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国務大臣(
麻生太郎君) 今、
日本に外国の
外務大臣、賓客というのは年間どれぐらい来ますでしょう、まあ七、八十人来ているような気がしますけれども。それと、昨日スウェーデンの
外務大臣、おとといチリの
外務大臣等と飯倉公館で御飯を食べることになるんですが、何を食べられたいですと希望を聞いたら、今ほとんど九五%は正しい
日本料理と言うんですよ。その正しい
日本料理は、農林省の見解と一緒かどうかは別ですよ。先ほど榛葉先生の御質問にちょっと私の方が答弁する立場にありませんので、相づちも打つのもいかがなものかと思いましたものですから黙って聞いていましたけれども。
そういうものを言うと、
日本料理というと、全員おはしが使えるんですよ。今日びの
日本の餓鬼よりはよっぽどきちんと正しいおはしの持ち方ができる。これはほとんどの
大臣がそうですから。もうそれはびっくりするほどきちんと持つんです。私、そういうのを見ていると、間違いなく、
日本食というのは文化として定着していることは間違いはない。
少なくとも、先生
御存じのように、肉といえば普通英語ではオックスかカウなのが、レストランへ行ったらビーフになる。豚はピッグかホッグなのが、レストランへ行ったらポークになると。これは全部こっちは
フランス語だからですよ。僕はそれが基本的なんだと思いますが、今マグロはチューナと言わずにトロと言いますものね。明らかに、ウニもシーオーチンと言わずにウニと書いてありますよ、レストラン行くと。これは、明らかに
日本の言葉が食文化を通じて定着している、広まっているという
一つの例だと、私はそう思っていますが。
こういうものの最前線に、
現地にいる
大使館の
人たちがやっていくときに、今シラクは間違いなく、今、
日本大使館で、
日本のレストラン、ここが一番うまいからと言ってシラク大統領は
フランス大使館に来ているはず。昔、ラムズフェルドが、
日本料理を食べたけりゃ、
日本大使館の、ワシントンの
日本大使館のところでラムズフェルドは食べていましたよ。だって、ここが一番
日本料理がうまいからと言って、本当かどうかは知りませんよ、
自分たちはそう言って来ていましたから。だから、そういう意味では物すごい力になります。それじゃなきゃ来ないんですから。一大使にラムズフェルドが会うなんてことはありませんから、普通は。それを会いに来るというのは、これは料理人の腕の良さが結果的には力になっているんだと、私はそう思います。
したがって、これは物すごく大事なものだと思いますが、今、
日本では、公邸料理人に対しての正式の
給与はたしか十六万円だと思います。
日本の料理人でこんなところ、この程度の
給料で
海外まで行くような人はいませんから。すると、差額、とても足りませんので、大使が約それの倍以上、約二十万ぐらい全体で払っていると思いますが、ボーナス入れてですよ。それで払っているというと、大使の
給料は七十万とするとはなから二十万円がなくなりますので、そういった意味では、これは大使の公務にも差し支えることになりゃしないかという意味で、私は、
日本料理ができるのは、奥さんがよほどうまくない限りは、これは
大使館の料理人というものは極めて大きな力がある、影響力がある、見えない力があると、私はそう思いますので、是非この点についてはしかるべき配慮がされるべき、もっと配慮がされてしかるべきだと、私もそう思います。