○藤末健三君 どうも本当に正面から受け止めていただいてありがとうございます。
私が思いますのは、やっぱり欧米との比較はもうやめた方がいいと思っています、正直申し上げて。なぜかと申しますと、今、東アジア共同体という話をおっしゃっておられまして、中国や韓国、ASEANとのFTAを結ぶと。今、先にやられたヨーロッパがどうなっているかというと、もうことごとく、僕、一回ドイツに行ったときにお聞きしました。ドイツの工場はことごとく東ヨーロッパに流れているんですよ、怒濤のように。ほとんど立地はされないとおっしゃっていました、もうドイツ国内では。
それはなぜかというと、やっぱりドイツも税金は高いし人件費も高いんですね、優遇
措置は打てないということ。ただ、ヨーロッパのデータを調べてみますと、ヨーロッパ、EUの十五か国は二〇〇〇年から二〇〇六年にかけて法人税を六%引き下げているんですよね、平均すると。ですから、もうどんどんどんどん法人税を下げて工場を呼び戻そうという努力をしているんですよ、ヨーロッパ諸国は。
そういう状況において
我が国は、大
企業優遇云々という話はやはり
説明すれば分かると思うんですよ。エルピーダの
技術、
我が国のお金をどれだけ使ったか。超LSI研究所、それからどれだけの研究費をつくってDRAMの研究を成し遂げたか。結局、工場が台湾に行ってしまったら画竜点睛を欠くなんですよね。どんなに
技術を育てても、工場が外国に行って、
雇用が向こうに行ってしまったら、それは何のために税金使ったかということに私は行き着くんじゃないかと思いますので、ここは本当に
我が国のこと全体を考え、その大
企業優遇云々ではなく、やっぱりきちんとした立地の制度をつくっていただきたいと思います。
私は、ニューヨークが例えばこの半導体工場に一千億円出した、あと、ドイツが八百億円を半導体工場に出したというデータだけは手に入れて、どういう仕組みでやったかというのは分からなかったんですが、恐らくこの真水の税金でやっているとは思わないんですよね。ファンドを使ったり、てこ入れ
効果を使ったりして、何か
金融技術をつくって僕はやっていると思うんですよ、彼らは。
そういうものを是非、
経済産業省の方には勉強をしていただきたいと思います。そこをやらなければ、多分このままどんどんどんどん工場は出ていくんではないかなと、
雇用は失われるだけではないかなというふうに考えますので、ここはもう大上段から、ヨーロッパとの比較ではなくアジアでの競争、将来的な東アジア共同体というものを想定した上での制度設計を戦略的に行っていただきたいと思います。
僕は失礼なことを申し上げましたけれども、
地域経済審議官福水さんがおっしゃった、
地域が頑張るということは、これはもう国家が土俵をつくった上でですよ。
地域頑張れと言っても無理ですよ、土俵がなければ、と私は思います、これは。それは
経済産業省の仕事を放棄しているのと同じだと思うんですよ、
地域頑張れというのは。国が国として闘った上で
地域頑張ってくださいというのが、僕は本来ある
経済産業省の仕事であるべきだと思いますので、是非とも深く研究していただきたいとお願い申し上げます。
特に私は、前、渡辺
委員からもお話がありましたけれども、電特で、例えば原子力発電所がある周りには電力料金を半分にするとかいうのもアイデアだと思うんですよ。実際に、台湾との電気料金を調べると、もう数倍違うんです、台湾と。ですから、いや、本当に、調べました、私。もしかするとデータ違うかもしれませんけれども。そういうのも
一つのアイデアとして是非やってはどうかと思います。
それと、もう
一つございますのは、先ほどの国が基盤をつくった上での話でございますけれども、私はよく中国とかアジアの国々を訪問させていただくんですが、よく思いますのは、もうこれからの
産業政策は国家間競争じゃなくて、もう都市間競争じゃないかなんということを思ったりします。
それは何かと申しますと、先ほど地方頑張れという話の延長でございますが、例えば上海に行きますと、もう上海は中国の上海というよりも、上海として
企業立地、
産業育成をしていますし、香港も同様。台湾もやはり台北、台中、台南でそれぞれ独自の
産業育成をやっている。韓国も同様だと思います。仁川地区あるし、ソウルがあるし、釜山があるという形でやっていまして、私は均衡ある都市の発展も必要だという前提で、今後はやはりある地方都市全部ではなく、例えば今、道州の議論ございますけれども、九州であれば福岡とか、近畿地区であれば大阪とか、ある拠点都市を設けた上で、その拠点都市同士の競争みたいなものが起きてくるんではないかと、国家間競争から都市間競争になるんではないかということを思ったりしております。
そこで、私は
大臣にお聞きしたいのは、昨年、道州特区法という
法律ができまして、三つの県とか道、都が集まるとある程度の
政策が打てる、これは
産業政策はまだ入っていません、
法律上は。入っていませんが、そういう
法律ができました。その中で、もう県単位での
政策ではなく、道州単位の
政策を考慮していただけたらどうかと思います。
例えば、北海道ですと、ちょうどフィンランドと同じぐらいなんですよ、
GDP規模、人口規模。ですから、フィンランドがやれることは北海道もやれるだろうし、また九州を見ますと、ちょうど
GDPの規模は韓国と同じぐらいなんですね。
ですから、ある程度の
産業という観点からユニットをつくっていただき、それで、そのユニットの中で
産業政策をどうするかということを考えていただくということをこれから模索していただけないだろうかということをちょっとお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。