり上げていくのか、もちろん既存の経営体を更にレベルアップする、優秀な経営体を更にレベルアップするということも重要な課題ではございますけれども、やはり圧倒的に不足しております地域担い手をいかにつくり上げていくのか、この事業によって地域で集落営農なりあるいは認定農家というものが幅広にできるということをやはりこの場面では優先させていく必要があるだろうと、そういう趣旨から地域についての採択をさせていただきました結果、あのとおりになったわけでございます。  ただ、この件につきましては、当然のことながら、採択を行った際に不採択の地区におきましても、どのような趣旨でこのような採択、不採択が行われたのかということにつきましては、農政局等を通じまして地域担い手育成総合支援協議会にきちんと説明をしております。  そういった形で、今のところ一次募集を行ったわけでございますけれども、当然まだ、先ほど言いましたように体制の整備全国段階整った上で二次募集というのも近々予定をしておるところでございます。
  37. 野村哲郎

    野村哲郎君 今、高橋局長お答えいただきましたけれども、私もやっぱり懸念しますのは、二五%、残りの七五%は不採択でありますから、むしろこちらの方が経営体としては数は多いわけですよ。ですから、ここはなぜ不採択になったかということはきっちり説明してあげないと、やはり先ほど申し上げましたように、せっかく希望を持って申請したにもかかわらず不採択になったと、やはり不信感を増幅させるようなことがあっては、これは農政不信にもなってまいりますので、是非ともきちっとした説明を、理由を付して説明をしていただきたい、これは御要望申し上げます。  そこで、私の鹿児島でも不採択になったところがあるわけでありまして、中身を精査してみますと、やっぱりこれはこの整備計画書の評価基準にいろいろ問題があるなというのが分かりました。今回の、実験事業でありますから、初年度でありますしいろいろ試行錯誤されているのも十分分かります。ただ、この実験事業が成果目標値に応じたポイント制になっておりまして、そのポイントの高い計画から採択されるというふうに伺っておるわけでありますが、例えば、今ここに申請書を持ってきているんですが、認定農業者数という形でのとらまえ方でいきますと、これから目標年度三年後にどれだけ認定農業者数が増えていくのか、その増加率によって言わばポイントが上下、八ポイントから一ポイントまであるんですよね。  そうしますと、例えば、私どもの、よく委員長も御存じの地区なんですけれども、ここは認定農業者が現状でも二百四名おります。更にこの三年間で十六名増やそうと、こういう大変な意気込みを持っているわけでありますが、ただ、それにいたしましても増減でいきますとわずか一六%、ポイント数でいくとたった一ポイントしかないんですよね。  だから、例えば今まで十人しかいなかったところを二十人に認定農業者数を目標として掲げていけば、これは二〇〇%ですから最高の八ポイントをもらえる。今まで努力して、地域あるいは団体、行政一緒になって認定農業者をつくってきた過去の実績、功績というのは評価されないで、これからやろうというところだけを評価する。私は大変矛盾を抱えているんじゃないかなと、今までの、じゃそこの地域のその実績は何だという思いがしてならないわけですよ。ですから、いや、今までは遅れておりましたけれどもこれから一生懸命走りますというところだけを評価して、今まで一生懸命走ってきた人たちは評価しない、これはやっぱり矛盾しているのじゃないか、不公平じゃないかというのが一点あります。  それからもう一点は、私はこれは再三申し上げてきたんですけれども、要は水田地帯と畑作地帯との大きな違いがあるわけです。それは、水田地帯は確かに集落営農組織というのを形作っていこうと、これはよく分かります。でも、畑作地帯は集落営農という概念はありません。米をずっと植えているわけじゃありません。野菜もあれば、あるいはカンショもあればカボチャもあればという、まとまったところじゃないわけであります。  そこで、ここの出した計画書を見ますと、集落営農数、現状ゼロ、目標年度ゼロ、これでは点数稼げないじゃないですか。これはやっぱり地域の実情があって、水田地帯と畑作地帯の大きな違いというのがあるわけでありまして、私はこれはもうけしからぬと、評価基準を、これでは駄目だというふうな思いもありますけれども、先ほど言いましたように、初年度だしいろいろ試行錯誤をされながらやってこられているというのも十分分かるんでありますが、そういった地域に合ったような評価基準の見直しというのを是非していただかなければ、畑作地帯はいつまでたってもこの事業の対象に乗れないと、こういうことになるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  38. 高橋博

    政府参考人(高橋博君) ただいまの本実験事業の地区の採択の考え方でございます。  これは、先ほど基本的な考え方を述べさせていただきましたけれども、やはり本事業が今回の農政改革推進していく強力な手段として使わさせていただきたいと。その趣旨は、やはり日本全体で不足しております、絶対的に不足している担い手を何とか全国的に育成確保して、その育成確保された担い手農地の利用というものをきちんと集積をさせていきたいということでございます。  その際に、先ほどちょっと申し上げたわけでございますけれども、やはり地域で相当程度あるところ、そこを更にレベルアップすると、これも非常に重要な政策だと思っておりますが、やはり地域によりましては、特に水田農業の場合には担い手のない集落というのは五〇%以上あると、そういうような状況の中で、ともかくそういう地域においてだれが今後の担い手なのかというのを早急につくり上げていきたいと。ある意味底上げ方式のところをやりませんと、なかなか日本農業の全体の構造のレベルアップにつながらないということで今回の考え方を整理しております。  ただ、今委員指摘ございましたように、畑作は畑作の状況があるではないかと、あるいは水田作は水田作の状況があるではないかというような御議論もあろうかと思っております。今実験事業ということで、例えば、恐縮でございますけれども、今回、今申し上げましたように農業構造改革を進めるなら、やはり水田、畑作も含めた土地利用型でございますが、今回の申請の中には実は養鶏とか、ちょっとやはり今回の趣旨では、まあストレートに見ていくようなもの、そういうような申請というのもございまして、そういったようなことも含めながらどこに重点をしていくのかということで今回つくらさせていただいたと。強い農業づくり交付金やなんかでの基本的な考え方も実はそのような形でやっております。  これから第二次募集やなんかについても今回と同じような形で実はやらさせていただかなければいかぬのかなと思っているわけでありますけれども、いずれにしましても、実験事業の中できちんとこの趣旨、説明をさせてまいらせていただきたいというふうに思ってございます。
  39. 野村哲郎

    野村哲郎君 時間もありませんので、最後に大臣にお伺いしたいと思います。  今、高橋局長とのやり取りをお聞きいただいたと思いますが、この実験事業、再三申し上げましたように、私は大変画期的なもので、担い手やあるいはその集落営農組織をつくっていく、そういうインセンティブを働かせるにはすばらしい事業を起こしていただいたと、こういうふうに高く評価しているわけであります。しかし、初年度ということもありますけれども、運用状況を先ほど申し上げましたように、いろんな問題も特に評価の時点であるのではないかなという気がしてなりません。  確かに、局長お答えになりましたように、底上げをするための事業だというふうに、みんなそういうふうに受け止めておるのかどうか分かりませんし、要は集落ごと、あるいは認定農業者育成していくんだという視点でみんな地域で取り組んでおるわけでありますから、ですからそういったポイント評価というのも私は見直すべきではないのかなと、基準をですね、そういうふうに思うわけでありますので、是非ともそのところを地域の実情を勘案をしていただきたいというのが一点。  それからもう一つは、予算措置につきましても、先ほど申し上げましたように二・五倍、七十二億からの要望が上がってきているわけであります。したがいまして、大変この地域では、あるいは私どもの地元でもこの事業に対する期待、希望というのは非常に多いわけでありますので、是非ともこの担い手育成確保、そして農地保全食料自給率の向上、いろんな角度からの大命題に対応するためのこの実験事業の予算枠を是非拡大をしていただきたい。これはもう当初申し上げたんですけれども、我々もそれは頑張らなきゃならないわけでありますが、是非ともそのことをお願い申し上げますので、大臣の御所見をいただきたいと思います。
  40. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 野村委員指摘の、この地域担い手経営基盤強化総合対策実験事業、正におっしゃるとおり画期的な事業でございまして、農業者が機械とか施設を導入するときに、今までと違って、融資があって、まず、融資の残りを自己負担だったところに補助をするという、そういうこれまでにない画期的な事業ということもありまして非常にその要望が多いんだと、こう思っております。今までの議論の中にもありましたけれども、平成十九年度において三十五億円の予算を計上して、そのうちの二十五億円について既に配分したところですけれども、それを上回る御希望があると、こういう状況でございます。  野村委員から前松岡大臣に対しても御指摘をいただきまして、前大臣からも発言しておるところでございますけれども、この事業のそういう要望、大変強いということ、また採択の状況とか事業の効果とか、そういったことを見ながら今後とも適切に対応していきたいと考えております。
  41. 野村哲郎

    野村哲郎君 力強い御決意をいただきまして、ありがとうございました。  以上で質問を終わります。
  42. 芝博一

    ○芝博一君 民主党の芝博一でございます。  まず冒頭、私からもお亡くなりになりました松岡前農水大臣に心からの御哀悼を申し上げるものでもございます。  あわせて、質問に入ります前に一言私から苦言を呈させていただきたいと、こう思います。  先ほどの御質問の中で私ども民主党の農業再生プランの政策についてのお話がございました。御批判をいただくのは結構でございますけれども、どこまで分かって大臣がお答えいただいているのか、そしてその部分について、私どもが当然ながら説明も反論もできない中での討論というのは大変問題だと、このことをまず最初に苦言を呈させていただきたいと、こう思います。私どもの答弁と質問に答える、その部分で御質問いただきたい、こう思っております。  それでは、まず、順次通告に従いまして御質問をさせていただきたいと、こう思います。  松岡大臣の後を受けまして御就任をいただきました赤城大臣でございますけれども、大臣平成十三年一月六日に閣議決定をされております国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範というのを御存じでしょうか。
  43. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 御指摘のありました国務大臣、副大臣大臣政務官規範、平成十三年の一月六日に閣議決定されたということで御指摘ありましたんで、承知しております。
  44. 芝博一

