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2007-03-13 第166回国会 参議院 財政金融委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十九年三月十三日(火曜日) 午後零時十九分開会 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
家西
悟君 理 事 沓掛 哲男君 中川 雅治君
野上浩太郎
君 大久保 勉君
峰崎
直樹君 委 員 泉 信也君
片山虎之助
君 椎名 一保君 田中 直紀君 舛添 要一君 山下 英利君 池口 修次君 尾立
源幸
君 大塚 耕平君
富岡由紀夫
君 広田 一君 円 より子君
山口那津男
君
大門実紀史
君
国務大臣
財務大臣
尾身
幸次
君
国務大臣
(
内閣
府
特命担
当
大臣
(
金融
) )
山本
有二
君 副
大臣
内閣
府副
大臣
大村 秀章君
財務
副
大臣
富田 茂之君
大臣政務官
内閣
府
大臣政務
官
田村耕太郎
君
事務局側
常任委員会専門
員 藤澤 進君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○
財政
及び
金融等
に関する
調査
(
財政政策等
の
基本施策
に関する件) (
金融行政
に関する件) ─────────────
家西悟
1
○
委員長
(
家西悟
君) ただいまから
財政金融委員会
を開会いたします。
財政
及び
金融等
に関する
調査
を議題といたします。
財政政策等
の
基本施策
について、
尾身財務大臣
から
所信
を聴取いたします。
尾身財務大臣
。
尾身幸次
2
○
国務大臣
(
尾身幸次
君) 今後の
財政政策等
につきましては、先般の
財政演説
において
所信
を申し述べたところでありますが、本
委員会
において重ねて
所信
の
一端
として、今後取り組むべき
課題等
について申し述べます。
我が国経済
は、
長期停滞
のトンネルを抜け出し、
民間需要
に支えられた
景気回復
を続けており、
政府
としては、イノベーションによる
成長力強化
とオープンな姿勢で、引き続き、物価安定の下での
民間需要中心
の持続的な
成長
を図ってまいります。 目を外に転じますと、
経済
が
グローバル化
する中で、その
活性化
を図っていくためには、
アジア
を
中心
とする
世界
の
成長
と活力を取り込んでいくことが必要であり、
アジア
を含めた
世界経済
に貢献し、互いに発展していく
関係
を築いていくことが求められます。このため、G7、
アジア諸国
、
国際機関等
と協力を進めていくとともに、
多角的自由貿易体制
の
強化
及び
経済連携協定
の積極的な
推進
や
平成
十九年度
関税改正
における
通関制度
の
改革
、
租税条約
の
改定等
を行い、
我が国
の
経済社会
をオープンなものにしてまいります。
平成
十九年度
予算編成
に当たっては、
財政
の
健全化
を更に進めるとの
考え方
の下、徹底した
歳出
の
削減
、
見直し
に取り組み、
一般会計
全体の
予算規模
を八十二兆九千八十八億円といたしました。
税収
については、五十三兆四千六百七十億円と
平成
十八年度当初
予算
に比べ、七兆五千八百九十億円の
増加
を見込んでおります。その一方で、
一般歳出
について、徹底した
歳出削減方針
を貫き、四十六兆九千七百八十四億円にとどめております。これは、
電源開発特別会計
の
仕組み
の
変更
に伴う三千百七十九億円の
歳出増加
を除けば、
平成
十八年度当初
予算
に比べ、二千九百四十五億円の
増加
にとどまっております。 この結果、
新規国債発行額
は、
平成
十八年度当初
予算
に比べ、四兆五千四百十億円減の二十五兆四千三百二十億円となり、過去
最大
の
減額
を実現いたしました。これに加え、
交付税特別会計
における
国負担分
の
借入金
を
一般会計
に承継した上で、その償還を開始することにより、実質的に
平成
十八年度当初
予算
を上回る約六兆三千億円の
財政健全化
を図りました。 また、この
交付税特別会計借入金
の
一般会計
への承継や、
電源開発特別会計
における
仕組み
の
変更
は、
透明性
の
向上
や
財政資金
の効果的な
活用
にも資するものであり、質的な面に留意した
改革
となっております。
特別会計
においては、
行政改革推進法
で定められた、
特別会計
の統廃合などを実施に移すため、本
国会
において、
特別会計
に関する
法律案
を提出しており、本
委員会
におきましても御
審議
をお願いいたします。 簡素で効率的な
政府
を実現する
観点
から、資産・
