○
田嶋(要)
委員 公務員と
民間人という
定義がある中で、非
公務員という第三種をつくりまして、何だか、
独立行政法人制度が始まったときは淡い期待もありました。しかし、よく考えてみれば、
税金で食っているんですよ。
民間人とは違って、非
公務員も同じように
税金で食っている。私は、そのところが基本的には
親方日の丸かどうかということを大きく決定する要因だ、そのように考えておるんです。
したがって、
独立行政法人も
天下りの問題の
一つのテーマでございます。
緑資源の問題に象徴されるように、まさにそういう問題が今回出てきたわけでございますし、また、
民間議員からの主張として年内に何とかという話もございましたけれども、やはり、
税金で食っている
組織という問題をしっかりと認識していただきたいというふうにまず私は申し上げたいと思います。
それで、きょう、この
文部科学省所管の
独立行政法人日本スポーツ振興センターの件に関してお伺いをいたします。
大臣、どの
程度事前に研究していただいたかわかりませんけれども、今おつけした
資料がございますので、ごらんください。
いろいろなものの
切り張りでこういう
資料をつくりましたけれども、これは、先ほど申し上げた非
公務員、そして
天下り、例によって
天下りばかりですよ、
天下りの
理事長以下
理事、そういった
方々の
経営によってどういうことが起きているか。
社会保険庁の問題が
メガトン級であれば、そこまで大きくはないにしても、私が申し上げたいのは、ちりも積もれば山となる、至るところにこういう
世界があって、
国民の
税金の
無駄遣いが果てしなく続いているんだということです。
だから、
独立行政法人は、先ほどもおっしゃいました、民に任せておいたらできない部分をやる、もう
必要最小限、その厳正なチェックをもう一度ゼロからやっていただかないと、
無駄遣いがあるだけじゃなくて、そもそもその
法人、団体が本当に
必要性があるのかどうか、そのことを厳しく見ていただかないといけません。
一
ページ目の表をごらんください。一番上の
数字は
totoの
事業です。
toto、
サッカーくじです。一番上は、
売り上げじゃございません。一番上は、予定した、
当てにした
売り上げでございます。二行目が実際の実績、十三年からスタートいたしました。これが、
売り上げが五分の一に落ち込んでおるわけでございます。
そして、もっと愕然といたしますのは、そもそもこの
toto事業、もちろん、
くじの
胴元をやるのが
目的ではございません。これは、
お金を集めて、
スポーツ振興という
目的のためにつくられた
事業でございますけれども、ごらんいただくとわかるとおり、一番上の表の下から
二つ目、
国庫納付金の額、当初の額の九十分の一、〇・四億円まで落ち込んでいるわけでございます。
これはどういう
構造になっているか。一番下をごらんください。
売上金、多くの皆さんが
くじを買う、半分は買った
本人に戻るわけでございます。そして、いろいろな
経費がかかる、その残ったのが
収益ということになりまして、それを三等分して、
国庫に戻すものと、それから
スポーツ振興にそれぞれ充てていく、こういう
構造になっています。そして、その結果として、今申し上げた
平成十八年の
国庫納付金は〇・四億円。これはつまり、
収益自体が一億二千万しかないということなんです。
収益自体が〇・四億円の三倍、三等分ですから、一億二千万しかない。
まさにこれは、
くじを買っている人が当たるも
八卦外れるも
八卦じゃなくて、
経営陣が
くじを引くような
感覚で、当たるも
八卦外れるも
八卦のそういう
感覚で
経営をしてきた、その結果が私はこの
数字にあらわれていると思います。いろいろ
独立行政法人ありますけれども、百一ございますが、その中でも、このぐらいはっきりととんでもない
経営の結果が
数字であらわれている例も珍しいと思います。
大臣、一番上の表、これは
売り上げ側の話ですが、では、真ん中の表をごらんください。
なぜこういうふうに行き詰まっているか。大きく言えば
経費の側でございますが、もともと、りそな
銀行と
受委託契約を結びました。二番目の表、
支出にかかわる第一位が、
平成十五年、十六年にりそな
銀行に支払いを行い、十五年がおよそ六十億円、そして十六年に七十八億円の
支出をした。
ところが、りそなとの
契約をやっていたら、もう
会社でいえば
倒産ですよ。そういう
状況の中で、何を思ったか、今度は、また全然違う
契約、りそなとは全く
関係のない、またゼロからやり直しですよ。大
失敗した後でもう一回そういうようなことを始めた。
日本ユニシスと
契約をしたのが十七年度から
支出として出ているわけでございます。わかりますか、
大臣。
そして、そのすぐ下に似たような表がございますが、これは
未払い金、すなわち払っていない
お金でございます。一位は全部りそな
銀行、十五年に十九億、十六年には百七十億に膨れ上がり、十七年度はおよそ三百億円に
未払い金が膨れ上がっているんです。りそな
銀行と始めた
toto事業が大
失敗をして、残ったものは借金だけ。それを放置した
状況で、さらに新しい
商売を、
日本ユニシスと全く違うスキームでスタートをした。
私が申し上げたいのは、これが
天下り官僚の
火遊びだということなんです。
民間とは全く違う、厳しさのかけらもない形で、こういう形で数百億の
お金を手玉にとって、
自分たちの
給料、
退職金、
ボーナスはしっかり確保しながら、こうやって
くじを引くような
商売をやっていることは信じられないと思います。
大臣、表は大体わかっていただいたでしょうか。
とにかく、
目的はそれなりにいいんですよ、
スポーツ振興。しかし、実際にはそれはできていない。何をやっているかといったら、
くじを売った収入のほとんどは
費用で消えているんですよ。確実に
