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2007-05-31 第166回国会 参議院 厚生労働委員会 第24号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十九年五月三十一日(木曜日) 午前十時開会 ─────────────
委員
の
異動
五月二十九日
辞任
補欠選任
小林
正夫
君
山本
孝史
君 五月三十日
辞任
補欠選任
広中和歌子
君
櫻井
充君
谷合
正明
君
渡辺
孝男
君 五月三十一日
辞任
補欠選任
中島
眞人
君
岩城
光英
君
南野知惠子
君
野村
哲郎
君 下田 敦子君
喜納
昌吉
君 辻
泰弘
君
前川
清成
君
山本
孝史
君
松下
新平
君
渡辺
孝男
君
風間
昶君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
鶴保
庸介
君 理 事 阿部 正俊君 中村 博彦君 足立 信也君
津田弥太郎
君
浮島とも子
君 委 員
岩城
光英
君 岸 宏一君
坂本由紀子
君 清水嘉与子君
武見
敬三
君
中島
眞人
君 中原 爽君 西島 英利君
野村
哲郎
君 藤井 基之君
喜納
昌吉
君
櫻井
充君
島田智哉子君
辻
泰弘
君
前川
清成
君
松下
新平
君 森 ゆうこ君
柳澤
光美
君
風間
昶君
渡辺
孝男
君 小池 晃君
福島みずほ
君
国務大臣
厚生労働大臣
柳澤
伯夫君
副
大臣
総務
副
大臣
大野 松茂君
厚生労働
副
大臣
武見
敬三
君
事務局側
常任委員会専門
員 松田
茂敬
君
政府参考人
総務省自治行政
局公務員部長
上田
紘士
君
法務省入国管理
局長
稲見 敏夫君
厚生労働省医政
局長
松谷有希雄
君
厚生労働省労働
基準局長
青木 豊君
厚生労働省職業
安定局長
高橋
満君
厚生労働省職業
安定局高齢
・障
害者雇用対策部
長 岡崎 淳一君
厚生労働省職業
能力開発局長
奥田 久美君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
政府参考人
の
出席要求
に関する件 ○
雇用対策法
及び
地域雇用開発促進法
の一部を改 正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ─────────────
鶴保庸介
1
○
委員長
(
鶴保庸介
君) ただいまから
厚生労働委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 昨日までに、
小林正夫
君、
広中和歌子
君及び
谷合正明
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
山本孝史
君、
櫻井充
君及び
渡辺孝男
君が選任されました。 ─────────────
鶴保庸介
2
○
委員長
(
鶴保庸介
君)
政府参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
雇用対策法
及び
地域雇用開発促進法
の一部を改正する
法律案
の審査のため、本日の
委員会
に、
理事会協議
のとおり、
厚生労働省職業安定局長高橋満
君外六名の
政府参考人
の
出席
を求め、その
説明
を聴取いたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
鶴保庸介
3
○
委員長
(
鶴保庸介
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
鶴保庸介
4
○
委員長
(
鶴保庸介
君)
雇用対策法
及び
地域雇用開発促進法
の一部を改正する
法律案
を議題とし、
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御
発言
願います。
辻泰弘
5
○
辻泰弘
君
民主党
・
新緑風会
、
辻泰弘
でございます。
前回
に引き続きまして、
雇用対策基本計画
に関連して、お別れの
最後
の
質問
をしておきたいと思います。 さて、十五分と限られておりますので、かいつまんで申し上げたいと思います。
前回
、いろいろと申し上げましたけれども、そもそもどうなっているのかというのは、必ずしも
皆様御存じ
ないかもしれないと思いまして、恐縮ですけれども、昨日十一時半ごろ会館に戻って三時半まで、今日作ってまいりましたけれども、ちょっと余り美しくなくて恐縮なんでございますけれども、一ページ目が、これまでの
経済計画
と
雇用計画
の
経緯
ということで、
厚労省
の
資料
で出させていただいている。「
改革
と
展望
」もその中に
位置付け
られたという
資料
が出たことがあるということでございます。 それから、二ページ目が、上が
雇用対策法
で、
雇用対策基本計画
は、
政府
の
策定
する
経済全般
に関する
計画
と
調和
するものでなければならず、こういうことが出ている。そして、過般
議論
になりましたけれども、
平成
十四年二月、
平成
十四年九月に、
澤田局長
、また
福田官房長官
に私が
質問
したときに、
計画
として、
雇用対策基本計画
と
整合性
を持つべき、
調和
あるべき
経済計画
として「
改革
と
展望
」をとらえていると、こういった
答弁
があると、こういうことが二ページ目でございます。 三ページ目が、私が主張してきたことなんですけれども、要は私は、「
改革
と
展望
」が
ローリングプラン
になった、すなわち毎年変えていくということになったわけでございますが、私は、
大変経済社会
の
変化
というものが著しい、急激だという
状況
の中で、私は
計画
が、
計画経済
じゃございませんから
計画
がすべてではございませんが、
一つ
の年間の先の見通しを
それなり
に持って、
政策官庁
がみんな知恵を結集してこれからどうやっていくかという、そういう形というのが人間が考えられる一番いい形ではないかと思うと、このように十四年二月に申し上げて、そして八月には、
経済計画
と
整合性
を持ったものということは、すなわち
経済計画
が
ローリングシステム
になったわけですから、それに伴って
雇用対策基本計画
も変動が著しいわけですから毎年見直しをすることもあってもいい、その
基本方針
を持って
雇用対策
を行うべきだと、このように私は申し上げてきたわけでございます。 四ページ目は、これは昨年の
小泉
さんへの、総理への
質問
のときに使った
資料
ですけれども、雇対
計画
というものが今や余りにも陳腐化している、余りにも現状から外れている、しかしこれが
現行
の
雇用対策基本計画
である、これは見直すべきだということを申し上げたというのが四ページでございました。 五ページ目が、その「
改革
と
展望
」につながる
政府
の
閣議決定
を三つ挙げていると、こういうことでございます。 そこで、
厚労省
の方には、昨日申し上げて、
二つ
のポイントについて申し上げ、御
答弁
も考えていただいているようでございますので、
二つ
、まず申し上げておきたい。
一つ
は、
前回局長
から、
平成
十四年一月に
終了
したと、このように
答弁
があったわけですけれども、「
改革
と
展望
」を
経済計画
と
位置付け
た
答弁
というのはこれまであったというふうに思っていますけれども、その点についての認識をお伺いしたい。
高橋満
6
○
政府参考人
(
高橋満
君) お答え申し上げます。 いわゆる「
改革
と
展望
」をどうとらえるかということでございますけれども、「
改革
と
展望
」については、
委員
も今お触れになりましたとおり、毎年度の
経済財政
の動向を踏まえて毎年度改定していくものであると。そういう
意味
では、固定的な
期間
を定めた従来の
計画
とは厳密な
意味
では一致はしない。ただ、いわゆる「
改革
と
展望
」の
策定
に至った
経緯
を踏まえると、
経済計画
に相当するものというふうに評価をできるのではないかと、こういうふうに思っております。
辻泰弘
7
○
辻泰弘
君
経済計画
に相当するものと評価すると、こういうことですね、してきたということですね。
大臣
の方に
一つ
御
質問
を通告しております。これは、
大臣
が、
小泉内閣
になって
計画
という
手法
はなくなったという
答弁
をされているんですけれども、しかしそれは必ずしもそうじゃないんじゃないかと、このことを申し上げているんですが、その点について見解をお願いします。
柳澤伯夫
8
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 私は、この間ずっと
行政改革なぞ
に携わってきた
立場
から、
経済
企画庁が廃止され、そして
経済審議会
も廃止され、そこでの下で、本当に
日本国民
の英知を集約するという
意味
で広くいろいろな分野の
専門家
を糾合して
経済審議会
を構成して、そして国の行く末をかなり明確な形で
計画
として定めるという、そういう
行政運営
の仕組みというものは変わったというふうに
実感
をいたしております。
経済審議会
は、結局
経済財政諮問会議
というものに糾合、融合されたということがいきさつとしてあったわけで、いずれにしても消滅をいたしたわけでございます。
経済審議会
と
経済財政諮問会議
とでは、随分成り立ちも変わっていることは御案内のとおりでございます。 そうしたところで、「
改革
と
展望
」というものをどう見るかということでございますけれども、
計画
という呼び方、あるいは
ローリングシステム
の下での
計画
ということの呼び方はもとよりできるわけですけれども、しかし従来の、非常に、今私がるる述べたような形での国家の
計画
、その
基本
だと、
基本
たる
計画
だというような
立場
というか、そういうものは、随分
策定
の
経過
からいっても変質をしたというふうに
実感
を持っているわけでございます。
辻泰弘
9
○
辻泰弘
君
局長
に確認しておきます。先ほどの御
答弁
の中に、
政府
の
策定
する
経済全般
に関する
計画
に相当するものと「
改革
と
展望
」を評価してきたと、こういうことだと思うんですが、その点、いいですね。
高橋満
10
○
政府参考人
(
高橋満
君) 今の御指摘の
趣旨
のとおりでございます。
辻泰弘
11
○
辻泰弘
君 そこで、
大臣
に
一つ
確認して、お聞きしたいんですけれども、
現行
の
雇用対策基本計画
というのがあるんですけれども、これ、ごらんになったことありますか。
柳澤伯夫
12
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) これは十か年
計画
で、
最後
の
経済審議会
における
経済計画
に相照合したものとして
策定
をいたしているものと承知をいたしております。
辻泰弘
13
○
辻泰弘
君 明確にお答えいただけないんだけれども、読んだことがあるかということなんですね。はっきり言って、時間がないんでそこまで聞きませんけれども。 率直に言って、これ見ていただくと
計画性
というのはないんです。むしろ、
方針
が書いてあるだけと言ったらあれですけれども、要は
ビジョン
なんです。ですから、
計画
という
言葉
にこだわって毛嫌いされますけれども、むしろ
経済
の方かもしれませんけれども、しかし
雇用対策基本計画
というのは
ビジョン
であって、何も
計画経済
というふうなことで批判になるようなものじゃない。むしろ、本当に
ビジョン
と言えるほどの代物かというようなことをむしろ言いたいぐらいでございます。ですから、そういう
意味
で私は、
基本
的に
計画
という
位置付け
で今後ともいくべきだったと、このように思っているということを申し上げておきたい。 以下、時間もございませんので、私が思っている所信を申し上げておきたいと思っています。 それで、まず、そもそもこの
雇用対策基本計画
を
終了
するということになった
出発点
、
前回
の
局長
の
答弁
もありましたけれども、
審議会
の課長の
発言等
を振り返りますと、
政府
の
経済計画
が
平成
十四年以降、「
改革
と
展望
」という毎年度改定する
計画
ではないものに取って代わったものですから、その
前提
がなくなっている、このことをおっしゃっていて、それがほぼこの根底にある
終了
、
変更
の
理由
ではないかと私は思っていますが、しかし、先ほど出した
資料
にもありますけれども、その一か月後の
平成
十四年二月に、私が
質問
したのに対して
澤田
、当時
局長
が、今般廃止されました従前の
経済計画
が新しい「
改革
と
展望
」に変わったと、このようにおっしゃっているわけです。ですから、当時
経済計画
として「
改革
と
展望
」を継続したもの、引継ぎの形として受け止めていたと、このように私は思っていますし、その上での
議論
をこれまでさせていただいたと、このように思っているわけでございます。 ですから、私は、今
経済全般
に関する
計画
に相当するものと評価してきたと、このようにおっしゃったわけですけれども、そうであったとすれば、その上に立った
判断
、
対応
があってしかるべきであった。すなわち、
雇用対策基本計画
も「
改革
と
展望
」と
調和
する形での
ローリングプラン
にするということがまず考えとして出てきて、その後にどうするかということだったと私は思うんですけれども、その
部分
を飛び越えて、そもそも
計画
はなくなったという。そうしたら、これまで評価してきたものをどう考えたのかというプロセスが全く見えていない、その点全く不分明である、このことを申し上げておかなければなりません。 それと同時に、
雇用対策基本計画
というものは
閣議決定
を求めなければならない、このようになっているわけでございます。この
閣議決定
の義務付けという極めて重要な条文の
削除
に当たるにもかかわらず、今回の
大臣
の
提案理由説明
にはその
規定削除
について全く
言及
がなされておりません。そして、
資料
にありますように、昭和四十二年以降今日に至るまで、
雇用
に関する
基本政策
として
閣議決定
してきた
雇用対策基本計画
を以後
策定
しないという重要な
方針変更
であるにもかかわらず、
提案理由説明
には全く
言及
がない、このことも指摘しておかなければなりません。 それと同時に、
大臣
は、
経済計画
というのは、もう
計画
というのは
時代
にそぐわない、
細川内閣
のときから
発言
したとかそんなこともおっしゃっているわけですけれども、そして
小泉内閣
になってから、もう
計画
という
手法
はなくなったと言っているんだけれども、しかし、
小泉内閣
の最たるものである
平成
十三年六月の正に
最初
の
骨太
の
方針
の中に、
中期
的な
経済財政計画
の
策定
ということが明示され、
閣議決定
されている。そして、それが
ビジョン
であって、それに基づいて
政策
をやっていくんだということを明確に打ち出したのは
平成
十三年六月の
骨太
の
方針
、まず
小泉改革
の
出発点
のときにその
計画
というものを明示して、その流れの中で「
改革
と
展望
」ができているわけなんです。 当時の
経済財政諮問会議
の
議事録等
を振り返りますと、
平成
十三年十一月二十七日の
資料
には、
中期経済財政計画
で明確な将来
展望
を示すと、本
計画
の
計画期間
は二〇〇二年度から二〇〇六年度の五か年とすると、こうなっている。それが一週間後の十三年の十二月四日には、「
改革
と
展望
」の
対象期間
は二〇〇二年度から二〇〇六年度の五か年とするということで、そこでネーミングが変わっているわけです。 そのことを竹中さんはどう
説明
しているか。これは
議事概要
で出ておりますけれども、
中期経済財政計画
という
言葉
は
骨太
の
方針
に出てくる、我々はそれを全部承認している、それで本文の中でこの
計画
を略称で呼ぶ箇所では
計画
とずっと書いてきたと、今日、
名前
が正式に決まったのでこれは全部書き換える、すなわち、
計画
という
名前
を
展望
ということに書き換えたから以後は変わったと、こういうことになっているわけです。すなわち、
名前
はともかくとして、
考え方
なり
精神
は
計画
ということでずっと来ているということを言っている、このことも申し上げておかなければなりません。 それから、
平成
十九年一月に「
進路
と
戦略
」が
閣議決定
されておりますけれども、「
改革
と
展望
」を今まで評価してきたとおっしゃいました。そうであれば、その「
改革
と
展望
」を引き継いだ「
進路
と
戦略
」をなぜ同等に評価しなかったのか。そのような検討がなされた上での今回の対処であったようには到底見受けられない。このことも申し上げておかなければなりません。 それから、同じ今年一月の「
進路
と
戦略
」、その中には大事なことが出ております。
政府
の諸
計画等
との連携、今後
政府
が
策定
する
中期
の
計画等
(
国土形成計画
、
社会資本整備重点計画等
の
公共事業関係計画
、
地方分権改革推進計画
、道州
制ビジョン
、イノベーション25等)については、特に「
進路
と
戦略
」と整合的なものとする必要がある、このように明記されて
閣議決定
されているわけでございます。 正に、「
改革
と
展望
」を引き継いだ姿である「
進路
と
戦略
」は、「
改革
と
展望
」にはなかった
政府
が
策定
する
中期
の
計画等
との
整合性
を求めている、これまでの
雇用対策基本計画
の
精神
をむしろ強く打ち出したものとなっていると私は
理解
します。それに逆行する形で、
厚労省
は
整合性
、
調和
を求めるという
法制
上の
規定
を
削除
している。このことは、正に
政府
の
閣議決定
の
政策方針
との
調和
、
整合性
をなくならしめているものだと言わざるを得ないと、このように思うわけでございます。 また同時に、
計画
は
時代後れ
だと言わんばかりの御
発言
でしたけれども、
厚生労働省自体計画
というものをたくさん出しております。
障害福祉計画
、
障害者計画
、
老人保健福祉計画
、
医療計画
、
医療費適正化計画
等々、多くの
計画
を出しておりますけれども、しからば、
計画
というものの名を冠することができるものとできないものはどこで区別するのか。 私は、
計画
と言っているけれども、いずれも
ビジョン
だと思っています。その点について、
経済計画
だけはそういった
議論
の
経過
が
経済財政諮問会議
でもあったにもかかわらず、
計画
という
名前
がおかしいんだと言って、ほかはそのまま御自身の出していらっしゃる
計画
は残しているわけです。そこの矛盾も申し上げておかなければならない。 それから、
審議会
での
議論
です。
審議会
でも、
椎谷委員
、四十年前の
法律
なりその
法律
に基づいて初めて
雇用対策基本計画
が作られたことを思い返しますと、中身の問題というのは全省にまたがったり、もちろん
厚生労働省
の中の
他局
にみんなまたがるわけですが、
安定局
の中に閉じこもらないで、他の
局なり省
にどんどん働き掛けて、そういうものを実現するような
方向
で努力してもらうことが大事だと思いますと、
雇用対策法
に基づく
雇用対策基本計画
の中にはかなり幅広く書いてあった、幅広く
政策
的な努力をお願いしたいと、このように言われているのが、
審議会
でのこのことについての私が見る限り
唯一
のコメントであったと思っています。 このことは、慎重であるべきだ、やはり私は
計画
というものを、これまでの
位置付け
というものを後退させるなという御
議論
だったと私は
理解
しているわけですけれども、いずれにいたしましても、今回の
雇用対策基本計画
の
終了
の
理由
は極めて不明確であり、根拠が薄弱である、
説明
が不十分であると言わざるを得ないと思っております。
審議会
ではむしろ
慎重意見
があった。また、
国会
では、十五回のうち五回は今次
改革
における
衆議院
の
議論
であって、残りの十回は私がずっとしてきたわけですけれども、その
国会
ではこのことについての
価値判断
を言っている
唯一
の
発言者
が私ですが、改定をして残してむしろ発展させていくべきだと言っていたわけでございます。そういった中で、
議論
が不十分な中でこのように
終了
させるということは、本当に
理解
ができません。
厚労省
の勝手な
理解
だけで、
説明
も十分でないままに、
日本
の
経済社会
の将来や今後の
国民生活
にかかわる
重要事項
を、
内閣
全体で総合的に取り組むという
基本方針
を持っていたものを軽率に
変更
している、このことは全く
論理性
がない、でたらめで容認できない、このことを申し上げて私の
質問
を終わります。
柳澤光美
14
○
柳澤光美
君 おはようございます。
民主党
・
新緑風会
の
柳澤光美
でございます。 私は、
雇用対策法
が今回、
労働国会
と言われる
労働法制
全体を見直す根幹になるだろうなというふうに期待をしておりました。今後の
我が国
の
雇用政策
の進むべき
方向
、具体的にはどういった
雇用形態
で、またどういった働きを目指すのかと、この
基本
のことが明確になるというふうに思っていたんですが、正直言いましてがっかりしております。今日は少し今までも述べてきた思いも込めて御
質問
をさせていただきたいと。 残念ながら、
バブル崩壊
以降のこの十五年間、
我が国
の
雇用政策
においては実態後追いあるいは対症療法をその都度行ってきている、
対応
が遅れ、その
場しのぎ
のパッチワークのような
法改正
ではなかったかと言わざるを得ないと思っています。 確かに、九〇年代初めに
バブル
が崩壊し
グローバル化
が進む中で、
日本経済
は債務の過剰、設備の過剰そして
雇用
の過剰という三つの過剰を抱え、長く苦しむことになりました。銀行の多額の
不良債権
による
金融危機
もあり、
改革
はせざるを得ない
状況
にあったことは
理解
ができます。ですから、
小泉改革
を全否定するつもりは私はありません。しかし、
経済財政諮問会議
と当時の
規制改革
・
民間開放会議
を使って
改革
を急激に進める中で、確かに
最初
は
既得権益
にメスが入り
それなり
の効果があったと思います。しかし、
労働者
の代表も入らず、
市場経済原理主義
の偏ったメンバーにより
雇用
問題が論議されるようになり、人は財産であるという
日本
の
雇用慣行
が崩壊してしまったというふうに私は感じております。
労働者
を
人件費コスト
としか考えず、必要なときに採用し、要らなくなったら解雇する、それが
正規社員
から非
正規社員
への必要以上の切替えであり、
派遣
という
外部労働者
の導入だと思っています。
規制緩和
によって
労働者派遣
は大きく成長というか膨張をしました。もちろん適正に制度を活用している
企業
もあります。でも、中には
労働力
を
コスト
とだけとらえ、
人材育成
を怠り、安易に
外部
に安い
労働力
として
労働派遣
を利用してきた
企業
というのが多く存在しているのも事実。このことは、私は
経営者
の少し悪乗りではないかというふうにとらえています。また、その後押しをしているのが
経済財政諮問会議
であり、
規制改革会議
だというふうに思っています。このことを今日は突っ込むつもりはございません。
雇用対策法
についてお伺いしたいと思いますが、まず
最初
にお聞きしますが、第一条の
目的
の
部分
について、
法案要綱
には、
人口構造
の
変化等
の
経済社会情勢
の
変化
に
対応
してというふうになっていたのが、
改正案
では、
少子高齢化
による
人口構造
の
変化等
の
経済情勢
の
変化
に対してというふうになっています。なぜ、わざわざ
少子高齢化
によるという
文言
を加えて限定するのか。
政府
としては一方で
少子化対策
を推進しておりまして、
少子化
を
前提
とした
雇用対策
を行おうとしていること自体問題ではないかというふうに私は考えています。また、今後、仮に
少子化対策
が功を奏して
出生率
が好転し、
少子化
が解消された場合はどうするのか。どのような
経済環境
や
人口構成
でも
対応
できる
雇用対策
でなければならないのではないかというふうに考えます。 なぜこのような
文言
にしたのか、教えていただきたいと思います。
高橋満
15
○
政府参考人
(
高橋満
君)
法案要綱
におきます
文言
とこの
法律案
の
目的規定
で記載されております
文言
、
人口構造
の
変化
の頭の方に
少子高齢化
によるという
文言
が
法案
の方に入っているわけでございますが、言うまでもなく、この
要綱
におきます
意味
もこの
法案
の中で記載されておる
趣旨
と同様の
趣旨
で
要綱
として記載されたものでございまして、
基本
的に
考え方
は一緒になるわけでございます。 それで、
少子化
というものを
前提
とした
雇用対策
ということを行おうとしているのではないかという御
質問
でございますが、
少子化対策
そのものにつきましては、
我が国
社会にとって極めて重要な問題であるわけでございまして、国、地方、
企業
等が一体となって取り組むべき喫緊の課題であると考えておるところでございます。 同時に、言わば、これまでの結果としての
少子化
というものの影響によりまして人口減少というものが見込まれるわけでございまして、そういう中で
労働力
人口というものも減少せざるを得ない。その減少をできるだけ抑えつつ
経済社会
の活力を維持増進させていくためには、若者、女性、高齢者など働くことを希望されるすべての方々の就業の参加ということを実現していくことが極めて重要でもあるわけでございます。 こういうことで、今回の
法案
におきまして、人口減少下における就業促進ということを大きな
目的
といたしまして改正をお願いをいたしているわけでございますが、こうした
改正案
を踏まえまして、私ども、各般にわたる
雇用対策
の実施に今後更に努めていく考えでございますが、こうしたすべての働くことを希望する方々が就業の参加というものを実現できるというふうなことは、ある
意味
では働き方の見直し等を通じた
少子化対策
にも資する面があるものではないかというふうに考えております。
柳澤光美
16
○
柳澤光美
君 少し私の
考え方
を述べさせていただきたいと思いますが、確かに、
少子高齢化
による
労働力
の量の問題というのは大事な課題だというふうに思っています。ただ、私は、それ以上に問題なのは
労働力
の質の低下と格差の拡大だというふうに思っています。 その中で、女性の
雇用
に対していえば、
目的
はM字をなくすことが大きな課題でありまして、女性が出産して退職しないように育児休業がきちんと取れ、その後は短時間社員として勤務し、育児が終わったら元に戻れる、これが一番目指している理想的な
方向
だろうと。ただ、一方では、退職をして、勤務時間が守られ責任が重くない仕事をしたいという短時間勤務を望む女性もいらっしゃいます。それがパート労働法でも確認をさせてきていただいたわけですが、それで大切なのは、均等・均衡処遇の確立とワーク・ライフ・バランスだというふうに思っています。 それからもう
一つ
、高齢者の
雇用
も、これは
雇用
延長が必要ですが、それだけではなくて、私は、元気であれば週三日一日二時間、七十になっても八十になっても働けるような、誤解を恐れずにちょっと言わせてもらいますが、死ぬまで元気で働いてもらえるような
雇用
環境を整備することが重要だろうというふうに感じています。そのことが年金とか医療とか介護の解決につながっていくんだと、ただ
労働力
の問題だけではないと。 しかし、
少子高齢化
のためにだけ
雇用対策
が必要というふうに出しているところに私は大きな間違いというか問題点があるというふうに強く思っておりまして、私がとらえているのは、むしろ、
雇用
における今の最大の問題点は、非
正規社員
が千六百三十三万人と三人に一人になって、その中に、本人は正社員になりたいのになれず、仕方なしに非
正規社員
になっている
労働者
が増えていることだというふうにとらえています。 その第一が、パート労働
法改正
の中でも強く主張させていただいたんですが、学生バイトとか、いわゆる退職をして、先ほど言いました主婦パートで短時間で働きたいという人、それから、高齢者パートなど本人の希望で非
正規社員
を選んでいた
時代
から、この十五年間、非自発的にパート労働にしか付けなかった、特に新卒パート、男性パート、世帯主パートなど、特にフルタイムパートが増えている、この均衡待遇と正社員への転換が大切だということを先回も強く主張をさせていただきました。実現はかないませんでしたが。 第二には、
派遣
という問題です。
雇用
契約をしている会社と働いている会社、職場が違うと。この
外部
導入型の
労働者
が急増して
雇用
管理が複雑になって、問題が本当に見えにくくなっている。結果として、ワーキングプアと言われる低い労働条件の下で
人材育成
がおろそかになって、短時間有期
雇用
や契約、
派遣
、請負など、機械の部品のように使い捨てにされる
労働者
が増えている。長期
雇用
や年功処遇という
日本
の
雇用
制度が大切にしてきた、一番の問題は、人的資本が私は失われているのではないかということを一番危惧をしています。 この目先の
人件費コスト
の削減は、
企業
内教育により技術や技能を高めて収益を上げてきた、その収益を結果低下させていることにつながっています。さらに、個々の
