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阿部正俊君 意欲が見えますけれ
ども、ただ高市
大臣、やっぱり今までの仕組みを、財政配分も含めて、あるいは国の財源もどう確保するかということも含めて、相当思い切った転換がないと駄目だと思うんですよ、私。何か制度はできている、使ってないの、
認識足りないみたいな発想されているようでございますけれ
ども、全く違うんじゃないのか。それだけの力強さがないということ。今までの仕組みでは駄目だと、駄目だという、いい悪いじゃないですよ。
社会情勢に合ってないということで、例えば
女性と仕事の場面だとかね。
だから、情勢をどう変えるんだという
目標を持たないと駄目だと僕は思うんですよ。そういうのがない、感じられないですね。何か、今までやってたこと何か使い勝手がいいとか悪いとかという話じゃないと思う。後でもう少し具体的な話触れますけどね。その点、やはり今までの仕組みは仕組み、いろんな
意味で、やってきた中身も力強さと本当の
意味での
目標がはっきりしないというような僕は気がするんですよ。その辺触れてみたいと思います。
それで、
少子化対策ということに今言われてますけれ
ども、私は、その
少子化対策というのはずっと昔から疑問に思っています。
少子化少子化というと今の世代にとっては何か
少子化が物すごく困ると。よく年金で言われましたね。おれ
たちの年金は
少子化だともらえなくなる、心配だと、だからもっと産め産めみたいな話になってしまうと。
少子化じゃないんじゃないかと。
それは、現世代にとっては、先世代は年金受給者ですな。現世代にとって働いている人、まあ六十五まで、二十四、五歳からね、と思うんですね。それ以下は僕は後世代だと思うんですね。後世代がどういうふうな形でこれから育成されていくのか、そのための条件というのは現世代が用意しなきゃならぬということだと思うんです。だから、私は、
少子化対策と、
子供の数の問題というのはえてして、午前中も
千葉さんからも攻撃されていましたけれ
ども、どうしてもやっぱり個別の
子供の数とかなんとかになっちゃうんですよ。個々人の、あるいは職業別のとかね、あるいは家庭の主婦がどうだこうだとかね。
個人の問題じゃないと思うんです、この問題というのは。
正直言いまして、例えば
女性の就労の話というのはヨーロッパ諸国と比較しましても、別にするまでもないんですが、私は、
女性の権利とかなんとかということよりも、これからの経済
社会、物すごく高度になった経済情勢を維持し、その中で経済を、
社会を維持するとなれば、正直に言って、
女性も従来の専業主婦とかいう言葉にあるような形をモデルにするのではなくて、すべての
女性がそれなりの、言わばフルタイムの労働に従事できる
社会というのをつくっていく覚悟が僕は要るんじゃないかと思う。そうでないと、言わば一馬力でやっていた、のうのうとやれる時代じゃないし、かつまた、それでは足りない相当高度でかなり豊かな
現実が展開されるわけでございますので、それをやはり二馬力でやっていきましょうということじゃないと僕はできないと思うんですよ、一言で言いますと、権利じゃなくて。
そういう経済情勢を維持するかということをどうするのかねと、そうなったときに、従来のモデルからいえば
女性が育てるというふうなこと、常識だったかもしれませんのですけれ
ども、それじゃうまくいかぬと、これはやっぱりそうすると次世代の育成への力が物すごく落ちますと、それは次世代の育成に責任を持つ現世代として余りにもおかしいんじゃないかと。そこのところをもう少し、言わば私は次世代育成力と言っていますけど、それを保持してこの
社会を引っ張っていかなきゃいかぬということが成り立つんではないかと。
したがって、
少子化というと、何か将来、年金心配だからもっとどんどん産んでもらって、おれ
たちの年金を心配ないようにしてくれみたいな発想で、僕は現世代のエゴだと思います。そうじゃなくて、次世代に対する、次世代をきっちり育ち得る条件をつくりますというのが現世代の責任じゃないのかなと思います。そういうことに立てば、私は、例えで言えば、次世代育成
政策と言った方がいいのではないかと思います。この後、
子供が、
個人個人が産む、産まないとか、人数がどうだこうだとかという話じゃないんですよというふうなことを是非提案申し上げて、そういうことで
柳澤大臣も少し御
自分の見てきた視点をちょっと変えてみるということをやっていただくと有り難いなというふうに思います。
これから、やっぱり
一つは、前提として、例えば
女性の、後でM字カーブというのをちょっと取り上げますが、あの辺の対応になると全然進んでないわけですよね。結果としてやっぱりそれが、全員がフルタイムで、パートタイムがいいわけじゃないんですよ、フルタイムで働いてもらわなきゃこれからの経済は成り立っていきません。特に女子労働と高齢者の労働への参加ということが絶対必要なんですから、それを実現するためにどうするかというような視点ね。
僕は、もう
一つは、親の育児支援という格好をどうしても取るんですけれ
ども、そうじゃなくて、個別の親の問題じゃないんですよ。
社会全体と次世代がどう育っているのかねということについてどう
考えるかということを、その条件づくりを言わば全体で、経済界、
社会でも、あるいは公的なサービスなりも含めて実現するかということなんじゃないかと、勝手な思い込みかもしれませんけれ
ども、私はそう思います。
そういうことで、だから、今までの個々人の対応に着目した
少子化対策という視点じゃなくて、あるいは親から子を見る視点から一歩進めて、次世代の育成をどうするんだと。それから、我々の現世代としては次世代を育成する力を落とさず保持していくためにどうするかという視点で物を
考えていただきたいと思いますけど、この辺の
考え方について
柳澤大臣はどうお受け取りされますか。御見解を聞かせてください。