○
委員長(
泉信也君) これより討論に入ります。
各党の討論に入るに先立ち、この際御報告いたします。
平成十七年度
決算審査措置要求決議案及び
内閣に対する警告については、
理事会において
協議の結果、お手元に配付いたしましたような案文とすることに意見が一致いたしました。
それでは、警告の案文を朗読いたします。
内閣に対し、次のとおり警告する。
内閣は、適切な
措置を講じ、その結果を本院に報告すべきである。
1
国民との双方向の重要な対話の場として
政府が行うタウンミーティングにおいて、コスト意識を欠いた不適切な運営が行われていたことに加え、
内閣の
重要課題について広く
国民から意見を聞くという趣旨を逸脱し、事前に発言の依頼が行われていたことは、看過できない。
政府は、新たな方式による出直しに当たり、
国民との直接対話の意義及び広く民意を政策形成に反映させることの重要性を
認識し、
関係者全員に対してコスト意識を
徹底させるとともに、テーマや発言者の選定、契約、会計経理などについて、透明かつ公正適切な運営への
改善を図り、効果的な
国民との直接対話の場の実現に尽力すべきである。
2
全国の四十七
都道府県労働局すべてにおいて、物品の購入に当たり、納入されていない物品を納入されたこととして虚偽の
内容の書類が作成されていたほか、多くの労働局において、
庁費、謝金、旅費、
超過勤務手当等の
不正支出が組織的かつ恒常的に行われ、加えて国庫金の領得などの
事態が引き起こされ、使途についても不明な部分があったことは、極めて遺憾である。
政府は、この大規模な不正
行為を
厚生労働省の特定監査で確認できなかったこと、並びに発見された
不正経理の範囲が年々
拡大し、三年続けて警告等を受ける
事態を引き起こしたことの
責任を重く受け止め、
都道府県労働局に対する
監査体制の一層の充実を図るとともに、他機関においてもこのような
事態が二度と起こることのないよう、会計経理の
適正化、倫理の
徹底及び綱紀の粛正に万全を期し、
不正経理の
根絶を図るべきである。
3 社会保険庁において、
国民年金、厚生年金の支給漏れにより年金給付額を訂正した件数が
平成十三年度からの六年間で約二十二万件に達していることに加え、該当者不明の年金保険料納付記録の件数が約五千万件に達しているなどのずさんな記録管理が明らかになり、公的年金に対する
国民の
信頼を大きく失墜させたことは、極めて遺憾である。
政府は、年金給付額の誤りを防止するため、年金受給開始手続時における厳格なチェック
体制の構築に努めるとともに、該当者不明の保険料納付記録の早急かつ
徹底的な
調査、これまでの支給漏れ実態の把握、救済策の検討等に真摯に取り組み、公的年金に対する
国民の
信頼回復に万全を期すべきである。
4
国土交通省発注の
水門設備工事の
入札に関して、
談合撲滅の先頭に立つべき同省が中央省庁として初めて
官製談合防止法に基づく
改善措置要求を受け、さらに、
緑資源機構発注の林道
整備調査の
入札に関して、同機構及び農林水産省所管公益法人の役員等が独占禁止法違反容疑で逮捕されるという
官製談合事件が相次いで発生したことは、極めて遺憾である。
政府は、
官製談合の排除等に関する度重なる本院の警告にもかかわらず、このような
事態に至ったことを真摯に受け止め、これら事案の
徹底解明は当然のこと、
談合情報を得たときは
談合の存否の確認に努めるとともに、
公共工事に係る
入札契約方式の
改善、天下りの自粛、
職員の意識
改革などの方策を講じ、
官製談合の
根絶に尽力すべきである。
5 電力各社の原子力発電所における総点検の結果、北陸電力株式会社志賀原子力発電所一号機の臨界事故隠ぺいなど、悪質な法令違反十一事案を含む多数のトラブル隠しやデータ改ざん等の実態が明らかになったことは、遺憾である。
政府は、安全の
確保よりも原子力発電所の稼働を優先させてきた電力業界の体質を根本的に改めさせ、電力各社に対して、不正を許さない
仕組みの構築、事故やトラブルに関する情報の業界内での共有等を
徹底させるとともに、現在の
検査制度の実効性をより高め、この種事案の
再発防止と安全
確保に万全を期し、原子力発電に対する
国民の
信頼確保に一層尽力すべきである。
6 基地周辺
対策の実施に当たり、一部の防衛施設局において、
職員の不適切な業務処理に基づく申請により操業実態のない漁業者に対する損失の補償が行われ、公金が不適正に支出されていたことは、遺憾である。また、一部の防衛施設局において、防衛施設庁本庁の通達では対象とならない住宅に対して独自の処理方針に基づき防音
工事の助成が行われるなど、公金の適正支出に疑念を抱かせる事案が明らかになったことは、看過できない。
政府は、この種事案の有無等について早急に
調査し、不適正に支出された公金の返還を求めるなど適切な
対応を行うとともに、
再発防止のため、防衛施設局における審査
体制等について所要の見直しを行うべきである。
以上であります。
なお、議決案はお手元に配付のとおりでございます。
それでは、御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。