企業
にとっては合理的であっても、社会全体としては深刻な問題を引き起こしている。人口減少社会で
経済
成長を維持しようとすれば、非
正規社員
も含めた
労働者
一人一人の能力を高める、このことが何より私は重要だろうというふうに思っています。それが一方では、
正規社員
は長時間労働が常態化してサービス残業が蔓延する中で、うつ病など
精神
障害そして過労死や過労自殺が増加しています。 この
雇用
状況
をどう改善するか、それが私は
雇用対策
の
基本
だというふうに考えますが、
大臣
、いかがでしょうか。
柳澤伯夫
17
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 私どもの今回の
雇用対策法
につきまして、非常に
基本
的な問題を御提起をいただいているものと受け止めさせていただきます。 この雇対法第一条には、「
労働力
の需給が質量両面にわたり均衡することを促進して、」というふうに書かれておりまして、今
委員
が御指摘になられるように、量の面のみならず質の面の均衡の実現ということも明らかにこの
法律
は
目的
といたしております。そういうこの
法律
に照らして昨今の労働市場の現況というのは、今
委員
がるる御指摘いただきましたように、質という面ではいろんな問題を生じている、あるいは投げ掛けているということを私どもも明確にそこは認識をしているつもりでございます。 それに対して、今回の
法律
がどういうような姿勢でこの問題に臨む、そういうことを表現させていただいているかということを申し上げたいのでございますけれども、
一つ
は、やはり第四条の九号に、不安定な
雇用
状態の是正を図るため、
雇用形態
及び就業形態の改善等を促進するために必要な施策を充実すべきだということを書かせていただいておりまして、このくだりは
基本
的には改正前の六号を踏襲しているものでございますが、ここでも若干の修正を加えまして、昨今のいろいろな問題、
派遣
だとか請負だとかということに対してもここではっきりその改善等を促進するということをうたわせていただいておるということでございます。 それから、十二号のところで、私どもは
雇用
管理の改善の促進ということをうたわせていただいておりますが、これも抽象的な言い方ではありますけれども、育児休業だとか男女の機会均等であるとかというようなことを含意しておりまして、今
委員
が問題ありとされた分野に対して、私どもがこうしたことについて同じような問題意識の下でその改善を図って、質の均衡ということに役立てていく必要があるという認識に立っているということはうたわせていただいているつもりでございます。 そして、
最後
に、
委員
が正に触れられた職業能力の向上の面につきましては、ちょっとさかのぼるわけですが、四条の一項二号でその点をうたわせていただいておりまして、この面についてももちろん社内の研修制度の充実を求めるわけでございますが、場合によっては、それは社外での職業訓練あるいは職業能力ということの向上という施策も必要というふうにとらえまして、それらのことについてうたわせていただいているという我々認識に立っております。
委員
がおっしゃるとおり、現下のこの問題というのは、一時期の量的な均衡の回復ということについてはかなり好転をしたということですが、質の面に着目いたしますとまだまだ問題は大きく残っているという認識、これは私どもしっかりと持たせていただいておるということでございます。
柳澤光美
18
○
柳澤光美
君 本当に
柳澤
大臣
の方も大変御苦労されて勉強をされて、前向きな
答弁
を最近はいただいておりまして、
一つ
は、
大臣
が
最初
の私の
質問
のときにこういうふうに答えていただきました。やはり
基本
的には安定した職場に長期にわたっているという形を
基本
に置くべきだと、また、長期安定的な
雇用
の場というのは希望する人には絶対確保するという
基本
を揺るがすべきではないという御
答弁
をいただきました。私は、そのことがあらゆるところで
対応
をして実効性を上げるということが大事だというふうに思っております。是非そのことをお願いをしておきたいと思います。 それで、パート労働法で短時間等はやりましたが、私は今一番気になっていますのが実は
労働者派遣
法に伴う
派遣
労働者
の問題です。この
雇用
問題を
議論
する中では、どうしてもこの昨今の
派遣
労働問題について
言及
しなければならないだろうなと。 戦後、強制労働や中間搾取の温床となってきた
労働者
供給事業については職業安定法において厳しく禁止されてきました。しかし、
時代
が変わり、今で言えばIT化、当時はOA化というふうに言っていましたが、コンピューターの技術者など、なかなか社内の教育では間に合わない専門的な分野の
労働者
を
外部
に求めるという
企業
の需要が高まり、そういった背景もあって一九八六年に
労働者派遣
法が立法化されたというふうに記憶をしております。言わば、実態が先行し後追いの形で法整備が行われたといった感じをしております。 しかし、
時代
が変わり、その後、
平成
十一年、一九九九年の改正では、これが一番大きなポイントだったんですが、ネガティブリスト化によって、港湾運送、建設、警備、医療関係、製造現場などを除く職場への
派遣
が可能となる原則自由化が行われました。さらに、
平成
十五年、二〇〇三年改正では、
派遣
期間
の原則三年への延長、物の製造への解禁など、急激に
派遣
労働者
が増える体制になってしまいました。この改正に当たっては、読ませていただくと、
国会
での審議においても、違法な請負が横行しないのか、また常用代替にならないのか、しつこいほど何度も確認がなされ、当時の労働省、厚生省の
答弁
では、
労働者派遣
法の適正な運用を約束するので心配ないと
答弁
が繰り返されていました。 しかし、どうでしょうか、昨今の
状況
を見れば、懸念されていたことがそのまま起こっているのではないでしょうか。
労働者派遣
は私は常用代替ではないとしていたというふうに思います。このネガティブリスト化以降、労働の現場では正社員が首を切られ、いつの間にか
派遣
労働者
の置き換えが行われるなどの
状況
が散見されるようになりました。また、物の製造現場に
派遣
を解禁した途端、偽装請負が横行しました。結局は、
労働派遣
法は当初の
説明
とは大きく違って、法遵守のための措置や罰則
規定
が甘いために、運用の段階でざる法に私はなってしまったと言わざるを得ないと思っています。 そこで、
派遣
法の問題で何点かお伺いをしたいと思います。 私は、
労働者派遣
は、専門分野を除けばあくまでも臨時的、一時的な
労働力
の需給調整機能だというふうに考えています。ところが、実態は通常
労働者
の代替となっており、しかも常用
派遣
ではなくて登録型
派遣
が急激に増えている。 そこでお聞きしますが、常用
派遣
そして登録型
派遣
の人数はどのくらいになっているのか、
厚生労働省
で把握している人数を教えてください。
高橋満
19
○
政府参考人
(
高橋満
君)
平成
十七年度の
派遣
事業報告は、これは
派遣
事業者から報告をいただいておるわけでございますが、それによりますと、
派遣
労働者
数全体では約二百五十五万人、そのうちいわゆる登録型
派遣
の
労働者
の数は約百九十三万人、それから常用
雇用
労働者
、常用
雇用
型の
派遣
の
労働者
、これが約六十一万人と、こうなってございます。
柳澤光美
20
○
柳澤光美
君 実は、今
答弁
がありましたように、もうトータルでは二百五十五万人。その中でも、
派遣
労働がもう六十万人を超えてくる、登録が。 私は、介護保険法のときに、電話一本で利用者宅に
派遣
される直行直帰型の登録型ヘルパーの問題を指摘をさせていただきました。教育どころか労働基準法さえ守られないような実態になってしまう。いわゆる、
企業
にきちんと来てコミュニケーションが取れてなくて、そのまま電話一本で動いている、こういう労働の仕方というのをもう一度きちんとしないと、
人材育成
にも、特にヘルパーの質的向上につながらないと。 私は、この登録型
派遣
が、ネットカフェ難民だとか、若者たちがそういうところに追い込められているという実態になっているというふうに思うんですが、この登録型
派遣
について
厚生労働省
は実態をどのように把握されているのか、お聞かせいただけますか。
高橋満
21
○
政府参考人
(
高橋満
君) 今申し上げましたように、登録型
派遣
として、これは百九十三万人の方がおられるというふうに申し上げましたが、これは単に登録しておって何の
派遣
就業の稼働がなかった方は除いておりますので、何らかの形で働いておられる、一年間において働いた方ということでございます。 この登録型のみならず常用型も含めまして、私ども、
派遣
労働者
の実態ということにつきましては
平成
十七年にアンケート調査というものを実施をいたしまして、
派遣
元事業者から見た
状況
、それから
派遣
先事業者から見た
状況
、それから
労働者
から見た
状況
、それぞれ各般にわたります
状況
について把握をいたしているところでございます。
柳澤光美
22
○
柳澤光美
君 済みません、私が間違えました。登録型が百九十三万人ですね。ということは、むしろ常用よりも登録型の方が急激に増えている。 私はいつも思うんですが、
法案
等を変えて、世の中の動きというのはすごいスピードで動くんですよ。その結果がどうなったのかという現場確認をして、それに対していわゆる行政がどういう手を打っていくのか。常々思っているんですが、私は行政の
対応
が遅いのと、非常に机上論では立派な形が取れるんですが、実態に追い付いていない。とすれば、現状の問題を解決するために
法改正
を行わなくても、適正な運用がされれば
現行
法でも十分
対応
できるものたくさんあるだろうと。その法の遵守をさせるために、
厚生労働省
としては今どういう対策を取っているか、具体的に教えていただけますか。
高橋満
23
○
政府参考人
(
高橋満
君) 今
委員
御指摘の、
派遣
のみならず請負、言わば
外部
労働力
の活用の形態としての
派遣
及び請負につきまして、私ども、これは
派遣
法におきましてきっちり、請負はこれこれこういうもの、
派遣
はこれこれこういうものということで、その区分というものを明確に示して
対応
しておるわけでございますが、そういう中で、
派遣
という形態につきましては、正に
労働者派遣
法に基づきまして、種々の
労働者
保護の観点からの様々な
派遣
先及び
派遣
元に対するそれぞれの遵守すべき
規定
というものが整備されておるわけでございます。 そういう中で、私ども、
労働者派遣
法に基づきまして必要な監督というものを行いながら、この
派遣
法に基づく
状況
というものの遵守
状況
というものを把握しながら厳正に指導を行ってきておるわけでございまして、その際に違反が把握できれば、当然それを是正させていくという形で取り組んできておるわけでございます。 特に、昨年九月以降、いわゆる契約は、契約上は請負であってもその実態が
派遣
という形であると、こういうようなこととして
判断
できるいわゆる偽装請負の防止、解消ということを図っていくために、従来以上の取組を行っていこうということで、その強化に努めてきたわけでございまして、私ども、今後とも、この偽装請負を含めまして、
労働者派遣
法のきっちりその遵守を求めていくための取組について、最大限努力を傾注をしていきたいと考えております。
柳澤光美
24
○
柳澤光美
君 決して、私もやってないなんと言うつもりはないんです。ただ、結果としてこういうふうになってしまう。私は、政治とか行政というのは、そういう形で
規制緩和
なり
規制改革
を大きく変えようとするときには、今後どういう
状況
が起きるだろうと。とすれば、それは
法案
の中でどういう規制、今度は逆に罰則
規定
を設けるのかということをしておかないで、十年も十五年もたってぐちゃぐちゃになってまたやろうとする。特に人の問題は取り戻せないんですよ。
労働者派遣
法の問題点というのは、私は、
派遣
元に対する罰則、例えば指定の取消し等の処分はあるんですが、
派遣
先に対する罰則というのは非常に弱いというふうに感じています。業務請負では禁止されているんですが、
派遣
では指揮命令は
派遣
先
企業
の担当者が行うわけですね。利益を享受するのはむしろ
派遣
先の
企業
です。問題が起きたときには
派遣
先も応分の罰則などの措置をきちんと歯止めを掛けないと駄目なんではないかなということも強く感じていまして、
派遣
先に対する罰則の強化については、今どのように考えられていますか。
高橋満
25
○
政府参考人
(
高橋満
君)
労働者派遣
という形態、今
委員
御指摘ありましたとおり、
雇用
関係が
派遣
元と
派遣
労働者
との間にある、また指揮命令関係が
派遣
先と
派遣
労働者
との間にあると。こういうような形態ということもございまして、
労働者派遣
法におきましては、
派遣
元に事業の適正な運営の責任を持たせて、それを通じて
労働者
保護に欠ける事態が生じないような、そういう法体系になっているわけでございます。 このため、その
派遣
元につきましては、許可又は届出にかからしめて広く行政処分や罰則の対象になっている……
柳澤光美
26
○
柳澤光美
君 済みません、
派遣
先にはどうなんですか。
高橋満
27
○
政府参考人
(
高橋満
君) それで、
派遣
先につきましては、確かに行政処分というものはこういうことで設けられていないわけでございますが、そういう
意味
で、
派遣
法上の制裁の在り方というのは異なっております。 ただ、当然のことながら、指揮命令に伴う労働基準法等の使用者責任にかかわる罰則というものは当然適用されるものでございます。
柳澤光美
28
○
柳澤光美
君 ですから、私が言いたいのは、登録型
派遣
がもう百九十三万人になってきている。
派遣
先、いわゆる二百五十五万を超える
派遣
労働者
がいる。これは
派遣
元だけではなくて
派遣
先の方に対してもきちんと明確な基準を作ってあげる。必要であれば罰則
規定
を作る。私は
規制緩和
をしたり
規制改革
をするときに、そのいわゆる歯止めの
部分
をきちんと作らなければ、正直言いまして
労働者
は非常に弱い
立場
にいますから、使う方にいいように使われてしまうということを大変懸念しています。 これはまた検討いただくということにして、実は、そんな中でも、やはりできるだけ正社員に
派遣
先でしてもらおうということで、一年以上継続して
派遣
が行われている場合には直接
雇用
をしてくれということになりました。直近のデータで、昨年ので結構ですが、このことによって全国で何人が
派遣
先
企業
に直接
雇用
をされたか教えてください。
高橋満
29
○
政府参考人
(
高橋満
君)
派遣
労働者
が
派遣
先に直接
雇用
された人数についてのお尋ねでございますが、紹介予定
派遣
というものは別といたしまして、今の
委員
が言われたいわゆる専門的業務二十六業務以外の業務にかかわる
期間
制限、これを実質的にその防止を担保するために、いわゆる一定の条件の下で雇入れ申込義務というものが付されておるわけでございますが……
柳澤光美
30
○
柳澤光美
君 いや、人数だけでいいです。
高橋満
31
○
政府参考人
(
高橋満
君) これについての、これも含めた直接
雇用
された人数ということについては現時点で把握はいたしておりません。
柳澤光美
32
○
柳澤光美
君 何で把握しないんですか。そういうことを
厚生労働省
としては大切にしたいということだったんでしょう。
派遣
先
企業
にできるだけ正社員で直接
雇用
してくださいというお願いをしていて、実態を把握しなくて何で指導ができるんですか。 私は、その辺が本当に机上で何か形上はすごく格好いいことをつくって、つくっただけで全部ほうってある。ところが、実態はもう悪い方に悪い方に動いていっている。で、歯止めを掛けようとしたときにはもう取り返しが付かない状態になっている。 もう
一つ
聞きます。 今ありました紹介予定
派遣
をしようと。これを利用してどの程度の人が
派遣
先
企業
に採用されましたか。人数だけです。
高橋満
33
○
政府参考人
(
高橋満
君) 事業報告に基づきます数字でございますが、
平成
十七年度で、まず紹介予定
派遣
で
派遣
された
労働者
の数が三万二千九百九十一人、そのうち紹介を通じて直接
雇用
に結び付いた
労働者
は一万九千七百八十人でございます。
柳澤光美
34
○
柳澤光美
君 というふうに、前の直接
雇用
の人数も合わせて把握をしていかなければ私は駄目だろうというふうに思います。もう今日はこれ以上あれしませんが、私はこの
派遣
労働者
の問題というのは非常に根深い問題を抱えているというふうに思っています。 例えば、いわゆるスポット
派遣
などの求人情報を見てみても、残業ありとなっているところがたくさんあるんですね。で、
基本
的なことをお伺いしますが、
派遣
労働者
の場合はだれからの指示で残業を行うことになりますか。簡潔にお願いします。
青木豊
35
○
政府参考人
(青木豊君) 先ほどの
委員
の御指摘にもありましたように、
派遣
労働者
に対する指揮命令というのは
派遣
先の使用者によって行われるものでございますので、
派遣
労働者
に対する時間外労働の指示は
派遣
先の使用者によって行われるものと考えております。
柳澤光美
36
○
柳澤光美
君 そうですよね。ということは、
派遣
先が
派遣
労働者
に残業を指示する、いわゆる三六協定は
派遣
元において締結されている、これが必要条件になります。で、三六協定締結の一方となる
労働者
代表の選出方法や手続、届出等について適正に行われているのか。例えば、それが本当に
派遣
労働者
にとって残業管理がきちんとされているのか、問題はないのか、結果としてサービス残業になっていないか、この辺はどのように把握をされていますか。
青木豊
37
○
政府参考人
(青木豊君) 今お話がありましたように、三六協定、時間外労働協定につきましては、その届けを労働基準監督署に
派遣
元が届け出るということになっているわけでありますけれども、そうした場合には、私どもとしては、
労働者
代表とされているものが管理監督の地位にあるものでないということでありますとか、その選出方法が投票でありますとか等の方法によって適正な手続で選出されているかなどを確認した上、それが不適切だというものにつきましては再提出をさせるなどして窓口で指導を行っております。 また、事業場に立ち入ったりなどして監督指導をする際におきましても、やはり時間外労働協定の
労働者
代表の選出方法でありますとか手続が適正に行われたかどうかを確認しまして、問題があれば是正指導を行うなど対処をいたしております。
柳澤光美
38
○
柳澤光美
君 例えば全員が登録型
派遣
、電話一本で動いている、その人たちの
労働者
の代表をどうやって決めるんですかね。というふうに、その実態がどういう形になっているのか。私は、こういう
雇用
管理というか労働管理が、
派遣
労働の場合に非常に私は、登録型ヘルパーのときにも、あのホームヘルパーのときにもお伺いしたんですが、要は電話一本で動いているわけですから、代表が集まる機会だってあり得ないだろうと。この辺の実態を調べないと、例えば
派遣
先に残業やってくれと、本人は
派遣
元の三六協定なんて分かってないかもしれないんですね。で、残業を断ったら辞めさせられる、残業はじゃ受ける、でも結果、残業が付けにくくなっている、それは全部
派遣
先で起きているんですね。このことも含めて私は
対応
を取らないと、机上論だけでは進まないだろうということを強く主張しておきたいと思います。 もう
一つ
が、いわゆる偽装請負問題に関連して、この業務請負と
労働者派遣
というのが一緒くたになってしまって、訳が分からなくなって偽装請負等も起こっていると。 で、何問か
質問
したいと思うんですが、
労働者派遣
法においては
派遣
元
企業
になるためには特定
労働者派遣
事業には届出が必要ですし、また一般
労働者派遣
事業には許可が必要となっています。しかし、業務請負の場合には何か特別な届出や許可が必要ですか。
高橋満
39
○
政府参考人
(
高橋満
君) 御指摘の業務請負でございますが、これは
労働者派遣
と異なりまして、自ら
雇用
する
労働者
を使用するというものでございまして、したがいまして、この業務を実施するに当たりまして特別な届出あるいは許可ということを必要とするものではないということでございます。
柳澤光美
40
○
柳澤光美
君 とすれば、今のいろいろそういう偽装請負とかいろいろな問題が起きてくる中で、現在業務請負業者数及び請負
労働者
数というのを
厚生労働省
はどのように把握しているんですか。数を教えていただけますか。
高橋満
41
○
政府参考人
(
高橋満
君) 業務請負にかかわります事業者数及び
労働者
数でございますが、これは全体的な数字と申しますのは私どもは把握はいたしておりません。ただ、製造業の、物の製造を行います請負
労働者
がいる事業所につきまして、それを対象にいたしまして
平成
十六年に
派遣
労働者
実態調査という統計調査を実施をいたしました。その際の
状況
でございますが、物の製造を行います請負
労働者
がいる事業所の割合、これは全体で調査対象の二三・二%、そこに働いておられる
労働者
の数でございますが、約八十六・六万人、八十六万六千人というような数字がございます。
柳澤光美
42
○
柳澤光美
君 大きな人数になっていますよね。 それではお伺いしますが、業務請負が適正に行われているのか、
厚生労働省
はどのようにチェックしているのか、ほとんどされてないというふうに思います。とすれば、例えば偽装請負が行われている事業所を探すのに、そういうチェックをするのに
厚生労働省
はどういう手段を使ってやっているんですか。
高橋満
43
○
政府参考人
(
高橋満
君) これは、私ども
労働者派遣
法に基づきます施行のための様々な監督指導という中で、いわゆる偽装請負につきましても必要に応じて監督指導の実施の対象にいたしておるわけでございますが、その契機といたしましては、
一つ
は私どもも主体的に全国の労働局におきまして、特に製造業の大規模事業所等を中心に
計画
的な監督指導を行う、またそのほか、
労働者
からの申告あるいは相談等々を契機といたしまして監督を実施する、そういう中で把握をいたしております。
柳澤光美
44
○
柳澤光美
君 お答えはいつも、地方の労働局があります、あるいは
雇用
の問題ではハローワークがあります、そこできちんとやりますと。でも実態は、偽装請負が出てくるのは、マスコミで話題になる、あるいは従業員等の告発や労働相談など問題が起きて、そこからしか
対応
できないじゃないですか、今のままでは。 私は
派遣
とか請負とか、その
外部
労働の問題というのは本当に穴抜けになっている。もっと言わしてもらえば実態も把握されてない、このことだけは強く指摘しておきたいというふうに思います。 製造業務に
派遣
をする場合には、
労働者派遣
法においては様々な措置を
派遣
元、
派遣
先それぞれに求めています。例えば、百人当たり一人の
派遣
元責任者の選任を、また五十人以上を受け入れる
企業
においては百人当たり一人以上の
派遣
先責任者を選任しなければなりません。
労働者派遣
法においては、
派遣
先、
派遣
元の責任を明確にし、
労働者
の福祉の増進を目指すものであると認識していますが、そこでお伺いしますが、業務請負であった場合はこういった
派遣
先、
派遣
元の責任者のようなものを求める制度はありますか。
高橋満
45
○
政府参考人
(
高橋満
君) 少なくとも、適正に業務請負が行われている、つまり請負というものの要件というものがしっかり具備されておる場合には、これは請負事業主が
雇用
主としての責任のすべてを負うという観点から見ますと、
派遣
事業制度におきます責任者といったような設置というものが義務付けられているものではございません。
柳澤光美
46
○
柳澤光美
君 ですから私は言いたいんですね。
派遣
と業務請負は違うんですよね。それを一緒くたにして管理している。違うでしょう。だったら、それぞれのところをきちんと明確にこの辺もしていかないと。 ですから、私はパート労働法でも強く主張さしてもらったんです。皆さんは、ハローワークがあります、労働局があります、
雇用
均等室でやりますと。できっこないですよ。だから、短時間
雇用
管理者を何できちんと
企業
につくらせないのかと、これは義務
規定
にしなきゃ駄目じゃないかと。パンフレットを皆さん一杯作るって、今積んであるだけですよ。だれが見ますか。そのことをきちんと分かっている人間が働く人にも
企業
にもきちんとつなげる。 ですから、ずっとこの
労働法制
でパート労働法でも私は非常に不満に思っているのが、口だけでは周知の徹底を図ります、情報を伝えます、でも実態伝わっていないからこうなっているんじゃないですか。言いますよ、政省令出した、通達出した、パンフレット出した、だれが見るんですか。そのことが分かって、人と人の中できちんとつないでいくという役割を
企業
にきちんと持たせる、そのことができなくて僕は実効性は絶対上がらないというふうに思っています。 実は、労働災害の問題もそうなんです。安全衛生法上の問題についていえば、
派遣
先事業所において
派遣
労働者
が労災事故に遭った場合は安全衛生上の責任というのはどちらになるんですか。
青木豊
47
○
政府参考人
(青木豊君)
派遣
労働者
につきましてその安全衛生を確保するというためには、
基本
的には事業主責任ということで
派遣
元が
基本
的には持っているわけでありますが、
派遣
の場合におきましては、
派遣
先に責任を負わせることが適切な事項につきましては
派遣
先事業主に義務を課しているところでございます。例えば、安全衛生法に基づく種々の義務のうち、安全管理者の選任だとか安全
委員会
の設置だとか、具体的な作業を行っているときの機械器具あるいは有害物、そういったものの危険を防止するための具体的な措置等につきましては、あるいはまた実際にクレーンなどについて無資格者の就業制限でありますとか、そういったものにつきましては
派遣
先の事業者が責任を負っております。 一方、雇入れ時の安全衛生教育でありますとか一般健康診断などは、原則どおり
派遣
元の事業者が行わなければならないというふうにいたしております。
柳澤光美
48
○
柳澤光美
君 そのようにもう一度きちんと整理をする必要があるだろうと。
最後
にお願いをしておきたいんですが、
前回
の
委員会
のときに、登録型
派遣
では三割、常用
派遣
でも二六パーを超える
労働者
が正社員になりたいというふうに思っているというアンケート調査が出たというお話がありました。ところが、その
説明
では、同じくらいの人がこのままでよいというふうに答えていますと、何かそっちを強めるような
答弁
だったというふうに私はとらえました。 本当に
派遣
の場合には、自分が専門能力を持っていてそれでもいいという人がいないとは決して言わないんです。ただ、この就職氷河期の中で
派遣
に入ってしまって、できるだけきちんとした会社に勤めたいというふうに思っている方が三割近くいると。私は、
派遣
や請負で働く方が長期安定
雇用
を求めているんであれば、
派遣
先
企業
など正社員になりたいという
労働者
の希望をできるだけかなえてやるためにどうするんだと。さっき、実態調査もしていませんでした。このことが大切だというふうに思いますが、
大臣
、いかがでしょうか。
柳澤伯夫
49
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 私ども、冒頭、大変恐縮でございますが、
前回
の私の
答弁
の
文言
を引いていただいて我々の
基本
的な
考え方
を確認していただいたわけですが、とにかく今非正規な形態の
雇用
が広がっている中で、正規の
雇用
というものに移行したいという人については、これはできる限りその希望が実現するようなそういう
政策
を取っていきたいということははっきり
方針
として申し上げ、そしてフリーター二十五万人常用
雇用
化等、ここではるる申しませんけれども、そういったことについて私どもとしては力を尽くしており、一定の成果も上がっているということでございます。 そういう中で、いや、自分の生活の中の時間配分から、このような非正規の、時間を短時間にしたり、あるいは登録型というようなことで自分の時間と向こうの時間が合ったときに働くという形態がいいんだということで選択をした上でそうした形態を選んでいる方については、これはもうできるだけ処遇の方を均衡化していくということが大事だというふうに考えまして、先般パート労働法の改正をお願いしたと、こういうようなことでございます。 先ほど来、請負の問題についてもっと規律を考えたらどうかという御指摘もありましたけれども、これにつきましては、全体としては請負というものが民法の
規定
に基づく労働の形態であるというようなことで……
柳澤光美
50
○
柳澤光美
君
大臣
、だったら次の
質問
に入っちゃうんで……
柳澤伯夫
51
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 済みません、それじゃ……
柳澤光美
52
○
柳澤光美
君 もう一問じゃ確認して、もう一度御
答弁
いただきます。
柳澤伯夫
53
