○西田実仁君
是非とも、それよろしくお願いしたいと思います。
この
日本政策金融公庫の発足につきましては、昨年の制度設計にも簡素かつ効率的な
運営ということがうたわれているわけであります。そうはいっても、
政府一〇〇%
出資の
政府機関としながら
民間並みの効率を求めていくという大変難しい課題に今挑戦をしようとしている。
そこで、今後の
日本政策金融公庫の、現状と、今後統合後の在り方ということについて、もちろんこれから議論するという面もたくさんあるというのは今まで随分
大臣から御
答弁いただきましたけれ
ども、私の方で用意させていただきました
資料でございます。これを基にして、幾つか懸念となるもの、また疑問と思われるものを具体的に、総論というよりも具体的にちょっとお聞きしたいと思っております。
お
手元にお配りさせていただきました
日本政策金融公庫の損益計算書、十七
年度決算額に加えて十八
年度予定額、十九
年度予定額と、それぞれ、
沖縄振興開発金融公庫の統合は先でありますので、国金、中小
公庫、農林漁業金
融公庫、
国際協力銀行の
国際金融部門、これを合算を単純にしておりまして、損益計算書、貸借対照表、そして
一般会計、特別
会計、財政投融資との
関係表をこちらで作成をしたわけでございます。
まず、損益計算書の疑問点でございますけれ
ども、この損益計算書は、中小
公庫の保険
業務などが混在していて大変に分かりにくいわけですけれ
ども、ともかく当期利益は、十七
年度黒字から、予定額としては十九
年度になりますと二百七十一億ということで、まず事実としてこの当期利益が急減をするという見込みになっているという、そこの前途多難さというものがあると思います。
しかも、
問題点として、貸借対照表を見ていただくと分かりますけれ
ども、十九
年度の貸付金残高は微減になっているわけでありますけれ
ども、しかし損益計算書における貸付金利息は急増しているということでございまして、これは
国際金融部門の急増が貢献しているということだろうと理解しております。それがそうだとすれば、この
日本政策金融公庫全体のPLを見ますと、この
国際金融部門がかなり収益支援をするという
構造になっているんだろうと思います。もちろん区分
勘定しておりますけれ
ども、全体としてはそういうことが言えると思います。
一般会計、特別
会計からの受入れというのが赤字で書いてございますけれ
ども、
一般会計からは五百四十八億、十九
年度で、特別
会計からは三千九百万、これは赤字の補てんということになるんだろうと思います。そして、貸付金の償却でございますけれ
ども、貸付金償却は左側の経常費用のところにございますけれ
ども、これは
平成十九
年度で見ますと、十七
年度の決算、また十八
年度の予定額に比べてかなり急減をしておりますけれ
ども、これが果たして本当にそうなのかどうか、見込みですのでちょっとよく分からない面もございます。こうしたことからすると、かなり統合後の
日本政策金融公庫の収益
状況というのは厳しいものになるんだろうなという前途多難なものを感じます。
一方、貸借対照表を見ていただきますと、総
資産が二十八兆七千億という見込みで
平成十九
年度予定額となってございますけれ
ども、そのうち貸付金残高は二十六兆二千億、貸付け、言葉はどうか、貸付け偏重というような巨大な金融
機関。じゃ、調達面はどうかと見ますと、
政府部門からの借入れが十五兆七千億、総
資産の半分以上を占めておりまして、その大宗は財政融資資金。債券発行では約七兆円を超えていると。資本金は三兆円と。
今後、統合後の在り方ということで今御質問させていただいておりますけれ
ども、
一般会計、また産業投資特別
会計からの
出資金が増えていくというのは余り考えにくいと。そして、先ほど当期利益のところで見ていただいたとおり、利益としても先細りが予想されるということで、逆に
政府の一〇〇%
出資のままですと自己資本の充実というのが大変に難しくなってくるんじゃないかというふうに思います。
加えて、貸借対照表の中では未収収益というのがございますけれ
ども、未収収益が増加傾向にございますし、今後
資産整理が行われるとすれば更に増えていくだろうと。貸
倒引当金の水準が低いんじゃないか。そして、恐らく最終的には整理されてくるであろう財政融資資金への依存が高いんじゃないかと。そして、加えて申し上げれば、保証債務が増えてきていると。
こうしたいろんな、マイナス面ばっかり申し上げているようですけれ
ども、要するに前途非常に多難な新たな
政府系の金融
機関、
日本政策金融公庫がここで登場してくるというふうに私は思っております。
それでどうするかという問題はちょっとその後お聞きしますけれ
ども、取りあえず現状として、今公表されている
数字を私なりに合算して申し上げますとこういう姿が見えてくるんじゃないかと思われますけれ
ども、
大臣の御認識はいかがでございましょうか。