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長谷川憲正君
プロジェクトチームを立ち上げて検討されているというのは非常に結構なことだと思いますが、今の私、副
総裁のお話をお聞きすると、納得のいかないことが多々あるわけであります。
年賀状というのは、昨日、今日始まった制度じゃございません。ずうっとやってきているわけでございます。そして私も、御存じのとおりに、かつて郵政省に勤務をしておりまして、年賀郵便の処理を自分でもやったことがあります。これは、郵便
事業に携わる者にとりましては一年で一番大事な行事でございまして、言わば日ごろの訓練の
成果がここで問われると、そういう気持ちでやっているんです。ですから、お相撲さんでいえば正に本場所の一番というつもりでみんな取り組んでいるわけでありまして、今おっしゃったような問題点というのは事前に全部予想をし、対策を立てて取り組んでいるはずなんでございます。
それが思うようにいかなかった、しかも二十八日までに出したものは大体配達ができたんじゃないかというふうにおっしゃいますが、この朝日新聞等々の記事でも、十二月十八日に出したが一月十七日になって届けられたとかですね、たくさん苦情が来ているようでございますが、私の周辺でも随分そういう声をたくさん聞いているわけでございまして、これはたまたま少しどっかに遅れがあったというようなことではなくて、全般的に私は処理がうまくいかなかったのではないか、しかもそれは今年のことだけではなくて、昨年も大分年賀状が届かないという苦情を耳にしたわけでございまして、私は体質的な欠陥があるんじゃないかということを憂えております。
そこで、
総裁がどのような分析をしておられるのかというのを
総裁の記者会見、今年の分と昨年の分と二回分、私、手元に取り寄せて読ませていただいたんですが、ここの中でも、お客さんの遅出し傾向が原因だと、今までと違ってお客さんが遅く出す、二十八日とはいうものの、実際は二十五日までに出してほしいんだということでPRをしているけれ
ども、それがなかなか思うように出していただけないのでこういう結果になったんだという趣旨のことを去年も今年もおっしゃっているわけでありますが、結局そういう分析で終わったというところに原因があるんではなかろうかと、自分たちの処理体制の見直しということをもう一度きちっとやっていただきたいと私は思っております。
時間がございませんので勝手にしゃべらせていただきますけれ
ども、私、公社の方からあらかじめ日にち別に、昨年以前五年間にわたっての、十二月十五日から十二月三十一日まで、どの程度の年賀はがきというものが郵便局に出されたのかという
資料をいただきました。
これを見てみますと、別にそう目立った遅出し傾向があるわけじゃありません。全部見ても、一億通を超える差し出しが始まりますのは十二月の二十三日からというのが大体の毎年の傾向でございますし、一番たくさん出された日にちというのが、今年は十二月の二十六日でございましたけれ
ども、昨年は十二月の三十日、その前は二十七日と三十日、その前は二十八、二十九、三十日、いずれも後ろの方に大きな山が集中してきているわけでございまして、今年が特に困難を極めなければならないような理由は、正直、私も郵便についてはプロだと自覚をしておりますが、これは弁解にならないのではないかというふうに思う次第でございます。
一番私が心配をしておりますのは、民営化ということもありまして、ほかにやらなければならないことがいろいろあるということの中で、本来業務がおろそかになっているのではないか。お客さんに喜んでもらうために一生懸命サービスをする、公社のモットーは真っ向サービスだったはずでございますけれ
ども、そのお客さんサービスというのが二の次、三の次に回されて、やっぱり民営化をやるんだ、もうけを優先するんだというようなことがあっちにもこっちにも問題を起こしているんじゃないかという気がするわけであります。
現実に私もいろんな郵政
関係の人の話も聞くわけでありますけれ
ども、とにかく忙しいと、もういろんなことを
考えている余裕がないという声を一杯聞くわけでございまして、そういうところから士気の低下でございますとか柔軟性の欠如、要するに、急に今日出てくると思ったものがあしたに延びたというようなときに、ぱぱっと手が打てるような体制が取れていないのではないか。特に、最近は公社の方は郵便の区分機をこの年賀状についても主体としてお使いのようでございます。従来は、区分機だけではなかなか処理ができないので、高校生ですとかあるいは主婦の方々に
お願いをして、アルバイトという形でたくさん郵便局に来ていただいて、急に増えたものは人海戦術で対応するというようなことをやってきたはずでございますけれ
ども、どうも最近はそういうこともなかなかできにくいというようなふうに話を聞いているわけでございまして、私はちょっと何か、言葉は悪いんですけれ
ども、
事業全体が多臓器不全を起こしているんじゃないかということを非常に心配をするわけでございます。
今のうちにきちっとした手を打っていただきまして、そして、その民営化が失敗でなかったと国民から言っていただけるような形の
運営を是非
お願いを申し上げたいというふうに私思うわけでございまして、そういう
意味で、この
総務大臣の名前で今回お出しになったこの
総務省の
施策、大変私は時宜を得た結構なものだというふうに思っているわけでございますが。
これ、菅
大臣に
お願いを申し上げたいわけでございますけれ
ども、まだ完全な報告が公社からは出切っていない状況のように今お聞きをしましたけれ
ども、どうぞ報告の中身も十分見ていただきまして、それと同時に、やはり現場の声、お客さんの声というのも一度よく点検をしていただきまして、二度とこういうことが起きないように、きちっとした監督あるいは
措置を公社の方にも示していただきたい。そういう
意味で、厳正な対処を
お願いしたいと思うわけでございますけれ
ども、
大臣の御決意のほど伺いまして、
質問を終わらせていただきます。