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長勢国務大臣 少年法等の一部を改正する
法律案につきまして、その趣旨を御
説明いたします。
近年、少年
人口に占める刑法犯の検挙人員の割合が増加し、強盗等の凶悪犯の検挙人員が高水準で推移している上、いわゆる触法少年による凶悪重大な事件も発生するなど、少年非行は深刻な
状況にあります。
このような現状を踏まえ、
平成十五年十二月、青少年育成推進本部が策定した青少年育成施策大綱において、触法少年の事案について、警察の調査権限を明確化するための法整備を検討すること、触法少年についても、早期の矯正教育が必要かつ相当と認められる場合に少年院送致の
保護処分を選択できるよう、少年院法の改正を検討すること、
保護観察中の少年について、遵守事項の遵守を確保し、指導を一層効果的にするための
制度的措置について検討することが示されたほか、同月、犯罪対策閣僚
会議が策定した犯罪に強い社会の実現のための行動計画においても、非行少年の
保護観察の
あり方の見直し及び触法少年事案に関する調査権限等の明確化について検討することが
取り上げられましたが、これらの検討事項は、いずれも、かねてから立法的手当てが必要と指摘されていたところでもあります。
また、
平成十四年三月に閣議決定された司
法制度改革推進計画において、少年審判手続における公的付添人
制度について積極的な検討を行うこととされました。
そこで、この
法律案は、少年非行の現状に適切に対処するとともに、国選付添人
制度を整備するため、少年法、少年院法及び犯罪者予防更生法等を改正し、所要の法整備を行おうとするものであります。
この
法律案の要点を申し上げます。
第一は、少年法を改正して、触法少年及びいわゆる虞犯少年に係る事件の調査手続を整備するものであります。
すなわち、触法少年の事件について警察官による任意調査及び押収等の強制調査等の手続を、虞犯少年の事件について警察官による任意調査の手続をそれぞれ整備するとともに、警察官は、調査の結果、家庭裁判所の審判を相当とする一定の事由に該当する事件については児童相談所長に送致しなければならないこととし、児童相談所長等は、一定の重大事件に係る触法少年の事件については、
原則として家庭裁判所送致の措置をとらなければならないこととしております。
第二は、少年法及び少年院法を改正して、十四歳未満の少年の
保護処分を多様化するものであります。
すなわち、十四歳未満の少年についても、家庭裁判所が特に必要と認める場合には、少年院送致の
保護処分をすることができることとしております。
第三は、少年法、少年院法及び犯罪者予防更生法を改正して、
保護観察に付された者に対する指導を一層効果的にするための措置等を整備するものであります。
すなわち、遵守事項を遵守しなかった
保護観察中の者に対し、
保護観察所の長が警告を発することができることとした上、それにもかかわらず、なおその者が遵守事項を遵守せず、
保護観察によってはその改善更生を図ることができないと認めるときは、家庭裁判所において少年院送致等の決定をすることができることとするほか、少年院及び
保護観察所の長が
保護処分中の少年の
保護者に対し指導助言等をできることとしております。
第四は、少年法及び総合
法律支援法を改正して、国選付添人
制度を整備するものであります。
すなわち、一定の重大事件について、少年鑑別所送致の観護措置がとられている場合において、少年に弁護士である付添人がないときは、家庭裁判所が職権で少年に弁護士である付添人を付することができることとしております。
その他所要の
規定の整備を行うこととしております。
以上が、この
法律案の趣旨であります。
何とぞ、慎重に御
審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。