○魚住
汎英君 どうも正直にお答えいただいてありがとうございました。正に数字はうそをつかないんですよ。だから、今がそうだから、
民営化したらどうなるかというと、当然採算性ということを主体としていくわけです。
そこで、
大臣、一番大事なことはそこなんですよ。私は、前回もここで、この席で申し上げましたけれども、とにかく投資
効率の悪いところに住んでおる人間が悪いんだと、そんな田舎に住んでおる人間の方が悪いんだと、こう言わんばかりの、そういう
委員さん方が十五年にわたって
経済財政諮問会議を始めとする
政府委員の中におられて、こういう方々もやはり同じような経歴の方で、恐らくここには、労組の
委員長さんも中央執行
委員会のお役人の方もいらっしゃいますが、大体年収調べてみると二千万以上ですよ、多分。これはもう皆さん方も御存じだと思いますが、そうじゃろう。
だから、地域における人々の暮らしというのは分からぬのですよ、それぞれの地域における。それをしゃにむに、強権をもって片一方に更にこれを推し進めていくというような、意図は別として、そういう形で推し進めていくという結果が出てきた。こういうことは政治の
方向性として決して正しいもんじゃない、私はそう思っております。どこで生きようが、どんな年齢であろうが、老若男女、これは問わず、やはりどこに住もうが、健やかに生活をしていくことは日本国の憲法でちゃんと保障してある。
にもかかわらず、現実はどうか。例えば年金者の生活
一つ見てみても、これはもう極めて陰惨な形になっておる。医療費の問題、介護費の問題、その他いろいろの社会的な、払わなきゃならぬ経費の問題等から考えていくと、地域で住んでいる今の皆さん方の胸の中にあるものは何であるかということを考えると、これは本当に、焼き肉定食ならまあいいんですよ、弱肉強食ですから。焼き肉定食だったらもう、いやいや、それだったらいいんだけれども、本当にそうなんです。特に一番ひどいのが一道七県と言われるんです。一道はどこかというと、
委員長のところでありますから、この前実地の見学に行かれたと思うんですが、本当にひどいんです。
ですから、そういうものをこういう中央の恵まれたところで、しかも恵まれた立場の人たちがただ単に財政理論の中で
一つのロジックをこれは押し付けてそれを政策としてやったからといって、どこに政治があるかと、こう問うてみた場合に、果たして私たちは国民と真正面から向き合うてそれでちゃんとした政治やってきたとは言えない、これが私の今の気持ちです。
そこで、せっかく
甘利さんというすばらしい私たちは
大臣を持ち、本当にこういう改革という名のものをしなきゃならぬと押し付けられたなら、ここは大事なところですよ、改革をしなきゃならぬと押し付けられたならば、その結果として、それによって泣く者がたくさん出てくることのないようにいかにしていくかということを、是非ひとつ微に入り細に入り、聡明な皆さん方ばかりですから、しっかりとひとつ
基本設計をつくっていただきますようにお願いをしておきたいと思います。
そのことについて、今私は、自民党ですから余り何か誤解されるといけませんから言いませんが、本当に今世の中は良くなっている
方向を行っていますか、それとも悪い方へ行っていますかとかいって国民の皆さんに聞くんですよ。いい方へ行っていますと言う人はおりません。ほとんどの人が、不安を持っております、悪い
方向へ行っておりますと言う人が多いんです。それであっては我々も政治家の端くれとして責めを果たしておるとは言えないわけでありますから、先ほど長官が言うたような設計書のとおりになって、五年後、ああ、あのときああいうような話したけれども、よかったなと、ちゃんとしたもので、その時々のいわゆる社会情勢というものをきっちり受け止めて物事を進めたからいい社会になったなと、こういうような話になっていくように、是非ひとつ、今度のこの
法律だけで世の中良うなるわけじゃありませんけれどもね、本当に総合的にお考えをいただきたいと思います。
重ねて申し上げれば、もう
一つは、本当に腹立たしい思いでここ四十二年間、私、議員やってきましたが、いつでも弱肉強食ですよ。これが世の常だと言われるなら、ああそうかと納得もしなきゃならぬのですけれども、しかし、それはそうあってはならない、そうしてはならない、そういう思いの中にいろいろやってきましたんで、特に先ほど来
松村議員も言いましたように、地方の
中小企業者というのはまじめなんです。一生懸命やっているんです。その人たちが手を伸ばしたときにちゃんと手助けができてあげられるような、そういうことをするのが私は
政府だといつも思ってきました。
また、地方行政においてもそのとおりだと思ってきました。ところが、地方行政自体にしたって地方行政自身がもうギブアップでどうにもならない。何とか助けてくれぬかなと、こういうような形になっておる。この前、北海道に何とかというところがありましたね、あれは何だったかな、夕張だったですかね。ああいうところなんかも、悪いことをしようと思って最初からしたんじゃないんです。こうすれば将来は必ずいい形になるだろうと、こういう思いの中でああいういろんな施策をみんなの同意を得ながらされたのは分かっておるんだけれども、結果としてああなった。
私は、今度の、こういう
民営化しなさい、何でも
民営化しなさい、しなさい、これが改革だといって、これは私はごまかしだとあえてこの場で申し上げておきますが、改革はしなきゃなりません、その時々の。それは当然の話であります、時代が変わるんですから。しかし、何でもかんでも一挙にやって、弱いところから順序付けて一挙にやってやるというやり方はこれは決して妥当な
方向ではないと、私はそう思っております。時間を掛けながら、やはりそれぞれの意見を聞きながら熟度を高めていく中において初めていい知恵ができて、いい
法律ができてと、こういう形になるのが極めて順当な社会だと、こういう思いでおります。
そういうような意味で、
大臣、期待しておりますから、決意をしっかり聞かせてください。五年後はそうはならないよと、そして、もっと良くなるよというお言葉をいただきたいと思います。