○西島英利君 今までも制度改革をしてこられた、これは
医療費の抑制策として制度改革をしてきたわけですね。
今回、もう
一つの制度改革がありますよね、
高齢者医療制度。後期
高齢者医療制度は、これはまさしく、要するに
医療費の抑制策として実は出てきている策でもあるんですね。
これは御存じのように、
平成十四年に、
健康保険法の
改正のときに附則として
高齢者医療制度の創設ということがそこに入ったわけですよ。これはまさしく、これ以上とてもとても一般の人、
高齢者の
方々にはこれ以上自己負担はもうとてもできないよねと。そうしますと、やっぱりそれなりの
医療費の
適正化策を
考えなきゃいけないということで、この
高齢者医療制度という
考え方がそこで打ち出され、そして去年これが法律として通り、そうしますと、今正にそれ
検討されている最中だと思うんですけれども、しかし、これが導入されればどのくらいの
医療費の
適正化が起こるのかという推計値は当然出しておいてしかるべきだと私は思うんですが、その辺りの
数字がどうしても見えてこないと思うんですね。恐らくされていないんだろうというふうに思うんですよね。これ
平成二十年からスタートする制度であります。ですから、そういう
意味で、この
数字が本当にこの推計値として妥当な
数字なのかどうか。
つまり、
医療費抑制策は何でどんどんどんどん次から次に決められてくるのかというと、推計
数字によって、これじゃやれないからということで抑制策が次から次に実は打ち出されてきているわけですよ。ですから、こういう
数字が独り歩きするということは、非常に混乱を来すことは間違いないわけですね。ですから、そういう
意味で私はこの問題を今ちょっと御
質問をさせていただいたということでございます。そして、これには
答弁は結構でございますけれども。
次は、
平成十七年の
医療経営実態調査がございました。これによりますと、例えば一般病院であれば、これ
医療法人でございますけれども、百床当たりの収支の比較、その他の一般病院でやりますと、これ、
平成十五年と十七年で比べてみますと、伸び率がマイナス八%前後、医業収入。医業費用でもマイナス七・五。それは当然ですね、
医療法人はこれ赤字にすることはできませんから、必死になってこれは抑えなきゃいけないんでございますけれども。こういう
状況の中で、
一つには、この実態調査がほとんど考慮されないまま
平成十八年の
診療報酬改定が行われたのではないかなという気がしないでもないわけでございます。
さらには、福祉
医療機構。これは、福祉
医療機構というのがございますけれども、この中での経営分析
参考指標の概要というので、
平成十七年度の
決算分の実は数値が出ております。これはどういう
数字なのかといいますと、御存じのように、福祉
医療機構は全国の
民間病院を
中心にして公的に貸付けをしているところでございます。ですから、この貸付けを受けている病院のデータが必ず上がってまいります。
そのデータで分析をした結果でございますけれども、医業収益と医業利益率の推移ということが
数字として出ておりまして、医業利益率が大体二%以上ずっとあったんですね。
平成十六年度が二・五%ございましたが、
平成十七年度は医業利益率が一・二%まで落ちてきておるんですよ。かなり経営が厳しい
状況が起きているわけでございます。
こうなってきますと、今回のこの
状況から見ますと、七対一看護が導入されました、これだけ経営が厳しい中で、じゃどうしたらいいのかと、
考えるのは、看護師を増やして七対一看護を取ろうと、そう
考えるのは当然ですね。前は特三類というのがあったんですよ。そのときにも同じようなことが起きました。本当に看護師のどんどんと引き抜きが起きたわけでございます。
そういう中で、今回七対一看護というのが打ち出されてきたわけでございますが、今日発売の週刊東洋経済、これにもそのことが書いてあります。つまり、この中にはこういうことが書いてあります。「激烈極めたナース争奪戦は大学病院の独り勝ちに」と。つまり、七対一を取りますと、これは数値計算を単なる点数を当てはめてやっていきますと、一人看護師を増やせば、七対一取りますとですよ、年間四百たしか六十万ぐらいかな、の増収になるんですね。年間四百六十万ぐらいの増収になるんですよ。これはちゃんと計算しましたので間違いないと思います。
ということは、今回東大が二百人近く増員をしたわけですよ。そういう流れの中で見てみますと、これは東大は勝ち組に入っていますので、そうすると十億円近い実は増収になってくると。そもそも東大の看護師さんたちの給料は非常に高いわけですね。高いレベルの中でこれだけの増収があるわけでございます。高いから皆さん方動くということも当然これは
考えられるんだろうというふうに思います。
ですから、今回そういうような混乱を招くということも含めてお
考えになってこの七対一看護を導入されたのかどうか、それを是非お聞きしたいということと同時に、さらに看護職員一人当たりの月平均夜間時間七十二時間以内、二人以上の看護職員による夜勤看護
体制、これがないといけない。この二つが今度は条件になって、この二つが満たされなければ、特別入院基本料ということで点数的には五百七十五点なんです。つまり、本来取れる点数から、正に半分以下に減ってしまう。経営できるはずないですよね。
医療機関というのは大体五〇%前後が人件費率なんですよ。ということは、これだけの減収になってしまうということは、もう病院を閉じるしかないという
状況の中で、今回全国に行きましたときに、そのような御批判といいますか、御
質問をたくさん受けたということでございます。
しかも、そういう
状況が起きたので、今年の一月の十日に中医協が建議書を出しております。そして、この建議書で、様々なことがこの建議書の中で言われているわけでございますが、まさしく混乱を来しているということははっきりとここに書いてあるわけですね。そして、三項目が書かれておりますけれども、この三項目は私は読みません、お分かりになっていると思いますから。
それで、こういう混乱が起きている
状況の中で、中医協が一月のこれは三十一日ですか、一月の三十一日付けで出しました建議書に対しまして、厚労省は、それ以降何か
対策をされましたでしょうか。