○市村
委員 まさに今
大臣が税制のことをおっしゃっていただきましたが、やはり税制の部分でしっかりと手当てしていかないと難しいんです。
そのときに、
日本と
アメリカの違いを
一つだけ申し上げますと、
日本は、いわゆる特増並みのステータスを持ったNPOは千に満ちません。これは
伊藤理事長もまた
大田大臣も御存じだと思いますが、
アメリカは百万団体を超えているんですね。百万を超えれば、それはとてつもなく悪いやつもいるわけです。でも、それでもいいんだと。つまり、いいものがたくさん出てくる。
つまり、全部が全部選べないんですね。これはいいから税制優遇
措置というのは、それは
日本がやってきたことなんです。それがうまくいったんですかということを私は申し上げたいんですね。うまくいっていないんです、これは。結局、恣意的に官に近いところにそういうものが与えられてきたということで、それが天下り先になっていくということで今
議論もされていますけれども。
だから、この話はもう無理なんです。やはりこれはフェアな制度にして、みんなが同じ基盤に乗れるんだ、その基盤の中で闘っていくんだ、ある
意味ではみんなが税制優遇
措置を得られる、寄附優遇も得られるんだと。
僕は、
日本だって数十万団体ぐらい出てもいいと思います。その中で、もちろん悪いやつもいると思います。これを悪用する人もいると思います。しかし、だから何だというふうに私は思うんですね。
営利企業だって悪用されているじゃないですか。
政府だって悪用されているじゃないですか。何で非
営利法人だけ、NPOだけこんな厳しい縛りをかけられなくちゃいけないのか、これが不思議なんですね。
悪い人は出てくるんです。悪用する人は出てくるんです。だからだめだと言っちゃだめなんです。そうじゃなくて、やはり民の公のセクターをしっかりと
日本に根づかせていくという制度づくり、実はその先頭に立っていただかなくちゃいけないのが、本当は、NPOである、非
営利・
独立型である
シンクタンクなんです。ここがない。ポリシーオルタナティブが出てこない。だれもそれを求めない。だから今こうなっているんですよ。国会で
議論が全然深まらない。それで、何かわけのわからぬ強行採決や、きょうもありましたけれども、何かいろいろ戦術が出てくるわけですね。
はっきり言って、
議論じゃないですよ、これは。でも、今ないから、結局そういうところに落ちついちゃうんですね。立法府も、結局そういうところで何かどたばたしなければ動かないという話になってしまっているんですね。本来そうじゃないんですよ。立法府はもっと真剣な
議論をしなくちゃいけないところなんです、ここは。しかし、それが現実的な基盤がないんですよ。だからいかぬということで。
僕は、
安倍内閣というのは、まさに小泉
内閣からの
民営化というものを引き継がれていると思いますよ。僕はこれは賛成です。ただ、いつも申し上げているように、
民営化の
方向性が、小泉
民営化イコール
株式会社化だったからだめなんです。
民営化は
二つあるんです。
株式会社とNPOなんです。このNPOの基盤がないから、全部イコール
株式会社になって、どんどん失敗していっているんですね。コムスンもそうじゃないですか。介護
事業、あれは本当はNPOがいいですよ。結局ああなるんですよ。僕はずっとそれを
指摘してきましたよ。でも、この国ではなかなかこれが受け入れられない。
だから、この覚悟なんですよ。これをちゃんと変えるという覚悟がない限り、幾ら
シンクタンクをつくったって、この基盤が変わらない限りは、結局、その基盤の中でうごめく、ちょっと格好いい、ちょっといい
シンクタンクが生まれてくる。
伊藤先生だから、何とかその辺はきちっとバリアをつくっていただいて、ちゃんと民の思いでやっていただけると僕は思いますが、しかし、せいぜい
NIRAだけで終わってしまうのではないかと思います。これではやはりちゃんとした
日本の基盤にならない、立法府も育たない、官も育たないということになってくるわけですね。
だから、僕は、これは覚悟を持ってほしいんです。根本的な基盤づくりから考えていくという覚悟を持たなければいけない。せっかく
NIRAが
政府系から
民間に変わるのであれば、それぐらいの覚悟を持ってやっていただきたいと思っているわけでございますが、また
大臣と
伊藤理事長から一言ずついただければと思います。