○高嶋良充君 今回の
再建法制、ずっと
法案を見せていただくと、
夕張の問題も若干教訓にされて、
夕張のような
状況になる前に改善をすべきだという
早期健全化の考え方も出されておりますから、私はそれなりには評価をしているんですが、先ほど
大臣の方からもお話がありましたけれ
ども、やっぱりこれは
夕張だけの特殊な事情ということではなしに、全体に今後もかかわってくる問題だというふうに思いますので、もう一度、
夕張の
財政悪化に至った検証というものを私なりにこの
委員会で申し上げておきたいというふうに思っております。
夕張は、御承知のように、炭鉱の町として栄えてきたということでございます。ただ、エネルギー政策が転換をされて、
昭和四十年代から炭鉱の閉山が相次いだ。
夕張においては、
平成二年に最後まで残っていた三菱炭鉱も閉山をした。最盛期には十万八千人の人口だったんですけれ
ども、現在、正確に出ているのは昨年の十二月でございますけれ
ども一万三千人だと、ここまで減少したわけであります。これはやむを得ないということ、現象面でございますからそういうことですけれ
ども、この炭鉱が閉山に至る経過の中で、私は
一つのやっぱり
問題点もあったのではないかというふうに思っています。
閉山処理を市が行っていくという
状況の中で市の
財政が悪化をしたということは、
一つ見逃せないというふうに思います。閉山処理の特徴を一、二例挙げてみたいというふうに思いますけれ
ども、閉山する炭鉱会社が当然のこととして退職金、そこの従業員に対して支払う退職金が払えない。これを何とかしてほしい。市がその炭鉱の土地を買い取ってやって、それで退職金を支払ったというのは、もうこれも御承知のとおりだというふうに思います。こういう問題が
一つあります。
もう
一つは、
市民病院の
経営問題もこの
再建のときに非常に大きな問題になりましたけれ
ども、あの
市民病院は炭鉱会社の最初は病院だったわけですね。それを、
赤字を抱えた炭鉱会社の病院を閉山するということで市へ移管をしたという、こういう事情がある。
そういうこと等々を積み重ねた中で、閉山処理対策として
昭和五十四年から
平成六
年度までに
夕張市が費やした閉山処理対策費五百八十三億円だと、そのうちの起債は三百三十二億円、借金でと、こういうことになったわけでありまして、閉山すると当然のこととして鉱山税も入ってこない、人口が減ることによって
住民税も激減をする、ここが
一つの大きな検証する
問題点があったのではないか。
そして二番目が、先ほど
大臣からも言われましたけれ
ども、このような
状況になって
夕張市としては新たな産業基盤を別のところに求めなければならないと、こういうことになって、それが炭鉱から観光へというスローガンの下に観光事業に投資を集約をしていくという結果になった。これが膨大な施設を造っていくということになって、それが結果的に失敗すると、こういうことになるわけであります。そのことによって多額の
債務を抱えて悪循環に陥った、ついには言われているような粉飾
決算による
赤字隠しや、やみ起債まで行うというようなことになってしまったと、こういうことになるわけであります。
私は、教訓としてやっぱり生かしていかなければならないのは、炭鉱閉山から新産業基盤への転換プロセスの
過程で、もっと国や道やあるいは全体がサポートできるような
状況がなかったのかどうかというのが
一つの大きな問題だというふうに思っていまして、そういう
意味では、国や道の問題もありますけれ
ども、
住民の関与がそこに、
住民参画ができていなかったということも、これまた
一つの大きな問題だろうというふうに思っています。
そういう
意味では、
夕張問題は多くの教訓を与えてくれているというふうに思っておりまして、このような総括、是非、もうやっておられると思いますけれ
ども、
総務省の方でもきっちりやっていただいて、その中から、今回の
再建法制が運用も含めてうまく
機能するような
状況をつくり上げていただきたいなというふうに思っているわけであります。
そういう
意味で、今回の
再建法制、
四つの
財政指標を導入をされて、
フローとストックの両面から
地方自治体の
財政状況を把握をしていくという、これは評価をしたいというふうに思っております。さらに、先ほ
ども申し上げましたけれ
ども、
財政再建の前
段階として、
早期健全化のステップが設けられたということも、これまた評価をしたいと思いますし、それをすべて
住民に
公表し、透明化の中で
再建を図っていくというのも、これも非常に支持をしたいというふうに思っています。
そういう
意味では、私
どもとしては、この
法案の
内容をより豊富化をしていくという、そういう
意味で、これから今日以降も審議が進められるというふうに思いますので、建設的な
意見を具申をしてまいりたいというふうに思っているところであります。
夕張問題はそれぐらいにして、
大臣の答弁は要りませんので、私、言いっ放しになりますが、そのぐらいにして、具体的な中身に入ってまいりたいというふうに思いますが、まず
一つ目に、今後の
検討課題ということになりました
債務調整について、
大臣の考え方を若干伺っておきたいというふうに思います。
今回の
法案に盛り込まれなかった最も大きな、
議論はされてきたけれ
ども盛り込まれなかったという論点は、この
債務調整の是非についてであります。この点については、学識経験者や自治体
関係者の見解は分かれたということでございまして、
債務調整は必要不可避であるという
意見から、導入に否定的な
意見まで多岐にわたっていたというふうに聞いておりますけれ
ども、まず、
総務大臣は、
大臣自身のお考えとしてこの
債務調整についてはどのような考え方をお持ちですか。