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高嶋良充君
大臣の決意は
伺いました。その決意をどう実現するかということがこれから非常に大事なことだというふうに思うんですけれども、それは私はなかなか大変ではないかなというふうに思っております。
あの当時、
国民が期待をしていた本来の
改革というのは何だったのかという、私は三点ほどいつも挙げているんですけれども、ちょっと古い話になりますけれども、あの当時ノーパンしゃぶしゃぶという言葉がはやりましたけれども、大蔵省などの役人が過剰接待を受けると。接待を受けることが当たり前だと思っている特権意識そのものも問題なんですけれども、そういうものがあった。薬害エイズ問題が起こった。あるいはその後ではBSE問題。今も起こっていますけれども、厚生省や防衛省や農水省、緑資源機構もそうですけれども、汚職や談合事件が頻繁に起こっていたという時代、正に数え切れないほどの
公務員不祥事をなくしてほしいと、そういうのがまず第一に
国民の声としてあったのは事実ですね。
もう
一つが、
先ほども
小川委員が追及いたしましたけれども、省庁の関係する業界や特殊法人へストレートに
天下りをしていくということ。そして、それも渡り鳥と言われるように退職金の二重取りや三重取りや四重取りが行われるという、これに対する
国民の強い
批判がありました。
三つ目には、これは
能力・
実績主義とも関連するんでしょうけれども、
キャリアシステムを始めとして
公務員の特権、それに基づいてお
役所仕事と言われる非
効率な仕事がなされてきている、こういうことを何とかしてほしいという、そういうことが
国民の切なる願いだったんではないでしょうか。
しかし、あのとき出された大綱では、各論ではそのことが明確になっていなかった。
天下り問題にしても、
人事院の
規制、事前
規制を取っ払って、これは午前中に風間
委員の方からも出ていましたけれども、取っ払って、そして
各省の
大臣が認めるという条件を持っている。これなら正に
大臣のところに全部
各省庁の利害関係が、
民間との絡みも出てくるわけですから、あるいは特殊法人もそういうことなんですから、
大臣の命で幾らでも
天下りができるんだと。これに二十一世紀臨調を始めとして、
批判ごうごう起こったのも御承知のとおりでありまして、そのことの
改革よりは今回はちょっとはましですよ。今回のはちょっとはましだと
思いますけれども、しかしその域をまだ出ていないというような部分がある。
そういうことで、基本的には各論が問題になって
法案化されなかったということがあると思うんですけれども、私は、
大臣がそこまでの、
先ほど言われたような
国民に信頼されるための
公務員制度にするんだというたんかを切られるんであれば、やっぱりそういうことも含めてきちっと自信を、確信を持って、そのルール作りというか
法案作りを明快に政治家主導でやっていただく必要があるんではないかなというふうに思っているわけであります。
今回の一部改正では、私は
国民のための
改革だとはとても言えないというふうに思っております。これはやっぱり全体の
改革パッケージを明確に示していただいて、それによってどうですかということをこの
委員会で各立法に携わる
国会議員に聞いていただくということでなければ、私は、入れ物だけ見せられて、じゃ、これに賛成だ、反対だとなかなか言えないというふうに思うんですね、今のままでは。
先ほどのようなこともあります。
この間、私の所属する総務
委員会でこんな
議論がございました。
大臣が、いや、これは政令で決めるんだ、省令だと、こういうふうに言われたんで、それだったらあんパンと一緒じゃないかという
議論になりました。パン屋さんが新しいあんパンを作ったと。これどうぞ、先生方試食してくれませんか、おいしいですよと。こうして持ってきて、あっと見たら、ああ、なかなか今回のあんパンよくできているじゃないかと、外から見たらですよ。じゃ、これ一回試食してみようと、ぱっとかぶったら、中にはあんこが入っていないと。生地だけ食べさせて、立法を
審議するところにはパンの生地だけ食べさせておいて、あんは、いやいや立派な職人がおりますから、それ全部作るんですと。後ろの方におられる官僚の
皆さん方にそれを、あんをすべてお任せすると。だから先生賛成してくださいよと。絶対に専門家が作るんですからまずいあんなんて作りません、おいしいあんなんです、間違いありませんよと、そう
大臣に
答弁をされても、
先ほどのことと一緒ですよ。談合なんてしませんよ、そんな悪いことしませんよという、そういうことを言われてもそれは信用できませんよということになるわけです。
だから、私どもは