    ○芝博一君 それじゃ、御存じということでございますので、改めてお伺いをしたいんですけれども、その規範の中の1の(1)、それから1の(5)について、大臣の方から朗読なり御説明いただけませんか。
  45. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 芝委員から御指摘がありましたので、この服務規範の詳細については詳しくは承知しておりませんでしたが、改めてこれ取り寄せまして、今手元に持っております。その御指摘の規範の1が「国務大臣、副大臣及び大臣政務官の服務等」というところでありまして、その(1)が、「服務の根本基準」が記載されております。国務大臣等、括弧して内閣総理大臣その他の国務大臣、副大臣、副大臣には内閣官房副長官を含む、以下同じでございます、及び大臣政務官大臣政務官には長官務官を含む、以下同じでございますが、これらは国民全体の奉仕者として公共の利益のためにその職務を行い、公私混淆を断ち、職務に対し廉潔性を保持することとする。なお、副大臣等、副大臣及び政務官をいう、は、その上司である国務大臣の職務上の命令に忠実に従わなければならない、でございます。  それから、1の(5)でございますが、「パーティーの開催自粛」の項であります。「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する。」と、こういうふうに規定されております。
  46. 芝博一

    ○芝博一君 ありがとうございます。  そこで、大臣大臣は御就任後、お聞きをいたしますと、この政治資金パーティーを開催をいただいていると聞き及んでおります。いつ、どこで、何時から、そしてそのパーティーへの参加者はどんな人たちで、何人ぐらい、そしてパーティーの会費等についてお答えください。
  47. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 私は六月の四日、御指摘の点でございますが、六月の四日、月曜日、虎ノ門パストラルで十五時から会合を行いました。出席者でありますが、秘書に確認いたしましたところ、百七十五名程度ということだと思いますが、程度の参加券があったという報告を受けております。なお、会費は二万円であります。
  48. 芝博一

    ○芝博一君 大臣、今六月の四日に旧農林年金会館、現虎ノ門パストラルでございますけれども、ここで政治資金パーティーを開催をいただいた、このことは事実だろうと、こう思っております。その前、私があえて大臣に失礼ながら読み上げていただきました大臣規範の中でパーティーの開催の自粛がはっきりとうたわれております。この部分について、大臣はなぜ開催をされたんでしょうか、そこのところを御説明ください。
  49. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 芝委員から、なぜ大臣規範に、先ほどの1の(5)のところでございますが、「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する。」とあるのに、なぜ六月四日にパーティーを開催したのかと、こういうことでございますが、私は例年このような会を開いておりますが、今年もパーティーを予定しておりましたところ、大臣を拝命したのが六月の一日、金曜日でございました。このパーティー、六月四日の月曜日でございましたので、週末の土日を挟みますと、パーティーの中止するというのは、これはもう物理的にも難しいということでございますし、また、先ほどお答えしましたように、百七十五枚程度参加券があったということで、二百人足らずという会合でありますから、ごくごく内輪の会ということになろうかと思います。  こういう会でございますので、また、その企画は大臣を拝命する相当前から企画、予定しておった、毎年のことでございますので、六月四日に行わせていただいたというところであります。
  50. 芝博一

    ○芝博一君 大臣、よく物理的なことは分かっているんです。六月一日の就任、急遽のことでありました。で、四日の開催でありますから。当然ながら、私改めてそこで大臣のお気持ちをお聞きをしたかったのは、規範にはうたわれていることは知っている、知っているけれども、物理的な部分があるから、中止の部分の御連絡も行かない、そんなことを含めて反省をしながら開催をされたという善意の解釈でよろしいですか。
  51. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 行為規範について、正確なところ、一言一句は分かりませんけれども、おおむね、疑いを招くような大規模なもの、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものは自粛すると、こういう趣旨であったと承知しておりますが、先ほど申し上げましたように、例年のものでございますし、人数も二百人に満たないごくごく内輪のものである、また当初から予定していたものであるということで開催をさせていただいたと、こういうことでございます。
  52. 芝博一

    ○芝博一君 物理的に、よく分かっていたけれども、反省もしながら、自戒の念を込めながら開催をした、そんな部分で真摯なことを言ってくれたら有り難いんですけれども。実は、大臣は当然ながらそのパーティーの中でも、こういう立場の中で開催をして、こういう立場になっているけれども、このまま進めさせていただくという、まあ反省の部分といいましょうか、肩身の狭い思いの中でという言葉もあるんですけれども。  大臣、百七十五人と秘書の方言われましたけど、当日の報道は三百人以上になっているんですよ、三百人以上。当然このパーティー券の購入者はもっといると、こう思っておりますけれども、いずれにしてももう少しはっきりした形でお答えをいただきたいと、こう思います。  それで、ここの部分についての規範云々は、今も言った物理的な部分から私は善意の部分の解釈をさせていただきたいと思いますけれども、今から言うことは少し、善意では解釈できないと思うんです。先ほど大臣の答弁で午後三時の開催とありました、午後三時。で、ここの部分については当然、大臣として執務時間中であります。ただ、この部分の案内が出ていた物理的なことがあると、これはやむを得ぬと思います。しかし、このパーティーに公官庁の職員も多数出席をしていたという証言も写真もあります。そのことは大臣は御存じですか、この時間に。
  53. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 私のパーティー、会でございますので、日ごろから私の政治活動を支えてくださっている方々がおいでをいただいているというふうに承知しておりますが、具体的にどなたがおいでをいただいているかということは詳細に申し上げることはできません。
  54. 芝博一

    ○芝博一君 私はまだ善意の部分で開催の部分やむなしと言っておるんですよ。ところが、公官庁の職員が出ているんです。  農水省、農水省から職員は出席していませんか。何人出たのでしょう。はっきり答えてください。農水省、勤務時間のことじゃないか。分からなければ大臣に。
  55. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) これは農水省の職員についてですが、私は、まあパーティーとかこういう会というのは雑然とした状況になっておりますので、いろんな方が来られております。日ごろから私の支援してくださる方々が来られているわけで、どなたがということは逐一覚えてはおりませんけれども、仮に、農林水産省の職員がいるんではないかと、こういう御指摘でありますけれども、仮に職員がいたとしても、これは政治資金パーティーへの出席は職務として行われるものではないわけでございまして、恐らく役所の方でもこれは把握していないかと存じます。
  56. 芝博一

    ○芝博一君 今の大臣の答弁には矛盾があると、こう思います。農水省の職員がいたかもしれない。ここの確認は、私たちの慣例でいくと必ずと言ってもいいほど、受付をする、名刺を出す。事務所で確認すればすぐ分かるんですよ。それが一点。  もう一つは、農水省の職員の皆さん方が出席をしていた、こんな証言も写真もあります。そこの部分で私はだれをとまでは言いません。出席した事実があるかないかを大臣若しくは農水省にお尋ねをしているんです。もう一度お答えください。何人か。
  57. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 私は、まあいろんな方が来られていますので、具体的にどなたがそこにおられたかということは分かりませんけれども、これ招待状をお配りするということで、これ秘書が招待状をお配りするということですので、秘書が調べたところによりますと、以前より政策などで御指導いただいている農水省の職員、これはもう当然大臣に就任する前のことで、これまで政策等で御指導いただいている農水省の職員に招待状を出しておるということです。お見えになった方が、私はちょっと分かりませんでしたけれども、お見えになった方がいたという、秘書によればそういうことであります。ただ、これ具体的に何人ぐらいとか逐一確認しておりませんので、正確なところは把握してございません。
  58. 芝博一

    ○芝博一君 農水省の皆さん方に、今、過去の慣例と言いましたが、お世話になったつながりから案内状を出して秘書の方はいたと、こういうことであります。私もそんな証言もいただいております。  農水省、三時の開催というと勤務時間中なんです。しっかりと、だれかの命令でこのパーティーに出ていたんでしょうか。公務員の方は御存じのように職務専念義務というのがございます。これは国家公務員法の法第百一条。当然ながら、このパーティーに出るということは、先ほど大臣も言われましたけれども、職務じゃない、こう言われました。職務じゃないところに出向するという以上は、上司の命令書がないと出ない、上司の命令書がないと職務専念義務違反なんですよ。  農水省、何人いたかお答えください。(発言する者あり)農水省の方で分からなければ、改めて最高責任者である農水大臣に、事務所の秘書も確認をしているわけでありますから、大臣の方からお答えください。
  59. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 農水省の職員につきましては、先ほど申し上げましたように、招待状をこれまで日ごろお世話になっている方に出して、お見えになった方がいたということは、秘書の方ではそういうふうに申しておりますが、その人数について、これはすべて確認、把握、掌握しているわけではございませんので、人数については正確なところは分かりませんと、把握していないという報告を受けたわけでございます。  それから、その出席について、職務との関係のお尋ねでございますが、これはやはりそういう会に出席するというのは職務として行うことではないんだろうと思います。個々の出席者が適切に対応して出席をしているんだと、こういうふうに承知しております。
  60. 芝博一

    ○芝博一君 明らかに当日、農水省の職員が出席をしたことは事実なんです。その時間は勤務時間の午後三時なんです。それも、大臣が言われたように職務ではないんです。当然ながら、そこは国家公務員法の第百一条に違反をする行為なんです。要するに、勤務時間中は職務のみに従事をしなければならない、職場を離れてはならない。離れる場合は上司の許可命令書が要るんですよ。これが法律なんです。  あったことが事実。だれが何人出席をした、まさしく服務規定違反でありますから、調査をして、罰則規定なんですよ、これは。懲戒免職に値する、中身は別としても。大臣としてはそこまで調査をして御報告いただけますか。
  61. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) その三時からの会でございますが、こういうパーティーへの出席というのは職務として行われているものではないと思いますし、職員の個々人の考え方に基づいて出席を決めて出席をされているんだと、こう思いますが、ですから役所としてそこらの把握はしていないんではないかなと、こう思います。  それから、勤務時間であるということでございますけれども、仮にそのパーティーに出席した者がいるとすれば、いるということであるということでありますけれども、そうであれば、休暇を取得するということで勤務外で出席したものとも考えられます。
  62. 芝博一

    ○芝博一君 だから、大臣、いたんです。大臣もお認めになりますし、秘書も認めております。ひょっとしたら、勤務時間であるけれども休暇を取っているか分からない。分からない、そうかも分かりません。  だから、その勤務時間内に職場を離れるということは服務違反なんですよね。法律に違反をするんです。法に違反をするんです。だから、農水省の最高責任者として、そういう実態があったかなかったのか。あったけれども、それは休暇を取っていましたよ、いやいや、休暇を取らずに個人の判断で職場放棄をしていましたよ、そこのところを精査する必要があるのではないですか。私、そこを言っているんですよ。そこのところを精査して報告いただけますか。
  63. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) パーティーに出席するかどうか、これは職務として行われるものではないわけでございますから、出席したかどうかについて役所の方で把握していないんではないかなと。それは、個々の職員がきちっとそういう違反のないように適切に対応して、出席した方があればそういうふうにして出席をしておるんだと思いますし、例えば休暇を取るということもありますから、そうであれば違反とか問題ということはないんだろうと思っております。
  64. 芝博一