費用として立っているのは、
経営陣の
給料、
ボーナス、
退職金。
売り上げは、
販売計画は全く外れました。
売り上げが激減、
当てにしていたその甘さ、
需要予測、そして
商品開発、そして一方で、りそな、すなわち
費用サイドもむちゃくちゃな
契約をして、
固定費が上がって、そして行き詰まる。
会社でいえば当然
倒産です。そして
経営陣は首です。そうですよね。
次の
ページをごらんください。
では、そういう
経営を一体だれがやられたか。逸見さんが
最初理事長をやられました。この方のもとでりそなの
契約が行われた。それを引き継いだのが
雨宮現
理事長でございます。
雨宮さんは、それまでは
toto担当の
理事でもございました、ずっとその間。両方とももちろん
文部天下り官僚でございます。
片方が
初等中等局長、
片方が
高等教育局長ですかね。およそ何でこういうところに役割があるのかな、もっと違うところで御見識と実力を発揮してもらいたいと思いますけれども、そういう
方々の手によって、やったこともない
事業で
火遊びをした。そういうことを平気でやらせているのが今の
天下りの仕組みなんですよ。
その下の表をごらんください。そういう
方々が一体どのぐらいもらっているか。
独立行政法人化されたのは
平成十五年の十月でございます。
理事長、
理事、年俸、そして、それに占める
ボーナスの額を見ていただきたいと思います。こういった額をもらって
火遊びをして、
失敗したけれども何の
責任もとっていない。すぐ下に、
退職金に関しては
個人にかかわることで公表していないというんですけれども、
ボーナスも
個人にかかわることで、公表はしていただいております。
情報開示基準がさっぱりよくわかりませんけれども。
大臣、一番の重要な問題は、
totoは最近BIGとかいう
商品が出て、一日で六十五億円売れた、そういう話もありますよ。売れないより売れた方がいい。それは結構な話でございますが、今申し上げた
数字、
大臣はごらんになって、これは一体何をやっているんだ、
関係者からも、つぶしてしまえ、寄生虫、そういう
言葉も
大臣から出ているんですよ、現職の
大臣から。
渡辺大臣、これはどこのだれが
責任をとっているかが全然わからないんですよ。
契約したときの
理事長はもういないんです。そして、
契約したときの
toto担当理事、今の
理事長、
ボーナスが二十万円ぐらい減額されたと
本人も言っていたんですね、二十万円ぐらい。
もうちょっと下の
数字をごらんください。一番下の
数字、
常勤職員は相当減らしているんですよ。
総務大臣もおいでですけれども、
独法は
人件費を相当厳しく見るんですよ、総
人件費。だから、
人件費を減らしていかなきゃいけない。そのために何をするかといったら、
自分たちの
ポストはそのまましっかり残し、そして待遇も変えずに、だけれども
職員の頭数を減らす。さらに何をやっているかといったら、
常勤を
パートタイムに入れかえているんですよ、この表にはないですけれども。
パートタイムの方が比率的にふえているんです、
新規採用は。そういうことでやりくりしながら、
自分たちの
天下りポストだけはしっかり守り続けているのが見てとれるんです、
数字で。
もう
一つ裏わざは、この間、
教育特でも私申しました。
人件費だけ見ていると、これは落とし穴なんです。
自分の
組織だったら
人件費、しかし、その
天下りが隣の
財団法人に行ったり、
天下りが株式
会社をつくって、そこに発注をして
天下りに食わせれば、それは
人件費じゃなくて
物件費なんですよ。
業務委託契約を結べば
物件費なんです。あたかも
人件費は
独法改革の指標どおり下がってきている、
改革している、そういう
評価を、
総務省の二次
評価、そして
所管官庁文部科学省の一次
評価もちゃんとしているんです。よくやっている、
人件費が下がっている。とんでもない話です。
裏わざは
幾らでもある。
そうやって
物件費で
お金がOBのいる
世界に流れているのが、きょう時間があればやりたいですけれども、ジェトロの
委託業務なんかでもいっぱい出ているんです。動かぬ証拠が
幾らでもある。これはどの
ページを開いても同じ構図なんですよ。どこを見ても一緒、そうですよね。
大臣、これはだれが
責任をとっているんですか、こういうとんでもないことになって。普通、何百億も
失敗事業をして、
売り上げがこういうふうに激減して、当初の
目的は何にも果たせないことになって、そして無傷ですよ、
理事長以下
経営陣。
経営責任という
言葉が辞書にないんじゃないですか。
これはどこも似たり寄ったり。
緑資源の
理事長がおっしゃいましたね、まさかうちの
組織にこういうことがあるとは思わなかったと。私、そういう話を聞くと目が点になるんですよね。どこでも同じことがありそうだという前提のもとに厳しく見ていかないといけないんですよ。
税金の
無駄遣い、
不正行為、それから不適正な
会計処理、そういうことを疑って見ていかないと発見できないですよ。私が少しデータをとって
情報を見ていくだけでも、首をかしげたいことは
幾らでも出てくる。
しかし問題は、
独立行政法人は、昔と違って
事前規制を減らして、
フリーハンドを与えて、そのかわり
事後規制をしっかりやるのが
独立行政法人の
制度ですよ。私から言わせれば、それは完全に裏目に出ています。
フリーハンドを与えて何になったか。
自分たちの
給料はしっかり守れるような
制度ができただけですよ。もう少し言えば、
独立行政法人の
公務員に対する給与の比率は上がっていますね、高いですね。一一〇%ぐらいですか。
独法になると全体としての所得も上がるんです、
給料も。
そういう
状況の中で、
大臣、大体わかっていただいたと思いますけれども、これはどこのだれが
事業の
失敗の
責任をとっていると思いますか。