○岩國
委員 私がお手伝いしたことのその陳情をしているようで申しわけないと思いますけれども、しかし、これは世界のために、地球のために大切だと
大臣も思っていらっしゃると思います。そして、美しい国というのであれば、
日本は美しい地球を目指す、それだけの心構えを、憲法改正をされるときにはぜひ前文にでもそれをうたうぐらいの、地球を守る、それぐらいの大きなことが言えるだけの実績をしっかりと、こういうことを私はやっていくべきだと思うんです。
地球地図、これは国の数で既に八一%が参加しています。そして人口の割合では九六%、いただいた
資料によりますと。逆に言いますと、まだ参加できていない、恐らく財政的な事情があって、それがなかなか許せないんでしょう。
私は、ぜひ、
外務省のあるいはODAの予算を使ってでも、一日も早く地球全部が、
日本が始めたこの地球地図で地球全部をすっぽりと包む、その日をもっと早めていただきたい。そうすることによって、さっき
環境大臣がおっしゃったように、京都議定書の先頭に立つ
日本は、地球を守るこの地球地図、これがなければ本当の
環境対策というのはどこでもできてこないんです。どこの森林が消えているのか、どこの湖が移動しているのか、正確な地形、気象の
変化というのを読み取って、そして、同じ金でも効率よくこういうことのために使っていかなければ、効率の悪い
環境運動とか
環境対策をやっておったのではしようがないんです。
特に、これは近くのアジアの国についても言えることだと私は思いますから、ぜひこの地球地図を一日も早く完成し、そして、完成したからいろいろな国が
環境対策にどんどん使い出したと、つくるのが
目的じゃなくて使うのが
目的ですから、早く使うような体制に持っていくこと。これもそんなに大きなお金がかかることじゃないと思いますから、ぜひお願いしたいと思います。
私は、特にきょうの
委員会でこの
環境の問題を取り上げているのは、アメリカの民主党が昨年の秋、
選挙で勝って、そして議会では多数派になりました。そのアメリカの民主党が、京都議定書の第二ラウンドを目指して、ことしの七月までに新しい
環境対策、アメリカ提言をまとめようとしているでしょう。これはどういうものが中身に入っているのか、既に調べていらっしゃいますか。アメリカは、京都議定書では腰が引けていました。しかし、第二ラウンドでは先頭に立とう。それは、アメリカ民主党の政策として七月末までにまとめて発表する。
だからこそ、
日本の実績、
日本の政策というものは、もっとその前にしっかりと、出すものは出し惜しみしないで、予算の上でも私はめり張りのついた実行をやっていただきたい、そのように思います。それを要望して、私は次の
質問に移らせていただきます。
地方の教育赤字についてお伺いいたします。
この
地方の教育赤字、これはお手元に差し上げました、各県別に調べた。その県の高校を卒業するまではそこにいて、しかし、大学がないために、あるいは特定の大学に入りたいために、それぞれの県から東京へ、京都、大阪へ、あるいは名古屋へ出ていく若者。民族大移動といえば、
日本で起こる民族大移動というのは、この十八歳のときの民族大移動なんですね。私もその一人でした。
それぞれの県からどれぐらいの比率でそのふるさとを離れていくのか。島根県、鳥取県の場合には、約九割が十八歳でふるさとを離れます。そして、ふるさとを離れて、二十二歳で就職をして、そのままふるさとへ帰ってこない。
二十二歳まで、大学を卒業させるまで、島根県の両親は幾らお金がかかるのか。この教育コストについて、以前、小坂文部
大臣に
質問したことがありますけれども、しっかりとした返事は返ってきませんでした。
その後、いろいろな
資料をいただいて計算しますと、二十二歳の男の子、女の子もそうですけれども、二十二歳に育てるまで約二千万円です。そして、その二千万円のお金をかけた約二千七百人近く、二千七百人近くの二千万円お金をかけた高級車を東京へ送り出しているんです。そして、代金は一銭も受け取っていない。その二千万円のお金をかけた、高級車に例えるのはおかしいんですけれども、四十年間一生懸命働いて、税金をよその県に払って、そして税金を払わなくなったころにふるさとへまた帰ってくるんですね。
これは、税源を中央から
