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政府参考人(佐藤隆文君) まず、事実
関係につきまして全体の概要を御説明させていただきます。
一昨年来、保険金の不払、火災保険料の取り過ぎ等といった利用者保護に欠ける問題が生保
会社、損保
会社において明らかになっているということは、保険事業に対する保険契約者の信頼を損なうものでありまして、極めて遺憾でございます。
先ほど御
指摘いただきましたうち、まず保険金支払の問題について事実
関係を御
報告させていただきますと、まず生命保険
会社でございますが、実は大きく二種類の問題があったかと思います。
一つは、いわゆる不適切な不払というものでございまして、これにつきましては、
平成十七年七月に全社に対して、全生命保険
会社に対して
報告を求め、不適切な不払が多数認められた明治安田生命に対して
業務改善命令及び一部
業務停止命令を発出したところでございます。また、不払事案が認められたその他三十一社につきましても、
報告等を求め、保険金支払管理体制の整備、改善
状況のフォローを続けているということでございます。
それから、もう
一つの種類の問題は保険金の支払漏れと言われている問題でございまして、これにつきましては、本年二月に、私どもの方で全生保
会社に対して件数、金額についての
報告をこの二月に求めたところでございまして、四月十三日までに
報告書の
提出を受けまして、現在精査をしているところでございます。生保各社の公表によりますと、全三十八社中三十七社において、合計で約四十四万件、総額約三百五十九億円の支払漏れが認められているということでございますが、現在、各社において引き続き調査を続けているところでございまして、遅くとも本年十一月ごろまでには調査が終了すると、こういう
報告を受けているところでございます。
それから、損害保険
会社の方でございますけれども、こちらも二種類の問題が大きくあろうかと思います。
一つ目は、付随的な保険金の支払漏れということでございまして、この点につきましては、
平成十七年九月に全社に
報告徴求を行いました。その結果、二十六社で問題が認められたということで、十七年十一月にこの当該二十六社に対して
業務改善命令を発出したところでございます。しかしながら、その後も検証が完了していないということが認められたものですから、
平成十八年十一月に改めて
報告を求めまして、この点につきましては遅くとも本年六月までに調査が終了するという
報告を受けているところでございます。
また、損害保険
会社に関しますもう
一つの問題は、第三分野の商品に係る不適切な不払という問題でございます。これにつきましては、
平成十八年七月に全社に
報告徴求を掛けたところでございまして、本年三月十四日に十社に対して
業務改善命令を、さらにそのうち六社に対しましては一部
業務停止命令を発出したところでございます。この
業務改善命令に基づきまして、四月十三日に各社から改善計画の
提出を受けているというところでございます。
それからもう
一つ、最近話題になっておりますのは保険料の取り過ぎという問題でございます。これは、火災保険につきまして、例えば耐火性のグレードによって保険料の軽減が設けられているという枠組みになっておりますが、その個別事案への具体的適用が不正確であったという問題でございます。この点につきましては、
平成十九年三月末を目途として、保険申込書に記載された契約データ等を基に、建物構造級別の適用等、誤りの蓋然性の高い契約を抽出して調査を行い、また、さらに今後一年程度掛けてすべての契約について確認し、問題がある場合は適正化を図っていくと、こういう
状況にございます。
私どもといたしましては、各保険
会社の
業務改善の
状況、進行中の調査の進捗
状況を注視し、適切に対応してまいりたいというふうに思っております。
それから、このような事態が生じました原因、背景でございますが……