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) それじゃそういうことで、我々としては、今ガイドラインを
策定
して、
雇用
管理等責任者であるとか業務管理等責任者を設けるということも検討しているということだけお知らせさしていただきます。
柳澤光美
54
○
柳澤光美
君 今、ガイドラインというお話がありましたが、私は是非お願いしておきたいんですが、偽装請負や違法
派遣
が後を絶たない
状況
が現実に起きています。この制度の複雑さも起因しているというふうに思うんですが、請負、契約、
派遣
など様々な働き方がある中で、
労働者
自身がよく
理解
していないで仕事に就いているなんという問題も起きています。例えば、ひどい場合は、
派遣
労働との
説明
で働き出したら実は業務委託だったと。 そういう
意味
でいくと、この問題は、
労働者
の保護の観点から、適正な運用及び執行も含めた
外部
労働力
を活用する場合の包括的な
法律
も私は必要じゃないかというふうに思いますが、是非今後検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
柳澤伯夫
55
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) そういうアウトソーシングのタイプの形態について包括的な
法律
で、
労働者
も自分が一体どういう位置に立っているのかということを明確にするのに資するべきだと、こういう御指摘でございます。 先ほども申しましたように、本当にそういった観点からは十分だとまでは私は申しませんけれども、この雇対法の四条九号というのがこれ一応改正をしまして、
雇用形態
というと、これはもう事業主と自分の
雇用
される形が変則であるというようなことになるわけですが、就業の形態ということになると、
雇用
主との間は、これはもう請負にしても全く正規なわけですね。ところが、その実際の仕事のやり方というのが、アウトソースされたところのことをやる。だから、そのことについて改善を促進するための必要な施策を講じますよということに一応なっているんです。 ですから、ある
意味
でこれが母法というか、ここが基盤なんでございます。これをいかに具体的な施策としてやっていくか。ここからパート労働法も生まれていると言えますけれども、一応、一般的な規範としてはここがそういうスタート地点だということを先ほども申し上げたわけで、なおこれは研究をしてまいりたいと思います。
柳澤光美
56
○
柳澤光美
君 本当に、何というんですかね、あっという間に手を打たないと、現実はすごい
方向
に動いていってしまうというのを、私は全国歩く中でそういう現場をずっと見てきていますから、それがきちんとできなければ私は政治の責任が果たせないというふうに感じています。 実は、地域
雇用
の問題と若年者の問題もあれしたんですが、時間ない、一分だけちょうだいね。
最後
に、ちょっとお願いして
質問
を終わりたいと思います。 実は、昨日の新聞に、
雇用
改善が急ピッチということで、失業率が四パーを切るという報道がありました。これは大変私はうれしいニュースだというふうに思っているんですが、景気の回復と
労働力
不足の中で改善が進んだ結果であって、大変申し訳ありませんが、労働行政の努力の成果だというふうには言えないだろうというぐらいに私は感じているんです。 実は、このことは、
厚生労働省
が行った
平成
十七年度
企業
における若年者
雇用
実態調査において、若年社員の採用を増やす
理由
を
企業
に尋ねているんです。それで、全体のうち三六・四%の
企業
が採用を増やすと回答していますが、その
理由
については、複数回答ですが、多かったものから言うと、
企業
の将来を考え、若年社員を育成し、技術者等を育成するため、これが七一・五%で大変うれしいことなんですが、
企業
全体の年齢構成のゆがみを是正する、若返りを図るため、五四%。しかし、これに対して、社会や行政の要請にこたえるためという回答はわずか二・九%しかないんです。 結局、この
雇用
の問題、正社員の採用を増やしていく、これ幾ら政治や
政府
が声を掛けても、
企業
が必要としなければなかなか変わっていかない。特に、就職氷河期にたまたま当たったために、本人の責任ではなくてフリーターや
派遣
、ニートとなって不安定
雇用
の中にある、しかも三十代になって結婚もできない、不安の日々を過ごしている、この問題は私は一刻の猶予もならないだろうというふうに思っています。 そういう
意味
でいきますと、
雇用
の問題というのは、
企業
への甘い期待や
時代
の
変化
に任せるのではなくて、政治と行政が腹をくくって一歩踏み込んで取り組まないと改善が進まない。今こそ私は、
日本
の将来のために、
経済財政諮問会議
や
規制改革会議
よりも
雇用対策
会議
を立ち上げて、本当は総理が自らリーダーシップを取って国を挙げて
雇用対策
に取り組むべきだと。どんなにすばらしい
政策
でも机上論で実効性は上がらないということを指摘をして、
質問
を終わります。 ありがとうございました。
足立信也
57
○足立信也君
民主党
の足立信也でございます。 年金
改革
法案
、それから年金特例
法案
、とりわけ今
衆議院
の
厚生労働委員会
でたなざらしになっている我が党提出の年金記録被害者救済
法案
、非常に心は引かれますが、私はやっぱりこの国の働き方を決めるということで非常に重要な
法案
だと思っておりますので、この二
法案
に対して集中してやっていきたいと、そのように思っております。 まず、
雇用対策法
についてです。我が党の
柳澤
委員
の
質問
の中で、第一条のこの
目的
の
最初
の
部分
の指摘がありましたが、私はすごく気になるというか、私自身が余りよく
理解
ができないというのが、むしろその後の、労働市場の機能が適切に発揮され、
労働力
の需給が質量両面にわたり均衡するという、このくだりなんですが、その労働市場の機能というのはどういうことを
意味
しているんでしょうか。
高橋満
58
○
政府参考人
(
高橋満
君) 一般に、労働市場の機能と申すときに、この労働市場として大きく
外部
労働市場といわゆる
企業
の中での内部労働市場と
二つ
あろうかというふうに思っております。
外部
労働市場では求人
企業
と求職者を結び付ける正に需給調整機能というものが労働市場の機能となろうと思いますし、内部労働市場という観点から見ますと、
労働者
がその希望に応じて安定的に働き続けられるようにする機能というふうにとらえられるのではないかと。 こういうことを踏まえながら、この今回の
雇用対策法
におきまして、質量両面にわたる
労働力
の需給の均衡を促進し、
労働者
がその有する能力を有効に発揮できるようにすることを
目的
といたしておるわけでございますが、それを支える労働市場の機能という
意味
では、
一つ
は職業紹介や
労働者派遣
等
労働力
需給調整のルールというものが適正に設定され、遵守されながら的確に機能する。また、いま
一つ
は、
企業
の中での
労働者
の能力向上でありますとか、あるいは
雇用
の安定的な継続とかいったことが図られる。こうしたことによって、法
目的
というものが、法
目的
と申しますか、
労働者
の有する能力が有効に発揮できるようにするということが実現できるというふうに考えるわけでございまして、そうした
趣旨
のことで法
目的
にその旨明記をいたしたものでございます。
足立信也
59
○足立信也君 内部機能と
外部
機能と、その両面を総じてそのように表現しているという
説明
でありました。 これと似たような条文が、今必ずしもその需給のみを
意味
するんではないということでおっしゃったんだと思いますね。これが、第四条の国の施策の第三項には、労働市場を通じた需給調整の機能が適切に発揮されるようというふうにあるんですが、これは今の
説明
から考えるとむしろ、何といいますか、これ労働市場の機能とはイコール需給調整の機能ではない、違った、これを通じた需給調整の機能がというふうになっておりますので、これは先ほどの
説明
からいくと、むしろ内部機能の方を指されているというふうに解釈してよろしいんでしょうか。
高橋満
60
○
政府参考人
(
高橋満
君) ここの外国人の問題でございますが、不法就労活動を防止し、
労働力
の不適正な供給が行われないようにするということでございますので、
一つ
は当然、外国人の場合は入管法等に基づきまして在留資格というものがあるわけでございまして、そうした観点からの問題と同時に、これが不法就労ということ、つまり資格外で働くということになりますと、どうしても需給の面から見ますと劣悪な労働環境になりかねないということを含めて、ここでは労働市場を通じた需給調整の機能が適切に発揮されるようということとして記載をいたしたものでございます。
足立信也
61
○足立信也君 大体おっしゃっていることは
理解
したんですが、私なりに
言葉
でもう一度確認したいんですね。 この第一条の
目的
のところは、労働市場の機能、つまり内部と
外部
があるんだと、それが適切に発揮されることによって
労働力
の需給が質量両面にわたり均衡するということですね、大きな概念。ところが、この第四条の国の施策の第三項では、労働市場を通じた需給調整の機能が適切に発揮されるとあるので、需給調整の機能を適切に発揮されるために労働市場を通じているって書いてあるということは、これは主に内部機能の、安定して、安心して働けるんだという、そこのことに重点を置いて書かれているんですねということをさっきお聞きしたんですね。 もう一度、その解釈でよろしいでしょうか。
高橋満
62
○
政府参考人
(
高橋満
君) ここで言う労働市場を通じた需給調整の機能というのは、先ほど
目的規定
の中で申し上げた
外部
、内部という両面の機能という観点から申し上げますれば、当然両面を含んだことであるというふうに考えております。
足立信也
63
○足立信也君 余りこれ長引かせる、そんな本論ではないんですけれども、
言葉
が重複しちゃうわけですよ、今の
答弁
ですと。同じことをまた二度言っている、通じてまた同じことを言っているようなことなので、じゃ、主に内部機能を中心に考えていられるんでしょうねということを言ったわけです。まあどちらも含まれていると、それはそうだと思いますが、そこを気になったものでちょっとお聞きしただけです。 じゃ、同じ第四条の十号、高度の専門的な知識又は技術を有する外国人、このところなんですが、二年半ぐらい前に、私、自分の仕事をやっていた分野で外国人の方が、研究に来られている方がかなり多くて、その方が、
日本
でもちょっと働きたいので国家試験を受けたいんだと。これ、要するに永住資格を持っていないわけですね。その方が、国家試験を受けたいんだと、どうしたらいいだろうかと相談をされたことがありまして、そのときにお聞きしたら、ちょうど
平成
十八年、昨年ですね、昨年に行われる国家試験から永住資格のない方でも受験できるというような
説明
をされたんですね。それで、これ今、皆さん御案内のように、医師不足の問題はもう顕著でありますし、
日本
で研究者として働いている外国の医師の資格を持った方も臨床に携わりたいという意見が私が聞いている中では一杯ある。 この方々が、去年と今年、永住資格のない方ですね、国家試験をどの程度受験されてそして合格されているのか、その実態を教えてください。
松谷有希雄
64
○
政府参考人
(
松谷有希雄
君)
委員
御指摘のとおり、
平成
十八年からは、在留活動に制限のある在留資格を有する者に対しましても、一定の条件を満たした場合には医師国家試験等の国家試験の受験資格を認定することとしたところでございます。 受験者が永住権を有しているかどうかの統計は試験の際に取っておりませんけれども、外国の医学部を卒業して受験資格認定を受けて医師国家試験を受験した者は、永住権を有している者も含めまして、
平成
十八年は五十二名、
平成
十九年は七十六名となっておりまして、このうち合格者は、
平成
十八年は二十名、
平成
十九年は三十六名となっております。 なお、ちなみに、十八年以前の
平成
十七年では受験者が四十九名ということでございますので、若干この制限の廃止による影響があるかもしれないというふうに考えております。
足立信也
65
○足立信也君 今のお話では確かに増えている、それはいいことだと思いますね。永住資格を持っている方あるいは持っていない方全部含めた数しかないんだと。これは、昨日の
質問
通告だったから時間的に間に合わなかったのか、それとも、永住資格は一切受験資格のところに問われないはずはないと思うんですね、分けられているとはっきりと思うんですけれども、それは時間的な関係で分けて永住資格のない人というのを抜き出して数を調べることができなかったという
意味
でしょうか。
松谷有希雄
66
○
政府参考人
(
松谷有希雄
君) 認定に当たりましては、今は永住資格があるかどうかを問うておりませんので、外国の医学校を卒業をした方が
我が国
の医学部を卒業した方と同等程度かどうかという観点から認定をしているということでございまして、統計的に永住資格の有無ということを取ることがちょっと難しいと、そういう
状況
でございます。
足立信也
67
○足立信也君 分かりました。いずれにせよ、やはり増えているというのは、私は国際交流の面でも、あるいは研究、診療両面においていいことだと思います。 じゃ、次に行きます。今度、第十七条の職業能力検定制度の充実、ここへ行きます。 ここで、適正な基準を設定し、職業能力の程度を検定する制度を確立すると、こうあるんですね。私も、やっぱり卑近な例といいますか、自分の周りで物事を考えますので、これは、こういう程度を検定する制度を確立するとまで書かれていますので、じゃ、私の周りにいる、例えば国家資格だとか、あるいは都道府県の認定資格だとか、あるいは学会、協会、そこで認めている資格、あるいは、私、電車に乗って通勤してきますけれども、そのときに車内広告で一杯資格が出ています。そのような資格、これもう明らかに職業能力の程度を表す資格だと思うんですが、そういった制度を確立するということは、これから先、先ほど言いましたいろんな団体、主体が認定しているものも含めてこれからの職業能力の程度を判定する制度をつくっていくと、そういう
意味
なんでしょうか、それとも今全くそういう資格のないものを考えていると、どちらの
意味
なんでしょうか。
高橋満
68
○
政府参考人
(
高橋満
君) この職業能力検定制度でございますが、
基本
的には、個別法でございます職業能力開発促進法に
規定
をされたいわゆる職業能力評価のための基準によってその
労働者
の有する技能及びこれに関する知識の程度を調べてこれを判定する諸制度ということでございまして、具体的には、技能検定制度、それから社内検定認定制度といったものがその対象として考えられるものでございまして、今
委員
言われたような、世の中には様々な資格がある中で、例えば医療の資格、教師の免許等々は、これはこの概念には含まれておりません。また、職業能力開発促進法に基づいての一定の評価がされておる以外の様々な資格というものも当然入ってこないということでございます。 私どもとしては、国家検定でありますこの技能検定について、今後とも社会
経済情勢
の
変化
を踏まえながら、必要に応じ見直しを行いながら、こういう
労働者
の職業能力の適正な評価というものに資していきたいと考えております。
足立信也
69
○足立信也君 この条文で職業能力開発促進法に
規定
されているものというのは、どこを読んでも読めないですよね。これは、あえてそういう
意味
だと言われても、そういう条文にはなっていないわけですね。その点、今教師のこともおっしゃいましたね、これは除外されると言いましたけれども、それは教員免許としてはそうかもしれませんが、その職業の能力の程度を判定すると言われたら、じゃ教員免許を持っている方だって上中下の判定しなきゃいけないというような形になっていってしまうんではないかと。どこに、職業能力開発促進法で
規定
されている職種みたいな表現がどこで読めるんでしょうか。
高橋満
70
○
政府参考人
(
高橋満
君) これは職業能力開発促進法の方で
雇用対策法
の
規定
と相まってと、こういうような
規定
がございまして、そうしたことを踏まえての今申し上げた
考え方
でございます。
足立信也
71
○足立信也君 開発促進法に
雇用対策法
と相まってと書かれているから、この
雇用対策法
でのこの条文についてはそれが当然そのまま引き継ぐ、相まってと、そういう解釈だということですか。
高橋満
72
○
政府参考人
(
高橋満
君) そのように私どもは受け止め、またこの
規定
の運用を図っておるということでございます。
足立信也
73
○足立信也君 それはこの条文、職業能力検定制度のところだけそういう解釈、ほかの条文のところは、ほかの法で相まってというものがなければすべてオールラウンドを守備範囲にしていると、この条文だけ相まってというのが開発促進法にあるのでそう解釈すると、その解釈の仕方は正しいですか、それで。
高橋満
74
○
政府参考人
(
高橋満
君) これ
雇用対策法
の性格ということでございますが、
雇用対策法
そのものは、
雇用
に関する
基本
的な対策の理念を
法律
という形で整理をし体系化しているということでございまして、それぞれの
規定
の実効ということは、具体的にはそれぞれ個別の
法律
におきまして、その
雇用対策法
で掲げられた理念というものに即した運用ということをそれぞれの個別法において
規定
をし、また運用をしておるということでございます。
足立信也
75
○足立信也君 それぞれの職種に関する個別法がそれぞれある場合はそちらを、
雇用対策法
の理念に基づいてそれらの法で決めていくと、
規定
していくという
意味
でよろしいんですね、今の解釈は。
高橋満
76
○
政府参考人
(
高橋満
君) そのように
理解
していただければと思います。
足立信也
77
○足立信也君 じゃ、個別法が存在していないものは全部入るでもよろしいんですね。
高橋満
78
○
政府参考人
(
高橋満
君) 個別法がないものにつきましては、もちろん
雇用対策法
の理念というものを踏まえながら、様々、個別個別に具体的な措置を講じていくということになろうかと思います。
足立信也
79
○足立信也君 働き方もいろいろ多様化してきましたし、新しい職種と言われるものもどんどん出ているような気が私はします。個別法のないと思われるものもかなり多くあるんだろうと思います。その際には、職業に関して新しいものと思われるものをまず実態調査して、それがこの
雇用対策法
の範疇に入るわけですから、その能力の程度を検定する制度を確立すると、新しい職種と思われるものに、そうやっていくとおっしゃっているんですね。
高橋満
80
○
政府参考人
(
高橋満
君) 先ほど来お答え申し上げているとおり、この第十七条、職業能力検定制度の充実ということにつきましては、別途職業能力開発促進法というものがその理念に即して技能検定制度等が
規定
をされておるわけでございます。そうした職業能力開発促進法の枠組みの中で、新しい職種なりというものも当然視野に入れながら必要な技能検定制度等の整備を図っていくということでございます。
足立信也
81
○足立信也君 この条文はそういう解釈だと、ほかのところはまた違った解釈という話に今なっているんだと思います。この点は私ももう一度調べ直してまた
質問
したいと思います。 次に、第二十七条に行きます。これは大量の
雇用
変動の届出、そして三十七条には適用除外というのもあるんですが、この大量の
雇用
変動の届出なんですけれども、この中で相当数の離職者とあるんですが、この相当数の離職者というのは、例えば事業体の中で、全体で見て相当数、あるいはある部署に特定して一気に辞められる、どちらもあると思うんですね。どちらを指しておられるのか。あるいは、その届出というのはどれぐらい前に、辞められるという
状況
が分かった場合にどれぐらい前に届けるのかと、まずはそのことをお聞きしたいと思います。
高橋満
82
○
政府参考人
(
高橋満
君) 大量
雇用
変動の届出の
規定
でございますが、現在、
現行
の
雇用対策法
では第二十八条、改正
法案
では第二十七条ということになるわけでございますが、この
規定
並びに同法施行規則、雇対法施行規則において具体的な範囲というものが定められております。 それは、大量
雇用
変動届出のまず届出の単位でございますが、これは事業所を単位とするものであると。それから、一定
期間
内につきましては、発生することが見込まれる一か月以内にと、それから規模でございますが、相当数となっておりますが、これは三十人以上の離職者が一時に発生すると、こういう場合でございます。
足立信也
83
○足立信也君 三十人以上で事業所単位、そして一か月前と、はい、分かりました。 そこで、これもまた私の経験でお話しさせていただくわけですけれども、これは国あるいは地方自治体、国家公務員、地方公務員は除外されています。国立大学法人あるいは独立行政法人の国立病院機構ですね、こういったところは、私の経験上、大体看護師さんが百人程度一気に辞められます。これらの機構あるいは法人、これもすべてこの届出の義務をまず負っていると、それでよろしいんでしょうか。
高橋満
84
○
政府参考人
(
高橋満
君) お尋ねのいわゆる独立行政法人でございますけれども、これは大量
雇用
変動届出の対象になるかならないかというお尋ねかと思いますが、適用除外につきましては国家公務員及び地方公務員については適用しないと。適用しないとなっておりますが、この適用除外
規定
につきまして、大量
雇用
変動届出についてはまた除くと、こうなってございますので、したがって独立行政法人につきましては、他の民間法人と同様に、公務員型であろうと非公務員型であろうとを問わずこの届出の義務というものが掛かるわけでございまして、この取扱いについては今回の改正におきましても何ら変わるものではないということでございます。
足立信也
85
○足立信也君 分かりました。届出の義務があるということですね。はい、分かりました。 次は、これ三十六条に行きたいと思いますが、権限の委任というところでございます。 これは、ここを読みますと、
厚生労働大臣
の権限はその一部を都道府県労働
局長
に委任することができる、さらに、その委任された権限は公共職業安定所長に委任することができる、このように書かれているんですが、実際上、これでいくと一部委任できる事柄が、内容が
厚生労働大臣
から労働
局長
へ行き、公共職業安定所長へとんとんと移っていくということになるわけですが、実際にどのような権限を想定してこれは書かれた条文でしょうか。
高橋満
86
○
政府参考人
(
高橋満
君) 改正法三十六条の権限の委任の
規定
にかかわる
厚生労働大臣
の権限ということでございますが、これには、
一つ
には大量
雇用
変動届出あるいは外国人
雇用
状況
の届出等の受理にかかわる
規定
、権限、それからこの今の大量
雇用
変動なり外国人
雇用
状況
の届出にかかわっての調査等の権限、それから事業主の義務、年齢制限禁止等の事業主の義務や努力義務
規定
、青少年の応募機会の拡大等の努力義務につきましての
資料
提出要求、それから助言、指導といったような権限がこの
厚生労働大臣
の権限というものに当たるということでございます。
足立信也
87
○足立信也君 分かりました。 次は、なかなか、今までの
委員会
質疑
も私も聞いておりまして、
地域雇用開発促進法
、この
法案
に関する
質疑
が余りないのでそちらをちょっとまとめてお聞きしたいと思います。
資料
をごらんください。これは条文を読みましても、あるいは参考
資料
を読みましても非常に複雑で分かりませんでした、私。自分なりに
最初
整理したんですけれども、それで正しいかどうか、
厚生労働省
の方に更に整理を依頼して作っていただいた表でございます。ちょっと私、それでも間違っているなと思うのは、右の改正後の、二段あるわけですけれども、この下の段は実はもう一個ちょっと約一・五センチぐらい上に上げた方がいいと思っているんですけれども、要は労働保険の特会ですね、特会の内容でございますので、それから
地域雇用開発促進法
にそのまま書かれていることですから、ちょっと一段上に頭の中で上げていただいて解釈していただきたいと、まずはそう思っております。
雇用
開発促進地域とそれから自発
雇用
創造地域というのが七条、十条に書かれておるわけですけれども、どちらも
雇用
保険法の六十二条、六十三条、つまり
雇用
安定事業、能力開発事業として助成なり援助なりされるわけですけれども、その業務の主体は、
雇用
開発促進地域については独法ですね、独立行政法人
雇用
・能力開発機構、そして自発
雇用
創造地域においては地域
雇用
創造協議会又は団体が行うと、そのように書かれております。だとしたら、それが今までとどう変わっていくのかということが分からなかったので、この表の作成を思い付いたわけでございます。
説明
にありますように、
現行
のところはこの四地域に別れていて、十七年度、十八年度、このような予算になっております。実施主体は労働局や独法、地域の就職援助団体、ばらばらですね。それに加えて、
地域雇用開発促進法
には無関係なといいますか、この地域
雇用
創造支援事業、無関係といいましても一番下のバックアップ事業というのがこれは関係していると思うんですが、その上の
二つ
は、これは全く別の財源から、緊急
雇用
創出特別基金、三年の範囲でやられていると。こういうほとんど似たような内容であり、区別が付かないような内容なんですが、法に基づくもの、この
法案
に基づくものというものとそうではないものが混在しているのが改正後にはこうなっていくんだというふうに整理したわけでございます。 これで見ますと、じゃ独立行政法人
雇用
・能力開発機構が行っている事業といいますか業務、十八年度予算で見ますと、この特会が合わせますと六十七億、この独法の
部分
が扱うのは約一億、上から三段目だと思います。で、一般会計が五十七億。それがこの
雇用
に関するところでいいますと、改正後は合わせまして七十二億、うちこの独法が扱う
部分
は五十五億なんだと、こういうふうになっていて、かなり変動が激しいという印象があります。 そこで、この独立行政法人
雇用
・能力開発機構、ここの十八年度までと今
法案
が成立した、施行された後の
変化
ですね、それと、先ほどいろんな団体が絡んでいると、関係していると私言いました。地域就職援助団体あるいは高年齢者
雇用
開発協会あるいは地域
雇用
創造協議会、このような団体が今後どうなっていく、これからどうなっていく、今まであったのがどうなっていく、そしてまた新たに何ができると、その
説明
を一度お願いしたいと思います。
高橋満
88
○
政府参考人
(
高橋満
君) 大変複雑な体系になっておるということでございますが、今
委員
お示しになりました
資料
に基づきましてごく簡単に申し上げますが、現在の
地域雇用開発促進法
におきましては、この
現行
の制度にありますとおり、地域類型として四つの地域類型を設定をし、それぞれの地域類型に見合ったと申しますか、踏まえた支援措置というものが現在
規定
をされておるということでございまして、
基本
的に助成金ということ、あるいは特別奨励金というものは、これは国が直接支給をすると。 ただし、能力開発にかかわる助成金につきまして、ここでいえば地域人材高度化能力開発助成金、これにつきまして
雇用
・能力開発機構で支給事務を行っておると。それから、
最後
の求職活動援助事業と申しますのは、これは地域の就職援助団体に事業を委託するという形で事業を実施してきたものでございます。 これが改正後は、
基本
的に、
雇用
機会が特に不足している地域としての
雇用
開発促進地域にひとつ一本化してしまう。それに
対応
して、その助成制度につきましては、この一番
現行
の上の地域
雇用
促進特別奨励金でありますとか、それから中核人材を受け入れる場合の助成金でありますとか、それから能力開発を行った場合の助成金でありますとか、これを特に厳しい地域である
雇用
開発促進地域に重点化、集中化をした助成をしていこうというものがまず第一点でございます。したがって、その中に、能力開発にかかわる助成金は引き続き
雇用
・能力開発機構で実施をするというものでございます。 他方、
現行
の下の方にございます地域
雇用
創造支援事業でございますが、これは
雇用
状況
が厳しい地域ではあるわけでございますが、そうした中で、自らの地域をこうしていきたいという
雇用
創造に向けた意欲の高い地域、具体的には市町村というものを想定をいたしておりますが、これに対しての支援措置を新たに今回の
地域雇用開発促進法
の改正によって
規定
をしていこうというものでございます。 実は、この
考え方
に基づく支援措置と申しますのがこの
現行
の中にございます緊急
雇用
創出特別基金という、非常に
雇用
状況
の厳しい時期に一般会計で基金を造成して様々な
雇用対策
を実施してきておったわけでございます。その中で地域の支援という観点からパッケージ事業と、ここで言う
現行
のパッケージ事業というものが行われておりました。これは、基金そのものが十九年度で
終了
するということで、この基金としての事業は十九年度をもって終わると。ただ、この
手法
は、今申し上げましたように、大変地域の
雇用
開発を進めていく上では極めて有効な
