○市村
委員 民主党の市村でございます。
一時間賜りまして、またこの
質疑をさせていただきますが、私にとりましても、きょうのこの
道路交通法改正の
質疑というのは、再三この
委員会でも早くやるべきだということを言ってまいりましただけに、こうしてこの席に立たせていただくということは大変強い思いを持っておるわけでありますけれ
ども、なぜ今日までかかったのかという思いも一方で強く持っておるところであります。
この道交法の
改正案につながる、きょうは特に
ひき逃げの
厳罰化ということが中心的な課題として挙げられるということだと私は思っておりますが、そもそも、これにつながっていく流れというのは、
大臣、また
皆さんも御存じだと思います。
まだ今世紀になる前の話でありますけれ
ども、高速道路上で本当に痛ましい
事件が起きた。後ろからトラックに追突されて、そして車が炎上してお二人のお子さんが亡くなられるという
事件が起きた。そして、そのことを受けて、二〇〇一年だったと思います、私がまだ当選させていただく前でございますけれ
ども、私の諸先輩方が、当時の国
会議員の
皆さんが、立法府を構成される
皆さんが
危険運転致死傷罪を成立させていただいた。
これは恐らく、当時大きな議論があったと推測されます。すなわち、こんなに重くしていいのかどうか、最高刑が十五年、二十年に達するものでいいのかどうか、まあ途中から二十年に上がるわけですけれ
ども、そうした、ほかの刑罰と比較をした場合、重過ぎないかとか、いろいろな議論があった上で、
皆さん、諸先輩方は立法府の意思を示していただいたと私は思います。きょうもこの中にはそのときの
方々もたくさんいらっしゃることだと思いますし、私は、当時の
皆さんも大変大きな決断をしていただいたと本当に思っています。
そもそも、法律というもの、もちろん、法哲学というものを持って、ほかとの絡みとか、いや、本当にそういうことでいいのかとか、いろいろ考えなくちゃいけないことがあるんでしょう。ただ、法律というものは、英語でよくローヤーと言われるものは、あれは実は私
たち国
会議員とは違うわけでありまして、あれはまさに弁護士でありまして、私
たち国
会議員はレジスレーターというのが英語の適切な言葉であります。
レジスレートは、変えてもいい、そういうことがあるんです。ローというのはなかなか変えちゃいけないんです、そう簡単には。しかし、レジスレートというのは、変えてもいいんだということでありまして、私
たち国
会議員というのは、まさに国民の意思を代弁して、代表して、そしてこの国会で議論をし、そして法律をつくっていくということだと思っております。そういった意味では、二〇〇一年の諸先輩方の御英断に大変私は敬意を表するということであります。
しかし、その後、御遺族の
方々初め多くの
方々が、まだ足りないと。特に
飲酒ひき逃げについて、この
委員会でも、きょうの午前中にもその言葉が出てきましたが、
逃げ得、こういうものがあって、とにかく
飲酒で何か
事故を起こしたらまず逃げる、そして、逃げて酔いをさましてから、いや、怖くなったんです、だから逃げたんですと出ていくことによって刑罰の上限が全然違ってくる、こうした
状況についてしっかりと考えていかなくちゃいけない。
御遺族の
皆さんも、二〇〇三年十一月にも、そうした問題点を
指摘されて、
厳罰化をしてほしいと要望も出されています。しかし、そのときには、二〇〇二年に道交法の
改正案をやったからもうしばらくはできないんだというような回答があったというふうにも認識をしています。
それが、ことし、特に去年の八月の福岡の
事故、三人のお子さんの命が失われる
事故があったということを受けて、また世間の関心も高まった。そして、さっきも国家公安
委員長もおっしゃっていましたけれ
ども、十月、十一月、十二月、対策を
強化して四割削減したということにつながっていった。そして、今回の道交
法改正案につながっていったという流れだと思います。
しかし、やはり、何かそうした大きな
事件が起きないと、だれかが犠牲にならないと、いやいや、もう
引き上げたばかりだからもうしばらくは動けませんよ、こういう姿勢を続けていたのではないかというふうに思わざるを得ないということでございます。
大臣、だれかが犠牲にならないと、大きな関心を持たれるような
事件が起きないと動かないというところ、まずここから必ず
考え方を改めなければならないというふうに私は思っております。そうではなくて、もっと思いをいたして、想像力を働かせて、午前中の
牧原委員の議論にもありましたけれ
ども、やはり我が事と考えてやれば、いや、もう決めたから、去年変えたんだからもうしばらくいいんだよという話にならない、私はこのように思います。
まず、この根本的な
考え方から私は改めなければならないと思いますが、国家公安
委員長の御見解をお聞きしたいと思います。