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国務大臣(
山本有二君) まず
一つには、日本の国の
現状として少子高齢化でございます。その宿命的な
環境の中で経済成長を遂げるという
課題に対してどう対処するか。答えは、一人当たりのGDP生産を上げていくということではなかろうかというように思っております。
〔
委員長退席、理事
峰崎直樹君着席〕
そうした
観点から、世界の一人頭のGDP比を
検討いたしますと、一位がルクセンブルクでありまして、約日本の倍ございます。二位がアイルランド等々でございまして、十番以内にいらっしゃる国々は、いわゆるニッチマーケットを問わず、メーンマーケットを問わず、すべて
金融市場としての位置付けが明確にございます。言わば製造業、第一次、第二次、第三次産業というような分け方以外に、
一つ、
金融市場を持つことによる
金融機関の職業従事者における生産効率の高さ、言わば収入の高さということがあり得るだろうというように
判断をいたしております。
そういう
観点を前提といたしまして、次に検証すべきが、いわゆる流動性の問題でございます。世界における流動性、一九九〇年には約八・九兆ドルございました。そのうち日本の
市場が担っている時価総額は約三割でございました。それが二〇〇六年現在では世界の流動性は四十九兆ドル、そのうち日本の担っているシェアは一割を切りました。ということになりますと、五倍の流動性の高さが十五年間であった、その中で三分の一に機能が低下をしている。掛け合わしますと十五分の一、我々はもう世界から置いていかれたというようなイメージが残るわけでございます。
と同時に、さらにもう
一つの
観点として、収益力の点を見てまいります。そうしますと、
金融機関における収益力は、全世界を六百と仮定した場合に、約七割が北米と西ヨーロッパでございます。アジアにおける
我が国はその収益はわずか五%少々で、アジア全体としましても非常に低い数字でございます。つまり、この
金融産業という分野におきましてはアジアは非常に劣った収益力でございます。そんな中で我々アジアの代表として頑張っていく必要があろうというのは、北米や西ヨーロッパに文化も非常に近いという点からして、我々が頑張る以外にこのアジア経済の中での位置付け、高い文化を誇る、あるいは情報産業としての我々として
金融産業を育成するということは今でしかできないのではないかというような
観点でございます。
そして、最後になりますが、いわゆるロンドンもそれほど昔から
金融機関が盛んではありません。言わば二〇〇〇年当時、ブレア政権当時から行った施策によって約雇用が二百万から三百万人、新規雇用をカナリーワーフというところを中心にイギリスは成功している
事例でございます。つまり、ブレア政権の中におきますブラウン財務長官とエド・ボールズさんという副
大臣が行ったいわゆる
金融機能
強化のビッグバン、二〇〇〇年におけるビッグバンの成果がいわゆるここに現れているのではないかというように考えるところでございます。
その
意味におきまして、各国にそういう成功
事例がもうかなり具体的にあること、そして日本においては一九九〇年以前にはかなりの
金融機能を果たしていたという事実、そして現在、千五百四十一兆円を誇る個人
金融資産が現在まだあること、そしてイギリスと違って製造業もまだ日本を代表するリーディングカンパニーであるということ等々を組み合わせましたときに、十分
可能性の高い私は
金融機能
強化ということの位置付けがあると、こう考えておりました。
そこで、
内閣として今後どういうことができるかを相互に
検討した結果、官邸の中にアジア・ゲートウェイという部門を
内閣補佐官を中心として研究をしていこうではないか。そしてもう
一つは、経済財政諮問会議の中に専門家
委員会を設けて
金融機能
強化ということを図っていくメニューをつくっていただいてはどうか。そして私の部門では、
金融審議会の中にスタディグループを設けまして、それで勉強をしていただきまして、六月十三日に中間論点整理というものを発表させていただきまして、
我が国金融・
資本市場の国際化に関するスタディグループというもののまとめをさせていただきました。
まず、魅力ある
市場の前提として、多様な商品サービスの提供を通じた厚みのある
市場の形成、二番目に、
市場参加者の高い自己規律に支えられた
市場機能の十全な発揮ということを前提といたしまして、
制度を含むインフラ、特に規制
環境というものを十分整備をしなければならないというように考えておりまして、その
意味におきまして、今回の
公認会計士法の
改正案というものもこの
制度を含むインフラの中に位置付けられる重要な
課題であろうというように考えたところでございます。
以上、概括的に申し上げました。
〔理事
峰崎直樹君退席、
委員長着席〕