手法
であると、こういうことで今回の改正法の中に
位置付け
て、新たな支援措置として
規定
をいたそうというものでございます。 したがって、支援のスキームとしては
基本
的に現在のパッケージ事業と同じでございまして、地域の協議会が
雇用
創造のための取組を行うその事業を国から委託をするという形でその取組を支援をすると、こういうものでございます。 この
資料
での
現行
と改正後の整理と申しますのは、概略そのようなものでございます。
足立信也
89
○足立信也君 すらすらと御
説明
なさいましたけれども、なかなか
理解
は難しいということでございます、私としてはですね。 シンプルにお聞きしますと、これ、
雇用
特会からこの分野で使われる予算というのが十八年度と十九年度から、特にこの法が改正された後からどう変わるのかということと、この独立行政法人の
雇用
・能力開発機構が事業として扱う金額はどうなるのかと、この点だけちょっと簡単に教えてもらえますか。
高橋満
90
○
政府参考人
(
高橋満
君)
雇用
・能力開発機構で事業として実施しております能力開発にかかわる助成金、
現行
、
平成
十八年度におきましてはこの表にありますとおり一億円の予算で措置をいたしておりますが、改正法に基づく改正後の
雇用
・能力開発機構におきます助成金にかかわる予算としては九千万円を措置をいたしております。 ただ、これは初年度、今年度成立後の施行ということもございまして、実際に出てくるのは非常に少ないということを
前提
にした数字で九千万ということでございます。
足立信也
91
○足立信也君
最初
の
部分
、
雇用
特会としてはどう
変化
しますかという。
高橋満
92
○
政府参考人
(
高橋満
君)
基本
的に、この改正後の
地域雇用開発促進法
に基づきます助成制度、支援制度につきましては、労働保険特別会計の
雇用
勘定で措置をいたすものでございまして、十八年度の予算と十九年度の予算、比較をいたしますと、ちょっとすぐにはあれですけれども……
足立信也
93
○足立信也君 分かりました。
高橋満
94
○
政府参考人
(
高橋満
君) ということでございます。
足立信也
95
○足立信也君 じゃ、後で教えてください。お願いします。 ところで、この
二つ
の地域とも地域要件というのはまだ、どうやって決めようかと。まだ実は決まってないと思うんですが、私が単純に思うのは、県境に近いところに住んでおられて都道府県が別の方、でも県境ですから近いところへ働きに行かれると、住所は違う都道府県でですね。こういった方というのはこの支援金の対象になり得るんでしょうか。
高橋満
96
○
政府参考人
(
高橋満
君) 助成金の対象でございます雇入れにかかわる雇入れ者の居住地というものをどうとらえるかということかと思います。
基本
的には、
地域雇用開発促進法
に基づきます地域
雇用
開発促進地域に所在をされる方を雇い入れたというのが
基本
でございます。ただ、隣接するやはり厳しい地域という場合についてもその雇入れ助成の対象にはなり得ると。ただし、遠隔地で通勤する場合で、その居住地が比較的
雇用
状況
のいいところからの通勤の対象者については雇入れ助成の対象にはならないということでございます。
足立信也
97
○足立信也君 ごめんなさい、
最初
のおっしゃっていたことと、要するに、地域要件の今までの
考え方
を見てみますと都道府県あるいは市町村では切られていると思うので、その隣接するというのは結局どういうことですか。隣接するところから都道府県あるいは市町村を越えて行かれる方も対象になるということをおっしゃったんでしょうか。後半
部分
がちょっと変わったような気がしましたので。
高橋満
98
○
政府参考人
(
高橋満
君) 隣接する地域から通勤をされる場合の恐らくケースを、隣接する地域が
雇用
状況
の厳しい地域か
雇用
状況
の非常にいい地域かと、この違いによって雇入れ助成の対象になるのかならないのかということでございまして、厳しい地域から雇い入れられるという場合については、それは対象になりますと。しかし、
雇用
状況
の非常にいいところから例えば通勤等で雇い入れられるということになりますと、それは対象にならないということでございます。
足立信也
99
○足立信也君 分かりました。 単純に言いますと、雇い入れられる人の居住地域で決まるんであって、事業所の存在位置ではないと、そういうことですね。
高橋満
100
○
政府参考人
(
高橋満
君) そのとおりでございます。
足立信也
101
○足立信也君 分かりました。 次の項目は、ちょっと
質問
ではなくて、まあ私の調べた結果だけを言わせていただきます。 最近はフリーターの数が減ってきているんだという
発言
がよくあります。よくありますが、問題は、やはり団塊ジュニアの年代、これは
少子化
にも関連してと思うんです。このデータをやっぱり調べてみますと、二十五歳から三十四歳の年齢はやっぱりここ数年で明らかに減っておりますから、その当該年齢に占めるフリーターの割合というのは二十五歳から三十四歳ではやっぱり増えているんですね、増えていると思います。具体的に言いますと、
平成
九年が二十五歳から三十四歳の人口ではフリーター率というのは二・八%、十四年が四・八%、十八年が五・一%です。 やはりその世代においては、今いろいろな問題を抱えておられるこの年代ではやはりフリーター率はまだ高い、むしろちょっと増えているという印象が私はあります。これはそれだけにとどめさせていただきたいと思います。 次は、
前回
の
質問
で辻議員が医師の当直と時間外労働のことを
質問
されておりました。 そこで、私もこの問題はやっぱり決着を付けなきゃいけないと思います、
櫻井
議員もずっと言っていますが。そのことで
前回
も用いた
資料
でございます。
柳澤
大臣
が、私がその
資料
についてどう
判断
されるかという
質問
に対して、病院勤務医の実態をうかがい知ることができましたと、そういう
資料
だと。
資料
は評価しているという
意味
だと思います。 そこで、まず
質問
をいたしますので、数を教えていただきたいと、そう思います。勤務医が不足している原因ですね、その原因を、実際に五千六百三十五名の勤務医はその原因をどう考えているか、このことを教えてください。
松谷有希雄
102
○
政府参考人
(
松谷有希雄
君)
委員
御指摘の
日本
病院会が実施をいたしました勤務医に関する意識調査におきまして、勤務医不足の原因として特に関係のあると思われるのは何かという
質問
がございまして、それに対する回答でございますけれども、最も多かったのは過酷な労働環境というもので六一%、次いで新医師臨床研修制度と回答された方が四四・六%、国民、マスコミの医療に対する過度な安全要求と回答された方が四二・一%などとなっているところでございます。
足立信也
103
○足立信也君 第一位が過酷な労働環境にあるんだと、六一%。実際、その同じ病院会のデータでも、週六十四時間以上の勤務時間である人が二三%あると。中でも、その中で抜き出した小児科の平均の週の勤務時間は六十・六時間だということも出ております。 では、当直か夜勤かという話につながっていくわけですが、夜間当直の翌日も普通勤務である割合、この割合と、本来週休というのが定められておりますが、その週休を返上している率、これを教えてください。
松谷有希雄
104
○
政府参考人
(
松谷有希雄
君) 先ほどの
日本
病院会の勤務医に関する意識調査によりますれば、夜間当直をすると答えた勤務医に対して、夜間当直の翌日はどのようにしているかというふうに尋ねておりまして、忙しさとは無関係に夜間当直の翌日は普通勤務をせざるを得ないというふうに回答された方が八八・七%ございました。 また、週休の返上についてでございますが、時々返上している、二分の一未満というふうに回答された方が三六・八%、代休も含めればほぼ全部消化していると回答された方が二四・三%、しばしば返上している、二分の一以上と回答された方が二〇・八%などとなっております。
足立信也
105
○足立信也君 余り繰り返さない方がいいと思いますが、夜間当直の翌日も普通勤務をしている方が約九割ということですね。 それから、週休を消化している人は二四%で、半分以上返上している方、今のデータ、三六・九%じゃないかと思いますよ。それはいいとして、それぐらいの方が週休すら半分以上返上しているということですね。 これは、このアンケート、五千六百三十五名なんですが、注目していただきたいのは、四十歳以上の方が六割以上のアンケートなんですよ。それは若い研修医だろうとお考えになる方、多いんですが、これは六〇%以上が四十歳以上の方です。ある診療科の科長、部長、医長が五割以上を占めているアンケートです。このことは非常にもう十年以上、それ以上経験されている方が今までの
変化
や今の労働条件を答えているデータですから非常に私は重いものがあると思っておりますので。 続けさせていただきます。 今のような過酷な条件で、それに対して、ちょっと順番変えますね、過酷な労働条件がどういう問題を起こすかと、そのことについて聞きます。勤務医が考える、五千六百三十五名の勤務医が考える医療過誤の原因と紛争になった場合の影響、このことについてお答えください。
松谷有希雄
106
○
政府参考人
(
松谷有希雄
君) 先ほどの意識調査におきまして、医療過誤の原因をどのように考えるかという
質問
に対しまして、過剰な業務のために慢性的に疲労しているというふうに回答された方が七一・三%、次いで、患者さんが多く、一人当たりの診療時間、密度が不足しがちであると答えた方が六二・八%、医療技術の高度化や医療情報の増加のために医師の負担が急増しているというふうに答えた方が五七・八%などとなっております。 また、医事紛争による診療への影響につきましては、防御的、萎縮医療になりがちになると回答された方が七〇・三%、安全意識が高まると回答された方が一四・四%でございました。
足立信也
107
○足立信也君 医療過誤の原因は七割以上が慢性疲労にあるんだと答えていて、やはり七割以上の方が医事紛争が起きたら萎縮医療になってしまうと。これが経験豊富な勤務医の
実感
ですね。これが表れていると思います。 じゃ、その過酷な労働環境に対する対策として彼らが考えていることについて教えてください。
松谷有希雄
108
○
政府参考人
(
松谷有希雄
君)
日本
病院会の勤務医に関する意識調査におきまして、どのような条件が合えばへき地勤務をしたいかとの
質問
に対して……
足立信也
109
○足立信也君 それ違いますよ。違います。その前の前です。
松谷有希雄
110
○
政府参考人
(
松谷有希雄
君) ごめんなさい。間違えました。失礼をいたしました。 勤務医の不足の要因として、過酷な労働環境、新医師臨床研修、国民、マスコミの医療に対する過度な安全要求等が先ほど申し上げましたように挙げられておりまして、その対策として何が必要かという
質問
が続けてされてございまして、その内容でございますが、国が医学部の定員数増、前期研修を含め医師の適正配置に責任を持つべきであると回答した方が四七・二%、都道府県に開業制限、地域別の医師配置数、保険医指定等の強制力を持たせると回答された方が二三・九%などとなっているところでございます。
足立信也
111
○足立信也君 これは経験豊富な勤務医がどう感じているかのことを今お話ししていますので、半分の方が定員増が必要であると、それから適正配置に国が責任を持たなきゃ駄目だというふうに答えておられて、その半分の方、更に半分の方が開業制限や医師の配置に強制権を持たせるべきだというふうに答えている。 このことで私ちょっと気になるのは、自由開業制に対して開業制限をするとか医療圏内の医師の配置に強制権を持つということは、これは法的に、
法律
上考えて問題点はどこにあるでしょうか。
松谷有希雄
112
○
政府参考人
(
松谷有希雄
君) 医師の開業を規制するということにつきましては、これまで
我が国
では自由開業制が取られてきておるということ、また憲法上の職業選択の自由、営業の自由等の観点も踏まえれば、規制を新たに設けるということにつきましては極めて慎重な検討が必要であるということではないかと思います。 また、地域において必要な医療を確保するということはもちろん重要でございますので、先般の医療制度
改革
におきましても、地域
医療計画
の制度を見直しまして、医療機能の分化、連携を図り、国民が地域において安心、安全な医療が受けられるような提供体制を構築するということをその
計画
の中で少しずつやっていくという体制を取ったところでございます。
足立信也
113
○足立信也君 分かりましたけれども、慎重にやらなきゃいけないというのは当然そうだと思いますが、私がお聞きした法的に何か問題はあるんでしょうかということに対してはちょっと答えにくいということですか。
松谷有希雄
114
○
政府参考人
(
松谷有希雄
君) 前段で申し上げましたように、開業について規制をするということになりますと、医師といえども一個人ということでございますので、職業選択の自由あるいは営業の自由というような観点から相当の問題点が
法制
面からも、あるいは実際面からも指摘をされるというところではないかと思っております。
足立信也
115
○足立信也君 憲法上の問題だということだと思います。 次の
質問
は、ちょっと
質問
じゃなくて、私、言います。 今問題になっている地域医療の崩壊だとか、へき地医療の問題だとか崩壊とかいうことに関して、じゃ経験豊富な勤務医がどうやったらへき地病院へ勤めることができる、あるいはへき地の病院に勤めるための必要な条件というのもアンケートがあります。 よく一般的に言われているのは、子供の教育や家庭の問題、それから勤務時間、一日じゅう拘束されるんではないかというようなことをよく言われます。ですが、一番の問題は当直回数や休日の確保だと。それがあればへき地の医療機関へ行ってもいいということです。このことが私は一番大きな問題だと、私自身もそう感じております。当直回数が余りないこと、それから休日がしっかり確保されること。先ほど週休の返上が、半分以上返上している方が三割超えているというこの事態ですね、このことがやはり私は問題なんだと思います。 そこで、先ほどから言いました時間外労働か当直かという話に、過酷な労働条件ということで入るわけでございます。 労働
基準局長
の通知に関しては
前回
、辻議員がここで
説明
されていました。私は、
平成
十八年三月の労働基準局、宿日直許可を受けている医療機関に関する監督結果を基にお聞きします。これ
資料
の二でございます。 これは、私が聞いたところによりますと、六千六百の医療機関を調査して、七百の医療機関を点検したと、そしてここにあります五百九十六の医療機関に対して監督を実施したというふうに私は聞いております。その中で、五百九十六の医療機関に対して監督実施した中で、労働基準法違反の医療機関の数を教えてください。
青木豊
116
○
政府参考人
(青木豊君) お尋ねの宿日直許可を受けている医療機関についての監督結果でございますが、これで労働基準関係法令違反が認められたのは、四百三十機関において何らかの違反が認められました。
足立信也
117
○足立信也君 この
資料
に書いてはあるんですが、その内容も、じゃ
局長
の方からお願いします。
青木豊
118
○
政府参考人
(青木豊君) そこに、
資料
にもございますように、四百三十件のうち、宿日直時に通常の労働を行った、これは宿日直というのは監視、断続労働ということで、通常の労働に比べて言わば労働が粗であるということで労働時間等の規制を除外しているということでありますので、それに反して通常の労働と同じような形態で働いていたというのは、これは労働基準法違反ということになりまして、これは三十二条違反、これが十七件。それから、それに対しましては、三十七条、割増し賃金を支払わなければいけませんけれども、その支払をしなかったというのが百一件ということでございます。
足立信也
119
○足立信也君 分かりました。 通常の宿日直ではなくて、よく言われている宿日直ではなくて通常の労働を行ったのに割増し賃金の不払だったのが百一件と、そこに出ているわけですね。 次に、今宿日直の話が出ましたので、宿日直勤務許可基準というのがございまして、この
資料
の下の段がそうですが、これ宿日直の勤務許可基準違反はどれだけあったんでしょうか。
青木豊
120
○
政府参考人
(青木豊君) これもその
資料
にありますけれども、個別の監督指導した結果、二百四十九機関において許可基準違反が認められたところでございます。そして、そこにございますように、この宿日直の許可基準では、まず通常の勤務と異なってと、はっきりと隔絶されているということで、基準として通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後、つまり継続して宿日直に移行していないということでありますけれども、そういう条件に反しているものが五十三件、それから実際に昼間と同様の労働に従事をしたというのが百九十五件、それからお話ありました回数、宿直回数が週一回の原則を超えているというのが百五件、それから日直の回数、これは月一回でありますけれども、これを超えていたのが八十一件ということでございます。
足立信也
121
○足立信也君 私、ここでなぜこういうことを言っているかといいますと、実は皆さん余り御存じじゃないと思いますが、通常の宿日直は、通常のというのは、先ほど言ったような勤務、通常の勤務とは違った形であれば、一回につき四千円の控除がされるんです。 私が知っているある病院で過去五年間にわたって、これは通常の宿日直ではないと、時間外労働であると。ですから、一回四千円の控除は全部追徴課税されたんです。しかし、その後、割増し賃金率が上がったわけでもなく、割増し賃金が出たわけでもなく、通常の宿日直料で四千円の控除は受けられなくなってきた。これは労働基準局の問題ありますが、それあと税務署の連動した意見です、その病院の勤務実態は宿日直ではない、時間外労働だと、ですから控除は受けられないと。しかしながら、その後、給与の面では変わりない、やはり宿日直と称しているという実態があるからこれをお聞きしたんですね。 時間がないので、
大臣
にお聞きしたいのは、この実態、このような実態、労働条件ですね、それから宿日直の問題、時間外労働の問題、この点を解決するには一体何が必要かということが一点。 それと、予算
委員会
、それから
少子化
問題のときに私、
大臣
にお尋ねしました。女性が働き続けるためにはどうしたらいいのかと。院内保育所の件も言って、検討すると、必要だということはいただきましたが、じゃいつごろまでに何をするというのはまだ
答弁
として私いただいておりません。あのときも言ったんですが、女性医師が働き続けるために何が必要かということを統計が取られております。 そこで、ちょっと申し上げますね、重要なところだけ。パートタイムやフレックス勤務の選択が可能であること、そして院内保育機関、二十四時間保育が可能であること、院内スーパーを設置してはどうか、病院から家庭へヘルパーを
派遣
してはどうか、病院機能評価に従業員の満足度評価を加えたらどうか、そして定員増、それには給与体系の見直しが必要であるというような提言がございます。この点に関する、ちょっと今言ったばっかりで大変申し訳ないんですが、その二点について
大臣
の御見解をお伺いしたいと思います。
柳澤伯夫
122
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 今、病院の実態に対して労働基準監督機関から相当数の法令違反あるいは給与についての改善が必要だというようなもろもろの観点の指摘があったということが報告をされました。 これを解決するには一体どうしたらいいかということでございますけれども、後に
委員
から御
質疑
のあった女性の医師のいろいろな能力をより発揮をしていただくということのための問題と一括してお答えさせていただきたいんですが、実は今朝、私ども、官邸におきまして医師確保対策につきまして協議をいたしまして、
政府
、与党一体となった医師確保対策ということにつきまして決定をさせていただいた次第でございます。 その中に、双方について当然のことながらそれを取り扱っている
文言
がございまして、私どもとしてはこれを今回、来たる機会に
骨太
の
方針
にまずこれをうたい込むということ、そしてそのいろいろな予算等の措置については、また概算要求あるいは年末の
政府
案決定に向けて必要な措置をとっていくというようなことで取り組むということになってございます。もちろん、来年度以降にすべてを任せるということではなくて、いろいろな面で
現行
の
法律
あるいは
現行
の予算の範囲内で取り組めることは取り組むという気持ちでおるわけでございまして、実際そういたしたいと、こう思っておりますが、いずれにしても、一歩一歩、この問題に対して私ども真剣な取組をさせていただいているということを御報告して、
答弁
にさせていただきたいと存じます。
足立信也
123
○足立信也君 ありがとうございます。 以上で終わります。それだけです。
鶴保庸介
124
○
委員長
(
鶴保庸介
君) 午前の
質疑
はこの程度にとどめ、午後一時から再開することとし、休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ─────・───── 午後一時開会
鶴保庸介
125
○
委員長
(
鶴保庸介
君) ただいまから
厚生労働委員会
を再開いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 本日、
渡辺孝男
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
風間
昶君が選任されました。 ─────────────
鶴保庸介
126
○
委員長
(
鶴保庸介
君) 休憩前に引き続き、
雇用対策法
及び
地域雇用開発促進法
の一部を改正する
法律案
を議題とし、
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御
発言
願います。
津田弥太郎
127
○
津田弥太郎
君
民主党
の
津田弥太郎
です。 本
法案
に関しましては、五月十八日の参議院の本
会議
で、与党の皆さんも大変評価をしていただいた
質問
をさせていただきました。引き続いて、
委員会
におきましても行わせていただきます。 なお、附帯決議もございますので、確認
答弁
的なものもございますので、いつものようにうやむやな
答弁
をしないように、はきはきした
答弁
をお願いをしたいというふうに思います。 まず冒頭、一点、先週火曜日のパート労働
法改正
案に対する
質疑
の際に、私は
最後
にこのような
質問
を
大臣
に行いました。今回のパート労働法の
改正案
は努力義務
規定
が中心となっていて実効性に乏しい、しかし、
法律
に強制力がないことにより、これまで以上に労使の間で
法律
の
趣旨
を実現させていくための真摯な意見交換が求められるのではないか、そのためには、健全な労働組合があらゆる事業所に結成されていくことが必要ではないかという
質問
に対して、
大臣
から、非常に私から
理解
をすると温かい
答弁
、要約すれば、労使関係の全体についても、健全な労働組合を通じて緊密な労使の話合いが行われていくことを強く期待をしていると、こういった
答弁
をいただくことができました。 このやり取りを踏まえるならば、昨今、
企業
間の営業譲渡、これを行う事例が増えております。これはもう
大臣
も御認識されていると思いますが、この営業譲渡の交渉の過程において、譲渡先
企業
が被譲渡
企業
に労働組合があることを
理由
として拒否する事例が実際に生じております。中労委などに相談をしてみましても、契約が本決まりになってきた段階でこうした話が起こると、組合つぶしを間接的に指示した疑いが出てくるので、譲渡先
企業
を不当労働行為に問える余地があるようでありますが、契約の入口段階、ここで、おたくには組合があるから交渉を進めたくない、あるいは交渉を進めるならば組合を解散しなさい、それが譲渡の条件だということを言われた場合、大変
対応
が難しくなってくる。労使関係のある場所で組合を解散しろとか言えば、これは当然不当労働行為になるわけですが、まだ労使関係ができていないところでそういう話が出た場合に大変難しい。現実にそういう問題があちこちで起きています。表に出てこないだけなんです。 私は、健全な労働組合が、単に
労働者
の権利のみならず、労使間の緊密な連携にも資するものであるということを踏まえるならば、このような労働組合の存在を否定する
経営者
の言動については歯止めが必要ではないかというふうに考えておるんですが、
大臣
の御見解をお伺いします。
柳澤伯夫
128
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 営業譲渡の場合に、その交渉の過程で、今
委員
が指摘するような事態があるという御指摘でございますが、私どもといたしましては、営業譲渡につきましても
企業
間の交渉によって初めて成立するものであると、このように考えております。譲り受けようとする会社でありましても、まだ交渉の過程という段階であれば、やはり営業を譲り受ける義務が生ずる等、何か拘束をされるということは考えにくいということを申し上げざるを得ないと思います。 ただ、一般に、
企業
におきましては安定した労使関係が極めて重要でありまして、
我が国
におきましては、労働組合の存在意義が社会的にそうした
意味
で認知をされているところでございます。このことをすべての
企業
経営者
の方々に十分に認識をしていただきたいと考えております。 したがいまして、
厚生労働省
といたしましては、いろいろな機会に、安定した労使関係の重要性について労使関係者に啓発してまいりたい、このように考えております。
津田弥太郎
129
○
津田弥太郎
君 啓発というのはやらざるを得ないまず一歩だと思うんですが、できれば、こういう自由
経済社会
の中でどこまでできるかという限界があることは十分承知をしておるんですが、少なくとも、この手の問題が今は水面下にあるからなかなか表に出てこないと。表に出てこないとなかなか
厚生労働省
としてもそれ以上の
対応
というのは難しくなってくると思うんですが、つまり、表に出てくるこないというのは、なかなかこの手の問題というのは労働組合が泣き寝入りをした場合には出てこない。結局、労働組合がこれを拒否をすれば営業譲渡が行われなくなって、結果的にはつまり
企業
の倒産あるいは解散、そういうことが起こり得ると。そうなった場合には、
労働者
はどうしても失業という、直面するわけでありますから、どうしてもそのことについて不当労働行為ではあっても聞かざるを得ないという、こういう側面があるわけでありまして、これは是非
大臣
、
厚生労働大臣
としてもそうですが、
経済
産業
大臣
にも是非このことについて十分な
対応
をしてほしいというような働き掛けをしていただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
柳澤伯夫
130
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
)
委員
も既に、民間の
経済
取引については、その取引が成立しているか、あるいはしたかまだしていないかということが
一つ
の分水嶺であるということは御
理解
をいただいたわけでございます。 この問題、ある種譲渡の条件というようなことになった場合に、契約自由の原則と不当労働行為との間のバランスをどう取っていくか等、非常に難しい、また個別の
判断
にゆだねるべきというような面もあろうかと思いますが、いずれにしても、
委員
の問題意識については私個人としても
経済
産業
大臣
との間で話題にはしておきたいと、このように思います。
津田弥太郎
131
○
津田弥太郎
君 分かりました。よろしくお願いします。 続いてお尋ねをしたいと思います。 先般のパート労働法の改正によりまして、パートタイム
労働者
については、不十分ではあるものの、差別的取扱いの禁止や均衡を考慮した賃金決定の努力義務、通常の
労働者
への転換措置の義務化が行われました。 残る大きな問題というのは、私も
質問
いたしましたが、フルタイムのパート
労働者
、すなわち、労働時間は通常の
労働者
と同じでありながら、
雇用
契約
期間
は三か月とかあるいは長くて半年というような有期の契約
労働者
の処遇であります。この方たちには直接にはパートタイム労働法の適用がありませんが、
委員会
答弁
において、こうした有期契約
労働者
についても改正パート法の
趣旨
が、ここ重要ですね、
趣旨
が考慮されることという形で
大臣
からも
局長
からも繰り返し明らかにしていただきました。 そこで、確認をいたします。こうした有期契約
労働者
についても改正パート法が定める均衡考慮、通常の
労働者
への転換措置の対象となるでしょうか。
大臣
、お願いします。
柳澤伯夫
132
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 御指摘のとおり、今後、改正パート法に基づきまして、事業主がパート
労働者
についてその働き、貢献に見合った公正な待遇を実現するということになりまして、その観点から、正社員との均衡を図るという場合に、
雇用
