○伊吹
国務大臣 この前、馬淵
委員から御質問をいただいて、テレビも入っておりましたので、もう少し長くやりとりを私はしたかったんですが、残念ながら、そういう時間がございませんでした。
率直に申しまして、小川
委員、私は、なぜ疑惑とか不適切とかということが私の事務費について言われるんだろうということを今も疑念に思っているんです。ですから、きょう、小川さんが私に質問してくださる中で、厳しく、思っているとおりの質問をしてください。私は、それにお答えすることによって、実はこのことが、大変、各党の政治家の政治活動の内容を不公平に公表する結果になったり、あるいは選挙に大変な影響を与えたりしているということが広く国民の皆さんにわかっていただける。きょう、実はテレビが入っていればよかったと思うんです。
それで、少し内容について率直に御説明しておいた方がいいと思いますが、少なくとも私の政治団体につきましては、五万円未満のものも、領収書の徴取義務はありませんけれ
ども、私の政治団体に関しては、基本的にすべて領収書をとっております。領収書がない場合も、「領収書等」というのがありますね、「等」というのは何かというと、民間
企業でいえば払い出し伝票のようなものですよ。ですから、だれに、いつ、どういうものを払い出したか。具体的に言うと、例えばお香典を三万円持っていって、領収書をよこせということは、
日本社会の常識では言えませんね、これは。あるいは結婚式のお祝い。こういうものについても、うちは、だれが払い出しを、だれに払い出し、いつ払い出したかということをみんなとっております。
ですから、その前提で申し上げますと、まず、こういう紙が先生のところへも来ているでしょう。十八年の収支報告をしなければなりません。それで、ここに、事務所費は、事務所の借料損料、租税公課、火災保険料、電話使用料、切手、修繕費その他これに類する経費で、事務所の、こう書いてありますね。
人件費も、私の場合、事務所費に入っていますよ。それはなぜかというと、この分類基準表をごらんになるとすぐわかりますが、人件費は、政治団体の職員に支払われる給与、報酬、扶養手当、通勤手当その他諸手当の類及び健康保険料その他、こう書いてありますね。私のところは、例えば、私は土曜日、日曜日もほとんど帰れないです。そのときに、車を運転する人を私がいないとき休ませておくほど余裕のある事務所じゃないんですよ。逆に、外回りをして、
会社でいえば必死に営業活動をしている秘書を私が帰ってきたときに運転させるほど選挙の余裕のある事務所でもないんですよ。
そうすると、事務所の職員じゃない非常勤の職員を雇うということはいっぱいあります。例えば、選挙の前と後は特に多いです。選挙
期間中は、公職選挙法によって政治活動はできません。しかし、その前後においては、選挙の準備活動と後始末活動として、きちっと政治活動をしなければならないんです。名簿を整え、入ってきた名簿について、十一万の名簿の中にあったかどうか、そしてそれをすべてチェックしていく、これの人件費はこの経常経費の人件費では読み取れませんよ。そういうものはどこへ入れるんだということを当時の自治省にずっと聞いて、この中へ入れているわけです。
例えば、次に、それでは備品、消耗品は、ずっと書いてあります、「の購入費」と書いてあります。だけれ
ども、このごろはコピーから何からリースですよ。購入費の中へ入れないです。もっとあえて言いますと、私のところは会食費も入っていますよ、事務所費に。そうしたら、何かそれが
法律違反だというようなことを言っておられる党幹部もおられる。
しかし、この政治活動費の渉外費などを見ると「他団体との交際などに要する経費」、こう書いてあって、団体内の、例えば
地元の秘書が東京へ出てくる、これは通勤費じゃないですよ、私がどこかへ行くときに秘書がついてくる交通費がありますよ、こういうものもこの中へ入っているわけですね。そして、東京の秘書がこちらへ出てくれば、どんなところで後援会の
方々と会っているのかということも経験させなければいかぬ。食事をしますよ。東京の秘書が
地元へ行けば、どんな苦労をして集票活動をしているのか、
地元の総会はどこのホテルでやっているのか、それはみんな、経費は、他団体との交渉じゃないから、みんなここへ入れないといけないんですよ。これもみんな、そのときそのとき自治省、総務省と問い合わせながらやっているんです。そして、それを問い合わせて積み上げた結果がこうなっていると。
そこで、もうこれは公表してしまっていることですから、あえて数字を申し上げますが、東京と京都に明風会という、あるいは、明風会代表である私が
