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岩井國臣君 今、今の話の中に五番目でしたかね、
地域づくりの話が出ましたが、いわゆる
地域格差というのがあるのかないのかとかいろんな
議論がありますが、
地域格差は間違いなくあると。
過疎問題というのは
昭和三十年代に入って相当ひどくなっていったかと思いますけれども、私は
過疎問題に特段の関心を持っておるわけですね。
小泉内閣のときに、
経済財政諮問会議で
選択と
集中ということを言われたんですね。極端なことを言えば、そういう
過疎地域が非常に公共投資やるにしても何やるにしても
経済効率が悪いので、そんなところにもう人が住んでいるのがおかしいんじゃないかという、そういうことを現に言った人もおるんですよね。
私が思いますに、
選択と
集中というのは、これは企業の論理で、
国土政策にはちょっと向かないというか、ちょっと違うんじゃないかと。御
案内のとおり、グローバルな
市場競争というか、物すごい
競争を今各企業やっているわけですから、何でもかんでもやるんじゃなくて、やっぱり
得意分野に
集中してそれで勝負するという、
選択と
集中ということは確かに必要なんですね。
ですけど、私は、
国土政策、特に
過疎問題を
考えたときにはそういう
哲学ではいかぬのではないかと。私は、
共生と
分散だと言っているわけですよ、
共生と
分散。
共生というのは、このごろもう多くの人が
共生と言っても大体違和感がないというか、大体そうだそうだと、こうなると思うんですが、本来、
共生という
言葉は
生物学における
言葉でございます。相手方を傷付けてもいいんです。滅ぼすようなことがなければ、それは多少傷付けるようなことがあったって、殺しちゃ駄目ですよ、それは構わない。それはもう
生物学における
言葉なんですね。
ネットワークという
言葉がありますね。これも
哲学的に言えば同じような
言葉でございまして、
ネットワークというのは、やっぱりそういう傷付け合うという間柄では
ネットワークは組めないんですよね。それで、相手の立場になって物を
考えるということがないと
ネットワークは組めない。ただ、
意見は一致せぬでもいいんです。
意見は違っても構わないんですね。で、
連携ということになると、一部でいいから、全部一致するということはあり得ないんだけど、一部でいいから
意見は一致しないと
連携というのはできませんよね。
だから、そういうふうに、
共生という
言葉と
ネットワークという
言葉と
連携という
言葉は、ちょっと
ニュアンスが違うんですけれども、私は
哲学的に言えば同じような
言葉であると。したがって、二十一世紀は、
共生社会を目指そうと言ってもいいし、
ネットワーク社会を目指そうと言ってもいいし、
連携社会を目指そうと言っても、ちょっと
ニュアンスは違うんですよ、
ニュアンスは違うんだけど同じようなことだと、そんなふうに実は思っておりまして、やはりこれからの
地域づくり、特に
過疎問題を
考えていただくときにはそういう
共生の
思想でやってもらわないといかぬと、
選択と
集中じゃ困ると、これは絶対に思いますので、その辺を
一つ申し上げておきたいと。
幾つかちょっと重要な点、私が日ごろ思っていることを申し上げますので、その点について
大臣の御
所見をお伺いできればと思います。
それで二点目は、これからの
日本の
リーディング産業というのはどうなるのか。
先ほど、
新産・
工特の話を申し上げました。しかし、これからはどうなるのかなと、そこはどうもはっきりしていないんじゃないか。今度、
国土形成計画全国計画を決められる中でそういうのがはっきりしてくるのか分かりませんけど、
日本の
産業のやはり
リーディング産業というのは何かということをやっぱり真剣にひとつ
議論をしていただかないといかぬのではないかと。
先端産業、バイオだとかITだとか、いわゆる
先端産業がこれからの
日本の生きる道だということを言う人は多いですよね。そこまではいいんですよ。大体コンセンサスを得られると思いますよ。ちょっと違うんじゃないかという人は僕はいないと思うんですね。そうだそうだと。で、それだけかと。
私、これはまた私の
意見になって、
大臣の
所見をお伺いしたいわけですが、私は
観光というのは、私に言わせますとちょっと
概念が狭いと僕は思っております。
例えば、オリンピックだとか
ワールドサッカーだとかそういうもの、スポーツも国際的な
交流が始まりますね。そういうのはちょっと
観光じゃないですよね。それから、世の中様々な
国際会議があるし、
草の根の
国際交流というのもありますですよね。そういうのも
観光かというと、ちょっと違いますよね。
ですから私は、
観光もその中の誠に重要な一部だと思いますけど、私は
ビジター産業と言っているんです、
ビジター。諸
外国から、諸
外国からもういろんな人にやっぱり来ていただいて、それで、
日本の
歴史、
伝統、自然もあります。
日本の自然というのはこうなんだ、
歴史、
伝統、
文化はこうなんだと、そういうのをやっぱり知っていただく私は必要があると。
観光立国宣言、
小泉前総理にやっていただいて、二〇一〇年ですか、一千万人
目標ということでやっておりますけれども、私に言わせますと、一千万人なんというのはそんな、だって、出ていくのは一千七百万人ぐらい出ているわけでしょう。少なくともそれぐらいの人にはやっぱり来てもらわぬことには。
フランスは七千万人ですよ。
ですから、いや、向こうは陸続きだからとかなんとか、でも、このごろは飛行機で行ったら余りそういう
地理的障害というのはないわけだから。
日本だって、まあ
フランスの七千万人ほどの
目標はちょっと余りにも遠過ぎるのでいかぬと思いますけど、一千万人なんというような
目標はちょっと小さいんじゃないかと僕は思っておりまして、
観光、
観光産業、僕に言わせると
ビジター産業でございますけど、これを何とか
日本の
リーディング産業に育てたいなという実は願望を持っておるんですね。
そのほかにも
幾つかございますけれども、大事な点だけ申し上げまして、今、一応二点申し上げたんですけど、
大臣の
所見をひとつお伺いできればと思います。