審議のときに、あんパンを試食してくれと言うなら、生地だけでなしに中のちゃんとあんこも入れて試食をさせてくださいよと、そうしたらおいしいかまずいか、これは即座に判定しますよと。そういうやっぱり
法案審議をやってもらわないと、なかなかこれは前へ進まないんではないか。
ただ、今回の場合は、全体の
パッケージをきちっとつくって、来年の通常
国会には
公務員基本法というものもやるんだと、その中で
定年制の問題から何から何まで全部やっていきますよと、そのための
有識者会議を設けるんですと。それはすべて官僚に政令や省令を作らせるということでなしに、そういうところでということですからある程度は信用できないこともないですけれども。しかし、そういうことであるなら、そういうことを
検討するに当たってこの
委員会で、その
法案を担当される
責任者である
官房長官や
渡辺担当
大臣、林副
大臣は、この場でこういうふうにするんですと、
法案にはまだ書いてないけれども私どもはこうしていこうとしているんですということをやっぱり明快に
答弁をしてもらわないと、これは賛否を問われても、いやどっちにしようか、どっちにしようかというか、そんなもの賛成できないよというふうになるのは当たり前のことですから。
私は、与党の
皆さん方も困っておられるなと
思いますよ。幾ら信用していても、あんこを食べさせてもらわないで生地だけでおいしいと言えというのは、これはよっぽど
理解のある先生方でないとできない。だから、公明党も与党ですけれども、午前中の話を聞いていればやっぱり問題点はきちっと
指摘をされる、それはやっぱりあんこの中を見てないからだというふうに風間さん思うんですけれども。だから、そういうことも含めて私は是非お願いをしておきたいというふうに思っています。
そこで、
政府の決意を順次伺ってまいりたいというふうに
思いますが、
公務員制度改革、この間とんざした原因は、
先ほども
官房長官から言われました労働基本権の取扱いに関する意見の相違で、これも
一つの大きな原因だったというふうに思っています。今回は全体
パッケージを含めて労働基本権問題
検討していくと、こういうことに衆議院でも
答弁をいただいているようでありますけれども、私は、この労働基本権問題にとりわけ
能力・
実績主義の問題というのは懸かっていると言っても過言ではないというふうに
思いますので、まず
渡辺大臣に
伺いたいと
思いますけれども。
今のこういう経済情勢あるいは社会情勢、あるいはこういう
政府の
行政の
状況の中では、労働基本権の制約を続けていくということはもはやできなくなってきているのではないかなというふうに私は思っているんです。というのは、労働基本権の制約を続けていこうと思えば、その代償措置である人勧
制度を守らなければなりませんね。そして、
職員の労働条件や身分保障もきちっとしていかなければならない。そうでなければ労働基本権を制約することができないわけですから。
ということは、裏を返せば、今のように、総
人件費削減だということを含めて、行革の下にどんどんどんどん
公務員のリストラをやっていくとか、あるいは人員
削減を行っているとか、あるいは地方
公務員ではもう独自に給与カットが行われていますね。さらには、今回の
法案でも分限処分
制度の的確な運用ということが出されている。ということは、労働基本権が一方的に制約されて、そして一方では
職員が一方的に不利益を被るような
状況になってきている。さらに、昨年、一昨年ですか、
政府は
人事院に対して、人勧の報告の関係で、
民間との比較をする規模の問題についても一定の介入をされたという事態もありました。
こういう
状況を
考えていくと、
公務員にも
民間並みの労働基本権というものを与えて
公務員も
民間並みにしていくという、
民間の垣根を取っ払うんだということをよく言っておられますけれども、そういう方向にどう持っていくんだと、そのためには
公務員に対して労働基本権を付与するという、そういう方向を明確にやっぱり示していく必要があるんではないか。
そういう
意味では、
先ほど小川先生のときの
渡辺大臣の
答弁ではちょっとちぐはぐな面もありましたけれども、
渡辺大臣、この問題では非常に明快な意見表明をされているわけですね。これは、行革推進本部専門調査会の四月二十四日の
会議で
渡辺大臣があいさつの中で言っておられます。安倍政権としては、戦後レジームの
改革の中で、この労働基本権の問題はその重要な構成要素であります。今後、本日の
議論を踏まえ、協約締結権、争議権を一定の
範囲で付与する方向で
検討いただければと。これは非常に私は
評価しておりまして、前向きなあれだと思っていますが、これは意気込みだけでなしにやっぱり実現をしていくということが重要だというふうに思うんですけれども、今もその
考え方は変わっていないですよね。
渡辺大臣、どうでしょう。