    ○芝博一君 だから、大臣調査をして、これは勤務時間で職場を離れられないけれども個人の判断で出ていった、それは休暇を取って行った、その調査をすれば今の答弁でいいんですけれども、調査をせずに休暇を取っていたかどうか、分からないじゃないですか。  だから、何人出席をしていて、休暇許可取っている人が何人、若しくは個人の判断で無断で職場を離れた人が何人いるか。当然ながら、こんなものは調べて懲戒の対象にしなければならぬ、極端なことを言えばですよ。このことは、中身の部分については分かっていただけると思うんですけれども、いいですか。  だから、個人の判断、個人の判断、利かないんです。上司の命令があったらまだいい。上司というのは、大臣もしかり、その上の上司もしかりです。国家公務員は確たる理由がなければ、命令がなければ勤務時間中は職場に専念しなければならないという義務があるんですよ。ここに違反をしている。それも仕事じゃない、パーティーに行った、だから問題だと。しかし、行っていても休暇を取っている人はいいでしょう。取っていない人もいるかも分からない。だから、何人出席して、その区別、分別を御報告をしてくださいと要求をしているんです。  でも、これ以上言っても大臣は答えないでしょう。時間の関係もありますから、委員長にそこのところ、大臣から資料の要求を求めますのでお計らいください。よろしいですか。
  65. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) 理事会で協議をさせていただきたいと思います。
  66. 芝博一

    ○芝博一君 ありますか、大臣。次、行きます。いいですか。
  67. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 今の御指摘の点について、これは例えば元々休暇であったとか、あるいは休暇を取得している、そういう職員について、これが、休暇のときの行動について何がいかぬとか服務の命令がどうとかということはないんであろうと思いますから、そのように適切に対応をしている者について特段問題があるというふうには考えておりません。
  68. 芝博一

    ○芝博一君 私は、こっち、委員長へ預けた部分ですけれども、またお預かりいただきますが、ちょっと言いますよ。  全員がそれじゃ、今この場で、全部休暇届取っていたんですか。そこの部分を証明してください。分からないでしょう。だから、調査をしてくださいと。例えば、十人出席しました、五人は休暇を取っていたか分からない、そこは調査、その人は問題ないですよ。五人はどうなっていたか。服務違反ですよ、そこまで言うんなら。  きちっと調べて出してください。よろしいですか、大臣大臣がそこまで言うんなら。全員が休暇を取っていたら、これは私は認めます、今の主張は。服務違反ですよ。
  69. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) そもそもその出席が、職員の出席が職務として行われたものではないということがあります。したがって、職員がパーティーに出席していたかどうか、これは役所としても把握していないことだと思いますし、適切に休暇を取るなりしている者の行動について、これも調べようがないといいますか、役所の方では把握できないことかと思います。  いずれにしましても、委員からの御指摘でございましたし、理事会で御協議をいただくということであれば理事会の協議を待ちたいと考えております。
  70. 芝博一

    ○芝博一君 大臣、把握はできないんじゃないんですよ。いなければならない。出席を調べるというのは、農水省で調べるのは、職務の現場にいたかいないか調べれば、まずいいんですね。これが一つ。受付名簿なり秘書の確認をして突き合わせをすればいい。だれが出たか分かる。その中で、休暇願、出てきた人は何人か。調べようと思ったら調べられるんですよ。だから、私は、大臣が言うからそこまで要求をするんですよ。先ほど委員長に振った部分ですけれども、あえて答えたから改めて要求します。  次の質問に移ります。  大臣、改めて、この六月四日のパーティーには、今談合が言われております緑資源関係の関連団体、これはどこまでを関連団体と言うのか難しいと思いますけれども、一般的には六つの公益法人、それから特森懇話会、林土連懇話会、ここの関係者の方からパーティーの購入はあったでしょうか。
  71. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) このパーティーに関して、緑資源関連ということでございましたけれども、のパーティー券購入はあったかと、こういうことでございますが、今般の事案で告発されたり逮捕者が出た団体につきましては、そのような団体からの購入の事実はなかったと報告を受けております。
  72. 芝博一

    ○芝博一君 それでは、パーティー券の今回はなかったと、こういうことでありますけれども、過去についてお聞かせをさせていただきましょう。  大臣は、就任早々の六月の六日、衆議院の農林水産委員会の中で、このパーティー券と献金の件について我が党の委員から質問を受けていただいております。御記憶にあろうと思います。我が党の岡本議員と高山議員から約二時間半にわたってこの質問をされました。その中で、今お話しをいただきました今回の官製談合事件の特森懇話会、林土連懇話会、この名前が度々出ました。そこからパーティー券の購入が過去にあった、そして献金もあった。しかし、六月六日の大臣の答弁は、殊更に金の問題について微に入り細にわたり政治家自身がかかわったり、承知したりする必要はない、私は国家のため自ら専念するんだ、そんなことは秘書又は事務所に任せているし、秘書からは適正に報告をされていると聞いている、法律に従って適切に報告をされている、収支報告書のとおりだと。こんな答弁を実に二時間半、適切に報告をしているという答弁を我が党の岡本委員、高山委員に実に二十二回にわたって答弁をされました。そのことは御記憶にあろうと、こう思っておりますが、改めてお聞きをいたします。  このときの答弁、大臣としては十分に説明責任を果たして、そして適切であったか、お聞かせください。
  73. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 委員指摘の六日の衆議院農水委での私の答弁でありますけれども、私の答弁の本意とするところ、本旨は、これは政治と金の問題、これはきちっと法律にのっとって適正に処理をしなければいけないということ、また誤解を招くようなことがあってはならない、したがって適切に処理しなさいということを常日ごろ秘書に申し付けているということでありまして、答弁の中でも申し上げておりますように、政治家は微に入り細にわたり金にかかわることに労力を使うより、国家の安全と発展のために汗を流すということが重要であると、このことが私の答弁の本旨であります。
  74. 芝博一

    ○芝博一君 私は大臣のお考えを聞いているんじゃないんです。そこの趣旨は十分この議事録からも、二時間半の答弁からも聞いているんですよ。  大臣、その中であなたは終始一貫そのことを主張されました。そのことを主張されました。専ら国政に専念するんだ、金のことは知らなくていい、秘書や事務所に任せているんだ、そして私の事務所では、報告書では、収支報告書が唯一絶対で、報告されているとおりで、プラスもマイナスも、足すこともなけりゃ引くこともない、こう事実、議事録に載っているんですよ。それは御記憶ありますね。  その中で、改めて言いましょう。収支報告書、我々の部分については、当然提出の義務があります、法にのっとって。そこには会計責任者も設置しなければなりません。しかし、最終的な責任者というのは代表者、私でいえば芝であります。大臣団体でいえば、赤城徳彦さんが代表者なんです、最終責任者。任せている任せてないは事務所の勝手、やり方なんですよ。だから、勝手の部分を今大臣説明されたわけで、全体論として具体的に何を指摘されたか。  まず、官製談合で一番の中心だったと言われている特森懇話会から政治資金パーティー券を買ってもらっていた、平成三年と平成五年には八万円、そして真ん中の平成四年には十万円の計二十六万円、これは事実ですかと、答えられて、みんな任せてますから私は知りません、報告書にあればそうだし、なければそうです、こんな答弁が延々と続きました。御記憶にあると思います。  その後に質問に立った高山委員にはこう答えました。高山委員からは同じく官製談合の中心的であった林土連懇話会から大臣の資金管理団体の徳友会に平成十五年、すなわち〇三年と〇五年、それぞれ二十万円ずつ、計四十万円ずつが林土連の政治団体の収支報告書から支出がされている、徳友会に、こんな記載があるんです。総務省も認めております。しかし、それもあなたは、適切に報告をしている、書いてある、報告してあるとおりです、私は一切国政に専念しているからお金にノータッチですと。この部分で延々と答弁をされました。  そのことについて私は、適切であったか、説明責任を果たしたか、今あなたの立場で、今のこの時点でお考えを聞いているんです。
  75. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 六日の農水委で私が申し上げたように、その会の代表とか責任者とかという立場というわけではありませんけれども、政治家として秘書に対して常日ごろから、政治と金の問題、これはきちんと法律にのっとってやりなさいと、そういうことを適正に処理しなさいと、こういうことを申し付けておりまして、またその私の先ほど申し上げた本旨、微に入り細にわたりそういうことに立ち入らないということを申し上げてきたわけです。さらに、その御指摘もありまして、いろいろ間違いがあってはいけないということで念には念を入れて、さらに秘書に対しても、よく調査して間違いのないようにしなさいと、こういうことを申し付けてきました。その結果、そういうことを申し付けておりまして、八日の記者会見でも申し上げましたように、御指摘のような特森懇話会とか林土連の件につきましても、六日の記者会見で御報告申し上げたところでありますけれども、適切に処理をしたということで記者会見で御報告を申し上げたと、こういうことでございます。
  76. 芝博一

    ○芝博一君 私は、六月六日の衆議院でのやり取り、延々とそこの部分がされた。今の赤城大臣の政治姿勢は延々と聞きましたよ。知っていますよ。しかし、法というものは、会計責任者を置いて、責任者は赤城大臣にあるんです、適切に報告しなきゃならない。当然ながら、その中身についても責任を持たなければならない。これが法律の趣旨であります。で、適切に報告をしている、今も言われました。記者会見までして適切に報告をしていると言われた。その適切に報告している収支報告書、最近訂正をされたと聞いております。  総務省、何がどう、いつ変更されたか、訂正されたかお答えください。
  77. 門山泰明

    政府参考人(門山泰明君) お答えいたします。  総務省及び茨城県選挙管理委員会におきまして確認いたしましたところ、平成十九年六月六日に赤城大臣の資金管理団体であります徳友会の、また同年六月七日に赤城大臣が代表者であります自由民主党茨城県第一選挙区支部の政治資金収支報告書につきまして、それぞれ訂正が行われたところでございます。  徳友会の訂正の内容でございますけれども、平成十五年分及び平成十七年分の収支報告書について、林土連懇話会からの寄附がそれぞれ二十万円ずつ追記され、これに伴い、平成十五年分以降の翌年への繰越額や前年からの繰越額等についても訂正されたものでございます。  また、自由民主党茨城県第一選挙区支部の訂正の内容でございますが、平成十七年分の収支報告書について、林土連懇話会からの寄附二十万円が削除され、これに伴い、本年収入額や翌年への繰越額等についても訂正されたものでございます。  また、平成十五年分の収支報告書について、寄附者の主たる事務所の所在地が一部訂正されたものでございます。  以上でございます。
  78. 芝博一

