○藤末
健三君 民主党の藤末
健三でございます。私は、中小企業
政策金融につきまして中心に
質問させていただきたいと思います。
皆様御存じのように我が国の中小企業は雇用の四分の三、そして企業数でいきますと九九%、私たちの経済、産業を支える一番大きな基盤となっています。また同時に、次の世代を支える新しい産業の芽ということでございまして、新しいベンチャー企業が育ち、そして次の世代を支えてくれるということでございます。私は、中小企業の政策におきまして非常に重要なのは、やはり補助金というものではなく、税制やまたこういう
政府系の
金融支援だと考えています。
本日の
法案におきましては、中小企業
金融公庫、そして中小企業
関係では
国民生活
金融公庫の
統合の問題、また同時に商工中金、商工組合中央金庫の民営化の議論もされているところでございますが、私はこのような動き、非常に
効率化を求めるという意味では正しい方向ではないかとは思うんですが、やはりこの市場至上主義と申しますか、市場に任せればすべてうまくいくということは、行き過ぎてはいけないというふうに考えます。
政府の役割は何かと申しますと、市場の失敗、市場で調整できないものをいかに
政府がカバーするかというのが使命でございまして、この市場の失敗をどうカバーするか、そういう考え方に基づき御
質問したいと思います。
ちなみに私は全国区の参議院議員でございますので、いろんなところを回らさせていただきまして、今中小企業の
経営者の方々、雇用者の方々と
お話ししますと、やはりまだまだ、
景気がいいという話はございますけど、苦しい状況にございますし、またこの月曜日と火曜日には経済産業
委員会で北海道を視察してまいりました。北海道のワイン工場、住宅工場、そして食品メーカーを伺ってきたんですけど、もうその三つとも
中小公庫や商工中金の支援で
事業をどんどんどんどん拡大された方々です。
その中で印象に残りましたのは、先ほど
渡辺大臣から香港で牛乳の話をおっしゃられましたよね、その中の一社が名前を言いますとふうどりーむずという
会社がございまして、今赤字なんですけど、国の
お金でどんどんどんどん技術開発をしまして冷凍牛乳というのを開発しました。牛乳というのは凍らせますと脂肪分とたんぱく質が分解して飲めないんですよ。ところが、それをうまく凍らせる技術を開発しまして、今台湾とか、あとシンガポール、香港に売り出そうとしているんですよ。赤字なんですね、まだ。それでもリスクマネーを
政府が提供しているからこそ、彼らは新しい分野に乗り出せるという状況でございまして、この
政府系
金融の役割何かということをやはりきちんと我々は議論しなければならないんではないかということをまず冒頭に申し上げさせていただきたいと思います。
私が一番冒頭にお聞きしたいのは、今後の政策
融資についてどうあるべきかということでございまして、新
公庫の設立後においても、
政府系
金融として担うべき役割は先ほど申し上げましたように非常に重要じゃないかなと。例えばセーフティーネットの構築や
事業の再生、また先ほど申し上げましたように、
経営を革新していくことなど、この点につきましてはリスクが高く、
民間金融機関では十分に対応できてないと考えます。そのような点に
資金を供給を行うというのは
政府系
金融ではないかと考えるんですが。
例えば、中小企業は非常に厳しい状況にございまして、二〇〇六年の有
利子負債の償還年数を見ますと、中小企業は十・六年ということで十年超しているんですね、有
利子負債の償還年数が、十年超すレベル。ちなみに大企業を見ますと四・七年ということで、半分以下なんですよ。ですから、非常に中小企業というのは
資金繰り苦しいという状況がまだ続いているということでございます。
私が考えますのは、この新
公庫ができて、私が中小企業なんかに行くと、新
公庫が、
経営状況が悪化するとしても、やはり
政策金融であることを忘れちゃいけないんじゃないかという、積極的な政策誘導のために金利を抑えることや、また、リスクが高くても
民間機関が出せないようなところに
融資をしていくということをやっていかなければならないんではないかと思っております。そうしなければ
政策金融としての位置
付けがなくなってしまう。
今後とも、リスクに見合った金利よりも低い水準での金利の貸
付けを行うことが必要だと考えますが、そのためには当然ながら財政
措置が必要でございます。その財政的な
措置は必要十分に確保されるかどうかについて
お答えいただきたいと思います。