債務改革
に取り組む一環として、
財政投融資
については、
対象事業
の
重点化
、
効率化等
を図り、
総額
の
抑制
に努めた結果、
平成
十九年度
財政投融資計画
の
規模
は、対前年度の五・六%減の十四兆一千六百二十二億円となりました。
一般庁舎
、宿舎などの
国有財産
については、
民間
の知見を
活用
した
有効活用
を更に
推進
してまいります。
国債発行総額
は百四十三兆八千三百八十億円と
平成
十八年度と比べ、二十一兆五千九百七十一億円減少し、過去
最大
の
減額
となりました。しかし、
国債残高
は依然として多額に上り、引き続き、
国債管理政策
を
財政運営
と
一体
として適切に運営していく必要があります。このため、
国債発行
に当たっては、
安定消化
とともに、中長期的な
調達コスト
の
抑制
に努めることを
基本
とし、
市場
のニーズ、
動向等
を踏まえた
発行
に取り組んでまいります。
税制
については、
現下
の
経済財政状況等
を踏まえ、持続的な
経済社会
の
活性化
を実現するためのあるべき
税制
を構築してまいります。
企業
が国を選ぶ
時代
となる中で、
税制
も国際的なイコールフッティングを
確保
する必要があり、
平成
十九年度において、
我が国経済
の
成長基盤
を整備する
観点
から、
減価償却制度
について、
償却可能限度額
を廃止するなど、国際的に遜色のない
制度
とするよう
見直し
を行います。また、
我が国中小企業
の
資本蓄積
を促進するため、
留保金課税制度
の
適用対象
から
中小企業
を除外することや、
税源移譲
後も中低
所得者
の
減税額
を
確保
するための
住宅ローン減税
の
特例
を創設するなど、
国民生活等
に配慮した
中小企業関係税制
や
住宅
・
土地税制等
の
改正
を行います。 次に、
我が国財政
の現状と
財政運営
の
基本
的な
考え方
について申し述べます。
平成
十九年度
予算
では、
税収
の
増加
を見込む一方で、
歳出削減
を徹底することにより
財政健全化
に向けて確実な一歩を踏み出しました。しかし、
我が国財政
の
状況
を見れば、国、地方を合わせた
長期債務残高
が
主要先進国
の中で最高の
水準
にある一方、
所得
の中で、
租税
及び
医療保険等
の
保険料
の支払の比率を表す
我が国
の
国民負担率
は、
主要先進国
の中で実質的に最低の
水準
であるなど、決して楽観視できるような状態ではありません。 こうした
状況
を踏まえれば、子供や孫の世代に
負担
を先送りしないためにも、
財政健全化
に向けた取組を着実に進めていかなければなりません。したがって、二〇一〇年代半ばに向け、
債務残高
対
GDP比
を安定的に引き下げることを目指し、まずは、二〇一一年度までにプライマリーバランスを確実に黒字化することを
目標
に、
歳出歳入一体改革
に取り組んでまいります。 しかしながら、
歳出歳入一体改革
を進めるに当たり、非効率的な
歳出
を放置したまま
負担増
を求めることになれば、
国民
の理解を得ることは困難であり、
国民負担
の
最小化
を
目標
に、
歳出削減
を引き続き徹底していく必要があります。それとともに、今後とも増大する
社会保障給付
や少子化への
対応等
について、
国民
が広く公平に
負担
を分かち合う
観点
に留意しつつ、
基礎年金
の
国庫負担割合
の引上げのための
財源
を含め、安定的な
財源
を
確保
するため、抜本的、
一体
的な
税制改革
を
推進
いたします。 こうした
考え方
の下、さきに述べましたとおり、
平成
十九年度
予算
では徹底した
歳出削減
を行ったところでありますが、さらに、七月ごろに判明する
平成
十八年度決算の
状況
や
医療制度改革
を受けた
社会保障給付
の
実績等
を踏まえ、本年秋以降、
税制改革
の本格的、具体的な議論を行い、
平成
十九年度を目途に、
消費税
を含む
税体系
の
抜本的改革
を実現させるべく、取り組んでまいります。 最後に、今
国会
に提出しております
財務
省の
法律案
について御説明いたします。 第一に、先ほど御説明いたしました
特別会計
に関する
法律案
でございます。 第二に、
平成
十九年度における
公債
の
発行
の
特例措置
及び
年金事業等
の
事務費
に係る
負担
の
特例措置
を定める
平成
十九年度における
財政運営
のための
公債
の
発行
の
特例等
に関する
法律案
でございます。 第三に、先ほど御説明いたしました
平成
十九年度
税制改正
における諸
措置
を盛り込んだ
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
でございます。 第四に、
暫定税率
の
適用期限