    ○芝博一君 赤城大臣、今の総務省の御報告のとおり訂正をされましたか、お答えください。
  79. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 先ほど御答弁した点について、芝委員に対して御説明がちょっと不十分であったんではないかなと私思っておりまして、先ほど申し上げたのは、六日の農水委員会で私の答弁の趣旨についてはお話ししたとおりであります。さらに、間違いがあってはいけないし、念には念を入れろということで、秘書にも常々、きちっと間違いのないようにしなさいと、こういうことを言っておって、その後、記者会見で、こういうことで御報告しましたという点でございますけれども、記者会見では報告をしたんですが、実は当委員会ではこれは初めてでございますし、改めて今の総務省の答弁もございましたので、正確なところを御報告をさせていただきたいと思います。  これは金曜日の閣議後の記者会見でございますが、まず指摘のありました林土連懇話会からの献金でございますが、秘書によく調べさせましたところ、平成十七年に二十万円の寄附が、これは資金管理団体ではなくて自由民主党の茨城県第一選挙区支部にありました。これは収支報告書に記載されているとの報告も受けまして、私が確認したところ、収支報告書にそのように記載されておりました。これは記載もされ、公開されているということでございます。  これは、この寄附は自由民主党茨城県第一選挙区支部で献金を受けておるわけですけれども、林土連懇話会には私のその資金管理団体の領収書が渡ってしまっていて、それで誤解を受けたのではないかと考えられます。なぜそういう領収書が渡ったのかの理由は分かりませんでした。で、林土連懇話会に御迷惑になってもいけないということで、速やかにこの収受先、受ける方を私の資金管理団体の方に変更したと、こういうことで報告を受け、その旨記者会見で御報告したということであります。  さらに、平成十五年にも二十万円の寄附がありまして、同様に私の資金管理団体の領収書が発行されておりましたが、これは収支報告書に記載されていなかったため、直ちに訂正し、正しく処理をしたと、こういう報告を受けたわけでございます。  さらにでございますけれども、私は、林業行政を進める上で、この際これらの寄附については返還した方がいいんではないかと、こう判断して返却の指示を出して、六月の七日に返却を済ませたと、こういうふうに報告を受けたところでございまして、そういうことを御報告をさせていただきまして、常々、間違いのないようにしなさいと、こういうふうに指示をし、念には念を入れてきちっとやりなさいと、指示を更に念を押した結果、こういうふうに正しく処理されたと、こういうふうに考えております。
  80. 芝博一

    ○芝博一君 六月七日現在をもって正しく処理されたけれども、委員会質問されたときにはあなたはお答えにならずに、適切に、秘書から適切な報告をされている、間違いないんだ、こんなことを二十二回も答弁したんですよ、大臣という立場で。それが、舌の根も乾かないうちに、今総務省と御自身から御報告ありましたように、間違いがあったんだ、だから訂正したんだ、そこのところで私はさっき聞いたんです。六日の委員会説明が適切で説明責任が十分果たしていたのか。反省の弁がないじゃないですか。一度二度じゃなしに、二時間半ですよ、議事録見てください、二十二回、適切に報告をしている。それで、国民信頼を得て、この今信頼が薄れている農林行政のトップリーダーとしてやっていけるという、そんな甘い自覚なんでしょうか。今大臣は、報告された部分については総務省の確認も取れていますから、そのことは事実でしょう。  そうすると、大臣、もう一点お聞かせください。本来は、林土連からもらった例えば二十万、二十万、第一支部に入るものが、入っていた部分が徳友会の部分であったと、こういうことであります。しかし、徳友会の領収書が出ている、過去に十五年と十七年ですね。そうすると、私ちょっと理解できないんですが、徳友会さんでは現実の、変更になったのは今なんですけれども、現実にお金が入っていなくても随時随時領収書は発行されているんですか。
  81. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 先ほど、まず六日の農水での答弁の話でございますけれども、これは先ほど来、私の答弁の本旨はこういうことであると申し上げたとおりでございまして、要するに、きちっと処理しなければならないということを常日ごろ秘書に申し付けていると、また、微に入り細にわたり、金にかかわることに労力を使うより国家の安全や発展のために汗を流すことが重要であるということを申し上げてきたわけで、そのことを、さらに、間違いがあってはならないし念には念を入れるということで更に指示を徹底してきちっと処理をされたと、こういうことではないかと考えております。  それから、林土連懇話会の資金については、先ほど御報告いたしましたように、自由民主党茨城県第一選挙区支部に記載され、入金されて、収支報告書に記載され、公開されているということでございまして、林土連懇話会さんには資金管理団体の領収書が渡ってしまったと、この点が誤解を受けたんだと思っておりますが、その理由についてはよく分かりませんでした。  いずれにしても、そういう領収書が渡ってしまっていて、で、この林土連懇話会に御迷惑を掛けるわけにもいきませんし、領収書を出し直すと、こういうこともできませんので、収受先の方を、自由民主党茨城県第一選挙区支部で収受していたわけでありますけれども、収受先をこの資金管理団体の方に変更したと、こういうことでございます。
  82. 芝博一

    ○芝博一君 大臣、答弁、答えてください。経過説明は先ほど大臣からも総務省からもいただきました。その結果をもって私改めて質問したんです。  入替えの違いがありました、差し替えしました、しかし、徳友会の部分からは領収書が十五年、十七年出ているんですよ、現実にお金が入っていないのに。政治資金管理団体の正規の領収書が出ているんですよ。早く言えば、お金が動いてない、入ってないのに領収書が出ている。このこと分かりますか。過去に発行されているんですよ。あなたのところの事務所では、そんな幽霊のような領収書を発行しているんですか、いつでも。そこを聞いているんですよ、私は。
  83. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 今の芝委員の御指摘でございますけれども、先ほど私が答弁したことに尽きるんだと思うんです。つまり、お金が、林土連懇話会の寄附を自民党茨城県第一選挙区支部で収受しておりまして、その旨収支報告書にも記載され、公開しております。私もそれは確認しておりますから、その点については間違いがなかったわけで、そのとおり資金を、寄附を収受していったわけです。  その領収書について、ここは経緯は分からないということで、お金は茨城県第一選挙区支部で収受しているわけです。茨城県第一選挙区支部で収受しているわけでありますから、その領収書が出ているべきでありますが、その経緯は分かりませんけれども、資金管理団体の領収書が出ていたという、そういうことであります。そこの経緯については不明でございます。  その後の経過については、御報告したとおり、きちっと収受先を変更して正しく処理をしたと、こういうことでございます。
  84. 芝博一

    ○芝博一君 大臣、経緯と経過は分かっているんです。第一支部に入っちゃっていたと。しかし、領収書は徳友会で出とったんですよ。その徳友会、普通我々はお金が入ったら領収書を、もらったら領収書を出すんですよ。片一方の第一支部でもらっている、これは政党の分でありますから、大臣の資金管理団体と別の組織なんです。たまたま代表者は一緒ですよ。法律では別なんですよ。そこで、報告はしているけれども、領収書はあなたの管理団体の徳友会で出ていた。徳友会はお金の出入り、動きはないんです。幽霊なんです。何で領収書が出るのか、つじつまが合わない。不明と言われてしまったらそれまでですけれども、私はあなたの政治姿勢が不明ですよ、本当に。  だから、あえてそこでは二時間半も粘って頑張ってあなたの心情は聞きました。しかし、適切に報告をされていなかった。そこの責任はしっかりと反省をすべきでありますし、そのもとにおいて間違いがあったからこうして訂正をされた。しかし、訂正をされてもまだ不明な点、お金がもらってないのに政治資金管理団体の領収書を発行しているんですよ。この二件だけじゃなしに、あなたの団体では、資金管理団体では、そんなことが往々にして行われているんじゃないですかと言われても仕方がないんですよ、あなたとしては、立場としては。だから、私はあえて質問をしているんです、指摘をしているんです、大臣という立場で。そこのところをどうもあなたは理解されていない。不明なんですと。不明で通れば説明責任要りませんよ。  まあこれ以上聞いても恐らく不明で答弁が返ってきますから、今日はこのぐらいにさせていただきますけれども、それじゃ大臣、この四十万円と二十六万円返金しましたと、返還しました、六月七日に。なぜ返金、返還されたんでしょうか、その理由を明確にお答えください。
  85. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 先ほど御報告しましたように、きちっと適法に処理したわけでございますけれども、この際、私も林業行政を預かる、そういう立場に立ったこともございますし、いろいろ御指摘のあったものについて、返却すべきものについては返却すべきだということで、その手続を指示したということでございます。
  86. 芝博一