地方へと言っておられますけれども、逆に
地方が中央へ税源を送り届けているんです。島根県の場合には、約二千七百人近くの子供を毎年送り出すということは、五百億のお金を送り出していることなんです。毎年五百億の
負担を、島根県は、子供を育て、そして東京で、大阪で、名古屋で、いろいろな役所で、企業で働くために送る。この教育
負担というのは大変なものです。この教育赤字というものを視野に入れて、三位一体とか
地方分権とかおっしゃいますけれども、私は、
地方分権が進んで
地方に自立を迫るならば、もっと公平公正に、それだけの
負担と給付に対する感謝の気持ちとそれから金銭的な交付、助成金というのがなくてはおかしいと思うんです。
島根県の
所得水準というのは、小泉
内閣になってから下がりに下がって、以前は東京に比べて六〇%、それが五五%、そして今は五〇%を割ろうとしています。東京の人の
所得の半分で、東京でも役に立つような子供を育てるために、倍のコストがかかるということなんです、
負担感は。
半分の
所得で、東京へ出て机を並べて、同じ会社で、あなたはどこの県から来たのと言われなくても済むような、そういう子供を育てるために、どれだけ
地方の県が、これは島根県だけではありません。鳥取県もそうでしょう。青森県もそうでしょう。秋田も、そして宮城県の気仙沼もそうだし、全国各地でそれだけの
所得格差を背負っているところが、一生懸命、子供のためには、どこどこで育ったから、両親の収入が低いから学力が低いと言われたくない、その気持ちが
日本の教育を支えてきたと思うんです。
日本の教育予算が、先進国に比べて、五・五%に対して三・五%。そのギャップの二%というのはだれが
負担してきたのか。みんな、
日本のお父さん、お母さんの子供に対するせつない思い、それが
負担してきたんです。しかし、それにいつまでも頼っているようじゃおかしいじゃありませんか。そういう力のない、助けを求めているところに手を差し伸べる、それが政治の役目です。強い者がいい学校に行き、そしていい仕事をとり、それでは政治は要りません。政治が本当に感謝されるのは、
地方のこの教育赤字を解消することじゃないかと思います。
もう一つ、子供が出ていって帰らないように、今度は預けたお金の面でも同じようなことが起きております。
県別に、それぞれの県で預けたお金が
地元で貸し出しに回っているかどうか。預けと貸し出し、預貸比率といいますけれども、その預貸比率を県別に見てみますと、島根県の場合には、預けたお金の半分ぐらいしか返ってこない。つまり、子供も出ていく、お金も出ていく、元も子もないというのはこのことなんですね。出たお金も返ってこないし、出ていった子供も帰ってこないし、税金は石原慎
太郎都知事に払い続けている、そして、払わなくなったらやっとふるさとへ帰ってくる。
この教育赤字、それからこういった金融の面での見えざる赤字、
負担。これは、金融の世界はグローバルですから、金利の高いところにお金は流れます。金利の高いところというのは、東京、京都、大阪、名古屋。こういうところの企業の方が金利を払って、お金を使う力が強いんですよ。これは、強者の論理の市場の原理ではそうなりますから。
そうすると、
地方の預けたお金というのは、全部中央に吸い取られる、こういう仕組みに、グローバルになればなるほど、金も出ていく、子供も出ていく、それが中央の、東京の財源となるんです。出ていったお金が働いて財源となる、出ていった子供が税金を払って税源となる。こういう構造を根本的に変える、それがこの
内閣の予算にはさっぱり見えてこないわけです。
これについて、どのように
総務大臣はお考えになるのか。
地方自治体の目線で、こういう教育の赤字、そして金融の赤字、これに対してどのような助成
措置が講じられるのか。文科
大臣の御担当かもしれませんけれども、私は、教育助成金というのを、こうした教育赤字の実情をよく見た上で、それぞれの県に御苦労さん、子供を産んで大切に育てて、そしてそれを教育して、それからお国のどこかで役に立つような人材をやっているのは、文部省じゃありませんよ、
地方のお父さん、お母さんですよ、
地方の自治体じゃありませんか。その
地方の自治体に対してどういう対策を考えておられるのか、お考えがあれば聞かせてください。