している
労働者
全体の納得性、公平性を考えますれば、
法律
によって措置を求められていないフルタイムの有期契約社員の
雇用
管理に当たりましても、私どもとしてはこの改正パート労働法の
考え方
、
趣旨
が考慮されるべきであると考えております。
企業
の
雇用
管理の実態を考えましても、そのようになることが望ましいというふうに考えております。
厚生労働省
といたしましては、今後、改正パート労働法の施行に向けまして、このような
趣旨
について事業主に対し周知をしてまいりたいと考えております。
津田弥太郎
133
○
津田弥太郎
君 確認いたしました。 それでは、次に移らせていただきます。
雇用
の二極化ということ、これはもう今回の様々な
労働法制
の審議の中でも様々に指摘をされておるわけでありますが、今
大臣
も述べられましたこの有期契約
労働者
については、とりわけ
雇用
が不安定であるということが大きな問題になっているわけであります。 この今回の
雇用対策法
の
改正案
におきましても、国がこの
法律
の
目的
を達成するため必要な施策を総合的に講じなければならない事項が第四条第一項に列挙されていますが、その中の第九号には、不安定な
雇用
状態の是正を図るため、
雇用形態
及び就業形態の改善等を促進するために必要な施策を充実することというふうに明記をされております。この
文言
を読む限り、正にこの有期契約
労働者
も中心的な対象として考えられているというふうに思うんですが、この
規定
に基づき、
厚労省
は、非正規
雇用
から正規
雇用
への転換促進など、有期契約
労働者
の
雇用
の安定や労働条件の改善について具体的にどのような施策を行っていくつもりなのか。
日本
語ではなくて、まあ
日本
語でしゃべってもらうんだけれども、抽象的な言い方じゃなくて、具体的な策についてお述べをいただきたいと思います。
柳澤伯夫
134
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 第四条第一項第九号は、御指摘のとおり、不安定な
雇用
状態の是正を図るために
雇用形態
及び就業形態の改善等を促進するために必要な施策を充実することということで掲げられているところでございます。この
規定
に基づきまして、また短時間
労働者
について通常の
労働者
への転換の推進が図られるべきとなったこの
趣旨
を踏まえまして、有期契約
労働者
の
雇用
管理の改善や通常の
労働者
への転換を支援するための施策を今後講じてまいりたいと考えているところでございます。
津田弥太郎
135
○
津田弥太郎
君 私が求めておりますのは、姿勢はいいですよ、姿勢の中身の問題なんです。つまり、三か月の
雇用
契約、これが例えば十回繰り返されると三年間。あるいは、半年の
雇用
契約、半年だから三年ということは六回ですか、繰り返されれば、これも三年間。つまり、例えば三年間程度連続して
雇用
契約が更新されていた場合には、一回当たりのこの
雇用
契約の
期間
をこれまで三か月だった人については少し一年に延ばしてあげよう、あるいは一年の人、半年の人についてはもう少し延ばしていく。いわゆる段階に沿ってより安定した
雇用
に仕上げていくという、そういうような取組も含めたことがないと、いきなり正規
雇用
という形にすれば極めて限られた人が対象になってしまう。しかし、この
雇用
契約
期間
というのを段階的に延ばしていくというやり方を取れば、かなりこの
雇用
の安定というものについては図られていく、その
目的
が達成せられていくのではないかというふうに考えるわけです。 そういう面では、ただ単に
大臣
は正規
雇用
正規
雇用
とおっしゃるんだけれども、今私が申し上げたようなことも含めた対策を取っていくということが大変重要ではないか、私はそういうふうに考える、それが実態に即した取組ではないかと考えるんですが、いかがですか。
柳澤伯夫
136
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 私どももこの
雇用
契約の
期間
について、非常に短
期間
の細切れ的な
期間
を設定してそれを更新すると、頻繁に更新するというような
雇用
契約というものが望ましいとは、これは全く考えておりません。 そうした
意味
で、これは今度の新しい
雇用
契約
法案
におきましてもその旨を
規定
させていただいているところでございますが、今
委員
が指摘をされるように、いきなり通常の
労働者
と同じ
立場
に移行させるということが難しいので、言わばそれに至る過程としてそうしたことに努力をするというのはどうかということですが、これは今申し上げましたとおり、新しい
雇用
契約法によりましてその
趣旨
の
規定
を置いておるということと今の
委員
の御指摘はほぼ同じ意に発するものだと思いますので、我々は
雇用
契約法を是非成立をさせていただいて、その
法律
の実現という形で今の
委員
の御主張とも合致するような
目的
を追求してまいりたいと、このように考えます。
津田弥太郎
137
○
津田弥太郎
君
雇用
契約法もいいんですが、私は、今回の
法改正
に基づいて行政指導としてそういう取組も段階的な取組という
意味
でできるのではないかと。そのことについても、
大臣
は
雇用
契約法も言われたけれども、そのこととは別に取り組めるというふうに
理解
をしたいと思います。 次に移らせていただきます。 本
会議
で私がネットカフェ難民の問題についてお尋ねをいたしました。このネットカフェ難民、あるいはもっと深刻なのはバーガーショップ難民、ハンバーガーショップでテーブルにうつ伏して寝るという、あれで本当に睡眠が取れるんだろうかというふうに思うんですが、あそこの方が料金が安いと。百円のコーヒーで三時間とか四時間粘れば何とかその間睡眠が取れると、二十四時間営業だから何とかなると。例えば、ネットカフェの場合には一晩ずっといると千円ぐらい掛かるんだけれども、このハンバーガーショップ難民の場合には一晩に三百円ぐらいで済むかもしれない、二か所とか三か所はしごをすれば。そういうことなんですね。 ですから、そういう
意味
で私はより深刻なバーガーショップ難民というふうに申し上げたわけですが、この方々の多くが働き口としてはいわゆる日雇
派遣
に頼らざるを得ないというのが実態ではないかというふうに思うんです。実際ネットカフェのホームページを見ますと、日雇
派遣
のホームページにリンクしているんです。
大臣
もやってみてください、そういうふうになっていますから。 先ほどこの有期契約
労働者
に関して引用しました四条第一項の九号、すなわち不安定な
雇用
状態の是正を図るため、
雇用形態
及び就業形態の改善等を促進するために必要な施策を充実することについては、こうした日雇
派遣
で日々の糧を得ているネットカフェ難民等に、当然に対象になるという
理解
でよろしいんでしょうか。
柳澤伯夫
138
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 我々の御提案申し上げております改正が成りました後の第四条第一項第九号の
規定
でございますけれども、これは
雇用形態
及び就業形態の改善を図る旨を
規定
しております、先ほど申したとおりでございますが。この改善を図ることの対象としては、いわゆるネットカフェ難民を含む日雇
派遣
労働者
等も当然にそれになるというふうに考えております。
津田弥太郎
139
○
津田弥太郎
君 それでは、実際にこの第九号の
規定
に基づき
雇用形態
の改善、すなわち日雇
派遣
状態から脱却するために、どのような具体策を
大臣
はお考えになっていらっしゃいますか。
柳澤伯夫
140
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) このネットカフェで日雇
派遣
という形で就業をするという方につきましては、まず対策を考える前に実態を的確に把握することが重要であると考えております。ところが、これが通常の利用者となかなか区別がしにくいというようなことで、調査の
手法
自体を的確に編み出すのに今いろいろと工夫をいたしておるところでございまして、関係者との調整を図った上で早急にこの方法を見付け出して調査を実施いたしたいと、このように考えております。 これらの者に対する具体的な対策につきましては、調査によって把握された実態を踏まえて検討をしてまいりますけれども、
基本
的にはやはり住居の確保とより安定的な就業機会の確保ということが双方必要となってくるというふうに考えておりまして、この課題に向けてきめ細かな支援を行うことが課題であって、これに取り組まなければならないと、このように考えておるところでございます。
津田弥太郎
141
○
津田弥太郎
君 分かりました。 そこで、今回の
改正案
には、この第六号に青少年に関する条項というのが盛り込まれました。この青少年について、実践的な職業能力の開発及び向上の促進その他青少年の
雇用
を促進するために必要な施策を充実することと
規定
をされているわけであります。ネットカフェ難民への対策を行う上では、この第六号も極めて重要ではないかと考えるわけであります。つまり、日雇
派遣
は一日ごとに
雇用
する事業主が替わっていくわけですね。事業主が主体で職業能力開発が行われるというのは、これはもう到底期待ができない。したがって、日々従事する職務内容も異なるわけですから、単純労働が中心にならざるを得ないと。これを、この仕事を積み重ねる中で職業能力を高めるというのは、これはかなり難しいことになる。これは調査されれば出てくると思うんですが。 そこで、こうしたネットカフェ難民状態を解消するためには、公的な職業能力開発をいかに適切に機能させていくかということが極めて重要になってくるんではないかというふうに思うんです。当然、当然というか、推測ではありますけれども、彼ら、彼女らが
雇用
保険の枠外となっているケースの方が圧倒的に多いんではないかということも考えられるわけでありまして、従来までの施策にとどまることなく、どのようにして新たな有効な手だてを講じていくのかということが求められていると思うんですが、この新たなメニューをどう創設していくか、お考えを言ってください。
奥田久美
142
○
政府参考人
(奥田久美君) 現在、若い人たちで、今
委員
お話しのような形で働いておられる方を就職をさせていくということで、フリーター二十五万人常用化プランというものを実施をしているわけでございますけれども、その順番からいいますと、まずはハローワークに相談に来ていただくというところから始まるわけでございますが、そういう中で、訓練を受けたいという方があります場合は、
雇用
保険に加入をされておられない場合でも、ハローワークの方で受講あっせんという措置をとりますと公共職業訓練を無料で今受けられるようになっております。まずはそういう形で訓練を受けていただいて、能力を高めていただいて就職をしていただくというのが
現行
の施策という中にあるわけでございます。 それから、数年前から始めておりますのは、いわゆる
日本
版デュアルシステムということで、できるだけ早く実践的な能力を身に付けていただこうということで、座学の訓練をやりながら、それに実際会社での訓練も一緒にやってもらうというような仕組みも入れておるわけでございますけれども、そういう中で、訓練の実習についてはある程度会社から手当をもらえるような、そういったようなところも私ども開拓をいたしまして、そういったところに行っていただくというようなこともしております。 それから、今年度からは、年長フリーター対策の新しい施策といたしまして、再チャレンジコースの開発ということを今始めております。 これは、フリーターの方々が訓練を受けやすいようにということで、人手不足の業界の中でできるだけ短期の訓練で資格を取ることによって安定した職業に就けるだろうと、そういった仕事を今選定をしておりまして、そこでの必要な能力を訓練をするためのコース開発を行いまして、年度後半から大体標準三か月のコースですけれども、そういったコースを受けられるように、これも土日とか夜間とかそういったところにアルバイトをやりながら訓練も受けられるような、そういったようなコースを設定をして、そういったところで受けていただこうというようなこと。 それから、訓練に必要な教材費等が掛かりますので、これについては技能者育成資金という制度がございますので、それを御希望になられる方には貸付けをすると、こういった形で対策を進めているわけでございます。 また、現在、
政府
の方で、底上げ
戦略
の中で職業能力開発形成プログラムの実施ということを今検討しておりますけれども、そういう中でも、
企業
における訓練を実施をしていただいて、その訓練履歴等をジョブ・カードというものに書いていただいて就職をしていっていただこうという、こういった新しい今取組も始めておりますので、そういった対策を総合的に実施をすることで若い人たちの就職促進を進めていきたいというふうに思っているところでございます。
津田弥太郎
143
○
津田弥太郎
君 分かりました。 関連してお尋ねしたいと思います。 今回の
改正案
では青少年の応募機会の拡大等が
一つ
の柱になっているわけですが、私がこだわっておりますのは、その対象となる年齢層について、
政府
案の三十四歳以下、これでは不十分ではないかという思いを抱いております。 参議院の本
会議
でも指摘をしましたが、念頭に置くべきは、
バブル崩壊
後のいわゆる就職氷河期に学校を卒業し、思うような就職ができず、正社員を希望してもパートやアルバイトの仕事にしか就けなかった、そしてそのまま今日に至っちゃったという、そういう人たちが現実にいるわけであります。 この
バブル
の崩壊は、一般的には一九九一年とされておりますから、九二年とか九三年に大学を卒業した方たちは何歳になるか、これは足し算の世界でありますから簡単に数字が出てくるわけであります。仮に、現在三十代の後半に差し掛かっているというふうに見ることができるわけですが、これだと
政府
案では救済がされないということになるわけで、私ども
民主党
が
衆議院
に提出した若年者職業安定特別措置
法案
においては、対象を四十歳までというふうにしているんです。 ですから、せっかく
法改正
を行って、青少年への対策を新たに講じるのであれば、是非、三十代後半、ここも対象すべきではないかということで、私は
大臣
に本
会議
でお尋ねをしたら、三十五歳から四十四歳の層の有効求人倍率は良好なんだと、完全失業率も決して高くないんだということを
理由
にして賛同してもらえませんでした。非常に残念でした。 この三十代後半というのについて私が
質問
したにもかかわらず、
大臣
は、三十五歳から四十四歳、余計な分がくっ付いちゃった。四十以上がくっ付いちゃって、その有効求人倍率がどうたらこうたらって話になったわけでありまして、私はもう一度明確にお答えをいただきたいんですが、三十五歳から四十歳未満の若者に対して新たな施策を講じるべきではありませんかということについて、もう一度お答えください。
柳澤伯夫
144
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 青少年につきましては、今回の改正において、事業主に対し、応募機会の拡大の努力義務を設けたところでございます。 今、
委員
が三十五歳以上四十歳未満の若者についても考えの対象にすべきだと、こういう御指摘でございますけれども、別にこの四十歳から四十四歳までを加えなくても同じことが言い得るというふうに私どもは見ておりまして、年齢別の
雇用
失業情勢の調査によりますと、三十五歳から三十九歳の有効求人倍率は一・二〇ということでございますし、また、完全失業率も、全体で四・一を記録していたときでも三・七というようなことになってございます。そういうことから、我々としては全体的に
雇用
が安定している状態であるというふうにとらえておりまして、現時点では法的な措置までの必要はないというふうに思っているところでございます。 しかし、このような年齢層につきましても、個々の求職者の
状況
を踏まえまして、ハローワークにおきまして担当者制でのキャリアカウンセリングなど、きめ細かな支援を行っていく所存でございます。
津田弥太郎
145
○
津田弥太郎
君 その数字が三十五歳から四十歳未満のところもあるということでありますが、私の言っている
意味
は、この就職氷河期の、言ってみれば先兵の年代層なんです、ここは。ここは
大臣
、認識は同じように持てますよね。 つまり、量だけではなくて質の問題として三十五歳未満の方と同じ悩みを抱えている人たちなんです。つまり、大学を卒業したけれども、正規従業員を募集をしていないから、特に地方はそうなんです。ですから、
派遣
労働者
になるとかフリーターになるしかない、そういう職業しか募集をしていないから、正規従業員を募集していないから。で、残念ながら、もう一度正規従業員のチャレンジをしてくれればいいんだけれども、そのチャンスを失ってしまった。 阿部筆頭理事の住んでいらっしゃる山形県とか、結構私は地方でそういう話を聞いていて、行政が、正規従業員で雇ってくれたら
企業
に助成をするというようなことも実は山形県ではやっているんですね。阿部筆頭、聞いていますか。そういうこともやっているぐらい、何とかして正規従業員として採用できる枠を広げていこうと、そんなことが地方では涙ぐましい努力がされているということを分かった上で、できれば今回の対象に運用で是非拡大して適用できるような御努力をお願いを申し上げたいというふうに思います。 そこで、この就職氷河期に学校を出た世代の
雇用
情勢が厳しいという認識の下に、出産あるいは育児あるいは復学などのためにいったん離職をし、再び就職しようとする人にとって就労への大きな妨げになるのが募集、採用における年齢要件、この問題でございます。 働く意欲のある高齢者の働く場を増やすことが重要であり、このような多様な観点から私ども
民主党
では、
労働者
の募集及び採用について年齢にかかわりなく均等な機会を確保するため、
衆議院
段階で募集、採用における年齢差別禁止
法案
を提出をさせていただきました。今回の
政府
案におきましても、
労働者
の募集、採用の際の年齢差別について、
現行
の努力義務
規定
を義務
規定
にすることとしておるわけであります。
大臣
にお聞きをしたいんですが、
一つ
目、
労働者
の募集、採用の際の年齢差別の禁止については、
現行
法による努力義務
規定
により今日までどのような成果が上がってきたと評価をしていらっしゃるか、
二つ
目、また今回、義務
規定
への移行に伴い、従来、例外的に年齢制限が認められる場合として指針に定められてきた事項については、抜本的に見直して必要最小限に限定するという
理解
でよろしいか、以上二点、お願いします。
柳澤伯夫
146
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) まず、
平成
十三年の
雇用対策法
の改正によりまして、募集、採用に当たって年齢制限を行わないことを努力義務としてその施行に努めてきたところでございます。これまでハローワークが
企業
に対し助言、指導を行った結果、年齢不問求人の割合は、努力義務の施行直前であります
平成
十三年九月の一・六%から
平成
十九年二月には五〇%まで改善いたしました。 このようにハローワークにおける指導等を着実に進めてきたことによりまして、募集、採用に係る年齢制限禁止についての
企業
の
理解
も広がりまして、その結果として、義務化を導入するための基盤ができ上がったものと評価させていただいております。 また、今回、募集、採用における年齢制限禁止を義務化するに当たりましては、合理的な
理由
があって例外的に年齢制限が認められる場合を
厚生労働省
令で
規定
することといたしております。
現行
法に基づく年齢指針では、例外事由として特定年齢層の就業が法令により禁止されている場合など十項目を定めているところでございますが、新たに定めます省令におきましては、
企業
の
雇用
管理の実態も踏まえまして必要最小限の場合に限定してまいりたい、このように考えております。
津田弥太郎
147
○
津田弥太郎
君 この十項目、年齢制限のある求人の中で割合の大きいのが、体力、視力等加齢に伴い機能が低下するものが、採用後の勤務
期間
を通じ一定水準以上であることが不可欠な業務の場合というのが一番で、二番が、技能、ノウハウ等の継承の観点から
労働者
の年齢構成を維持回復させる場合という、これが二番なんですね。この
二つ
が抜群に高い割合を示しているわけであります。 私が問題だと見るのは、この二番目の技能、ノウハウ等の継承の観点から
労働者
の年齢構成を維持回復させる場合というのは、これは言ってみりゃ、こじつけりゃもう何でもいくわけですよ。こういうのが残っていると大変問題ではないのかな。まあ一番目の
理由
は、この体力、視力等云々というのは、これは一定の職種の場合にはそういうことはあり得るだろうと思うわけであります。
厚労省
から、直近の新規求人における年齢制限の
状況
についての
資料
によると、
平成
十九年三月時点でハローワークにおける年齢不問の求人の割合が五一・四%になっていると、量的な側面では過半数を超える
状況
になっているという
資料
をいただきました。 この量的な側面とともに気を付けなければならないのは、やはり質の
部分
であります。つまり、年齢を問わずの求人と年齢制限のある求人について給与などに顕著な違いが見られるのかどうか、あるいは正規
雇用
、非正規
雇用
の割合などに顕著な違いが見られるのかどうか、この辺が質の点で問題になってくるわけであります。 この年齢を問わない求人が量的に増えていること自体は評価をするわけですが、この年齢差別禁止の例外事由を使って、結果として良質な
雇用
が年齢を問わない求人にはシフトしていないということだとしたら、今後の省令を
策定
することにおいてそのことを踏まえた検討を行わなければならないというふうに考えるわけであります。 年齢を問わない求人と年齢制限のある求人について、それぞれ平均給与あるいは
雇用形態
別の数字があれば明らかにしていただきたい。
岡崎淳一
148
○
政府参考人
(岡崎淳一君) 現在、現時点におきましては、年齢不問求人とそれから年齢制限のある求人、それぞれの今先生がおっしゃいましたような平均給与あるいは
雇用形態
、これは今のところ把握しておりません。 ただ、先生今おっしゃいました、現在の年齢指針の、
労働者
の年齢構成を維持回復させる場合、あるいは体力の場合もそうでありますが、このままの
規定
では、おっしゃいますような、何といいますか、こじつけ的な抜け道になるおそれもあるやに思っています。本当に必要な場合になりますようにきちんとした
対応
をしていきたいと、こういうふうに思いますし、義務化の後におきまして、今先生がおっしゃいましたような、平均給与とか
雇用形態
等につきましてどういう影響があるか、こういったことも把握しながらその後のフォローアップにも努めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
津田弥太郎
149
○
津田弥太郎
君 分かりました。 それで、今、岡崎さんがおっしゃった点の、ハローワークなんですね、この点は。ハローワークで全員がその職に就くんならいいんだけど、現実にはハローワークは少数派なんですね。民間の職業紹介が実は圧倒的にそちらの方が多いわけでありまして、民間の職業紹介事業所についてはこのハローワークで行っているような例外事由の根拠項目の把握が行われていないということでありまして、今回、この例外事由については、社会
経済情勢
の
変化
に応じて機動的に見直しを行えるように
法律
ではなくて省令で定めることにしたと
大臣
が答えているわけですから、例外事由の中のどの項目を
理由
として年齢制限を行うのかの把握は今後大変重要になってくるということになるわけであります。 私は、この民間の職業紹介事業者についても、年齢制限のある求人の申込みを受けた場合には、省令で定める例外事由の主としてどの項目が
理由
となっているかについてハローワークと同様の把握を行う必要があるんではないかと、そしてハローワークのデータと民間の職業紹介事業者のデータの双方を用いて今後の
政策
立案を行っていかなければならないというふうに私は考えるんですが、
大臣
はいかがでしょうか。
柳澤伯夫
150
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 募集、採用における年齢制限禁止の義務化でございますけれども、これにつきましては、今
委員
からも御指摘いただきましたように、合理的な
理由
があって例外的に年齢制限が認められる場合につきまして、
厚生労働省
でこれを
規定
することといたしております。 この省令
規定
を選びましたのは、今これまた
委員
御指摘のとおり、社会
経済情勢
の
変化
に応じて機動的に見直しが行えるよう、そうした形を取らせていただいているものでございます。 そこで、この年齢制限禁止の義務
規定
でございますけれども、これはハローワークの求人だけではなくて民間の職業紹介事業者が受け付ける求人についても適用されるものでございます。したがいまして、民間の職業紹介事業者の受け付ける求人についても、もしこの義務の例外という措置をとりたいということであれば、それはもうこの同じ例外事由というものを援用しなければそれはできないと、こういうことになるわけでございます。 したがいまして、私どもとしては、今後この
法律
を運用するに当たっては、民間の職業紹介事業者が受け付ける求人についても適切にその実態を把握して、今
委員
が御指摘のとおり施策の立案に生かしていかなければならないと、このように考えます。
津田弥太郎
151
○
津田弥太郎
君 分かりました。 この年齢制限の禁止につきましては、なぜ今回の
法改正
では公務員に適用されないのかということを
衆議院
でも再三再四
議論
になったわけであります。民間の事業主には厳しい義務化を押し付けて公務員だけ例外にするということは、これは大変不公平であり、私は本当にこういうやり方というのは本末転倒もいいところじゃないかというふうに思うわけであります。 そこで、お尋ねをいたします。
大臣
御存じのとおり、独立行政法人は特定独法と非特定独法の二種類に大別をされるわけですが、今回の
雇用対策法
の年齢制限の禁止は、こうした独法に適用されるのでしょうか。事実関係のみ。
岡崎淳一
152
○
政府参考人
(岡崎淳一君) 独法には、御指摘のように特定独法と非特定独法ございます。適用除外
規定
は国家公務員を適用除外ということでありますから、職員が国家公務員であります特定独法につきましては適用除外でありますが、国家公務員ではない非特定独法については適用されると、こういう関係でございます。
津田弥太郎
153
○
津田弥太郎
君 そこで、
柳澤
大臣
、この非特定独法、これについては民間
企業
の模範となるように、本末転倒にならないように、募集、採用時の年齢制限は原則として行わないよう、所管の各
大臣
に対して
法案
の
趣旨
をしっかり
説明
をして要請を行ってほしいと考えますが、いかがでしょう。
柳澤伯夫
154
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 今回、私どもはこの
雇用対策法
におきまして、募集、採用における年齢制限禁止の義務化を
規定
させていただきました。その
規定
は、今、岡崎の方から
答弁
させていただきましたとおり、民間の、非公務員の方々にはあまねくこれが適用されるということでございます。したがいまして、独立行政法人といえども、非公務員型、つまり非特定独法につきましてはこれが適用されるわけでございます。 この点につきましては、もう当然のことながら、
法律
というものは公布されることによってあまねく国民に周知されるということでございまして、なかんずく、公的な部門の一翼を担う非特定独法は、これについてはすぐ直ちに適用の対象になるということを認識していただいて、今
委員
が言われるように民間
企業
に率先垂範の形でこれが履行されなければならないと思っております。これは、いろんな形で所管の
大臣
にも伝えるようにいたしていきたいと考えております。
津田弥太郎
155
○
津田弥太郎
君 つまり、私が申し上げておるのは、民間と公務員、ここにおいては年齢差別の問題については、これは全く同じ
考え方
で臨むんだと。公務員より民間が厳しいとか、民間より公務員の方が厳しいのは私は多少あってもいいぐらいに思うんですけれども、少なくとも同等にいくんだという認識でよろしいというふうに
理解
してよろしいですね。
柳澤伯夫
156
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 当然そうなるべきだと考えております。
津田弥太郎
157
○
津田弥太郎
君 分かりました。 そこで、国家公務員法では第二十七条に平等取扱いの原則が明記をされ、さらに四十四条にはこのように書かれております。人事院は、人事院規則により、受験者に必要な資格として官職に応じ、その職務の遂行に欠くことのできない最小限度の客観的かつ画一的な要件を定めることができる。また、地方公務員法第十九条におきまして同じ内容が
規定
をされております。 問題は、公務員の採用試験において年齢制限を設けることが果たして職務遂行に欠くことのできない最小限度の要件なのかどうか。さらには、そのことは合理的