    ○芝博一君 大臣、あなたの答弁を聞くと聞くほど分からなくなるんですけれども。質問されて適法に処理されていなかったから修正をした、修正をして今は適法だとあなたは思っているか知らないけれども、まだすべてがつじつまが合わないんです。実態のないお金に徳友会は領収書も出していた。この事実は歴然として残っているんです。第一支部から出ていればいいんですよ、もらっているところも。もらってない団体が何で領収書を出すんですかという、そこの部分は全然解明されていない。あなたは不明で分からない、そう逃げていますけれども、まあそれが本音でしょう。  この部分について、私は今もなぜ、どうして還元をしたんだと、還金をしたんだということでありますけれども、まあ農林大臣として数々の談合事件があった舞台の部分からの、前松岡大臣と同じように適切ではない、そんな判断から返金をしたんだろうと、こう思います。  まあこの件については、もう時間がありませんのでこのぐらいにさせていただきまして、次の質問に移らせていただきたいと、こう思います。  ところで、今話題になっております緑資源官製談合の問題であります。この件につきましては、いささか出ばなをくじかれたというか、今日の新聞の一紙に「緑資源談合捜査終結へ」、こんな見出しが躍りました。ただし、そこには、一部の疑惑を残してと、こうあります。この中で、東京地検は、元機構理事らを独禁法違反で起訴する、これはもう明日にでも起訴すると、こういうことが書かれておりますし、一連の疑惑は、残念ながらこの疑惑の解明に、かかわった可能性がある前大臣や機構の前理事で亡くなった方、すなわち特森協の元副会長、この方たちが相次いで亡くなってしまったから、この疑惑追及はこれ以上解明が困難だというようなことにも取れるんです。現実に私はそこの捜査の中身は分かりませんから、これは新聞情報であります。  それはそれとして、これは捜査の部分であります、司直の話。ただし、現実に官製談合が行われていた、これは事実であります。そこの部分は緑資源を管轄する農林水産省、そして林野庁として改めてこれからの仕事が増えてくるんです。何が増えてくるか、捜査とは別です。  大臣官製談合防止法について御存じでしょうか。
  87. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 今のお答えをする前に、先ほどのその返金の理由について、ちょっと誤解を招くといけませんので、二つの側面がありますので、ちょっと分けてお答えをした方がいいと思います。  というのは、特森懇話会についてはいろいろなことを言われておりますが、私は林業行政を預かる立場になったということもありまして、李下に冠を正さずという精神も大事でありますから、返却すべきものについては返却すべきだと、こう考えてそのような手続を指示したということでございます。  一方、林土連懇話会につきましては、これは善意のきちっとした団体でございますけれども、そういうところから善意の寄附として受けていたわけでございます。そのいろいろ経緯は分からないということで申し上げましたけれども、この林土連懇話会に御迷惑をお掛けしたということもありますので、この際返却した方がいいという判断をして六月七日に返却したということであります。  お尋ねの官製談合防止法でございますけれども、逐一条文についてということではありませんけれども、おおよその法律の体系については承知しております。
  88. 芝博一

    ○芝博一君 取りあえず大臣からは官製談合防止法、概略でありますけれども、これについては存じている、その建前でこれから話をさせていただきたいと思いますので、少し時間の関係で通告しているところの中身について一部カットする部分もございますけれども、御了解いただきたいと思います。  大臣は、一日の就任の記者会見で、そして今日も所信の中で表明されましたけれども、この官製談合のあった緑資源機構の廃止、すなわち発注側がかかわった談合で決して許されない、これだけの問題を起こしたものが存続というわけにはいかない、これを就任直後の会見で述べておられます。  ところが、今日の所信の中で、緑資源機構については廃止する方向で検討することといたしますと。同じ意味で同じ度合いの判断のものなんでしょうか。
  89. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) これは同様の趣旨でございまして、緑資源の今回の問題については、発注者側が関与していたいわゆる官製談合であり、これはあってはならないことであるということでございます。で、官製談合、この関与の実態については今捜査の動向を見極める必要があると考えておりますけれども、いずれにしても、この官製談合に関与した組織がそのまま存続するということはこれは許されないと、こう判断しまして、大臣就任後直ちに緑資源機構について廃止の方向で検討するようにと事務方に指示をしたところであります。
  90. 芝博一

    ○芝博一君 大臣はまさしく緑資源機構は廃止をする、そんな形で改めて聞かせていただきました。  そして、就任会見では、既にこの廃止に向けての作業を農水省に命じたと、作業に入ったと、こういうことでありますけれども、そこの部分もそれでよろしいですか。
  91. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 緑資源機構の問題については、廃止の方向で検討するようにという事務方に指示をし、そのように作業を進めるわけでありますが、なおこれまで緑資源機構が行ってきた事業もございますし、これを今後行うかどうかとか、行う場合にどこが受皿になるかとか、あるいは現在の人員の処遇等、そういった点は十分に検討する必要があります。  そのために、第三者委員会を農水省に設置しておりまして、緑資源機構談合等の再発防止のための第三者委員会、この御意見もよく踏まえる必要がございます。その御意見もよく聴いた上で、具体策については早急に詰めていきたいと考えております。
  92. 芝博一

    ○芝博一君 もう一度確認させてください。廃止すると廃止を含めて検討するでは意味が大きく違うんですよ。私、最初確認したのは、廃止をする、そこの部分で返事をいただきました。そこで私は確認ですけれども、よろしいですね、よろしかったらそのまま続けます。廃止をするという方向で、廃止をするという形で検討する、検討というか、その中身を検討するですよ。  それで、当然ながら七百人以上の職員がいるわけでありますし、今全国各地で、また官製の中で問題になりました熊本でも、そして島根でも事業が大きく展開もされている。この部分の処理の部分については当然検討されていかなければならないだろうと、こう思っておりますが、廃止をするのは当然ながらいつまでに、当然目標設定をしなければなりません。いつごろまでに廃止をされる予定なんでしょうか。
  93. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 緑資源機構については廃止の方向で検討するようにと、こういう指示をしたところでありますけれども、委員指摘のように現に行っている事業もございますし、そこで働いている、まじめに働いている方々、その人員の処遇とか多くの詰めなければならない論点もございます。  現時点で廃止の時期について、これ確たる時期は申し上げられませんけれども、今申し上げたような点も含めて第三者委員会でよく御議論いただき、その御意見も踏まえて早急に検討を進めてまいりたいと考えております。
  94. 芝博一

    ○芝博一君 大臣、私最初確認したんですよ。廃止をするというのと廃止も含めて検討するとは大きな違いがあるんです。廃止をするということはもうそれしかないんです、答えは。それに向かって作業を進める。しかし、いろんな選択肢のある中で検討するというのはいろんな選択肢もあるんですよ。だから、私はあえてそこのところは最初に確認もして、先ほども確認したんですよ。ところが、大臣、言われるたびにニュアンスが変わってきている、表現が。廃止をするんですね。その一点で聞きましょう。
  95. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 私は、廃止の方向で検討するようにということを事務方に指示したわけでございまして、廃止も含めてというふうに言いますと、廃止もあるし廃止しないこともあると、こういうことになろうかと思われますし、廃止するとすぐぶった切ってしまうように言いますと、今現に行っているような事業をどうするのかとか、そこの人員の処遇についてどうするのかということもありますから、あくまで廃止の方向で検討するようにと。その具体的な検討については第三者委員会の御議論も踏まえて早急に具体策を詰めていきたいと、こういうことでございます。
  96. 芝博一

    ○芝博一君 大臣、私は、そこのところは大変大事なポイントですから、さっきから何遍も聞いているんです。大臣は一日の就任会見で、存続というわけにはいかない、こう断言して記者会見しているんです。だから廃止という文言が起こっておるんですよ。ところが、今の話も含めて、いや指示したのは廃止も含めて検討しなさいということは、廃止もあるけれども廃止もしない場合もあるということだ、検討ということは。  だから内容を検討するじゃないでしょう。将来的に何年か先には廃止をするという、その方向でもろもろの職員の問題とか事業の継承の問題とか多くの問題がありますから、それを検討しなさい、そういうことだと私は理解しているんですが、よろしいですね。分かってもらえたかな。
  97. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 正に委員のおっしゃることと全く同じだと思っておりますが、その廃止も含めていろいろありますよということだと、廃止することもあるし、しないこともあるということになります。そうではないということでございまして、廃止の方向で進んでいくわけですから、廃止の方向に向かうことには変わりなく、それ以外の方向に向かうことはないということでございます。
  98. 芝博一

    ○芝博一君 具体的にじゃ質問します、時間がないもんですから。  先ほど言いましたように、司直捜査の手とは別として官製談合防止法があります。この中に、今日、公取の皆さんお越しをいただいていますね。公取の皆さん方が今、最初に官製談合の部分で着手をいただきました。当然ながらいろんな部分で告発をいただいて東京地検が動いた、この部分であります。  そこで、公取としては改善措置、談合があった場合に必要な改善措置を要求することができますが、まだこの要求措置は発注機関に出てないと思っておりますけれども、いつごろ出るんでしょうか。まずこの点について、公取の方。
  99. 山田務

    政府参考人山田務君) 公正取引委員会におきましては、緑資源機構が発注する幹線林道事業に係る調査測量設計業務の入札談合事件につきまして、現在調査を行っているところでございます。現在まだ調査中でございますので、今御指摘がありました官製談合防止法の適用等も含めまして、今後の対応についてはお答えを控えさせていただきたいと思っております。  しかしながら、いずれにいたしましても、公正取引委員会としてはできるだけ速やかに調査を進めて結論を出してまいりたいと考えております。
  100. 芝博一

    ○芝博一君 最後、聞こえなかった。
  101. 山田務

    政府参考人山田務君) できるだけ速やかに調査を進めて結論を出していきたいと考えております。
  102. 芝博一

    ○芝博一君 できるだけ速やかに改善措置を要求していただきたいと、この部分は思っておりますし、捜査の方も進展があるようでありますから、そこの部分はそれで、公取の部分に早期の部分を期待をするというとおかしいですけれども、理解をさせていただきます。  公取の部分とは別に、この官製談合防止法には発注機関並びに監督行政等々についての責任、責務、縛りがあるんです。例えば、損害賠償請求の件、それからそれに係る調査の公表の義務、ここのところがございますが、簡潔に、官製談合に関与した職員に対して関係する機関が取らなければならないこと、これが法律でうたわれておりますけれども、公取の方から簡潔に御説明ください。
  103. 山田務

    政府参考人山田務君) 入札談合等関与行為防止法におきましては、公正取引委員会から改善措置要求を受けた発注機関につきましては必要な調査を行いまして……
  104. 芝博一

    ○芝博一君 もっと、聞こえない、マイクよく下げて。
  105. 山田務

    政府参考人山田務君) はい。必要な調査を行いまして、関与行為が明らかになった場合には必要と認める改善措置を講じなければならないとなっております。  これと合わせまして、入札談合等関与行為における損害の有無、それから職員の懲戒事由等につきましても必要な調査を行い、調査結果を公表しなければならない、そのような規定になっております。
  106. 芝博一

    ○芝博一君 改善措置とは別に、談合があった職員にはその発注機関が損害賠償請求をしなければならない、してもいいんじゃないんです、法律にはしなければならないと明記されているし、懲戒処分もしなければならない。そして、その調査もして、調査の公表も義務付けられているんです。  大臣、いいですか。監督官庁としてここの部分の処理をいつから着手をして、どうされるおつもりか、まずそのお考えをお聞かせください。
  107. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) この緑資源機構の問題については、先ほど来申し上げていますように、廃止の方向で検討するということとしております。御指摘官製談合防止法との関連につきましても、今後の検討の一環で、緑資源機構が廃止の時点でそのときに有する債権債務関係等適切に処理されるように検討していくわけで、ただいまのその損害賠償についてもその一環として検討されることとなります。
  108. 芝博一