契約当事者になって、二つの事務所を持っております。これだけで、京都の事務所は、率直に言えば東京の丸の内のようなところですね、そこに百八十何平米かなの事務所があります。これを、使っている面積の比率に合わせて、選挙区支部と私の明風会、ほとんど明風会で使っていますが、区分で賃料を払っています。そういうものを積み上げると、大体半分がそれなんですよ。残り半分は、文書作成費、印刷費、交通費、それから通信費。
通信費だって、私、年に、十一万の後援会の人に対して二回
新聞を出しているんですよ。これは郵便代だから、事務所費へ入れるのか、組織活動費に入れるのか、これも総務省、自治省に尋ねてあります。それは組織活動費に入れてくれというから組織活動費に入っています。毎月毎月、私は三万五千の人にはがきを出しています。そのはがきの代金も組織活動費に、郵便料だけれ
ども入っています。
ですから、そういうものをきちっと積み上げて私はこれは経理しているんです。小川
委員が、自分も参考にしたいから伊吹の京都の経理、東京の経理の内容を見せてくれとおっしゃったら、私はいつでも喜んで後輩のためにお見せします。
ただ、
一つ申し上げておきたいのは、これが、どうしてこのことが始まったかというと、一月三日の
日本共産党の赤旗に出たのは、議員会館に事務所を置いているからただじゃないかと。それなのに多額の事務所費を計上している議員の数というのでざあっと出たわけでしょう。(
発言する者あり)いやいや、ざあっと出た。おたくの幹事長が言っておられることは正しいんですよ。そして、それに対してまた赤旗が大変攻撃をしました、鳩山さんを。しかし、名目上の事務所を置いているからといって、主たる事務所を置いているからといって、事務所を使っていないわけじゃないんですよ、外も中も。そうすると、このレトリックはまず崩れちゃっているわけですね。崩れると、今度は事務所費が多いから疑惑があるとか、不透明だったから公表しろとかおっしゃるわけでしょう。
そうすると、私、先生に、見たいとおっしゃるのならいつでもお見せしますよ。ただし、もし、量が多いから公表しろとおっしゃるのなら、幾つもの政治団体を分けて、某党の大幹部は十幾つも政治団体を持っておられますね。そして、資金
管理団体からそこへみんな事務所費を小分けに入れたとしますか。五百万ずつ入れたら、みんな足して五千万になるんじゃないですか、事務所費の合計は。だから、事務所費をすべて合計して、そして多い少ないを論じていただかないと困る。
それからもう
一つは、共産党がまさにこの資金
管理団体のことを取り上げられたのは、共産党としては非常に御立派なんですよ。なぜかというと、ここに、自民党のあれはだれだったかな、おととい、小野さんが御質問になったように、共産党は資金
管理団体を
一つも持っておられないんですよ。そして政党支部も持っておられないんですよ。ただし、政党の本部と支部ですべての、私は京都ですからよくわかりますよ、共産党が強いところですから。選挙の前だけじゃなくて、もう日常活動、ずっと個人のサポートの活動をしておられますよ。そこの事務所費は一億三千万あるという話でしたよ、合計すると。だから、私は、志位議員がおっしゃったときに、注意深く本
会議で答弁しているつもりなんですよ。一定額以上の事務所費を持っている政治家、政党が、政党がと申し上げているんですよ、すべてこれを公表するというのであれば、私はそれに喜んで従いますと。
そうしませんと、この中を公表するということは、その人の選挙準備運動たる政治活動をだれかが疑惑があると言った途端に白日のもとにさらさなければいけないことになるんですよ。だから、疑惑を持たれた者は進んで身のあかしを立てなければならないと倫理綱領に書いてありますよ。だけれ
ども、疑惑をだれが判定するのかというのは、国会で判定してもらわないといけないんです。ですから、馬淵議員がいみじくもおっしゃったように、
理事会でといって
委員長にお預けしておられるわけです。
だから、私はすべて積み上げて、法に許されているけれ
ども、法に以上の正確度を持ってきちっと積み上げておりますから、この内容をここで細かに、私が資金
管理団体だけの事務所費が多いからといって公表しろとかいうことになると、政敵を陥れるとか特定政党の人間の選挙活動をみんな明らかにするためのトリックは幾らでもできてくるということなんですよ。だから、そこをよく考えて、政党間でどうぞ御議論をしていただきたいと私は願っております。