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大門実紀史君 大門でございます。
経産省の
決算概要を見ますと、消費者行政という項目も金額もございません。聞いてみたら、わずか五億四千万
程度ということでございます。とにかく予算的にも、取組もあるいは法改正も消費者保護という
立場を強めていただきたいというふうに思います。
そういう
立場で、今日は昨年から
議論になっておりますクレジット被害について質問をしたいと思います。
昨年もこの
決算委員会で取り上げましたが、独り暮らしのお年寄りあるいは認知症の方、知的障害者の方をねらった、呉服を買わせるとか高価な商品を次々と買わせるという、あるいは住宅リフォーム事件もございました。そういう次々販売というのがありますし、また、若者とか女性に対して訪問販売、キャッチセールスということで、こういう悪徳商法が手を変え品を変え後が絶たないわけですけれ
ども、被害を助長しているのがクレジット契約の存在ということはもう既にマスコミでもかなり
指摘されているところでございます。
すなわち、クレジット会社、信販会社の関与なしにはこういう悪徳商法そのものが成り立たないということで、国民生活センターも〇二年、〇五年の
報告書の中で、この悪徳商法の業者を裏で支えているのがクレジット会社、信販会社だということ、厳しい
指摘もしているところでございます。
例えば、お配りしました資料の一番最後、三枚目からになりますが、業界大手のオリコが関与した
事例だけでも、悪徳商法の被害の
事例だけでもこんなにたくさんあるということで、最大手というオリコでさえこれだけかかわっているということでございます。
初めてお聞きになる方はちょっと分かりにくいと思いますので、資料を用意いたしまして、資料の一枚目にどういう仕組みになっているかを書いておきました。要するに、信販会社が悪徳業者と加盟店契約を結ぶわけです。その業者が詐欺的な勧誘あるいは押し付け販売ということで被害を生むと。で、クレジット契約、この場合多いのは、個々の商品について
一つ一つ契約を交わすという個品式という契約が多いわけでございますが、それで商品を引き渡して、信販会社が業者に代金を立替えをして被害者に請求をすると。被害者が
支払を始めたりするわけですが、途中で事件が発覚をするというふうなパターンでございます。ただ、発覚したときに未払金は、まだ払ってないそのクレジットのローンの分は被害者は払わなくていいと。しかし、既に信販会社に、クレジット会社に払った既払い金は返してもらえないというのが今の現状でございます。
ちなみに、右の下の方に、先ほど言いました個品クレジットの取扱い、いかに多いかということも資料で付けてございます。例えば、被害の実例を
一つ申し上げますと、去年の九月二十九日、大阪地裁で判決が出た
事例でございますけれ
ども、これは被害者が七十八歳の女性で、認知症で独り暮らしの方でございました。悪質な呉服販売業者が女性の
判断能力がないのに付け込んで、わずか二年間で合計千九百万円もクレジットを組ませたと。この信販会社はオリコ、ライフなど四社でございますが、寄ってたかってクレジット契約にオーケーを出してこういう被害を生んだわけでございます。特にオリコは、この女性がほかにも多額のクレジットを組んでいるのを知っていながら、自宅があると、いざというときは自宅を取ればいいと言わんばかりにどんどんクレジット契約、与信をオーケーしたということでございまして、これ私取り組んでまいりましたけれ
ども、サラ金のアイフルの不動産担保ローンと同じようなことを大のオリコがやっていたということでございます。
この判決そのものは、ほぼ全部の契約を公序良俗違反として売買契約そのものを無効といたしました。しかし、先ほど申し上げたように、まだ
支払っていない未払金は当然割賦販売法の三十条の四に基づいて払わなくてよいということになりましたが、また弁護士さん頑張られまして、割賦販売法適用外の一、二回払い、これも払わなくていいよという前進面もあったわけですけれ
ども、ただ既払い分の、この方の場合でいえば五百五十万円が返してもらえないということになりました。裁判所は信販会社の責任を認めているわけですから既払い金も返せという判決下してもよかったと私は思うんですが、ただ、ここは司法の責任だけではございません、立法府の責任があるというふうに思います。
現在の割賦販売法では、先ほど言いました三十条四項に、抗弁対抗という言い方ですが、要するに、こういう悪徳商法というふうになった場合は未払の分については払わなくていいということになっておりますが、既払い金については返させる、返還させる根拠がないということでございます。来年の法改正でこの既払い金を返してもらえるような根拠をどう法改正に盛り込むかというのが私は最大の今の焦点ではないかと思うところでございます。
そこで質問に入りたいと思いますが、
大臣に素朴にお聞きしたいんですけれ
ども、被害者の
立場になれば、これはもうだまし取られた
お金でございます。未払金払わなくていいなどというのはもう当たり前の話でございまして、常識で考えれば、だまされたんだからこの既払い金も返してあげるべきだというふうに私は思いますけれ
ども、
大臣はこの辺のところ、素朴に見ていかが思われるか、まずお聞きしたいと思います。