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小川敏夫君 適法にと言うけど、
民間の所有物を無償で国が取得しちゃったわけですよ。それは手続は取っているかもしれないけど、手続といったって無償は無償なんですよ。だから、私は何か知らないうちに、知らないうちに、まあいいや。
例えば、
馬券を売るという言わば刑法の賭博罪の例外の事業をやっているわけですけれども、ただ、だからといって
競馬を
運営するあるいは
競馬場を所有するものが
民間であっちゃいけないという理屈はならないわけですよ。例えば今のサッカーくじだって、サッカーは
民間がやっているんだよ。ただ、くじだけはきちんと法律で定めた人がやっているわけで。だから、
競馬場の
施設だってあるいは
競馬そのものだって
施設を所有することが
民間であったっていいし、
競馬そのものを行うのが
民間であったっていいんだよ。ただ、
馬券を販売するというその部分はきちんと法律で賭博罪にならないようにしてもらわなくちゃいけないと、こう思うわけですね。
だけど、現実には、戦前
民間が持っていて
運営していた
競馬そのものが、言わば戦争中という非常事態があったのかもしれないけれども、無償で国のものになっちゃって、無償で取得した国のものが現物出資という形で今持っているのがJRAだという構図を見ると、余りにも言わば先人たちの、
民間人が
競馬を支えてきた
努力というものを無視しているんじゃないかと思うわけで。そういう歴史経過を踏まえて、そもそも
理事長が初代、二代と
民間人だったのが今は
農水省のお役人の天下りになっちゃったと。
今回は、農水
大臣が任命する
経営委員が
経営委員会をつくるから
運営審議会を半分にしちゃうということが大変、言わば、正にお役人だけが、
農水省の
権限というか、そこの都合だけが自己増殖して、本来の
競馬サークルの民営化という面に関しては著しく反しているんじゃないかというふうに思うわけです。まあ、私の
意見を言わせていただいて、
答弁いただいても
先ほど大体いただいているんで次の
質問に移りますけれども。
今、馬産地が大変に不況にあえいで苦しんでいると。ただ、
競走馬というのは、一般の農産物と違いまして、一般の農産物は広く国民、言わば一般消費者を相手に販売するわけです。しかし、この
競走馬というのがこれ一般の消費者は関係ないんで、言わば馬主しか買わないんですよ。馬主にしか売らないと。だから、馬産地の繁栄あるいは牧場を支えるためには、その馬を牧場からいえば販売先、すなわち販売先は馬主しかないわけです。この馬主をもっと、最近ずっと賞金を絞ったりとか、あるいはこの
競馬に関して
意見を言う場をだんだん狭めてきておるわけですけれども。馬主をそうやって絞ることが結果的には資金の循環を悪くして、結局馬産地の馬が売れないという、こういう悪循環構造を招いていると思うんですね。
つまり、JRAの賞金の
売上げが余り上がらない、上がらないから馬主の賞金を下げると。あるいは、例えば
理事長さんがいらっしゃるから分かるだろうけれども、引退した雌馬の血統書買上げ一頭百八十万円という補助金を、
制度を
廃止してしまうとかですね。そうした面での馬主の資金循環を悪くしていると。馬主の資金循環が悪くなれば当然牧場で馬を買う資金が細っちゃうから馬が買えないという、こういう悪循環構造になっていると思うんですね。
だから、これ
理事長さんどうでしょう。そこのところ、馬産地の振興は、結局
競馬の
活性化であると同時に、馬主とそれから
生産地の資金の循環をよくするということがやっぱり大きく必要だと思うんですが、どうでしょうか。