    ○芝博一君 大臣、片やで廃止をすると言っているんです、緑資源機構を。片や、法の定めの中で、今回の官製談合について管轄する農水省並びに緑資源機構は、職員に対して、関係する職員ですよ、逮捕者だけではないんですよ、官製談合に、調査をして、関係する職員に損害額を算出をして請求をしなければならない、そしてその請求の内容調査内容は公表しなければならないと法律でうたわれているんです。片や廃止をする、片やこの義務がある、法でうたわれている。どっちを優先するんだ。  私は言いたいのは、すぐに調査に入って、ここの作業に、法にのっとって作業に入るべきだ、これも大きな今の仕事なんですよ。大臣の任命権のある緑資源であります。すぐにここの部分について調査に入り着手をする、内容を検討する、そのお考えでよろしいでしょうか。
  109. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 御指摘官製談合防止法に基づく損害賠償等についてでございますけれども、緑資源機構については廃止の方向で検討することとしておりますが、その際、緑資源機構が廃止の時点で現に有する債権債務関係についても適切に処理されるよう検討してまいりたいと考えておりまして、その官製談合防止法に基づく関与職員に対する損害賠償についてもその一環として検討してまいりたいと考えております。
  110. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) 時間が来ておりますので、質疑まとめてください。
  111. 芝博一

    ○芝博一君 はい。  大臣、世間は今農水行政に、この官製談合に大変不信を持っています。その中で、廃止論とは別として、今この官製談合の解明をまずしなきゃならぬ。私に言わせれば、ある意味では、既に関係する、また関係したと言われているお二人も亡くなられている大変大きな事件もあります。だから、改めてこの全容を解明することは司法当局とは別に農水省、機構として責任がある、法にうたわれている。そして、そこの賠償請求はしなくちゃならぬ。これは逮捕、起訴された人以外にも多くの職員が事情聴取もされ、関与もされ、証言にもあるんです、高木さんの証言にも、関与していた。ここの部分の調査をして、それの公表を明らかにして速やかに私たち国民の前にその報告をすること、そして請求をすること、懲罰の対象とすること、これが今あなたに求められた最大の仕事なんですよ、早急な。そこの決意をもう一度端的にお答えいただいて、質問を終了したいと思います。
  112. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
  113. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) この緑資源機構の問題、これは松岡大臣からも、五月の二十四日ですけれども、緑資源機構理事長に対して、本件の原因の徹底的な解明やその原因を根絶するための具体的な方策について外部の有識者により早急に検討することを指示したところでございまして、入札談合再発防止対策委員会というこの委員会も開催されたわけでございます。  この委員会議論を踏まえて早急に検討を緑資源機構が進めると、こう認識しておりますけれども、農林水産省としても、監督官庁として早急に結論が得られるようしっかり指導してまいりたいと考えております。
  114. 芝博一

    ○芝博一君 終わります。     ─────────────
  115. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) 委員異動について御報告いたします。  本日、小川勝也委員委員辞任され、その補欠として尾立源幸委員選任をされました。     ─────────────
  116. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  質問に入る前に、去る五月二十八日に御逝去されました松岡利勝農林水産大臣の御冥福を心よりお祈りを申し上げます。  さて、このたび農林水産大臣に就任をされました赤城徳彦大臣におかれましては、我が国農林水産業が直面する諸課題を克服し、改革を成し遂げ、新たな発展が遂げられますよう、かじ取りをよろしくお願いを申し上げたいと思います。本日は、赤城大臣が就任されて最初の参議院での農林水産委員会でありますので、農林水産行政の当面の諸課題に対して大臣のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。  まず最初に、農業問題に関して質問をさせていただきます。  我が国農業を将来にわたって発展をさせていくためには、担い手確保が重要であり、そのためには農業経営所得安定対策がしっかり行われていくことが大事であると、そのように思っております。現在進められている品目横断的経営安定対策及び品目別経営安定対策をどう推進担い手確保していくのか、大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。    〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕
  117. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 渡辺委員からの御指摘のとおりでございまして、今農政にとって大変大事な時期に来ておると思います。元々、日本というのは、国土条件も非常に悪い、国土が狭いとか山がちであるとか、そういう中で農業従事者が減少したり高齢化しているという、そういう状況にありますので、生産構造が脆弱なままではいかぬと、どうやって体質の強いそういう農業実現していくのか、これが我が農政にとって待ったなしの課題だと思っております。  御指摘のありましたそういう品目横断の経営安定対策、これもそういう趣旨でございまして、意欲と能力のある担い手をしっかり育てていこう、そこに光を当てて施策推進していこうと、こういうことで構造改革を進めて生産性向上させ品質も改善していくという、そういう大改革でございます。これを本年の四月から本格導入と、こうなりましたので、しっかりと現場に定着し、この趣旨に沿って体質の強い農業実現するように取り組んでまいりたいと考えております。
  118. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 そのほかに、品目横断的な経営安定対策のほかに、畜産の関係の方もいらっしゃる、野菜等を生産されていらっしゃる方もいらっしゃる、そういう方々もちゃんと後継者が得られるように、収入っていいますか、経営所得が安定的に得られるように対策を充実していっていただきたいと思います。  それから、私ども公明党としまして、農林水産業活性化推進本部というものをつくっておりまして、今回様々な課題が現場にあるということでありまして、前私どもの神崎代表を中心としまして現場でいろいろフォーラムを開いたりして現場の意見を聴いておるんですが、やはりまだまだ、担い手になろうと頑張っておるんですけれども、なかなか担い手という位置付けになっておられないということで悩んでおられる、あるいは努力しておられる方々がいらっしゃいますので、こういう方々に適切なアドバイスと支援をしていただきたいと、そのように思っておりますので追加をさせていただきました。  次に、赤城大臣は来年の北海道洞爺湖サミットに向けて地球環境問題への対応などを農政の重要課題に据える考えを示しておられますけれども、環境保全農業推進にはどのようなお考えで対応されるのか、この点をお伺いをしたいと思います。
  119. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 先ほどの品目横断の対策、これは土地利用型の特に我が国にとって脆弱な部分についてでございますけれども、併せて畜産とか果樹とか、これは割と専門的な農家が担っている部分ですので、品目に応じてきちっと対策を立てていきたいと思っております。  環境問題でございますけれども、これは元々農業というのがそういう大きな自然の中でその恵みを受けて生産活動をし、消費し、それを食料として日々の糧としているという、そういうものでありますから、地球環境に、環境と共生するように、両立するように、更に積極的には環境への貢献をするように、そういうふうに取り組まなければいけないと、こんなふうに考えておりまして、私、大臣に就任するときに、地球環境問題への貢献と、それから農林水産業の現場で基本に返って、そういう先ほど申し上げたような自然の恵みを受けてその循環の中で生かされているんだという、そういう基本に立ち返った施策をやりなさいと、こういうことを提起したところであります。  例えば、これは例えばですけれども、具体的に土づくり、これを大事にしなければ、だんだんだんだん土がやせていってしまって、この先、生産影響出るということであってはいけないと思いますし、農薬とか肥料の扱い方、こういうことも大事でございます。原点に返るという意味では、農産物が持っている本来の持ち味といいますかうまみといいますか、単なる工業製品とは違うんだよと、そういう持ち味というものを大切にすべきだと、こう思っております。  これからの取組でありますけれども、一つには、農業環境規範というルールをきちっと普及、定着させたいと思いますし、また、これは十九年度からの導入になりますが、農地・水・環境保全向上対策、これでベースの部分とそれを上回る取組の部分があります。その上回る取組の部分で地域でまとまりを持って化学肥料とか農薬を低減する、そういう先進的な取組に対しての支援、こういうこともやってございますし、また本年四月に基本方針を定めたところですけれども、有機農業農業者がしっかり取り組んでいただけるように、そういうための条件整備、こういうことも進めていきたいと、こう考えておりまして、様々な対策を取りながら環境保全型の農業ということに取り組んでいきたいと考えております。
  120. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 やはり世界的にも地球温暖化等で皆様が環境問題というのは非常に重要だということを認識されておりますので、日本としましても農業に関しましても環境保全ということをやはり大きな中心の課題として取り組む必要があるということで、私どもも超党派の有機農業推進のための法案作りに関係をさせていただいたわけであります。  また、農業の持つ多面的機能というのは本当に大事なものというふうに私も思っております。私も生まれは茨城でございまして、茨城の母親は農家の生まれでございまして、その農家の地域で小さいころ過ごしたわけでありまして、本当に田んぼのあぜで遊んだことも一杯ございますし、メダカとかドジョウとか、いろんな生物がいることを本当に楽しみにしながら遊んでいた思いがございますので、そういう環境保全農業をやっていくということは子供さんたちの教育にも大変重要だと私は思っております。どうぞ推進をしっかりやっていただきたいと思います。  次に、改善が遅れている自給率の向上をどのように図っていくのか、また耕作放棄地の解消など、自給率の向上の潜在的基盤の整備といいますか、別な言い方でいけば自給力といいますか、そういうものを確保、強化していくための対策をどのように取っていかれるのか。先ほど農地・水・環境保全向上対策についてはお話がございましたけれども、やはりいざというときに自給力を上げていく、自給率に結び付けていくためには、やっぱり環境、自給力という、そういう潜在力を高めていくということが大事だというふうに私は思っておりますので、こういう点、耕作放棄地の解消等を含めましてどういう対応をされていくのか、お伺いをしたいと思います。    〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕
  121. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 自給率を向上させる、この基本的な方向というのはどなたも一致しておると思うんです。  具体的にではこれに取り組むとなりますと、これはなかなか現実問題難しい面もございまして、現在、カロリーベースで四〇%、もう八年連続で四〇%なわけです。今それを四五%にしようという目標を立てておるわけですけれども、目標は高ければ高いほどいいということもありましょうけれども、しかし、じゃそれをどんどん上げていって完全自給ができるかというと、先ほどお答えしましたように、なかなか物理的に不可能な部分もございます。  そこで、まずはその四五%という目標を立てて工程を管理しながら、具体的に生産と消費と両面ございますので、例えば消費の面で何ができるか、食育とか食事バランスガイドというのを作っておりますけれども、そういうのを普及、活用するということとか、また生産面で、食品産業とか川下のニーズに合った生産をする、そのことが自給率を高める道でもありますし、そういういろいろな対策、総合的にこれやらなければ、なかなかこの四五%という目標は達成も、大変これは大きなというか目標でありますので、それをきちっと工程管理しながら確実に達成をしていきたいと、こう考えております。  御指摘の自給力ということであります。これは、ある意味自給率と表裏の関係にあると思います。農地とか農業用水、またそこで働く担い手農業生産技術、そういったものをしっかり備えていく、力を付けていく、そのことが大事であります。  私どもは、この食料自給率という目標を設定して、その達成に向けて取組推進していくということがまたそういう農業生産の増大とか不測時における食料の安全保障の確保にもつながると思いますし、今言いましたような農地と水と人と技術、そういったものの供給力の強化にも資するものだというふうに考えておりまして、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
  122. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 その自給率とも大変関係が深いWTO農業交渉とそれからEPAFTA交渉の対応についてですけれども、先ほども御質問がございまして大臣がお答えになっておりますので、簡潔に対応の、大臣としての決意をお聞かせいただければと思います。
  123. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) WTO農業交渉についてでございますけれども、長い経過があって今正に最大の山場を迎えていて、ファルコナーの四月末に出された議長ペーパー、これを見ますと、なかなか我が国主張から見ると大変厳しいものでありますし、何よりも輸出国輸入国、このバランスが取れて初めて正しい貿易のルールができると考えております。  今はG4という四か国が精力的に会合を開いているわけですけれども、G4だけで物事を決めるということではいかぬと、我が国も含めてG6という、そういう場で議論すべきだと、こういうことを電話会談でも申し入れておりますし、是非、現地でバイの会談あるいはG6の閣僚会合を開いて、その場でも我が国立場、そして輸出国輸入国の公平なルール、それをしっかり作るべきだと、そのことを訴え実現していきたいと考えております。
  124. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 日豪EPA、それから今新たな課題になっております米国やEUとのEPA、これに対してはどのように大臣対応されるのか、決意をお聞かせいただきたいと思います。
  125. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) まず、日豪EPAでございますけれども、これはもう交渉に今入っているわけでありまして、昨年の十二月に日豪の首脳間で交渉開始に合意されて、第一回の会合が四月の二十三日から二十四日までキャンベラで行われたということでございます。  その交渉の開始の際に、日米の政府間の共同研究、これを発出して、その中で、関税段階的削減だけでなく、除外とか再協議というあらゆる柔軟性、手段を取り得るんだと、そのことを報告書に記載し、盛り込み、第一回の協議において、それをベースにしてこれからの協議が進められるんだということを日豪両国間で確認をしたと、こういうことでございます。  その線に沿って、守るべきところはしっかり守るという基本線でこの交渉に臨んでいきたいと思いますし、特に、本委員会で昨年の十二月に決議をいただいておりますので、その決議をしっかり体してこれも政府一体でやらなければいけないと。先ほども御指摘ありましたけれども、交渉において腰が定まらないというのが一番いけないわけでございますので、政府がしっかり一体となって腰を据えて取り組んでいきたいと考えております。  それから、日米とか、アメリカとかEU、日・EUのEPAについてもお話が出るわけでございますけれども、これは、そもそもEPAFTAというのがWTOという多国間のルール、枠組みを言わば補完する役割でございますので、アメリカそしてEUということになりますと、我が国含めて世界のGDPの七割をこの国で占めてしまう、貿易額でも四割ですか、そういう大きな経済圏で自由貿易協定を結ぶということがこのWTOを中心とする多国間の貿易体制あるいは世界経済に与える影響というのも大変大きなインパクトがある、大きなものがあると思います。それから、もちろん我が国農林水産業に対しても日豪に劣らずこれはいろんな影響が出てくるわけでございまして、そういった留意すべき点がございますので、将来のこれは課題として検討していくということが良かろうかなというふうに考えております。
  126. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 時間の関係上、いろいろ質問を用意したんですけれども、今日は大臣の御所見を聞くのが主でございますので、次に水産業関係で質問をさせていただきたいんですが、二〇〇六年度の水産白書では、日本の若い世代の魚離れが問題とされまして、日本の魚食文化の振興の必要性が指摘されたわけであります。赤城大臣は今後どのように日本の魚食文化の振興に取り組まれていかれるおつもりなのか、この点をお聞かせいただきたいと思います。
  127. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 魚食、魚離れの御指摘ですけれども、私も大臣就任前から、以前から、これは党の立場ですけれども、今度の白書についても魚の良さとか魚食文化とか、あるいは子供たちが魚を食べなくなっている、そういう魚離れ、そういったところをきちっと取り上げて記述すべきだと、こういうことを言ってまいりました。  魚離れもいろいろな要因あると思うんですけれども、骨があって面倒だとか食べにくいとか、そういったこともあると思います。いろんな工夫をしなければいけないと考えておりますけれども、いずれにしましても、水産物というのは大変栄養的にも、また日本型の食生活という中でも優れたものでございますので、魚食、魚に対して国民的な理解を深めていきたいと思います。  具体的に、例えばいろんな対策が必要なわけですけれども、産地と消費者をつなぐルート、流通ルートを、多様なルートを構築しなければいけないんではないかなと考えています。産地ではいろんな地場の魚が漁獲されるんですけれども、流通のルートに乗るのは大体規格のそろったもの、売りやすいものというのが流通ルートに乗って、規格外のものとか地場のものがなかなかそのルートに乗らない、そういう流通の問題とか、また魚についての調理方法とか栄養面でとか、いつその魚が旬であるかとか、そういう情報も発信していく必要があると思います。  それから、子供たちについては特に学校ですね、学校にも出向いて魚に触れ合う体験をするとか料理教室をやるとか、もっと魚に親しむ、そういう機会が必要なんだろうと、こう考えております。  いろいろ対策として考えられるわけでありますけれども、特に子供たちのことがございましたけれども、子供たちを含めて、魚食、また食育、これをしっかり理解をしていただき、推進をしていきたいと考えております。
  128. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 最近、ロシア領海内で取れた活ガニ等の水産物の輸出規制の強化ということが報道で出ておりまして、この点どのようになっているのか、外務省にお伺いをしたいと思います。
  129. 本田悦朗

