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山下英利君 ただいま御
説明いただきました。ありがとうございました。
なお、この
特別会計と申しますのは、
財政法上
特定の
歳入をもって
特定の
歳出に充てる方が
財政運営上
効率的であるというような場合に
特別会計が用いられるわけでありますけれども、
我が国の
財政需要の
拡大に従いまして、どちらかというと
一つ一つの
目的の区分けという中で
特別会計がどんどん増えてきた、同時に改廃も行われてきたわけでありますけれども、総数としては増加をしてきた、そういった傾向にあります。
実際に、
日本のインフラを整備する
意味では、非常にこの急速な発展の中で
特別会計の持っていた役割というのは大変大きいものがあったと、そのように私も認識しているところでありますし、与野党の皆様問わずここのところは御
承知をいただいているところだと思いますが、私も参議院の
予算委員会、
決算委員会の
質疑に立たせていただいた中でも、いつもやはり
特別会計というのが
一般会計の陰に隠れてしまっている、
国民から見ると、あるいはマスコミの報道なんかを見ておりましても、
特別会計自体が悪いものであると、そのような印象をぬぐえなかったところがございまして、やはりその
目的、そしてその
中身をきちっと
説明することによって、改めてこの
特別会計の
意味というものを
国民に理解してもらわなきゃいけないんではないかと。
そういうふうな
観点から、
財務省に対しましても、
特別会計のもっと分かりやすい資料を作っていただきたいというお願いを再三させていただいておりました。それで、今年の四月に
財務省からようやくこの「
特別会計の話」という
特別会計に特化した
説明書を出していただきました。これは非常に私自身有り難いことだと思いましたし、非常に分かりやすい第一歩だなと思います。
しかし、ここで改めて申し上げさせていただくと、これだけ分厚いものですと、興味があって、それでそれなりの知識のある方にとっては非常に分かりやすいでしょうと。しかし、
一般の
国民の
皆さんが
特別会計と言われたときに、テレビなんかでふわあっと流されるものに対してあれはこうだというふうに判断をされるには、ちょっとこれが分厚過ぎるのではないかなと。もう少し、できるだけ分かりやすい形でおまとめをいただけるようにお力添えをよろしくお願い申し上げたいと思います。
そこで、ただいま
大臣の方から
お話もございました、三十一
特別会計を将来的には十七の
特別会計にまとめましょうと、そういう話でございます。しかしながら、
特別会計は、
特別会計を必要以上に
拡大することで分かりづらくなっている。ですから、三十一
特会が十七の
特会に少なくなりますよという形だけでは、まだ全体的な
規模というものも見えにくい。そして、この
平成十九
年度予算における
特別会計自体の
歳出の
ベースを見ましても、
総額が四百六十兆円から三百六十二兆円、約九十九兆円ですか、
縮小をしております。そして、純計
ベースでいえば、前年の二百二十五兆円から百七十五兆円、約五十兆円少なくなってきております。
言ってみれば、
特別会計を
整理統合することによってその
歳出規模というのも
縮小をすることができるんだという
一つの目安にはなるわけですが、依然として八十兆円を超す
一般会計、これの約二倍以上の
規模があるということから、これだけの
規模があったら何か
無駄遣いの温床になっているんではないかなという声が出てきても、これは、ここをしっかりと
説明をして、そうではないんだということに努めていかなければいけないというふうに思っておるところでございます。
この問題視されている点につきましても、やはりかつて
塩川大臣が母屋でおかゆ、離れですき焼きと言った有名な言葉がありましたけれども、これが、
特別会計自体悪いものだというふうに伝わっているところというのも私は否めない点で、
特別会計と、あるいはいわゆる
目的税化している
特定財源、これがもう混同されているというようなところも多分にあるというふうに思っております。私もできるだけというか、
国民の
皆さんが分かりやすい形という
説明に努めていかなければいけないというふうに思いまして、
特別会計に関する最近の様々な
批判を
整理してみましたが、これはやはり
歳出が巨大であって無駄が多いという
批判が多い。それから、
余剰資金がたまってしまっていて、これを活用すれば
財政の
再建が可能だというふうな声もございます。
しかし、一方ではこれは、先ほどちょっと申し上げたように
特定財源、いわゆる
目的税の
部分で
予算編成上の都合というか、例えばシーリングみたいなものによって余ってしまっているというような声もあるところであります。これは、
特別会計だけではなくて
一般会計にも含まれていることなんですが、この
特定財源というものの見方がすなわち
特別会計だというふうに考えている方も少なくないというか、むしろ多いんではないかなと、そういうふうに思っております。
したがって、この
特別会計、非常に分かりづらくて
国民の監視の目がなかなか行き届かないと。だからこそ、
特別会計はもういっそのこと全廃してしまって、
一般会計一本で、そして
審議をやった方が分かりやすいんではないかといったような
意見、これは私は大変むしろ混乱を来すんではないかなというふうに思っているところなんですが。
こうした
批判に対して、
政府として、今後この
特別会計の
改革を通じてどのようにこの
批判にこたえていかれるおつもりなのか、
大臣の御所見をちょうだいしたいと思います。