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政府参考人(
矢代隆義君) 技術的な面の御
指摘がございましたので補足で御
説明を申し上げたいと
思いますが、
一つは、どういう場面かというのはこれは実態の問題でございますので一番大事なところでございますが、それで、場面はこれはつづら折りという、そういうところというのは非常に、そういう場合もあるかもしれませんが、相手方の
標識が見えなければそれは
意味がないわけでございますので、まれであろうと
思います。
それで、私どもが一番考えておりますのは、まず前後で、前の車に
障害者の方の車があるといたしまして、それで実はいろいろな進路変更というのは局面でございます。それで、それを後ろの車が回避してもらいたいとき、あるいは
自分の車の存在を相手に知らせたいとき、そういう局面というのは常にあるわけでございまして。
それから、一番私ども、交差点の
事故で怖いのは、右折直進の
事故なんですが、右折しようとするときに直進車が来ますと、どちらが先に行くかということなんです。それで、直進していきましたら右折しようとしている車がおると。
自分の方が優先権があるはずだけど、右折車は出ようとしていると。そうしますと、それは、右折する場合にはあちこち見ながらしますから気が付かない場合があるんですね。そうしますと、仮にその右折車が聴覚
障害者の方の車であるとしますと、これはクラクションでは駄目なんですね。したがってほかの方法を取る必要があるわけでございます。
それから、道路への出入りというのは随分あるんですが、そのときでもやっぱり双
方向の車を確認して出ていくわけですけれども、えてして一方の方の車しか気を付けないということがあります。そうしますと、出てきてしまう。ところが、もう一方の車線を今度反対側から来ている車が、これが衝突するおそれがありますが、それもお互いのコミュニケーションが必要でございまして、これはバックで出る場合も一緒ですし、それから高速道路で分合流で一緒に直進、本線車道とそれから加速車線でどちらが先に入っていくかと非常に微妙な場合が実はいつもあるんでございます。
そういうような幾つかのパターンをずっとやっていきますと、やはり聴覚
障害者の方が
運転している車であって、これは音ではコミュニケーションが取れないんだということをやっぱり明確にする必要があるということで、それでお願いしているわけです。
それで、御
指摘の、では実は
身体障害者の方でも、肢体不自由の方について義足を付けたりあるいはその他の補装具を付けて
運転する場合があります。その場合にいろいろな条件がありますので、その場合には実は御
指摘のとおり努める義務になっているんですね。
これはなぜそうしておるかというと、実は肢体不自由の方では、もし足、片足の例えばひざから下が御不自由であると、義足を付けているというような場合でも、これはオートマ車限定であればほとんど
運転できるんですね。それから、手の方が片手がちょっと不自由であって、ここまでは利くという場合であっても、それは補助具、それから車を若干改造することで十分
運転できるわけなんです。そういうものから、それから、現在両足の
機能を全く失った方でも
免許は取れます。それから、両手の、手足の全く
機能しないという方も
免許を取れます。
それはなぜそれができるかというと、車の場合には、基本的にはハンドル、ステアリング、これは手でやります。それから、アクセルとブレーキは足でやるわけですけど、どちらかの
機能がない場合にはそれをどこか一か所に集中させるわけですね。例えば、足が御不自由で使えないという場合には、ジョイスティック方式と称しまして、一本の桿で前進、それからスピード、それから回転も、
方向転換もできるという、そういうもの、非常に優れ物でございます。また、逆に手が不自由であるとすると、今度は片方の足も使いまして、それでステアリングに代わるもの、足の操作でやります。随分有名な方ですが、乙武さんも
免許を持っておられます。そういう非常に幅があるわけなんですね。そうしますと、とっさの場合の反応もちょっと心配、
自分で心配な方と全く大丈夫な方と幅があるわけでございます。そこで、その肢体不自由の方については、それに
程度に応じて心配であれば付けてくださいと、こうなるわけなんですね。
ところが、今回私どもが御提案しております聴覚
障害者の方につきましては、これは音で情報を取るところ、ほかには代替できるものがないわけで、それで私どもは、それでは視覚の情報をたくさん取って、それで十分
安全運転できるようにということで、ミラーのワイドミラーということ、これを採用しようとしているわけですけれども、それに加えて、先ほど申し上げましたように、車同士のコミュニケーションというのを考えますと、音でコミュニケーションが取れない場合がある。これに対して、これを知らせるという、これはやっぱり
程度の問題ではなくて、すべての方に一律に共通するものでございまして、したがいまして、一律ということは、これは
義務化ということなんですね。そういうことでお願いしておるわけであります。したがいまして、そういうルールを設けた場合には、通常、初心者マークもそうでございますけれども、
違反した場合には最低限であっても
罰則を付けるなりサンクション付けると、そういうことでございます。
したがいまして、これの心証、私ども非常に気持ちは分かるわけなんで、そういうお気持ちになるであろうということは分かるわけでございますけれども、しかし
制度を考えますとそのようにすべきであろうと考えるわけでございます。