○木村仁君 疑義あるという疑いなしとしないという、まあ疑義があるというふうに私は理解をいたしております。
私がこの三分の二ということに固執しますのは、これはその九十六条の
規定について、例えばこれは何とおっしゃる方ですか、塩野七生様、この方は憲法九十六条の
規定をまず
改正して過半数にしたらどうかと、そういうことを言っておられますし、佐々木毅東京大学総長も、
改正発議の実現
可能性がほとんどないところで憲法論議を繰り返していると、
政治全体のよどみがその分長続きするという言い方ができるかもしれないという。でありますから、私もこの考え方には
賛成でございます。もしやるとすれば、
改正するとすれば、その点も考えて、これは私の感想でありますからもう御
答弁は要りません。
次の
問題は、
改正後の
国会法の六十八条三でございます。
内容において関連する事項ごとに区分して
憲法改正の
発議をするというふうになっております。そしてこれが、こういう案が決まったときに幾つかの新聞で、これでもう憲法の全面
改正ということはなくなったという
報道をしておりました。私は非常にびっくりいたしまして、私の勉強不足だろうかと思って、この案文等準備されたものをいろいろ読んでみましたけれ
ども、そういうことはないと思います。そして、そのことについては
質問があって、
発議者のお答えがありました。しかし、私が満足しないのは、その
発議者のお答えが少しあいまいである、全面
改正ができないわけではないが難しいのではなかろうかというようなニュアンスではなかったかなと思うような気がします。そこのところをはっきりさせておきたいんです、全面
改正は可能であると。
そもそも日本の
法律というのは、
改正した
部分は、
法律は括弧何条かに何と改めるといろいろ書きますけれ
ども、それは本体の中へすっと入ってしまって完全な形の
法律になるというのが外国の
法律と違う、大陸法系でそうなると思いますけれ
ども、違うわけです。イギリスの
法律なんか、
改正文が別にあって、それを本文とコディファイするのが非常に難しいというふうなシステムでありますが、日本のはすっきりと、議決すればすっと中に入って完全なものができると。
恐らく、全面
改正をするとなれば、
国会が三分の二の多数という権威を持ってこの憲法を次の憲法にしたいんだということを示して、
国民がそれを
承認するかしないかというのを
議論するという形になるのが一番分かりやすくて、ここをこう改める、ここをかぎを何とかするというようなものが
国民投票にかかるわけがないと思うんです。
したがって、この項目別というのは、ある完全な憲法体制があって、その一条、二条、三条をこう変えていくというときには非常によく分かるんでありますが、私
どもは全体を変えたいと。そういう
意味では、私は、最初の
憲法改正は、まず今の
日本国憲法をそのまま今の美しい日本語に変えることから始めて、こういう憲法はどうでしょうかと
国民に問い掛けてみる。そして、まあついでと言うといけませんが、そのときに塩野七生さんや佐々木総長が言われるような三分の二
条項についても考えるということではどうかなと思っておりますが、それはまあ、これも私の感想になりますので、一括全文
改正が可能であるということのお答えをちょうだいしたいわけであります。