理由
があるものとして差別に当たらないのかどうかということであります。 実は、この本
法案
の
衆議院
における審議の際に、我が党の加藤公一議員が徹底的にこの問題を追及しました。その結果としてどうなったか。
大臣
は御存じのとおりでありますが、文部科学省の非常勤職員の募集、外務省の常勤職員の募集、これがちょうど
委員会
審議のさなかに行われたわけですが、そのいずれにつきましても、省庁の側が合理的な
理由
があるとして年齢制限を付けて募集をしていたにもかかわらず、加藤議員のやり取りの結果、合理的
理由
がなかったことが明らかになって、改めて応募期限を延長して、年齢制限も撤廃する中で募集を行わざるを得なくなった。 今日は
総務
省より大野副
大臣
もお越しになっておりますが、このように役所の側が年齢制限をしているケースについても、個別に精査をしてみれば合理的な
理由
などないということが多く、言わば先例とか慣例に従って担当者が全く考慮をしない、先例、慣例のみに依拠している、そして年齢制限をしていたという実態が明らかになっているわけであります。 今回、
政府
として民間
企業
に年齢制限の禁止を義務化することを踏まえ、国家公務員を所管する
立場
として、各省庁に対し、公務員の募集、採用に関する年齢制限については、改めて合理的な
理由
があるのかどうかを徹底して検証するように指示を出していただきたいと考えますが、いかがでしょう。
大野松茂
158
○副
大臣
(大野松茂君) 国家公務員の採用試験における年齢要件についてでございますが、国家公務員法におきまして、採用試験を所管するとされている人事院が民間の
状況
や、あるいは公務における人材採用、また育成の在り方等を踏まえまして、必要かつ合理的な
理由
に基づき設定しているところでございます。 そして、国家公務員に優秀な人材を確保する観点からは、試験採用のみならず、原則として年齢制限のない選考による中途採用や、あるいはまた官民交流等も活用しつつ、多様で有為な人材を確保していくことが重要でございまして、引き続きこうした
対応
を進めるべきものと思料いたしております。
津田弥太郎
159
○
津田弥太郎
君 大野副
大臣
、私の話、聞いていたの。あのね、さっき言ったでしょう。外務省とか文科省で年齢制限を付けた募集をしていたところ、
衆議院
の
議論
の最中にこれはおかしいということになって、わざわざ年齢制限を解いて再募集しているんですよ。もうそういうことが行われている中で、そんな形式的な
答弁
したってしようがないでしょう。きちっと話聞いて
答弁
してよ。
大野松茂
160
○副
大臣
(大野松茂君) 人事院でこのような
対応
をしているところでありますけれども、そのことの中で様々なまた改善が現に進められているところでありまして、そのことの中でこうした背景を十分
理解
、認識をしながら
対応
していくことであろうと、こう思っております。
津田弥太郎
161
○
津田弥太郎
君 人事院でやっていることは分かっているんですよ。ただ、私が言ったように、先例とか慣例で習慣的にやっちゃっているんですよ。年齢制限をする必要がないにもかかわらず年齢制限をして募集をしているんですよ、文科省や外務省が。それはおかしいということになったの、
衆議院
の
厚生労働委員会
の
議論
の最中に。それで、これはおかしいということで年齢制限を外して再募集をしているんですよ。 だから、もう一度きちっと
総務
省として各省庁に対して、そういう先例、慣例に、もう一度きちっと見直して、それを、全部やり直しなさいと。そういうやり直しをしているわけですから、もう一部の省庁では。それをちゃんと明言していただければいいんですよ。
大野松茂
162
○副
大臣
(大野松茂君) ただいまのことにつきましては、
規制改革会議
におきましても実は
議論
をされております。年齢制限、受験年齢の上限を引き上げることにつきまして具体的な仕組みについて本年度末までに結論を得るべしという第一次答申がされたところでございまして、それは今まで各省が行われている
対応
などを十分しんしゃくの上でこのような
議論
がまた進んでいることと思っております。 採用試験の受験年齢要件につきましては、何回も申し上げますが、人事院の所管ではございますが、今後、この答申を受ける中で
政府
としての
方針
を
規制改革
推進三か年
計画
として
閣議決定
するのではないかと、こう思っております。
津田弥太郎
163
○
津田弥太郎
君 今日、
資料
を配付しているんですけど、千葉県の市川市ではもう既に、もう見てのとおり、ここまでもう既に、今年に入って五年目の、もう幹部職員の募集を完全に年齢制限撤廃してやっているんですよ。
平成
十五年から全国の自治体に先駆けて市川市は既に行っているわけであります。 私は、この募集、採用時の年齢制限の撤廃については、年齢にかかわりなく均等な機会を確保するためという、主として
労働者
、求職者の
立場
に立ってその必要性を私は訴えております。 ここで、市川市が年齢制限を撤廃した
理由
を申し述べさせていただきますが、市川市が作成したペーパーを読ませていただきます。
平成
十五年当時、
バブル
経済
崩壊後の長期的な不況の中で多くの
企業
が倒産、あるいは従業員の大量解雇を行い、ちまたではたくさんの優秀な人材が次の就職先を探していた。一方、行政側では、市民からの要望が多様化、高度化する中で、従前の職員採用方法や研修ではこれにこたえるだけの人材を確保できないことが課題であった。そこで、様々な専門性や経歴を持った人材を幅広く募集するため、
平成
十五年度の職員募集から年齢や学歴の制限を撤廃することとした。
総務
副
大臣
、こういう
答弁
がいい
答弁
なんですよ。ちゃんと地方自治体ではそういうふうにやっているんだよ。
平成
十四年までは市川市においても職員採用試験の受験資格として二十八歳を上限として定めておりましたが、十五年からはこの上限を外したわけであります。この
資料
を見ていただければお分かりのように、外したことによって、二十代は当然ですが、三十代、四十代、そして五十代でも、まあ人数は少ないですけれども採用者が出ているわけです。これは実績です。うそも隠しもいたしません。こういう実績が出ている。 こういう実績を見るならば、やっぱり三十歳代以上というのはこの実績を見ていただいても三割を占めているわけです。この中身を言うと、一級建築士、一級土木施工管理技士、一級造園施工管理技士を始めとした多様な資格を有する人たちも含まれているということでございまして、極めてこれは即戦力として有用な仕事をしていただいているという報告が市川市からなされました。 で、この市川市が意図したとおりで、年齢制限を撤廃することでそれまでは採用できなかった新たな優秀な人材を得ることができたということなんですね。市川市においてはこの
改革
は市民も大変支持をしているというふうに聞いておるわけであります。優秀な人材を確保しなければならないというのは、先ほども副
大臣
おっしゃいました。民間以上に公共の自治体には求められるということ、これは当然のことだというふうに思います。そもそも住民が支払った血税でサービスが提供されるわけですから、住民ニーズにこたえるためにも優秀な人材の確保が不可欠であるはずです。この優秀な人材を確保するための最も近道が、今回市川市が行っているようなこの年齢制限の撤廃というのが極めて有効な手段になってくるわけであります。 四十代、五十代が新人として働くというのは、これは職場の人間関係とかいろいろあるかもしれない。しかし、こういうこともある面では刺激として、新たな新陳代謝として、役所の世界ではそういうことがあってはならないなんて古臭いことを言っていたんじゃ駄目なんですよ。そういうことをしっかり踏まえて、この市川市の成功事例を他の自治体にも積極的にPRをしていただきたいと思いますが、是非副
大臣
の、書いてあるペーパーじゃなくて御自身の、私の提案に対しての感想をお聞かせください。
大野松茂
164
○副
大臣
(大野松茂君) それぞれの地方自治体におきましては、この中途採用などにつきまして従来から各地方公共団体の実情を踏まえた上でできるだけ幅広い年齢層から募集して採用できるように、特に地方公共団体の場合には専門的技能について不足の
部分
が往々にしてありますものですから、このような採用をしておりますことについては十分承知をしておりますし、また適当なことであろうと思っております。
総務
省といたしましても、こうした進め方につきましては適切に今後とも助言をして、さらに推進できるようにしていきたいと、こう考えております。
津田弥太郎
165
○
津田弥太郎
君 しっかりやってください。 次に、技能
労働者
の問題についてであります。この問題につきましては、火曜日に同僚の
小林正夫
委員
から
質問
が行われておりますが、近年、関係者の様々な努力もありまして
我が国
においてもコンテンツ産業など新たな産業が育ちつつあります。しかし、食料あるいはエネルギーの多くを海外に依存している
我が国
においては、当然外貨を獲得しなければ
国民生活
が成り立ちません。そして、この外貨獲得を可能とする基幹産業としては現在もなお製造業に比類する産業は私は現れていないというふうに考えております。そういう
意味
では、製造業、物づくり産業の屋台骨を担う物づくり
労働者
の確保、育成が極めて大切な国家的課題となるわけであります。 火曜日に二〇〇六年度のものづくり白書が
閣議決定
をされましたが、その中では、団塊の世代が退職した後、
企業
の特殊技能が若い人材に適切に伝わるか極めて不安を抱えている製造業の事業主が四六・二%に上ることが明らかになっております。 この製造業の二〇〇七年問題について、既にこれはもう何年も前から与野党双方から万全の対策が必要だということで
国会
においても様々に指摘をされてきたにもかかわらず、まあ今年は二〇〇七年ですから、この時点においても四六・二%、半数近い事業主が技能継承に不安を有しているというのは、これは一体どういうことなんだと。これは大変大きな問題だというふうに私は考えるんですが、
大臣
、いかがでしょう。
柳澤伯夫
166
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
)
委員
御指摘のとおり、製造業の事業所の四六・二%が団塊世代の退職等によって発生する技能継承の上で問題があると、こういうことを表明しているわけでございます。 この事業所のうち、しかし、退職者の中から、延長、嘱託等により再
雇用
し、指導者として活用するという事業所も八三・六%に上っておりまして、
企業
も技能継承の問題には積極的に取り組んでいるというふうに認識をしております。 先般の高年齢者
雇用
安定法の改正によりまして、定年の引上げ、それから継続
雇用
制度の導入等を
企業
に義務付けているところでございまして、今後、数年間、この技能継承問題にとって非常に重要な時期でございますが、そういった
対応
も取らせていただいているところでございます。
厚生労働省
といたしましては、このほかに、技能継承のための能力開発や人材確保に取り組む中小
企業
に対する各種の相談、援助や助成、あるいは高度熟練技能者を技能の継承、維持のために中小
企業
等に
派遣
してくれるところについてのそうした事業の推進等、技能継承支援に積極的に取り組むことといたしております。 さらに、若年の物づくり人材の確保、育成が重要と考えますが、この観点からは、実践型人材養成システムということで、若者を現場の中核となる人材として育成する、そういうプロジェクトを行っておりまして、この普及に努めますとともに、また、特に本年十一月、
我が国
で開催されるユニバーサル技能五輪国際大会等を通じて国民、殊に若い人たちの技能尊重機運の醸成を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。
津田弥太郎
167
○
津田弥太郎
君 分かりました。 もっと突っ込んで聞きたいところですが、時間の関係でちょっとはしょらせていただきます。 外国人の適正な
雇用
管理に関連した
質問
を行いたいと思いますが、ちょっと時間がないんで、労働基準法第三条あるいは職業安定法第三条において、
労働者
の国籍で労働条件や労働時間、賃金、その他の差別的取扱いをしてはならないということがそれぞれの分野で明記をされていることは御案内のとおりでございます。 そこで、今回提出された
法案
において、事業主に対して外国人
雇用
状況
の報告を義務付けているわけですが、その
前提
として、そもそも当該
労働者
が外国人であるかどうかといった確認が各職場で行われることになってまいります。外国人であるかどうか、
日本
国籍を有しているかどうかといった確認は、見た目で明らかになる場合もありますし、そうした場合だけとは限りません。現実には、外国人
労働者
に対する差別がこれ結構あるんです。その結果として、外国人
労働者
の多くが非常に不安定な
雇用
環境の下で就労し、その家族を含めて極めて不安定な
状況
、生活になっていることも事実であります。 そうした
状況
において、今回の
法改正
に基づき外国人であることの確認が行われると、
雇用
における国籍差別が助長されてしまうのではないか、そうした疑念を持つ方が少なくないというふうに思います。この事業主が適切に対処するために必要な指針を
大臣
が定めることになっておるわけですが、この指針においては、
雇用
における国籍差別が助長されることがないよう、先ほど言いました職安法三条、労働基準法第三条の
趣旨
を明示するなど、適切な対策を講じていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
柳澤伯夫
168
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 今回、私どもの雇対法におきましては、外国人の
雇用
管理を改善するということ、それからまた不法就労を防止するという観点から、外国人についての報告を事業主から徴するということを
規定
をいたしております。これは先ほど申したように、その
目的
が、今も
委員
がおっしゃられるとおり、現実に差別的な取扱いで不安定な
雇用
があるということを改善するということと不法就労を防止するということにあるわけでございますので、その
趣旨
が生かされるような指針を定めていかなければならないと、このように考えます。
雇用
におきます国籍差別があってはならないことは御指摘のとおりでございまして、改正法に基づく指針において、職安法第三条、また
委員
御指摘の労基法第三条の
趣旨
を明示するといった対策を関係
審議会
にお諮りする
方向
で検討してまいりたいと考えております。
津田弥太郎
169
○
津田弥太郎
君 分かりました。 次に、今回の
法改正
で
雇用対策基本計画
が
終了
することになるわけでありますけれども、全国指針、毎年度、
雇用
施策の実施に関する
基本
的な
方針
、いわゆる全国指針を
策定
すると、それに代わって。 そこでお尋ねをしたいと思うんですが、この全国指針については、机上の空論となることを避ける
意味
でも、労政審において事前に労使の意見を十分に踏まえる必要がある、あるいはこれは地方においても同じこと、地方の労働
局長
がそれぞれの都道府県知事の意見を聴いて
雇用
施策の実施に関する
方針
を
策定
するわけであります。同じように地方労働
審議会
において地域の労使の意見を十分に踏まえる。中央、地方においてしっかり踏まえていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
柳澤伯夫
170
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 今回の雇対法に定められる
政策
の実施に当たりましては、全国指針という形でその
方向
性を明示いたしたいと、このように考えております。 全国指針につきましては、都道府県労働局による地方指針の
策定
に資するため、毎年度、地方
方針
策定
の前に、
厚生労働大臣
が職業安定施策を中心とし、職業能力開発施策等をも含めた
雇用
施策を体系的に示すということになるものと考えております。この全国指針の
策定
に当たりましては、労働
政策
審議会
へ事前に報告を行い、広く労使の御意見を賜りたいと考えております。
津田弥太郎
171
○
津田弥太郎
君 時間になりましたので終わりますけれども、
最後
にハローワークの問題について私意見を述べさせていただきます。 御案内のように、先ほどもやり取りをさせていただいた、ハローワークで職業紹介をしているのと民間の有料職業紹介事業、実際にはハローワーク以外で就職をしている人が八割になっている、ハローワークは二割しかやってない、これが調査結果で出ているわけでございます。ということを考えますと、この民間有料の職業紹介事業、ここがきちんとやっているかどうかというのは大変重要になってまいります。特に、ハンディキャップを持たれている障害者、高齢者、失業者、長期失業者あるいは母子家庭の母など就職困難層について、この民間の有料職業紹介事業がどうなっているか、ここは大変私は気になるところでありまして、ここはやっぱりしっかりやってもらわなきゃ困るというふうに考えるわけであります。
経済財政諮問会議
の民間議員から、今回の市場化テスト
方針
について、
柳澤
大臣
の英断で道が開かれたなんて高く評価をされているようでありますけれども、大体こんな連中に評価をされるようでは
大臣
の位は高くならない、私はそのことをしっかり申し上げて、評価されないような
大臣
として今後活躍していただくことを期待して、
質問
を終わりにします。 ─────────────
鶴保庸介
172
○
委員長
(
鶴保庸介
君) この際、
委員
の
異動
について御報告いたします。 本日、下田敦子君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
喜納
昌吉
君が選任されました。 ─────────────
鶴保庸介
173
○
委員長
(
鶴保庸介
君) 引き続き、
質疑
を続けたいと思います。
小池晃
174
○小池晃君
日本
共産党の小池晃です。 外国人
労働者
問題についてお聞きをします。 今回導入されようとしている外国人
雇用
状況
報告制度ですが、これは就労
状況
にとどまらずに就職、離職のたびに一人一人の氏名、在留資格、在留
期間
、国籍などを報告し、法務省から求められればこれらの情報を提供するというものであります。しかし、不法就労した本人はもちろんですが、不法就労を承知で働かせた事業者というのは入管法違反で刑事罰に問われる可能性もある。摘発する側の官庁である法務省に情報提供をすることを
前提
として適正に事業者が不法就労の情報提供を行うというふうに言えるんでしょうか。
岡崎淳一
175
○
政府参考人
(岡崎淳一君) 今回の
雇用対策法
で考えておりますのは、そもそも不法就労をどうやってなくしていくかということでございます。そういう中で、事業主が外国人
労働者
の方を雇われる場合には、在留資格上就労が可能かどうか、これを確認していただく、それを届け出ていただくと、こういうことにしたわけでございます。 したがいまして、不法就労があることを
前提
に制度を仕組んだということでは当然ございませんで、不法就労をなくしていくと。不法就労をさせてない、あるいは何といいますか、
労働者
の方が虚偽の在留資格を言ったがために間違って雇っているというような方につきましては、これで罰則が掛かるということもございませんし、そういうような運用もしていかないということにいたしているところでございます。
小池晃
176
○小池晃君 情報提供について、
厚生労働省
の側から、例えばこれは不法就労している者に限るとか、あるいは在留
期間
が切れている者に限るとか、条件を加えてその運用をすることはこれは可能なんでしょうか。
岡崎淳一
177
○
政府参考人
(岡崎淳一君)
厚生労働省
の方としまして、個々の外国人の方の在留資格を確認するすべはございません。したがいまして、私どもの方でどの方のものを出すかということを、その不法就労しているかどうかで確認した上で出すということは恐らくできないんではないかと、こういうふうに考えております。
小池晃
178
○小池晃君 要するに、特に条件を付けることもできないし、法務省から求められた場合はこれは拒否権はないということになるわけですか。
岡崎淳一
179
○
政府参考人
(岡崎淳一君) 第二十九条の条文をごらんいただきますと、出入国管理法又は外国人登録法に定める事務の処理に関し、外国人の在留に関する事項の確認のため求めがあった場合でございます。法務省の方からこの条文の
規定
に当たるという
理由
を示していただいて、その
理由
に当たるかどうかを確認の上で提供すると、こういうことでございます。したがって、すべてがということではなくて、この条件に当たっているかどうかで
判断
していきたいと、こういうふうに考えております。
小池晃
180
○小池晃君 しかし、求められればこれは拒否することはできないという仕組みですね。
岡崎淳一
181
○
政府参考人
(岡崎淳一君) 繰り返しになりますが、外国人の在留に関する事項の確認のための求めでございますので、確認のための求めでなければ拒否はできますが、確認のための求めであればこれに応じていくと、こういうことになります。
小池晃
182
○小池晃君 やっぱり現実問題としては、
法律
どおりの運用ということになれば人権を守るような運用というのは
最初
から排除されているというふうに思うんです。
大臣
、やっぱり、非常に劣悪な労働条件で働いている方の実態をしっかり把握する、不法就労を解消して労働市場の健全化図るということは、これは私どもも否定をいたしません。労働行政がそういう実態の把握ということは、これは必要なことだと思うんです。 ところが、やはり、こういう法務省への情報提供を
前提
とするような制度で果たして適正な情報提供がなされ、適正に運用されるのか、きちっとつかめるのかというのは極めて私疑問なんですね。やっぱり、法務省への情報提供ということを
前提
としないような、こういう報告制度とするべきではなかったのか、御見解を伺います。
柳澤伯夫
183
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 外国人については、そもそも就労は在留資格の範囲内で認められるということになっていることは御承知のとおりでございます。したがいまして、現在でも、
企業
におきましては在留資格を認識した上で外国人を
雇用
することが求められているわけであります。 不法就労と知りつつ雇っていない限り、事業主が摘発されるとかいろいろ問題になるということは全くないわけでございまして、法務省に情報提供をしても、そういう
意味
では適法な就労をさせているというような
前提
でありますれば、制度の円滑実施に影響がないものと考えられます。
小池晃
184
○小池晃君 国家公務員には告発義務もあるわけですし、人身売買などの悪質なケースではきちっと
対応
できるはずなんですね。新しい報告制度つくらなくても、
現行
制度でやっているはずだと思うんです。守秘義務があるというけれども、結局、合法的に働いている外国人も含めて、特別永住者は除きますが、すべての外国人の情報を提供する、これはプライバシーの観点からも、行政は不必要な情報を持たないという行政個人情報保護法の
趣旨
から見ても、これは重大な問題があるというふうに指摘をしておきたいと思います。 関連して、この
法案
は合法的に働いている外国人
労働者
のプライバシーに関する情報まで不当に集めることになっているわけですが、正に、そういう不法就労対策と同時に、ひどい働かせ方をされている外国人の問題の解決が喫緊の課題であると思います。 昨年、JITCOの問題を私取り上げて改善を求めましたが、外国人研修・実習生制度について、その後どんな対策取ったのか、こういう問題について改善したという点があるのかないのか、お答えください。
奥田久美
185
○
政府参考人
(奥田久美君) 外国人研修・技能実習制度につきましては、総合的に今どういう対策を取るかということにつきまして、私ども、内部に学者の方に集まっていただいた研究会を設置をしてまいりまして、中間報告を先般報告させていただきましたけれども、その中には、今後取るべき対策ということで総合的にまとめたわけでございますが、それまでの間といいますか、現在どういったことをやっているかということでお話をさせていただきたいというふうに思うわけでございます。
委員
御指摘のように、外国人研修・技能実習制度におきましては、研修生でありながらいわゆる実質的な残業をさせられていたりとか実習中の実習生が最賃違反の
状況
にあるとか、いろんな問題が指摘をされてきたわけでございます。 そういう実態に対しまして、私ども
厚生労働省
といたしましては、まず、JITCOを通じまして全受入れ機関に対しまして自主点検表というものを配りまして、それを回収をいたしました。現在、その回収結果を踏まえまして、回答してこなかった
企業
、また回答の内容に問題があるところということを重点的に巡回指導を実施をしているところでございます。 十九年度におきましては、十八年度は年間で六千件ということでやっておりましたけれども、これを二〇%強件数を増やしまして、七千三百の事業所に入れるように今巡回指導を実施をしているということでございます。 それから、労働基準監督機関におきます技能実習生に関するいろんな申告等も出てまいりましたので、労働基準監督機関におきましての労働条件の履行確保のための監督指導というものを強化をしているということが
二つ
目でございます。 それから、入管当局との連携を強化をいたしまして、お互いにその情報を通報し合うというような形で、それぞれ問題があるところについて是正をしていくということをやっております。その結果、入管当局の方でも、不正行為の摘発といいますか、そういったものについてはかなり精力的に実施をしていただいているところでございます。
小池晃
186
○小池晃君 いろいろやっているとおっしゃるんですが、昨年の
質問
以来もいろんな事例が、相談が寄せられています。 今年の二月、これは福島県の事例ですが、縫製
企業
で十六人のベトナム人が働いていた。時給三百円程度で、最賃の半分以下です。しかも、そこから毎月二万円から三万円の労働基準法違反の強制貯金をされている。十六人の
労働者
、これは
企業
倒産によって安い給料でさえ不払となった上に、新しい実習先も見付からずに帰国せざるを得なかった事例です。 それから、茨城県でも、この三月、これ月三万円強制貯金されて時給は三百十二円、これも最低賃金違反。ここは逃亡防止のためにパスポートを取り上げていた。これも受入れ
企業
が倒産して給与不払、強制貯金の未返還の問題、これいまだに解決していません。 それから
最後
、この五月二十五日にも愛知で、トヨタ自動車の下請によってつくられている豊田技術交流事業協同組合、ここが入国管理局から帰国指導と新規研修生の受入れ停止処分を受けました。ここはパスポートを取り上げています。トイレに行った場合に一分十五円罰金取ると。一年目の研修
期間
は、これは最賃法違反の時給三百円。不払残業もあります。この月六万円にも満たない研修手当から一万円強制貯金、文句言うなら強制送還だと脅されていたというんですね。これ、入管の処分があったために百人余りのベトナム人研修生、実習生がほうり出されていると、今そういう事態になっていて、愛知の労働局にも
労働者
が訴えております。
大臣
、受入れ
企業
の倒産あるいは違法行為による処分、こういうことで何の罪もない外国人が研修、実習を途中で打ち切られて路頭に迷う、こういうことは絶対あってはならないんではないか。やはり、今相談が来ている事例も含めて、JITCOや国の責任できちんと
対応
すべきだと思いますが、いかがですか。
柳澤伯夫
187
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 御指摘のような事案につきましては、現在、受入れ団体でその責任において実習が継続できるよう新たな受入先を探しているというふうに承知をいたしております。受入先の
企業
等が不正行為認定を受けた場合等について、本人に何ら責任のない研修生、実習生につきましては、できる限り当初の
計画
どおり実習が継続できるようにすることが当然望ましいわけであります。 このことにつきまして、五月の十一日に取りまとめられました研究会の中間報告におきましても、受入れ
企業
等が不正行為認定を受けた場合について、他の受入れ
企業
や受入れ団体へのあっせん等JITCOが積極的に関与することによって、研修生、実習生が帰国することなく研修、実習を継続できるシステムづくりを検討することが求められるとされているところでございます。
厚生労働省
といたしましては、こうした場合に、本人に責めのない研修生、実習生が帰国させられることなく研修、実習が継続できるような仕組みづくりにつきまして、今後、法務省とも連携をしながら検討をしてまいりたいと考えております。
小池晃
188
○小池晃君 今紹介した愛知の事例でも、帰国させるぞというふうに脅して違法な労働条件で働かせていたということが報道されています。 これはいろんな事件にも発展していて、昨年殺人事件になった千葉県農業協会の事例では、高額な研修費を返すためにもっと残業したいと研修生が主張したためにトラブルになったということが要因となっています。この事例でも、受入れ
