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国務大臣(
麻生太郎君) 御存じのように、冷戦終結後いろんな形で紛争の形が変わって、ダルフールなんかよく例に引かれますけれ
ども、あちらこちらで今でも紛争が続いているというならともかく、紛争は終わったけれ
ども、紛争の結果、いわゆる内部のインフラが完全に破壊、若しくはもう行政システムは全く作動していないというような国々が一杯あります。総じて皆、金の話をされますが、金だけ出せばうまくいくかといえばさようなわけにいかないというのも実は一杯あるのではないか。
例えば、今カンボジアの例をよく引かせていただきますけれ
ども、カンボジアで今忘れられた名前でクメールルージュというのがありました、赤いクメール人という
意味ですが。この赤いクメール人のポル・ポトの話の裁判というのは今始まっておりますが、これは裁判官は
日本人です。この裁判官の
日本人というのが全部仕切っているわけですけれ
ども、このカンボジアというところは内戦、内紛がずっと続いておりましたのが終わって、今ここにいろんな国の投資が始まってみたり、いろんな形で新たな動きが出ておりますが、実は民法が全然うまくできていません。民事訴訟法も駄目です。したがって、今、
日本としてはここに民法のプロを実は送っておりまして、法務省から人を借り、若い弁護士を借りたり、いろんな形でやらせていただいているんですが、これがきちんと整備されますと、カンボジアの中の整備が投資しやすい
環境になっていくということは、結果としてカンボジアも良くなりますけれ
ども、我々にとっても、民法が
日本の民法にほぼ似たものができ上がるというのは我々にとっても非常に投資がしやすい
環境になりますので、そういったようなことをやるというのを前提として、じゃ法務省は人を育てているかと。
ベトナムから随分、地方自治大学校に毎年いろいろな人を預かりましたけれ
ども、そういったような人たちを我々は訓練するのを目的に地方自治大学校はつくっておりません。したがって、そういった人たちを全部集めて、何も
日本人に限りませんから、そういったのを集めていざというときに行政官が足りない、こっちは司法官が足りない、何が足りないというときには、いわゆる鉄砲持ったドンパチばっかりの話じゃなくて、国をつくっていくいわゆる行政官、司法官というものをきちんとリザーブしておいて、何かといったときに出せるというようなものを常日ごろから持っておく、それを適当な
言葉がないので寺子屋と言ったんですけれ
ども。
そういうような
言葉というのは、これはカナダのピアソン・センターとか、スウェーデン、ノルウェー、いろいろそれぞれ先端的なものを持っているところもありますので、そういったところの知恵もかりにゃいけませんでしょうし、いろんなことでこういったものを
日本は、アジアに限らずですが、こういったものを、人を派遣する用意があると、かつ、人はいるけれ
ども訓練されていないというアジアの人たちをうちは預かって訓練して出していくと、そういったこともできるというのでやらせていただければというのが構想の基で、それに沿って今一応
調査費の計上を今年の予算、今年って平成十九年度予算で上げさせていただいたというところであります。