    政府参考人(本田悦朗君) お答えいたします。  五月十一日にロシアが公表しました極東漁業水域のための漁業規則におきまして、カニを生きている状態でロシアの排他的経済水域の外に搬送することを禁止するとの規定が盛り込まれていると承知しております。また、本件に関しまして、これまでにロシア農業省より在ロシア大使館に対し、今回の措置はカニの輸出自体を禁止したものではなく、活ガニについても通関手続を経れば輸出することは可能であるとの説明がなされております。  他方、ロシア側による今回の措置が我が国への活ガニの輸出に実際にいかなる影響を及ぼし得るかにつきましては、現時点では明らかではなく、引き続きロシア側に確認を行うとともに、関連情報の収集を行っているところでございます。  さきにハイリゲンダムで行われました日ロ首脳会談におきましても、安倍総理よりプーチン大統領に対しまして、ロシア側の措置等につきまして関係者が不安に思っており、その詳細について十分な説明を受けたい旨申し入れたところでございます。
  130. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 カニは、魚食と、魚と言っていいかどうかあれですけれども、魚食文化の一角を担っておるものでありまして、おいしいカニがやはり日本でもこれからも食べられるようにいろいろ情報を集めていただいて、水産庁としても対応をしっかりしていただきたいと思っております。  時間の関係上、次の質問に移らさせていただきますが、林業関係でありますけれども、私の居住する山形県では、森林を県民共通の財産として位置付け、県民全体で森林を支える仕組みの一つとして、本年四月からやまがた緑環境税というのを導入したわけなんであります。ほかにも地方における森林保全に関する税の導入が進んでおるわけでありますが、森林環境税というような類似のものでございますけれども、大臣地球温暖化対策について積極的な御発言もされておるんですが、この森林環境税の導入に関してはどのようなお考えを持っておられるのか、この点をお聞きしたいと思います。
  131. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 森林が果たす地球環境、これ大きな貢献をしているわけで、そういう意味でも地球温暖化防止のために林業森林、しっかり守り育てていくということが大事だと思っております。  そういうことで、地方においても森林整備等を目的とした森林環境税を導入しておるわけですけれども、平成十九年四月現在で二十三県導入されておりまして、さらに一県において導入予定だと、こういうふうに聞いております。  その導入した県の条例を見ますと、その税の使途については、多くの県で、森林環境保全に加えて、それだけでなく、森林を県民で守り育てる意識の醸成ということも挙げております。こういう税を導入するというその議論の過程の中でも、いかに森林の役割が大切なのかということ、それを住民に理解してもらう、そういう機会にもなろうかと、こう思っております。  これからこういう地方における森林環境税の導入取組、これは森林吸収源対策を着実に推進するという、これも政府の大目標でありますけれども、その上で、森林整備推進はもとより、国民的な理解促進とか、あるいは森林整備するということの支援しようと、応援しようという、そういう意識を醸成することにもなると、こういうふうに考えております。
  132. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 地球温暖化防止のためには、やはり林業木材産業の再生ということが大変重要でありまして、大臣もこちらの方にも力を注ぐという、そのようなお話でございますので、やはり国産材地域によりましては秋田とか我が山形でも金山杉とかいろいろ地域のいい木材がありますんで、そういう地域材の活用等も推進をしていただいて、大事な地球環境保全、また美しい日本環境保全等にも力を注いでいただきたいと思います。  今日は質問をほかにも用意しましたが、時間の関係上でこれで終わらせていただきます。大臣、しっかり頑張っていただきたいと思います。
  133. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  最初に、政治姿勢の根本にかかわる問題として赤城大臣にお聞きしたいと思います。  それで、大臣は、前大臣の政治と金の問題が未解明の中で農水大臣を就任をされました。農水大臣の任命の際に、安倍総理から政治と金の問題について何らかの指示なり注意があったのかどうか、最初に御答弁いただきたいと思います。
  134. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 私が大臣に就任するに当たりまして、安倍総理から、農林水産政策の諸課題についてしっかり取り組むようにと、特に今、WTO交渉、大事なときを迎えております、そのことについて、また緑資源機構の問題についてもしっかり取り組むようにと、こういうことで御指示をいただきました。
  135. 紙智子

