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長勢国務大臣 保護観察官が保護司に過度に依存するということがあってはなりませんし、また、役割分担を明確化すべきではないかという
指摘がされておるところでございます。
六十一条一項の
改正は、こうした御
指摘を踏まえまして、現行法では単に「保護観察官又は保護司をして行わせる」としか規定していないわけでありますが、「保護観察における指導監督及び補導援護は、保護観察対象者の特性、とるべき
措置の
内容その他の事情を勘案し、保護観察官又は保護司をして行わせるものとする。」ということにしております。
といっても、まだ少しわかりにくいじゃないかという御意見もあるわけでございますが、なかなか、相手の
状況あるいは観察官、保護司の能力その他の事情もありますので、余り明確に分けるのも必ずしも得策ではないということも考えて、こうしたわけでありますが、この
法律を設けたことによりまして、例えば特異重大事犯や暴力的性向の強い者など、
処遇上、特別の配慮を要する事案は、保護司さん任せじゃなくて、官がみずから行うのがいいだろう、保護観察官が直接担当するということも留意をしながら考えていかなきゃならないということになりますし、また、保護観察官が、より適切な場合、地域に密着して、相当日夜をかけてやれるような場合は、保護司の
方々にお願いした方がいいだろうというようなこと等々を勘案しながら、双方の特性に応じた適切な役割分担というものを今まで以上に
法律上も要請をされるということになると思いますので、そういう運用に努めていきたいと思っております。
とはいっても、保護観察官の数が少ないじゃないか、おっしゃるとおりでございまして、今までもこの
増員に努めております。御案内のとおりの
定員事情でございますので、十分ではないわけでございますが、九百の保護区について、
事件数等に応じて複数にしたりしておるわけでありますが、本年度から新たに代理官という制度を設けまして、保護区が、観察官がいなくても、出張中のような場合、問題が起きないというか、ちゃんとした対応ができるような
体制をつくるとか、万全を期していきたいと思っておるわけでございます。
増員と同時に、やはり、先ほ
ども御
説明いたしましたように、今まで観察官が直接保護に当たるというようなことが比較的少なかったり、また指導監督が十分ではないというような御
指摘もありますので、専門官制を導入するとか、あるいは研修制度を
充実するとか、その質の向上にも一生懸命取り組んでいきたいと考えております。