企業
が渡航費用などを負担しているにもかかわらず、中国の研修センターが研修生から研修費用を保証金名目で百万円もの現金を徴収していたと。この研修センター、
日本
の受入れ団体の役員によって経営されていて、研修生と農家の双方から多額の現金を得るためのシステムとなっていたという報道もあります。
大臣
、今も少し
言及
あったかと思うんですが、やはり高額な保証金を取る、研修費を取る、人権侵害につながるようなケースは、やはり入管行政と監督行政がしっかり連携して摘発、排除していくということが必要だと思いますが、いかがですか。
柳澤伯夫
189
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) この御指摘の保証金等の問題につきましても、先ほど申し述べました研究会の中間報告におきまして、送り出し機関による不当に高額な保証金や違約金については、送り出し国
政府
に対し、その適正化を強く要請することが必要と、そういう指摘をされているところでございます。 このような営利を
目的
として高額な保証金等を徴収する送り出し機関や受入れ団体等の存在は、制度の
趣旨
に反するだけではなく、研修生、実習生に対する拘束的な研修、労働の要因ともなっておりますことから、
厚生労働省
としても、今
委員
御指摘のとおり、外務省、法務省とも連携をし、送り出し国
政府
に対する要請や受入れ団体等に対する指導の強化等、適正化に取り組んでまいりたいと考えます。
小池晃
190
○小池晃君 引き続き、
地域雇用開発促進法
について聞きます。 これは、地域に居住する
労働者
に関し、就職の促進その他の地域
雇用
開発のための措置を講じ、もってこれらの者の職業の安定に資することを
目的
とするとしているんですが、簡潔に、同法に関する施策の〇五年の予算と
雇用
実績、お示しください。
高橋満
191
○
政府参考人
(
高橋満
君)
地域雇用開発促進法
、
現行
の
法律
に基づきます地域類型、四つございますけれども、そのうちの三類型にかかわる助成金の予算でございますが、
平成
十七年度は約四十一億円、またそれら助成金による支給実績は約一万二千人となっております。
小池晃
192
○小池晃君 一万二千人、そのほかに特別基金からの事業がありますが、これ含めても全国で二万三千人、地域
雇用対策
としては非常に規模が小さいと言わざるを得ないですね。 自治体を本当に地域
経済
活性化させて、安定した
雇用
を増やして地域に定着する人を増やすというのは、これは更にそれが地域
経済
の活性化につながるということで非常に大事だと。地方自治体がこの間、
企業
誘致を盛んにやっているんですが、じゃ、実はそれで安定した
雇用
が生まれているかというと、そうなっていると言えない実情がございます。 例えば、コマーシャルでよく出ていますが、シャープの亀山工場、ここは三重県が九十億円の税金を投入して工場を誘致しました。三重県は、一万二千人の
雇用
効果がある、地域振興になるんだというふうに言って宣伝してきましたが、実際には従業員三千四百人のうち半分が請負中心の非正規
労働者
です。県内の正規
雇用
は四年間でわずか二百人規模だと。地元亀山市での正規採用は、これ市議会での
答弁
で、四年間で二十一人、工場全体の一%にも満たないんですね。余りにも地元
雇用
効果が低いんです。 それから、ほかの例では、千葉県茂原市の日立の関連工場、IPSアルファテクノロジ。この誘致では、県市が条例を作って、県が五十億、市が四十億円の補助金を出しました。しかし、正社員の新規採用はゼロ。従業員数千五百二十人のうち正規職員は六百六十名、しかし全員が誘致
企業
に隣接する親会社の日立ディスプレイズから、その工場から横滑りしただけだというんです。しかも、その日立ディスプレイズというのは、三千五百人から二千二百人に、千三百人の人減らしをしておりまして、
異動
した六百六十人のほかに六百四十人リストラしていると、こういう
企業
行動の中で新工場を造られた。
内閣
府の「地域の
経済
二〇〇五」によりましても、補助金交付の
雇用
への波及については、製造業の新規求人が増加するというような傾向は見られるのかと問い掛けておりまして、補助金設立年以降を見ると、むしろ寄与度は小さくなる、補助金の効果が明確に現れているとは言い切れないというふうに指摘をしているんです。
大臣
に見解をお伺いしたいんですが、地域の
雇用
だといって多額の誘致助成金を出して大
企業
を呼び込んでも、結果として
労働者
の地元への定着も
経済
効果も期待できない、あるいは場合によっては、かえってリストラに利用され、マイナスになっている、こういうケースもあるんです。
大臣
は、率直に、こういう
企業
誘致策というのは
雇用政策
から見て好ましいものだというふうにお考えになりますでしょうか。
柳澤伯夫
193
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 地域の
経済
の振興、また特に
雇用
の確保ということのために各自治体とも
企業
誘致に取り組んでいるということは、いわゆる地場資本による起業と、あるいは地場資本の
企業
の発展というものを期しつつも、同時にそういったことに熱心になるという背景は、私は
理解
できるところでございます。 その場合に、
雇用
の形態というものがどうあるべきかということについては、これはもう言うまでもなく正規
雇用
、正社員としての
雇用
が増大することが望ましいことはもう言うまでもないと私は考えます。したがって、各地方自治体ともそうしたことを望みながら、しかし実際のその地域の
経済
あるいは
雇用
というものを確保するためにいろいろ厳しい選択を迫られているのではないかと、このように考えます。そして、その最終の
判断
というものは、それぞれの地方公共団体において行われるべきものと考えます。 しかし、私、この
厚生労働
行政を預かる
立場
からは、やはり正社員、正規
雇用
がそれによって増大することが望ましいということは申し上げたいところでございます。
小池晃
194
○小池晃君 望ましいとおっしゃるのであれば、こういうことはどうなのかなと。例えば、京都府が条例で
企業
誘致の基準に正社員
雇用
を
位置付け
るような条例を作りました。これ地元
雇用
促進補助金というものであります。それまでは正規、非正規どちらでも一人三十万円という助成だったのを、正規
雇用
の場合は一人四十万円、障害者は五十万円、それ以外、つまり非正規
雇用
の場合は十万円ということで、その他の助成も含めて一
企業
当たり上限二十億円という制度なんですね。 これは、若者たちが運動で正規
雇用
を増やすということを求めたり、府議会で共産党の府
会議
員も求めたという
経過
の中で、今年の二月議会でそういう条例が成立をしています。この条例では、本則に安定した
雇用
及び障害者の
雇用
の促進ということを盛り込んだ、これは全国でもこういう
目的
を盛り込んだのは初めてだというんですね。
大臣
おっしゃるように、自治体の
判断
だと言いつつやっぱり
正規社員
が増えることが望ましいということであれば、やっぱりこういう正社員の
雇用
につながるインセンティブを持つようなこういう自治体での取組事例、こういうものを是非研究していただき、あるいは普及するなど、やっぱり正規
雇用
を増やすということを明確にした取組を進めるべきではないかと、国の施策にもこういう
考え方
生かすべきでないかと考えるんですが、
大臣
いかがですか。
高橋満
195
○
政府参考人
(
高橋満
君) 私ども、地域において
雇用
開発を進めていく、またそれを支援していく上で魅力ある
雇用
機会を創出していくと、こういう
意味
では非常に大事な点でございますが、私ども、今般の改正におきまして、
雇用
創造に向けた意欲の高い地域が提案する地域独自の取組を支援する、その際に、地域におきます取組の好事例というものを把握しながら、また他の地域にそれを周知していくということも大変効果的であろうというふうに考えますので、正規
雇用
の増加に取り組む自治体の例ということも含めて、それぞれの各地域に情報提供に努めてまいりたいというふうに考えております。
小池晃
196
○小池晃君
大臣
、ちょっと
大臣
、せっかく
大臣
って聞いたんだから、やっぱりこういう具体的にこういうふうなやり方って示したんで、こういうのいいと思いませんか。率直に感想をお聞かせ願いたい。
柳澤伯夫
197
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 先ほどの
答弁
を申し上げましたとおり、地方公共団体としてはいろいろな総合的な見地からぎりぎりの
判断
をしていろんな誘致策、振興策を取っていることは当然だと思うわけでございます。ただ、
厚生労働
の
立場
から申しますと、やはり正規
雇用
と、あるいは正社員というものの
雇用
が望ましいということを考えているわけでございまして、今のいろいろな全国における取組の中で情報を収集し、いろいろの評価と申しますか、そういったことも随伴的に行っていくということはあり得ることと考えます。
小池晃
198
○小池晃君 それから、若者の
雇用
の問題、
前回
も取り上げたんですけれども、実はこんな調査があるんです。 名古屋市立高等学校教員組合というところが高校を卒業してから六年ないし八年後の卒業生の生活
状況
等を調査した「どうしてる はたらく卒業生」という報告があるんです。これ、十年前にもやって、最近二回目なんですが、ちょうど高校を卒業して六年から八年、二十四歳から二十六歳ぐらいの若者の
状況
を調査しているんですね。 この実態調査を見ますと、愛知というのは
雇用
先進改善地域だと言われつつ、そういうところでも正規
雇用
の比率は九三年の九一%から、〇四年、七一%に減少しているという結果です。正社員になった卒業生は安心しているかというと、そうでもなくて、残業代出ないという人が三〇・九%、一部しか出ないという人も含めて五七・六%がサービス残業あると回答している。有給休暇がない、あっても取れないという人が十年前の一五%から二九%に倍増。疲れを感じているという人が
前回
の三七%から八七%へ激増。 よく七五三現象なんていって、卒業後三年までの離職率が中卒で七割、高卒で五割、大卒で三割なんてことをいいますが、なぜ離職に至るようになっているのか。やっぱり若者の
雇用
の実態をやっぱりリアルにつかんでいくということは大事なことではないかと思うんですが、そういう
意味
で、こういう若者の
雇用
をめぐる実態調査のようなものを
厚労省
として行うべきでないかと思うんですが、いかがですか。
高橋満
199
○
政府参考人
(
高橋満
君) 働いている若者が抱える悩みあるいは不安といったような今
委員
御指摘の点について、私どもとしては統計的な形での意識調査というものは行ってはおらないわけでございますが、ただ、こうした問題に関しまして、在職中の若者が職場における悩みを電子メールというような形で気軽に相談できる働く若者ネット相談事業というものに現在取り組んでおるところでございまして、この事業の中でいろいろ、どういう悩みがあるのかという点を把握をいたしております。 その相談内容としては、
一つ
は履歴書の書き方等の転職に関すること、それから仕事が合わないといったような仕事の内容に関すること、それから上司や同僚とうまくいかないといったような人間関係に関すること、そのほか労働条件に関することといったような事例があると私どもは承知をいたしております。
小池晃
200
○小池晃君 是非、こういう離職の
理由
などを把握するための調査をしていただきたいということを求めたいと思います。
最後
に、ちょっと通告していないんですが、今朝、新聞報道で年金の例の問題、いわゆる宙に浮いた記録問題で、五千万件について一年以内に調査をするんだという報道がされています。ところが、昨日の
衆議院
の
厚生労働委員会
のやり取りを聞く限りでは、
柳澤
大臣
は、一年以内に五千万件やるというふうには
答弁
されていないと思うんですが、これ、一年以内に、要するに、年金受給権者だけでなく加入者も含めて五千万の記録について全部突合を一年以内に終わらせるということなんですか。
柳澤伯夫
201
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 私も総理の
答弁
の場にいたわけですけれども、いろいろ、私自身の注意力ですべての
言葉
を全部聞き取るということが十分できなかったということもございまして、総理がそのことについてどのような
発言
をされたということについては、私、
答弁
する段階では必ずしも十分把握をいたしておりませんでした。 したがいまして、私は与党・
政府
の間で、
政府
と申しましても具体的には
厚生労働省
でございますけれども、その間で取りまとめた新しい
対応
策のラインで
答弁
を申し上げたわけでございますが、後ほど、総理の方では、一年でこの五千万件の突合を行うということの
趣旨
の
答弁
をなさったということも承知をいたしましたので、今後これをどのように私として処理をしていくかということについては検討しなければならないと、このように考えております。
小池晃
202
○小池晃君 いや、ちょっと今ので言うと、やはりそういう一年以内にじゃ五千万件全部について処理をするということで、そういう
方向
で検討して進めていくということでよろしいんですね。
柳澤伯夫
203
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) その
方向
でやらなくてはならないと、このように考えております。
小池晃
204
○小池晃君 この問題、本当に国民の深刻な不安の的になっていますので、
政府
の責任で解決していくことを求めていきたいというふうに思います。
質問
は以上で終わります。
福島みずほ
205
○
福島みずほ
君 社民党の
福島みずほ
です。
法案
の一条で、
現行
法では「国民
経済
の均衡ある発展」、これが「国民
経済
の均衡ある発展」と「完全
雇用
の達成」という
二つ
あるんですが、これが
削除
になっています。「国民
経済
の均衡ある発展」を
削除
をなぜしたかという点は、先日、
櫻井
委員
が
質問
されましたけれども、改めてお聞きをいたします。「均衡ある発展」の「均衡」、これを
削除
した
理由
は何でしょうか。
高橋満
206
○
政府参考人
(
高橋満
君) 今回の
法改正
案におきましては、人口減少等の中で今後とも
我が国
の
経済社会
の安定等を図るという観点を明確にする必要があったということと、他の労働関係法令の
規定
ぶりも参考にしながら、「
経済
及び社会の発展」という
文言
を付け加え、今御指摘のような「国民
経済
の均衡ある発展」ということが
削除
されておるわけでございますが、ただ、従来の地域あるいは産業などの視点から見た国民
経済
の均衡ある発展という概念、これをも含んだより広い概念として私どもはとらえておるところでございます。
福島みずほ
207
○
福島みずほ
君 均衡ある発展ということと発展ということは違うように思います。発展というのはどこか発展すればいいんですが、均衡ある発展というのはやはり地域間の格差是正や均衡という概念が入っています。なぜこれを落としたのか。
高橋満
208
○
政府参考人
(
高橋満
君) 繰り返しの
答弁
になりますが、そうしたこれまでの地域や産業などの視点から見た国民
経済
の均衡ある発展、こういうことをも含んだ広い概念ということで
経済
及び社会の発展という形で表させていただいたということでございます。
福島みずほ
209
○
福島みずほ
君
経済
及び社会の発展ということと均衡ある発展というのは違う概念です。でも、
答弁
がそのとおりですと、
法案
は均衡という
言葉
が
削除
されたけれども、均衡という概念を当然含んでいると。地域間の不均衡の是正ということ、これは
厚生労働省
としてもきちっと努力するという確認をさせてください。
高橋満
210
○
政府参考人
(
高橋満
君) 今回のこの改正
法案
の第四条第一項第十一号で、国が講ずべき施策ということで、「地域的な
雇用
構造の改善を図るため、
雇用
機会が不足している地域における
労働者
の
雇用
を促進するために必要な施策を充実すること。」と、こういうふうに書いてございまして、正に地域間のバランスある発展ということをも念頭に置いた国として講ずべき施策を掲げたというものでございます。
福島みずほ
211
○
福島みずほ
君 バランスある発展と均衡ある発展は概念が違います。均衡というのは、やはり格差は良くない、均衡ということはちょっとバランスという概念とは違うわけですね。 改めて、均衡ある発展ということ、国民
経済
の均衡ある発展、これは
厚生労働省
としては努力するということでよろしいですね。
高橋満
212
○
政府参考人
(
高橋満
君) 当然、私どももそういう観点から努力をしていくと。
福島みずほ
213
○
福島みずほ
君 第一条の、「労働市場の機能が適切に発揮され、」というふうになっています。これは、「労働市場の機能が適切に発揮され、」ということはどういうことでしょうか。つまり、
規制改革会議
労働タスクフォースなども、労働市場の機能が適切に発揮されると。これはある
意味
、均衡ある発展がなくなって労働市場の機能が出てきたことで、ある種、労働市場主義、自由競争原理の強化に切り替えたのではないかとすら思えるのですが、この点いかがですか。
高橋満
214
○
政府参考人
(
高橋満
君) この点、先ほどもお答え申し上げたところでございますが、一般に労働市場の機能と申し上げるときに、
一つ
は
外部
労働市場、
企業
の外での需給調整を図る機能と、それから
企業
の中で
労働者
が安定的に働けるようにするようないわゆる内部労働市場の機能と、こういう
二つ
の概念があろうかと思います。 それで、
雇用対策法
におきましては、正に
労働者
がその有する能力を有効に発揮できるようにすることを
目的
といたしておるわけでございますが、そのために需給の均衡を促進する、その
前提
として労働市場の機能が適切に発揮されると、こういうことであるわけでして、私どもとしては、
外部
労働市場という観点からいえば、職業紹介や
労働者派遣
と
労働力
需給調整のルールが適切に設定また遵守されると。また、内部労働市場という観点からいえば、
企業
の中で職業能力の開発及び向上あるいは
雇用
の継続等が図られるといったことなどを通じまして、適切にこの労働市場の機能が発揮されるということを期待しておるものでございます。
福島みずほ
215
○
福島みずほ
君 では、改めて聞きますが、この労働市場の機能が適切に発揮されということは、
規制改革会議
労働タスクフォースなどと
方向
は同じではないということでよろしいですね。
高橋満
216
○
政府参考人
(
高橋満
君) 今申し上げたような
趣旨
にかんがみて、
規制改革会議
の労働タスクフォースの意見の内容という点を見ますと、労働
政策
の在り方としては、相当納得できない点が含まれておるという
意味
では、私ども、今回の改正はこのタスクフォースの意見書とは同一の
方向
性のものではないと考えております。
福島みずほ
217
○
福島みずほ
君 OECDの対日審査報告書それから国連のESCAPの報告書によっても、
日本
においてジニ係数が大きくなっていること、正社員と非正社員との給料の格差があること、若い世代で非正社員の数が増えていること、正社員への移行が難しいこと、
雇用
者は
企業
の利益に比べて給料が増加していない点などが指摘されています。ESCAPの指摘を
大臣
はどう受け止めますか。
柳澤伯夫
218
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 御指摘のESCAPの報告につきましては先日発表をされたところでございますが、
日本
の
経済社会
の現状に対して様々な分析がなされているものと認識をいたしております。 一方、
日本経済
の現状を見ますと、足下では景気の持続的拡大や、
政府
がこれまで講じてきた各般にわたる
雇用対策
の効果によりまして、完全失業率の低下や正規
雇用
者数の五四半期連続の増加や、さらには新規学卒者の就職内定率の改善など、
状況
の改善が着実に進んでいるところであります。 したがいまして、私どもといたしましては、本日御審議いただいております
雇用対策法
及び
地域雇用開発促進法
を始めとして、一連の
労働法制
の整備に全力で取り組むことによりまして、これら
雇用
面におきます改善の動きを確実なものとしてまいりたい、このように考えております。
福島みずほ
219
○
福島みずほ
君 先日の発表でも、パートや
派遣
社員、非
正規社員
は六十三万人増、千七百二十六万人、ついに三三・七%に達したということが発表をされました。このように、
雇用
がESCAPやそれからOECDの報告書で指摘されるひどい労働の劣化が生じていて、これは取りも直さず、
労働法制
、
厚生労働省
、
政府
の
政策
の根本的な誤りがあるというふうに考えております。これは是非、現時点においても非正社員が増え続けているということはやっぱり改善が持たれていないと、これから
労働法制
の根本的な転換をしない限りこの改善はないというふうに考えますが、いかがですか。
柳澤伯夫
220
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) 確かに非正規
雇用
者も増加いたしまして、この割合としては増加ということになりましたが、同時に正規
雇用
者も増加をいたしております。非正規
雇用
者の増加の非常に大きな
部分
が女性によって占められているということをどう考えるかということもあろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、このようなことで
雇用
全体が増えている、正規
雇用
者も増えている、しかしまた非正規
雇用
者も増えているという
状況
でございまして、
委員
御指摘のように、
雇用
市場の全部の局面において劣化が進んでいるというような見方を私どもはいたしておりません。
福島みずほ
221
○
福島みずほ
君 OECD報告書、それからESCAPの報告は、
日本
の中において二極化の拡大や非正規
労働者
の拡大、パートタイム
労働者
の低賃金など、格差拡大の原因としてきちっと指摘をしています。それをどう克服していくかということが
政府
にも立法にも期待をされているところであり、格差の是正の
方向
をやるべきであるというふうに思います。 次に、先日、外国人
雇用
状況
の届出について
質問
しましたが、再度お聞きをいたします。
厚生労働省
の外国人
雇用
者についての情報は、離職した際に廃棄されるということでよろしいでしょうか。再就職をした際には前の職場の情報は
厚生労働省
に残っていないという
理解
でよいでしょうか。
岡崎淳一
222
○
政府参考人
(岡崎淳一君) 外国人
雇用
状況
報告につきましては、
基本
的に
雇用
保険の得喪届の中で在留資格等を外国人の場合には付加して出していただくと、こういうことにしています。 これのうち、
企業
ごとに就職、離職の
状況
、これは在職
期間
中は
企業
ごとにどういう方がそれぞれの
企業
で働いているか、これを管理していくわけでございますが、一方、個人の情報としましては、これは
日本
人も同じでございますが、
雇用
保険の情報としてその後の再就職支援とか職歴に基づきます様々な支援その他に使うという
意味
におきまして、それは
日本
人の場合と同じような形では残っていると、こういうことになります。
福島みずほ
223
○
福島みずほ
君
日本
人と同じように情報が残る。
岡崎淳一
224
○
政府参考人
(岡崎淳一君) 残ります。
雇用
保険の情報として取っておりますので、そういう
意味
においては残ります。
企業
ごとの
雇用
管理の
状況
としては、それは離職した時点でその管理が終わると、こういう
状況
になります。
福島みずほ
225
○
福島みずほ
君
厚生労働省
から入手した情報は、法務省は離日した際に破棄されるのか。また、再来日することもありますが、その際には以前の情報は破棄されているという
理解
でよろしいのでしょうか。また、再就職した際には前職場の情報は法務省で保有されるのか、廃棄されるのか。法務省、いかがでしょうか。
稲見敏夫
226
○
政府参考人
(稲見敏夫君) お答えいたします。
厚生労働省
さんから提供を受けました情報につきましては、出入国審査、在留審査、退去強制手続などの各事務ごとに情報提供を求めました
目的
が終わるまで保有し、保有する必要がなくなったときは、出国、再就職といった事実の発生と関係なく速やかに廃棄するということになります。 それから、御
質問
の再度来日したときに以前の情報は既に廃棄されているのか、あるいは再就職した際には前の職場の情報は廃棄されているのかという点につきましては、私どもが提供を受けました大多数の情報は御
質問
の時点、再来日あるいは再就職の時点のその前に廃棄されていると考えております。 大多数と申し上げましたので、例外があるわけでございます。若干細かくなりますが、例外として想定される点、二点ほど御
説明
いたしますと、
一つ
は、いただきました情報に基づきまして退去強制手続違反調査を開始した、そのときから時間が当然違反調査でございますので掛かることがある、その間に再就職された。この場合には、再就職の情報がありましても前の情報は私どもは保有させていただきます。これが
一つ
。 それからもう
一つ
は、退去強制をいたしました、その情報に基づきまして退去強制をしたということになりますと、これは私どもの処理の上ではその退去強制をいたしました外国人の個人記録の中に編綴いたします。この場合には、その個人記録としての廃棄期限に従って処理をするということになります。 でも、
委員
御案内のとおり、退去強制した人間につきましては上陸拒否
期間
がございますので、大半の場合は再度の来日の前に廃棄することになるんですが、これも御案内のとおり、上陸拒否
期間
でございましても、特別な事情がある場合には上陸特別許可を与えるということがございます。この場合には、再来日のときも情報を持っているということが起こり得ると、こういう例外的な場合はあると想定しているところでございます。 以上でございます。
福島みずほ
227
○
福島みずほ
君 書類の中に入れていくわけですよね。そうすると、それはかなり実は残って編綴されていくのではないですか。可能性としてはまた再来日することもあるわけですから。
稲見敏夫
228
○
政府参考人
(稲見敏夫君)
委員
御案内のとおりで、年間私どもが退去強制取っている件数、五万六千件でここ数年推移しております。そのうち、今後のことになりますが、
厚生労働省
さんからいただきました情報に基づいて退去強制手続が取れるものがどのぐらいあるかということになるわけでございまして、そんな大量な案件、それはあれば大変でございまして、全部逐一
対応
してまいりますが、そんな大量な案件になるとは考えていないところでございます。
福島みずほ
229
○
福島みずほ
君 根本的な
質問
ですが、法務省はなぜ
厚労省
に情報の提供を求めるのか、
厚労省
はなぜ法務省に情報を提供するのか。
稲見敏夫
230
○
政府参考人
(稲見敏夫君) 私ども、御案内のとおり、適正な在留管理、所管しております。また、その中で今
政府
全体で取り組んでおります不法就労対策、不法残留対策という観点からも情報をいただきたいということでございます。
福島みずほ
231
○
福島みずほ
君
厚生労働省
は、
厚生労働
という観点からこの管理というか、外国人に関しては届出制度を今回初めてきちっと採用するわけですね。 とすれば、法務省の入管局における不法就労対策は、今までパスポートやいろんな形の入管法の改正をおやりになってやっているわけで、
厚生労働省
が行うこの制度によってそれを法務省にやはり上げるという、要するに、はっきり言えば入管の下請として
厚生労働省
が働くというこのシステムはやはり
理解
ができないのですが、法務省は法務省として不法就労対策をやればいいわけじゃないですか。
稲見敏夫
232
○
政府参考人
(稲見敏夫君) 今、
政府
挙げて不法滞在者、不法就労者の削減に取り組んでいるところでございます。もちろん、年々効果は出ておりましてその総数は減少しておりますが、直近のデータ、今年の一月一日現在でございますが、いわゆる在留
期間
を徒過して不法に在留している者、不法残留、これは電算である程度検索ができるんですが、これが十七万、それからあと船舶等で密航してくる者、これが約三万、合わせて二十万の不法滞在者がいると推測しております。 この二十万のうちの大半の者が不法就労に従事しているということでございますんで、まだまだ、
政府
全体、私どもとしましては、
厚生労働省
さんを始めすべての省庁と連携いたしましてその削減に努めていく必要があると考えているということでございます。
福島みずほ
233
○
福島みずほ
君 今の
答弁
によっても、不法就労対策のいわゆる現場として
厚生労働省
がこの届出制度を採用するんじゃないか。それはやっぱり
厚生労働省
としてどうなんだろうか。しかも、この間の
答弁
で、常識によって
判断
