○上川
委員 自由民主党の上川陽子でございます。
本日から、
法務委員会におきまして、刑事
裁判における
犯罪被害者の
皆さんが参加する新たな
制度が審議入りいたしました。これまで、長年にわたりまして
犯罪被害者の
皆さんとともにこの問題に取り組んでまいりました者の一人として、大変感慨深いものがございます。
委員会におきまして審議を重ね、今国会において一日も早い法案の成立を強く望むものでございます。
さて、今回審議される被害者参加
制度は、長きにわたり慎重な
議論が積み重ねられた結果、今回ようやく日の目を見ることになったわけでございますが、その発端は、被害に遭われた
皆さんが勇気を持って声を上げたことでございます。
これまで刑事
裁判は、専ら
裁判官そして
検察官そして
弁護人、
被告人により進められており、被害者の
皆さんは
証拠品として扱われているにすぎなかった。被害者やその御遺族の
皆さんは、最も切実な利害関係を有する
事件の当事者であるにもかかわらず、刑事
裁判においては、疑問に思ったことを
被告人に直接問いただすこともできない、名誉を傷つけられても抗弁することもできない、法廷に着席することもできない、ひたすら傍聴席でみずからが被害に遭った
事件の
裁判の推移や結果をじっと黙って耐えて見守ることしかできませんでした。
真実を知りたい、被害者やその遺族の
方々の声は悲痛であります。真実を知ることによって、初めて被害から立ち直るきっかけをつかむことができる。しかし、その願いがかなわず、
刑事手続の中で被害者の
皆さんは新たな二次被害を受けて苦しまれておられます。被害者の
皆さんの中には、真実を知るためにわざわざ民事
裁判を起こす方もおられました。
こうした被害者の
方々の声を受けとめ、
法務省がようやく重い腰を上げ、六十年余の歴史を有する刑事訴訟法を改正して、被害者参加の
制度が設けられることになった。この
制度によって、被害者の
皆さんが被害者参加人として法廷の中に、バーの中に入る権利が認められることになるわけであり、大変画期的なことであるというふうに私は
考えております。
先ほど
法務大臣から提案理由として説明された中でも触れられておりましたけれ
ども、この
法律案に盛り込まれた事項はいずれも、
平成十六年十二月に成立した
犯罪被害者等基本法に基づき、また翌十七年の十二月に政府が策定した
犯罪被害者等基本計画によってその
実施が認められているものでございます。
犯罪被害者等基本法では、この件に関し、三条では、「すべて
犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。」との基本理念を定めておりますし、十八条では、国は、「
犯罪被害者等がその被害に係る刑事に関する
手続に適切に関与することができるようにするため、」「刑事に関する
手続への参加の機会を拡充するための
制度の
整備等必要な施策を講ずるものとする。」としており、
刑事手続への参加という言葉とそして機会の拡充という言葉を使用しまして、新しく
制度を
整備すべき国の責務も定めているところでございます。
この基本法は議員立法により立案したものですが、我が自民党におきましても、この基本法の立法に先立ちまして、
平成十六年二月から、司法
制度調査会等の場におきまして、
犯罪被害者の
皆さんから施策の
充実について
意見を賜り、また関係省庁、団体との
意見交換も重ねつつ、慎重に
議論を重ねてまいったその上での、まさに
議論の積み重ねの結晶であるというふうに
考えております。
そして、先ほどちょっと触れました十七年十二月に基本法に基づく基本計画が作成されたわけでございますが、この中では、被害者参加の
制度について、「
法務省において、刑事
裁判に
犯罪被害者等の
意見をより反映させるべく、公訴参加
制度を含め、
犯罪被害者等が刑事
裁判手続に直接関与することのできる
制度について、
我が国にふさわしいものを新たに導入する方向で必要な
検討を行い、二年以内を目途に
結論を出し、その
結論に従った施策を
実施する。」ということでございまして、この基本計画において、新しい
制度の導入という方向を明示した具体的な内容になっているところでございます。
この基本計画の作成
過程、非常に透明性を高くしてきたわけでございますが、基本計画がまずどのような経緯、
議論を経て作成されてきたのか、とりわけ、今申し上げたようなこの
犯罪被害者の参加
制度にかかわる
部分について、どういう
議論が展開されたのか、
内閣府にお
伺いいたします。