の延長のほか、
国際競争力
の
強化
、
利便性向上
のための
通関制度
の
改革等
を
内容
とする
関税定率法等
の一部を
改正
する
法律案
でございます。 第五に、
行政改革推進法等
に基づき、
株式会社日本政策投資銀行
を設立するとともに、その業務の
内容等
を定める
株式会社日本政策投資銀行法案
でございます。 今後、御
審議
のほどよろしくお願い申し上げます。 以上、
財政政策等
に関する私の
所信
の
一端
を申し述べました。今後とも、
皆様
のお力添えを得て
政策運営
に最善を尽くしてまいる所存であります。
家西委員長
を始め
委員各位
におかれましては、御
審議
のほどよろしくお願い申し上げます。
家西悟
3
○
委員長
(
家西悟
君) 次に、
金融行政
について、
山本内閣
府
特命担当大臣
から
所信
を聴取いたします。
山本内閣
府
特命担当大臣
。
山本有二
4
○
国務大臣
(
山本有二
君)
金融担当大臣
の
山本
でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。 本日は、
現下
の
金融行政
について一言申し述べさせていただきます。
我が国
の
金融システム
をめぐる局面は、不良債権問題の
正常化
を達成し、活力ある
金融システム
の構築に向けた
時代
へと本格的に移行しつつあります。こうした中で、
金融機関
が自らの
責任
と判断で適切にリスクを取って
金融仲介
を行い、資源の
適正配分機能
を果たしていくことが重要となっております。また、幅広い
金融サービス
の
利用者
の安全、
安心
を
確保
することも、活力ある
金融システム
を実現する上で不可欠であります。
金融庁
は、これまで
地域密着型金融
の
機能強化
を
推進
してまいりましたが、今後とも、
金融仲介機能
の更なる
充実
を図る
観点
から、
不動産担保
、
個人保証
に過度に依存しない
融資
や
融資手法
の
多様化
を促すことが重要であると考えております。また、
事業者
の
資金調達環境
を整備するため、電子的な手段による
債権譲渡等
を可能とする
電子記録債権制度
の導入を進めてまいります。
利用者
の安全、
安心
の
確保
の
観点
からは、
多重債務者対策
を更に
推進
してまいります。深刻化した多重債務問題を解決するため、昨年の
臨時国会
で成立した
改正貸金業法
の円滑な
施行
を図るとともに、
内閣
に設置された
多重債務者対策本部
において、
カウンセリング体制
や
セーフティーネット
の
充実
、
金融経済教育
の
強化
、
やみ金融
の徹底した取締りを含む
執行体制
の
強化
に
政府
を挙げて取り組んでまいります。 続いて、
金融
・
資本市場
の
構造改革
と
活性化
について御説明いたします。
少子高齢化
、
グローバル化
が進み、
人口減少時代
の到来を迎える中、一人当たりの
所得
の
向上
を目指すことが重要と考えております。これに伴い、
我が国経済
の
基礎インフラ
である
金融
・
資本市場
の
利用者利便
を更に高めるとともに、
金融サービス業
を、
経済
の一層の発展を支える中核的な産業として位置付けていくことが求められております。 そのためには、貯蓄から
投資
へという流れをより一層確かなものとし、
我が国金融
・
資本市場
の
国際金融センター
としての魅力を更に
向上
させていくことが重要であります。このような
問題意識
の下、先般、
金融審議会
に
我が国金融
・
資本市場
の
国際化
に関する
スタディグループ
を設置いたしました。
我が国市場
の
国際競争力
の
強化
に向けた方策を、本
スタディグループ
でも御議論いただきながら検討してまいります。 活力ある
金融
・
資本市場
の形成や公正、透明な
市場
の
確保
に向け、
制度インフラ
の整備も重要な
課題
であります。こうした
観点
から、
監査法人
の
ガバナンス等
の
強化
、
監査人
の
独立性
・地位の
強化
、
監査法人等
に対する監督・
責任
の
見直し等
を
内容
とする
公認会計士
・
監査法人制度
の
充実強化
を進めるほか、
金融商品取引法制
の適切かつ円滑な
施行
に努めてまいります。 本
国会
には、ただいま申し上げました
公認会計士
・
監査法人制度
の
充実強化
を図るため、
公認会計士法等
の一部を
改正
する
法律案
の提出を予定しております。当
委員会
の
家西委員長
、理事及び
委員
の
皆様
におかれましては、何とぞよろしくお願い申し上げます。
家西悟
5
○
委員長
(
家西悟
君) 以上で
所信
の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十二分散会