をすると、外国人かどうか、というのがありました。それも、大変、外見上あるいは
日本
語能力から見て明らかに外国人であっても
日本
国籍の人は相当います。外見で
判断
させることは差別の助長であり、
日本
が批准している人種差別撤廃条約に抵触するおそれがあるのではないですか。
岡崎淳一
234
○
政府参考人
(岡崎淳一君) 各国ともそうだと思いますが、それぞれ在留資格等を定めまして、その範囲内で外国人の場合は就労できると、こういうシステムを取っています。諸外国におきましても、届出をするかしないかとかいろんな差異はありますけれども、やはり外国人を雇う場合には在留資格等をちゃんと確認して雇うようにと、それぞれいろんな形で制度化されております。
我が国
においても、そういうことを今回きちんと
法律
で定めまして、就職の際には、外国人の場合には在留資格を確認してそれを更に届け出てくださいと、こうしたわけです。 したがいまして、そういう
意味
におきまして、だれが外国人かというのはその
前提
にあるわけでございますが、これはそれぞれ通常の
判断
力でもって
基本
的にはまず
判断
していただくということにならざるを得ないんではないかと思っていますし、そうしたからといって、それが人権条約等々に違反するということにはならないんではないかというふうに考えております。
福島みずほ
235
○
福島みずほ
君 在留資格を確認をして人を採用するという問題と、それを
厚生労働省
に必ず届け出なくちゃいけない。それが、場合によっては罰則の
規定
によって左右されるという、ここが問題だと思います。 外国人を採用する場合に在留資格を確認するということは従来の
政策
上も一応まあ分かるわけですね。ところが、今回のポイントはそれを全部届け出させて、事業主にですね、すべての事業主に特別在留許可以外の人たちについては全部届けさせて、それが法務省の求めに応じて出すという、ここの仕組みを新しく導入している点が全く違うと思います。だから、なぜ
日本
人でやらないことを全部やるのかというところがこの
法案
は全く
理解
ができません。
厚生労働省
は、外国人
雇用
状況
届出制度によって外国人就労の実態が分かれば労働条件や労働環境の改善が図られると
答弁
しています。では、今の時点で就労実態が完全に把握できている外国人技能実習制度において、なぜ人権を無視した労働環境が放置されて、労働環境が悪いのでしょうか。
奥田久美
236
○
政府参考人
(奥田久美君) 外国人研修・技能実習制度につきましていろんな問題が起きているわけでございますけれども、まず、研修生の身分の間のいろんな問題がございます。これにつきましては、
現行
の制度ですと労働法の保護が及ばないということがございまして、そういった問題が起きているということがございます。 それから、実習生の段階になりましての問題につきましては、先ほど小池議員の
議論
の中にもございましたけれども、実習生が置かれている
状況
、言わば多大の管理費を払っているというふうなことで、第一次受入れ機関に不正があった場合には自分たちも強制退去させられてしまうというようなこともありまして、なかなかそういったことを監督署に申出ができないというようなことも事情としてあるのではないかというふうに思っているわけでございますけれども、そういったようないろんな
状況
の下で、先ほどお答えをいたしましたけれども、不正が起きないようにということで各種の対策を講じているところでございます。
福島みずほ
237
○
福島みずほ
君 この外国人
雇用
状況
届出制度が外国人の人にとって何かメリットがあるかとやっぱり根本的に疑問に思います。きちっと把握をされている外国人技能実習制度においてむしろ労働環境が悪く、放置されているわけですね。自分たちの実態を把握してもらえれば、じゃ労働環境が改善するのかと、その担保が実はないというふうに思います。 法務
大臣
が求める情報は、入管法、外登法に定める事務の処理に関し、外国人の在留に関する事項の確認のために限定されるといいますが、これは極めて広範な範囲となり、限定がないに等しいと思います。法務省から要求され、
厚生労働省
が情報を提供するに足る
理由
について、基準をきちっとお示しください。
岡崎淳一
238
○
政府参考人
(岡崎淳一君) これは、私ども
厚生労働省
としましては、法務
大臣
からの求めに応じて
対応
するということでありますので、法務
大臣
の方から、今先生の読み上げられました、要するに入管法等に定める事務の処理のために必要な
理由
、これを示していただいて、その
理由
を見た上でこの二十九条に当たっているかどうかを
判断
していきたいと、こういうふうに考えております。
福島みずほ
239
○
福島みずほ
君 いや、それが極めて広範囲なために、これ全部入るじゃないですか。外国人の在留に関する事項の確認のためって非常に広い。
厚生労働省
が把握している外国人の人たちの届出に関して法務省から言われたら、拒否できなくなりますよ、そうしたら。
厚生労働省
は自分たちのイニシアチブできちっと情報管理、個人情報保護法に基づいてやらないと、向こうが言ってきた基準に合わせるということでは、この
法案
、駄目ですよ。
岡崎淳一
240
○
政府参考人
(岡崎淳一君) 法務省として入国管理、在留管理をする際にどういうことで必要かということは、まず法務
大臣
の方から示していただくというのが
前提
であろうと。それは、私どもの方で
雇用対策法
の二十九条に基づきまして適切に
判断
させていただくということだろうというふうに思っております。
福島みずほ
241
○
福島みずほ
君 法務省、基準を示してください。
稲見敏夫
242
○
政府参考人
(稲見敏夫君) 詳細につきましてはこれから
厚生労働省
さんと協議させていただきますけれども、
基本
的に、情報提供を求める際につきましては、入管法で定める事務処理に必要な
理由
、これを示して、かつその提供を求める情報、例えば氏名、在留資格、在留
期間
というものをこれこれの
理由
で必要だから下さいというようなことで申し上げるということでございます。 具体的に
一つ
申し上げますと、例えば外国人の氏名、在留資格、在留
期間
などの身分事項でございますが、これにつきましては外国人を特定するために必要不可欠な情報であるということに加えまして、その人物、当該人物が在留を認められている者かどうか、すなわち人物の成り代わりとかすり替わりがないかと。退去強制手続等において確認するために必要だから提供してくださいというようなことを申し上げて提供をお願いするということになろうかと考えております。
福島みずほ
243
○
福島みずほ
君 法務省は、顔識別機能だとかパスポートや外国人登録証で非常に努力を、いいか悪いかは別にして、されていらっしゃいますよね。こちらの、
厚生労働省
が持っている情報は、そういうものはないんですよ。どうやってその成り代わりや成り済ましの
判断
をするんですか。
稲見敏夫
244
○
政府参考人
(稲見敏夫君) 一番簡単なのは身分事項を、私どもが承知しておりますのは、不法就労をする者の中にはいろんなブローカーにお金を払いまして、偽変造された外国人登録証明書等を使って不法就労しているという事実がございます。そこで使われている氏名は、はっきり言えばイミテーションのものでございます。私どもが正確に持っている実際のデータと突き合わせれば、成り代わり、成り済ましは分かってくるということでございます。
福島みずほ
245
○
福島みずほ
君 そうしますと、広範囲にそれをやるんでしょうか、個別にやるんでしょうか。
稲見敏夫
246
○
政府参考人
(稲見敏夫君) 現時点ではそこまで、どういう場合にどの程度、まとめてとか個別にと、そこまでまだ細かく検討はしておりません。
福島みずほ
247
○
福島みずほ
君 だったら非常に問題です。すべての情報を提供しろといって全部照合するのか、Aという人物が問題になったときにやるのか、どの範囲でどう情報が共有されるのか、現時点で明らかになっていない。これ、
国会
で
判断
できないですよ。
稲見敏夫
248
○
政府参考人
(稲見敏夫君) ちょっと
説明
が不十分でした。個別に照会するということは当然にございます。それはもう
前提
にしている。 包括的な場合につきましては、包括的な照会も当然あり得ると考えておりますが、具体的な場合、どの程度の範囲というのは今後検討させていただきたいということでございます。
福島みずほ
249
○
福島みずほ
君 重要な行政官庁間における、どういう情報が行くのかに関して、かように個人のプライバシーに関する情報がどういう範囲で行くのか分からない。個別の照合はさておき、包括的もあり得ると。どういうふうに、この法務省と
厚生労働省
、全く
趣旨
の違う官庁同士でどう情報が行くのか、本日に至るも全く明らかになっていません。これはやはり非常にブランクで、極めて個人情報保護法上、あんなに頑張って
国会
で
議論
をしたにもかかわらず、極めて問題です。情報が全部スルーしていくかもしれない、その可能性が今日の
答弁
であり、極めて問題です。全く納得することはできません。 次に、外国人
労働者
の社会保険の加入
状況
が低いので、
雇用
状況
届出制度を加入促進に役立てるとしています。しかし、
雇用
保険の届出は職安、社会保険は社会保険事務所、健保組合等と違います。通常、職安と社会保険は事務を共有していません。社会保険の点はどのように改善するのでしょうか。
岡崎淳一
250
○
政府参考人
(岡崎淳一君) これは
日本
人の場合も同様でございますが、最近は、社会保険と労働保険の適用につきまして、ハローワークと社会保険事務所は連携しながら仕事をしております。したがいまして、外国人の方につきましても
日本
人の場合と同様に、ハローワークでの把握した情報の中で未加入等の疑いがあるという場合には、社会保険事務所と協力しながら
企業
等に加入、適用を指導すると、こういう形でやっていきたいと、こういうふうに考えております。
福島みずほ
251
○
福島みずほ
君 外国人の人は、
日本
語はしゃべれても書くことが苦手とか、様々なハンディがあります。どうやって
雇用
の応援をしていくのか、ハローワークや職業訓練において、例えば言語の指導をする、
日本
語の教育指導をする、多言語で
対応
するという
理解
でよろしいのでしょうか。職業訓練に
日本
語教育も入るという
理解
でよろしいでしょうか。
岡崎淳一
252
○
政府参考人
(岡崎淳一君) ハローワークにおきましても、外国人専門に支援する外国人
雇用
センターも
二つ
ばかり置いておりますし、それ以外に外国人の方を支援するためのコーナー、そこには、その地域のそれぞれの
状況
に応じまして必要な言語の通訳等も置いているというようなことでありまして、私どもとしましては、それぞれのハローワークにおきまして必要な語学等の問題も含めましてきめ細かに
対応
していきたいと、こういうふうに考えております。 それから、職業訓練等につきましても、必要な範囲で
日本
語の点を含めまして
対応
していきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
福島みずほ
253
○
福島みずほ
君
最後
に一言。先日、小池
委員
の方からレストボックスについての
質問
がありました。私も一言話を聞きたいと思います。 これは、問題なのは、単に住居を借りれないんですよ、住居は借りれない。要するに、そのレストボックスに入るためには、
雇用
契約を結んでそこで働かなくちゃいけない、だからウ飼いのウみたいな形になっていて、自分は泊まりたいということができないんですね。ですから、これは強制労働を禁止している労働基準法違反となり得るのではないか。この点についていかがですか。
高橋満
254
○
政府参考人
(
高橋満
君) 宿泊事業を営みながら例えばそういう
派遣
就業等々にもあっせん等々行います場合、職業紹介事業の許可をもちろん持っているということであるならば兼業禁止については今
基本
的にないわけでございます。ただ、専らその宿泊者のみに職業紹介を行うということに実態としてあるということになると、これは職業紹介の許可基準にそぐわない、基準から見てそぐわないということで許可されないということがあろうかと思います。それから、支配従属関係にある中で
労働者
を他人に
雇用
させるという実態にもしあるということになれば、これはいわゆる
労働者
供給事業等に当たりかねない。 こういうことで、いずれにしましても、実態に即して職業安定法等に違反するような
状況
があれば、これは監督指導を行って是正を図らせていくということでございます。
福島みずほ
255
○
福島みずほ
君 聞きたいことがほかにも山ほどありますが、時間ですから終わります。
鶴保庸介
256
○
委員長
(
鶴保庸介
君) 他に御
発言
もないようですから、
質疑
は終局したものと認めます。 ─────────────
鶴保庸介
257
○
委員長
(
鶴保庸介
君) この際、
委員
の
異動
について御報告いたします。 本日、
山本孝史
君、
辻泰弘
君、
南野知惠子
君及び
中島
眞人
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
松下
新平
君、
前川
清成
君、
野村
哲郎
君及び
岩城
光英
君が選任されました。 ─────────────
鶴保庸介
258
○
委員長
(
鶴保庸介
君) これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
津田弥太郎
259
○
津田弥太郎
君
民主党
の
津田弥太郎
です。 私は、
民主党
・
新緑風会
を代表し、ただいま議題となりました
法律案
に対し、反対の
立場
から討論いたします。 反対の第一の
理由
は、本
法案
が、ふろしきは大きく広げていながらも、内容を精査していくとその
一つ
一つ
が不十分であることです。 例えば、
法案
の第四条で就職困難層の類型ごとに国が行うべき施策を
規定
していますが、その内容は単に「必要な施策を充実すること。」にとどまり、具体的な施策の裏付けは何らなされておりません。とりわけ、究極の不安定
雇用
、日雇
派遣
で日々の糧を得ているネットカフェ難民については、調査を予定する時期さえも明言されずに
委員会
審議が
終了
することとなりました。 また、就職氷河期に学校を卒業し、能力開発の機会を得られないままに今日に至っている若者に対し、早急な対策の必要性自体は認めながらも、
政府
案では三十五歳から四十歳までが施策の対象から抜け落ちております。さらに、募集、採用に係る年齢制限を禁止している
規定
の適用範囲が不明確であり、公務員を適用対象から外していること、ワーク・ライフ・バランスが盛り込まれていないことなど、不十分な項目は枚挙にいとまがありません。これでは、本
法案
が人口減少社会の到来を見据え新たな
雇用
モデルを構築する基盤であるとの認識を
政府
・与党と共有することはできません。 反対の第二の
理由
は、本
法案
が
雇用対策基本計画
に関する
規定
を
削除
していることです。 同
計画
は、国が
雇用政策
に責任を持つべきとの観点から、他省庁にも影響を及ぼせる
閣議決定
事項として
政府
が一丸となって
雇用対策
に当たる根拠となっておりました。本日の辻
委員
の
質疑
で明らかになったように、
前提
となる
経済計画
に相当するものが継続する一方で、
雇用対策基本計画
を安易に廃止し、その
理由
を国民の前に明確に
説明
することさえできない
状況
を、私どもは容認するわけにはまいりません。 第三の
理由
は、
法案
中の外国人の適正な
雇用
管理の
基本
的な
趣旨
に疑義があることです。
政府
の
答弁
においては、不法就労対策と外国人の
雇用
促進、
雇用
管理の改善の
位置付け
に明確な優先順位がありませんでした。しかし、本
法案
が
厚生労働委員会
で審議される労働法であることを踏まえるならば、あくまでも不法就労対策は副次的なものであり、両者が等価値ということはあり得ないはずと考えます。
厚生労働省
がそれほど
雇用
の場における違法状態の解消に関心を持たれているのであれば、まず対策を講ずるべきは、例えば明確な違法行為である賃金不払残業を行っている事業主への厳しい
対応
であるはずです。 さて、本
法案
の本
会議
質問
の際、私は、現在の社会不安をもたらした最大の要因が働き方のゆがみであることを指摘いたしました。三人に一人が非正規
雇用
の
労働者
となり、若者を中心としたフリーターが二百一万人に達し、あまつさえワーキングプアやネットカフェ難民が急増している現状は、戦後最長の景気拡大を
政府
自らが喧伝する国とは到底思えません。 一方で、正社員は、正社員であり続けるために、ノルマの達成に追われ、長時間労働に苦しみ、その結果として、過労や業務上のストレスによる自殺者が過去最高を記録し、うつ病など
精神
疾患による労災認定も、四年間で二倍以上に増加しています。 これら同時並行している
雇用
の深刻な問題は、いずれも目先の人的
コスト
削減のみを至上命題としてきた
経済財政諮問会議
主導の
雇用
の
規制緩和
に基づくものであることは、今や疑うべきもありません。にもかかわらず、本
法案
の本
会議
質問
が行われた三日後には、
内閣
府所管の
規制改革会議
において、労働タスクフォースなる
名前
の下、これまで先人が積み重ねてきた
労働法制
の根幹を否定し、
閣議決定
を経て
国会
に提出されている
法案
とも矛盾する内容が提言されたことは、正に許されない暴挙であります。 選挙を経た国民代表である国
会議
員でもなく、国家公務員法で縛られ議院
内閣
制の下で責任を負いながら働く国家公務員でもない、そのような
立場
の民間人が国政の
重要事項
を実質的にコントロールしている現状を打破しない限り、今後どのような
労働者
保護策を
厚生労働省
が目指そうとも、それは右手で与え左手で奪うことにしかなりません。 改めて、
厚生労働省
には自らの存在意義を問い直していただくことを強く求め、私の反対討論を終わります。
小池晃
260
○小池晃君 私は、
日本
共産党を代表して、
政府
提出の
雇用対策法
及び
地域雇用開発促進法
の一部を改正する
法律案
に対して、反対の討論を行います。
雇用対策法
は、その
目的
で、国が安定した
雇用
の維持を図ることで完全
雇用
の達成を目指すとし、国の
雇用対策
を具体化する
雇用対策基本計画
を
策定
してきました。今回、
雇用対策基本計画
が廃止され、今後は
進路
と
戦略
など、
労働者
代表も加わらない
経済財政諮問会議
など、
経済
界の要請に沿った
雇用対策
が決められることになります。 これは、労働時間の短縮を始め、国が果たすべき労働条件の改善や
雇用対策
への責任を投げ捨てるものにほかならず、それに代わるという
中期
ビジョン
についても、これまでの
閣議決定
から
厚労省
の
方針
へとその
位置付け
を後退させるもので、容認することはできません。 さらに、今回、外国人
労働者
の
雇用
状況
に関する報告制度が義務化され、公共職業安定所に集約された外国人
労働者
の個人情報が、法務省の求めがあった場合に提供することが義務付けられています。
雇用
保険未加入や極端に低い賃金、残業代の未払など、劣悪な労働条件の下に置かれている外国人
労働者
の無権利状態を改善することは急務の課題であり、そのために外国人
労働者
の就労実態を把握することは必要です。 しかし、入管法違反を摘発する法務省への情報提供が
前提
になると事業者からきちんとした情報が提供される保証がありません。また、外国人
労働者
にとって自分たちの労働条件を守ってくれる行政である労働基準監督署やハローワークが自分たちを摘発する機関と一体だということになれば、労働行政機関から外国人
労働者
の足が遠のくことは明らかで、
雇用
管理の改善や再就職支援につながらず、逆行することになりかねません。 なお、
地域雇用開発促進法
改正は、地域類型の再編や助成金の要件を
変更
するとしておりますが、いまだ深刻な
雇用
情勢の下で抜本的な地域
雇用対策
とはなっておらず、安定した正規
雇用
を創出することも含め、その制度や規模が極めて小さく、効果が期待できるものとなっていないことを重ねて指摘しておきます。 以上を述べて、討論とします。
福島みずほ
261
○
福島みずほ
君 私は、社会
民主党
・護憲連合を代表して、
内閣提出
の
雇用対策法
及び
地域雇用開発促進法
の一部を改正する
法律案
に反対の
立場
から討論を行います。 まず、本
法案
は
目的
を大きく変えています。
現行
法が国民の
経済
の均衡ある発展としていた
部分
が変わって、労働市場の機能が適切に発揮されとなっています。これまで国民全体を考えた労働
政策
が大きく転換することを
意味
しており、認められません。 また、本
法案
は、若者、女性、高齢者、障害者の
雇用対策
を
目的
とうたいながら、これまで出されている施策と特段変わったところは何もありません。しかし、
一つ
だけ飛び抜けて変わる点が外国人
労働者
への
政策
です。外国人を
雇用
した
雇用
主に対して、その外国人
労働者
の個人情報を
厚生労働省
に提供することを義務付ける外国人
雇用
状況
届出制度を新設しています。外国人の不法就労をなくし、その
雇用
環境を改善することを
目的
としていますが、
厚生労働省
が外国人
労働者
の個人情報を把握することがなぜ外国人
労働者
の
雇用
状況
改善につながるのか、
厚生労働省
の
答弁
を聞いても全く納得できません。
雇用
主に対して
厚生労働省
が外国人かどうかを常識的に
判断
してという方法は、人を皮膚の色や
言葉
遣いといった表面的なもので
判断
することを奨励するもので、人種差別撤廃条約に反する行為でもあることを指摘せざるを得ません。永住者にまで対象とするやり方は、多様な人々を社会の中で受け入れるというのではなく、むしろ区別し排除することにつながるのではないかという点に大変危惧を持っています。 また、
厚生労働省
から入手した外国人
労働者
の個人情報は法務省の求めに応じて提供されることになっています。しかし、その保有の
目的
も保管条件も極めてあいまいであり、行政機関個人情報保護法違反を疑う制度になっています。
雇用
管理のためとの
答弁
ですが、むしろこの制度は、労働の現場から外国人の出入国を管理に資するための制度となるのではないかと思われ、極めて問題があります。 以上の
理由
をもって社民党は本
法案
に反対であることを表明して、反対討論といたします。
鶴保庸介
262
○
委員長
(
鶴保庸介
君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。
雇用対策法
及び
地域雇用開発促進法
の一部を改正する
法律案
に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
鶴保庸介
263
○
委員長
(
鶴保庸介
君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、中村君から
発言
を求められておりますので、これを許します。中村博彦君。
中村博彦
264
○中村博彦君 私は、ただいま可決されました
雇用対策法
及び
地域雇用開発促進法
の一部を改正する
法律案
に対し、自由
民主党
、
民主党
・
新緑風会
及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。
雇用対策法
及び
地域雇用開発促進法
の一部を改正する
法律案
に対する附帯決議(案)
政府
は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一、人口減少下における
経済社会情勢
の
変化
、
雇用
情勢の
変化
、
雇用
・就業形態の多様化等に的確に
対応
するため、若者、女性、高齢者、障害者等、働く希望を持つすべての者の就業参加の実現、良質な
雇用
の創出、セーフティネットの整備等に向け、積極的
雇用政策
の推進に取り組むこと。 二、公共職業安定所(ハローワーク)は、
政府
の
雇用対策
の実施に当たり、
雇用
のセーフティネットとしての役割を担う中核的機関であることを認識し、その役割・機能を一層強化するよう努めること。 三、青少年の
雇用
機会の確保については、これを事業主の努力義務とするに当たり、年長フリーターの正規
雇用
化が着実に進むよう、実効性のある
大臣
指針を
策定
するとともに、当該指針に基づき、都道府県労働局及びハローワークが関係
企業
に対して強力な指導を行うこと。また、三十五歳以上の者についても、個々の求職者の
状況
を踏まえ、きめ細かな支援措置を講ずること。さらに、若年者のためのワンストップサービスセンター(ジョブカフェ)は、地方における若者の
雇用対策
の中核的拠点となっていることを踏まえ、同事業を実施する都道府県に対して必要な支援を行うこと。 四、いわゆるネットカフェ難民を含め常用
雇用
化を望む日雇い
派遣
労働者
等の
雇用
の安定を図ることは喫緊の
政策
課題であることにかんがみ、適切な対策を講ずること。 五、
労働者
の募集及び採用に係る年齢制限の禁止の義務化に当たり、事業主等への周知徹底に努めるとともに、真に実効性あるものとなるよう、従来、例外的に年齢制限が認められる場合として指針に定められてきた事項を抜本的に見直し、必要最小限に限定すること。また、国家公務員及び地方公務員についても、民間事業主への義務化を踏まえ、本改正の理念の具体化に向け適切な
対応
を図ること。 六、不安定な
雇用
環境の下で就労する外国人
労働者
の
雇用
環境の改善に向けて具体的対策を推進すること。また、外国人
雇用
状況
報告は、外国人
労働者
の
雇用
管理の改善、円滑な再就職の促進等に確実に役立てるようにするとともに、
厚生労働大臣
は、法務
大臣
からの情報提供の求めに対しては、その
目的
等に照らし、必要な範囲で、適正に
対応
すること。特に、個人情報の取扱いに当たっては、行政機関の保有する個人情報の保護に関する
法律
に従い、その保護に万全を期すこと。また、外国人であることの確認が
雇用
における国籍差別を招くことがないように、指針に職業安定法第三条及び労働基準法第三条の
趣旨
を明示するなど、適切な対策を講ずること。 七、「技術立国」、「ものづくり
日本
」を掲げる
我が国
にとって、技能
労働者
の養成は重要な課題であることにかんがみ、本改正により「技能
労働者
の養成確保」の表現が
削除
されても、その取組が低下することのないよう、今後とも、関係機関と十分な連携を図り、技能
労働者
の養成及び技能の向上に努めること。 八、地域間で
雇用
情勢に大きな格差が見られる中で、
雇用対策
は、地域の実情に応じ、国と地方公共団体との密接な連携により機動的かつ効果的に実施することが重要であることにかんがみ、産業
政策
をはじめ地域再生に向けた取組と一体となって、実効ある
雇用
創出の取組の推進に努めること。また、引き続き、
雇用
情勢の特に厳しい地域に対する
雇用対策
の強化に努めること。 九、
雇用対策基本計画
の廃止によっても、
雇用
に関する施策を総合的かつ
計画
的に推進することが重要であることから、別途、
雇用
に関する施策についての
基本
的な
方針
を定めること。その際、労働
政策
審議会
において労使の意見を十分踏まえるよう努めること。また、都道府県労働
局長
が
雇用
施策の実施に関する
方針
を定めるに当たっては、都道府県知事の意見を聞くとともに、地方労働
審議会
において地域の労使の意見を十分踏まえるよう努めること。 十、短時間
労働者
について通常の
労働者
への転換の推進が図られるようになったこと等を踏まえ、有期労働契約を締結している
労働者
についても、その
雇用
管理の改善や通常の
労働者
への転換を支援するための施策を講ずるようにすること。 十一、すべての
労働者
に仕事と生活の
調和
(ワークライフバランス)が確保されるよう、労働条件の改善、就業環境の整備等の
雇用
管理改善に向けた施策を講ずるよう努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、
委員
各位の御賛同をお願い申し上げます。
鶴保庸介
265
○
委員長
(
鶴保庸介
君) ただいま中村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
鶴保庸介
266
○
委員長
(
鶴保庸介
君) 多数と認めます。よって、中村君提出の附帯決議案は多数をもって本
委員会
の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、
柳澤
厚生労働大臣
から
発言
を求められておりますので、この際、これを許します。
柳澤
厚生労働大臣
。
柳澤伯夫
267
○
国務大臣
(
柳澤伯夫君
) ただいま御決議のありました本
法案
に対する附帯決議につきましては、その
趣旨
を十分尊重し、努力してまいる所存であります。
鶴保庸介
268
○
委員長
(
鶴保庸介
君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
鶴保庸介
269
○
委員長
(
鶴保庸介
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十七分散会