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緒方靖夫君 河野談話というのは、やはり私は、今の
段階でいうと、やはり非常に大事なことが述べられているということを改めて痛感いたします。ですから、河野談話を継承するというその
立場、そのことは非常に大事なわけですけれども、しかしそのそばで、強制性はなかった、狭義、広義と分けていろいろ話が出てくる、そのことに非常に、何というか、そこに矛盾性を感じるというのが先ほど述べた韓国の
対応であり、また韓国のみならず
アメリカでもそのことが出されているということだと思います。やはり、河野談話は
政府による調査の結果、慰安所の設置、管理、移送について旧
日本軍が直接あるいは間接的にこれに関与した、募集についても甘言、弾圧等による本人たちの意思に反して集められた事例が多くあって、さらに官憲等がこれに直接加担したこともあったと明確に述べられているわけですね。
そういうことは、今何が問題になっているかというと、改めて、直接の証拠どうこう、あるいはだれだれがいついつ銃口を突き付けられてどう連行されたとか、そういう具体的な話どうこうということはともかく置いて、今世界の中で大きな問題になっている問題というのは、従軍慰安婦問題の基本的な性格だと思うんですね。それは、
日本が植民地化した、あるいは軍事占領したそういう地域からおびただしい数の女性が集められて、そして
日本軍が戦場に設置した慰安所に閉じ込められて、そこで性行為を強要されたという問題、その非人間的な行為全体が問題にされているわけですね。
ですから、その事実、そうした事実があったのかどうか、そのこと自体が、そういう膨大な動きというのは軍の関与、いずれにしても当局の関与なしにはあり得ないだろうという、そういうことを言われているわけですね。ですから、この従軍慰安婦の問題ということ自身が事実であって、またそのために傷を受けた方々が、数は分かりませんけれども少なからずおられるという、そのことは事実ではありませんか。