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大門実紀史君 そういう正当な権利を行使したのに、自己破産とか含めたような債務整理に区分をされてしまっていろいろ不
利益が出ているということでございます。
その債務整理という区分にしたら苦情が多いので、今年の九月三日から、右の欄ですけれ
ども、契約見直しというふうなことにまた区分を変えようという動きにはなっておりますけれ
ども、過払い金返還で債務が消滅をすると、先ほ
ども言いましたけれ
ども、元々払わなくていいものを払わない、返してくれということで債務が消滅したと、だからこれは完済で十分なわけですけれ
ども、にもかかわらず、どうしてもほかの人とは違うんだということで、マーキングをしたいと、フラグを立てたいということで、全情連ではこういう扱いにしております。
何でこういう扱いにしたのか、全情連の事務
局長さんに直接聞きましたら、サラ金各社が要望しているからだとおっしゃいました。じゃ、どんな理由で要望しているのかというと、過払い金の返還を請求するような人は多重債務者であると。しかも、その多重債務者は、返済能力がないのに借りてしまうような人だと。何といいますか、ギャンブルとか身持ちが悪いとか借金癖があるとか、そういう人だというふうにまず決め
付けた上で、そんな人にまた貸していいのかと。だから、現場で、窓口で見分けの付くように識別をしてほしい。それで、
最初は債務整理、それでいろいろ苦情が出たので今度は契約見直し、いずれにせよマーキングをするということだそうです。
何だかもっともらしいことを言っているように思います。
金融庁の若い役人さんもころっとだまされたりするんですけれ
ども、ここは気を
付けてもらいたいんですね。気を
付けてもらいたいんです。
そもそも法的な権利の問題でいえば、だれであれ司法
判断に基づく過払い金返還は正当な権利の行使でございます。
大臣がおっしゃっていただいたとおりです。特別扱いされるのがまずおかしいと。そもそも論がありますが、実態論としても、過払いの返還をする人はみんなそういう人とは限りません。返済能力ないのに、せっかく債務整理してもまたサラ金行って借りてしまうと、そんな人ばかりとは限りません。そこには、従来からありましたけれ
ども、多重債務者に対する偏見というものが根強く残っているのかなと思います。
具体的に言いますと、まず、過払い金返還する人は多重債務者とイコールではありません。多重債務者じゃない人も、この間の
新聞報道とか
金融庁のお知らせを見ていろんな情報をつかんで、ああ、そうか、過払いだったのかと、利息返してもらえるんだといって、別にそんなにたくさん借金してない人でも過払い金の請求をすることはあり得ます。普通の人が過払い金請求することもあるわけですね。ですから、普通の人がいるということです。
二つ目には、過払い金の請求の中には、もちろん多重債務者の方が一定割合、相当いらっしゃいます。その
方々も、過払い金返還で債務がなくなった後、新たな生活に今スタートされている方がたくさんいらっしゃいます。もう二度とサラ金なんかから借りないということで、生活再建に入っていらっしゃる方がいらっしゃいます。しかも、そういう
方々はそもそも生活費が足りなくて、どうしてもサラ金から取りあえず借りたと。しかし、三割近い高金利ですから、返すに返せなくて多重債務に陥ったと。だから、利息制限法超えた利息を取っていることで生まれた多重債務者でございます。こういう
人たちがいらっしゃいます。
そして、業界が指摘するような
方々もデータ的にいうと一割か二割いらっしゃるのは確かであります。にもかかわらず、この業界の区分というのは、今申し上げた三種類大体いらっしゃるんですけれ
ども、全部その三番目の、どうしようもない、また借りてしまうような
人たちというふうに決め
付けて、全部に同じ区分を当てはめて、クレジットカードが使えないとかいろんな不
利益を生じているということで、今、だから十数件ですか、
訴訟になっております、
裁判になっているというところでございます。
これも
大臣に伺いたいんですけど、本来、今回の法改正の趣旨にのっとれば、そういうあれこれではなくて、窓口に借りに来た人の与信をきちっと見極めて、
資料を出していただいて、過去過払い金やろうがやるまいが
関係なくて、そのときの与信をきちっと
判断して貸していきなさいというのが今度の法改正の趣旨ではなかったかと思うんですが、その点いかがでしょうか。