    ○紙智子君 政治と金にかかわっての指示なり注意があったかというふうにお聞きしたんですけれども。
  136. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 安倍総裁からの指示は、農政の諸課題についてしっかり取り組むようにということでございまして、特にその政治と金の問題でということでの御指示ではございませんでした。
  137. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっと驚きますね。これだけやっぱり政治と金の問題で大きな不信を、大きくその要因になっているわけですから、その問題に対して安倍総理から何も指示がないというのはちょっと驚きです。  今現在、問題となっている議員会館に所在しています資金管理団体の事務所費の問題あるいは光熱水費、それから緑資源機構談合事件に関連した企業と政治家の関係などですね。この政治と金の問題について赤城大臣自身はどのようにお考えなのか、その見解をお聞かせください。
  138. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 御指摘の政治と金の問題について、これは私、先ほど来申し上げているところでありますけれども、この問題については法律にのっとってきちんと適正に処理するということが大事でありまして、誤解を招くことがあってはならないし、国民信頼を裏切るようなことになってはならないと、適切な処理をしなさいということを常々秘書に申し付けておるところでございまして、私の政治姿勢、またさらに、私は政治資金の問題については、微に入り細にわたりそれを扱うというよりは、国政、国家の安全、発展、そういったものに専念をしていくということが私の与えられた職責だろうと考えております。
  139. 紙智子

    ○紙智子君 大臣は、今月の八日の閣議後の記者会見で、先ほど話出ていましたけれども、林業関連の政治団体の林土連の懇話会からの献金四十万円と、それから特森懇からの献金二十六万円について返却したと述べたわけですけど、この二つの政治団体からの献金を返却した理由、端的にお答えください。再度聞きます。
  140. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 先ほども御答弁申し上げたところなんですが、それぞれ林土連懇話会と特森懇話会と、これは二色ございます。  林土連懇話会については、先ほど御報告申し上げたように、林土連懇話会から自民党の選挙区支部に献金がなされて、その旨記載し公開していたということですが、ここは理由は分かりませんけれども領収書が違っていたと、そういうことがあって、正しく報告をして、正しく処理をして、またそのことを報告をいたしたわけです。そこで正しく処理をしたわけでありますけれども、その間、林土連懇話会がこれはもう善意で寄附をしていただいていたわけですけれども、御迷惑をお掛けしたということもありまして、この際返却した方がいいと、そういう判断で六月七日に返却したと、こういうことで六月七日に返却したという報告を受けているところです。  もう一つは、特森懇話会……
  141. 紙智子

    ○紙智子君 それもういいです。分かります。いいです。
  142. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 特森懇話会については、三年間で二十六万円のパーティー券を購入したと、こう報道があったわけですが、秘書によく調べさせましたところ、これは適正に処理されているという報告を受けております。しかし、これはいろいろ指摘をされているところもありますので、この際、李下に冠を正さずということで、そういう精神で返却すべきものは返却すべきだと、こう考えて返却をしたと、こういうことでございます。
  143. 紙智子

    ○紙智子君 要するに、今いろいろ返したという理由を述べられているんですけれども、結局、林業関係の政治団体からの献金はこの二団体だけじゃないわけですよ。  それで、ちょっと資料をお配りしていただきたいんですけれども。あっ、配ってありますね。ちょっと見ていただきたいんですけれども、この資料は赤城大臣の資金管理団体徳友会と、大臣が支部長をしている自民党の茨城県第一選挙区支部に対して林業関係の政治団体が幾ら献金しているかということをまとめた資料です。  書いてあるように、林土連、三年間七十万、特森懇二十六万、全国木材産業政治連盟九十四万、全国林業政治連盟五十六万。これはどういう経緯でこれらの献金を受けたのか、大臣、明らかにしてほしいと思います。
  144. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) この林土連懇話会の先ほどの件、また特森懇話会の三年間のパーティー券のことはお話ししたとおりでございますけれども、一般的にいろんな団体から御支援をいただいておるわけでございまして、それは相手方の善意によって支援、例えばパーティー券を購入していただくとか献金をいただくとか、相手方の善意によって支援してくださっていることでございますので、これ詳細にわたってどこからとか幾らということを申し上げることは、これは差し控えさせていただきたいと思います。  なお、収支報告書に記載すべきものについては、きちっと適正に処理しなさいということで指示をしております。当然ではありますけれども、これは収支報告書に記載されるものと、こういうふうに承知しております。
  145. 紙智子

    ○紙智子君 非常に何というか分かりづらい答弁なんですよね。それで、やっぱりこういうことについて逐一、本来秘書に任せておくんじゃなくて自分でちゃんと把握しなきゃいけないと、それが責任だというふうに思います。  それで、この徳友会は大臣の資金管理団体と、それから自民党の茨城県第一支部というのは大臣が支部長ですよね。当然、この二つの政治団体の収支報告は把握しなきゃいけないし、責任持たなきゃいけないわけですけれども、この資料の中の全国木材産業政治連盟、これは林野庁の所管の社団法人全国木材組合連合会の会長が政治連盟の代表者ですね。それから、法人と政治連盟の住所も同じ場所にあるわけです。それから、全国林業政治連盟は許可法人全国森林組合連合会の前の代表理事会長が連盟の代表者と。事務所も同じところにあるわけです。  これまでもKSDの問題や日歯連の事件でも、公益法人と政治団体の関係が問題になってきたわけですよ。で、林業関係の団体も同じようなことが行われていると。しかも、大臣が献金を受けたこの一つの全国木材産業政治連盟の関係団体、社団法人全国木材組合連合会は農水省から補助金の交付を受けているわけです。二〇〇三年から二〇〇五年の間の献金に該当する補助金の交付の総額は一億五百一万円余です。この補助金の交付を受けた公益法人が政治団体を通して赤城大臣に献金しているということになるわけですよ。税金が還流しているわけです。  この資料でも明らかになっているこの林業関連の政治団体からの献金、パーティー券購入を含むすべての献金を返却すべきじゃないですか。明快な答弁を求めたいと思います。
  146. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) この御指摘全国木材産業政治連盟や全国林業政治連盟、こういう団体について、私は代表者がだれとかどういう団体であるかということはよく承知しておりません。  先ほど申し上げたように、私の資金管理団体、これは多くの善意による支援によって成り立っておるわけでございまして、それらの方々の私に対する期待を裏切らないように適切に判断していきたいと考えております。
  147. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっと通用しない答弁なんですね。通告していましたよ、ほかにそういうところないのかということを、そしてちゃんと調べておいてほしいと、それで答えを求めるということを言ってあったわけで、どういうふうなことか知らないというのはこれは通用しない話だと思いますよ。  それで、大臣、法律に基づいてということを最初言われたんだけれども、政治資金規正法の二十二条の三項で何て書いてあるか。国から補助金、負担金、利子補給金等々を受けた会社その他の法人は、交付の決定の通知を受けた日から一年間寄附をしてはならない。また、二十二条の三項五号では、補助金等の適用を受けることを知りながら寄附の勧誘、要求をしてはならないと規定されていますけれども、これ御存じですか。
  148. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 紙委員から様々な団体からの支援、献金とかパーティー券の購入、これ詳細にそれを知るべきだと、こういう御指摘でありますけれども、私は、資金の問題については適切に処理しなさいということを秘書に申し付けて、それは私が微に入り細にわたりそのことにかかわるということよりも、国政にしっかり専念をするということが大事だと、こう考えております。具体的にどこから幾らということについても、これは相手方の善意によって支援していただいていることですので、詳細にわたって私からどこから幾らということを申し上げるのは差し控えたいと思いますし、収支報告書に記載すべきものについてはこれは収支報告書に記載されているということであります。  それからなお、その御指摘の政治資金規正法の何条何条という具体的な条文について正確なところは存じ上げておりませんけれども、公益法人と、今禁止されているとか法律的に問題になっているということと今の御指摘団体からの資金、献金とは直接法律的な問題になるものではないというふうに考えております。これは秘書には常々適正に処理するようにと、こう申し付けておりますし、そのように処理されているという報告を受けております。
  149. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっと詳細について知らないというのは本当に驚きですね。大臣であるわけですから、そんなことも知らないというのは本当に情けないことだと思いますよ。  それで、大臣のこの政党支部の収支報告書を見せていただいたんですけれども、この寄附の中に大臣が所管する農業団体からの献金も含まれているわけですよ。社団法人の中央酪農会議、これは二〇〇三年の十一月六日付けで十万円の献金を受けていますし、農水省はこの中央酪農会議に対しては二〇〇三年の十月十七日に生産振興総合対策事業推進という名目で四千九百九十六万円余りの補助金を交付決定しているわけです。それから、全国農業協同組合連合会から二〇〇三年の十一月六日に十万円受けています。二〇〇五年の九月、これ十万円更に受けていて、合わせて二十万円の献金を受けているわけですよ。農水省はこの全国農業協同組合連合会に対しては、二〇〇三年の十一月に献金、これ政治資金規正法に抵触することになると思いますけれども、補助金二千九百九十六億円ですよ。二〇〇五年の九月の献金、これも政治資金規正法に抵触するんですけれども、補助金二百七十七億円を交付を決定しているわけです。  だから、補助金の名目というのは、名目はなたね契約栽培推進対策事業ですとか大豆作経営安定資金運営円滑化対策などですけれども、これらの献金というのは、先ほど私が紹介しました政治資金規正法の違反の疑いがあるということでは、これ返却すべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  150. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) 時間が来ておりますので、簡潔に願います。
  151. 赤城徳彦

    国務大臣赤城徳彦君) 政治資金の問題については適法に適切に処理するようにということを言っておるわけでございますが、念には念を入れろと、こういうこともございますし、更によく調査の上、適切に処理をしてまいりたいと考えております。
  152. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) 時間来ております。
  153. 紙智子

    ○紙智子君 答弁書を見ながらじゃなくて、今指摘されたことをちゃんとよく受け取っていただいて、どうすべきなのかということで大臣らしい答弁をいただきたいと思うんですよ。  中央酪農会議や全国農業協同組合連合会が農水省から補助金を受けているということを知らないはずないと思うんですね。今まで農政だったわけですし、農政通というふうにも言われているわけですから、そういう大臣として今の答弁というのはいかがかと思いますね。秘書に任せているという答弁は、これはもう言語道断と。今まで秘書が秘書が、妻がという話があったけど、もうそれは駄目ということになっているわけですから、そこはやっぱり改めていただかなきゃいけませんし、この補助金の交付を受けている法人や団体からの献金は税金の還流以外の何物でもないわけですから、これは調査して即刻返却すべきだということを申し上げまして、質問にしたいと思います。
  154. 加治屋義人

    委員長加治屋義人君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時三分散会