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渡辺(周)
委員 民主党の
渡辺でございます。
民主党の
提案者にも
質問をするということで座っていただいておりますが、まず、これまでも
議論をされてまいりました中で、各論に入ります前に、私自身、ちょっと
天下りの問題点ということにつきまして、これまで
国会に議席を得て、そして、その以前には地方議会の
議員をやっておりましたので、その中で自分が見聞きしてきた幾つかの例を参考にしながら、
天下りということがなぜ問題かということについて、冒頭、ちょっと触れさせていただきたいと
思います。
私は、三つあると思っているんです。
一つは、今回の
委員会でも
指摘をされ続けておりますが、防衛施設庁あるいは緑資源機構などの例に見られるような、
官民の癒着によって
官製談合の温床となる、これは今までも一貫して
指摘されてきたところでございます。言うまでもありませんけれ
ども、受け入れる
人数によって発注額、業者側からすると受注額が違う、一番露骨だったのがたしか防衛施設庁だったと
思いますけれ
ども、こういうことが言われて、ある
意味では、これは当たり前のようにされてきた問題。
我々も地元に帰りますと、支援者がおりまして、その中には、建設会社、建築会社から設備会社等々のいろいろな支援者がおります。実際、そういう話をするわけですね。当たり前ですけれ
ども、
役所の仕事はおいしいと。
役所の仕事はおいしいから、当然、
役所の仕事は手放したくない。一番手っ取り早いのは、
役所の人間を入れること。地方の中堅の建設会社ですとか、あるいはコンサルタントや測量
関係の会社なんかですと、大体、地方の、県のOBなんかが来る。
一つ例を挙げますと、私は、一度、県議会
議員になりたてのころ、びっくりしたんですけれ
ども、立派な封筒に入ってあいさつ状が来るんです。それで、あけてみますと、右側に、このたび三月三十一日をもって土木事務所の所長を退任しました、長年にわたりましてお世話になりまして、ありがとうございます。見開きです。左側を見ると、このたび地元の何々建設の顧問に就任いたしました、四月一日付からと書いてあるんですよ。
退任のあいさつと就任のあいさつを一緒に送ってきたという、ある
意味では、右と左を見て、発注者が受注者になる、こういうことを私なんかは見てきました。四月一日の午前零時を境に発注者が受注者側になるわけです。事実、こういうことがありました。今も多分どこかであるんでしょう。これはもうかなり昔の、十五年以上前の話でございます。
つまり、
官民が癒着をすることによって
官製談合の温床になる。実際、地元でそういう仕事をしている人間に聞きますと、だって談合というのは、官の方から情報がなかったら談合できないんだから、
官製談合なんて当たり前じゃないかと。
そのやり方についても聞いたんですよ。小さな田舎の役場の話です。どことは言えませんけれ
ども、担当者が喫茶店かどこかで新聞を読んでいる、そうすると、業者が行って、そこの横に座って、さりげない野球の結果の話とかなんかしているわけですよ。そうすると、幾つか数字を挙げて、指で上だとか下だとかと指す。一億一千万だったらそれより上だ、一億二千だったらそれより下だ、そうすると一億一千五百ぐらいかなという、あうんの呼吸で話をして、情報を持ち帰って、そこで今度の何々の発注額はこれぐらいだということを、これは業者でやっているわけですね。
そんな話を幾つも聞いていますから、多分ここにいらっしゃる
皆さん方も、そういうものが世の中に当たり前のようにあるということを認識の上で、この
天下りの問題というのは当然
議論をしてきているんでしょう。
まさに、談合が行われることによって、もっと少ない発注額でできたはずなのに、あえてそれが高値になることによって、
国家の、あるいは地方においてもそうですけれ
ども、発注額が高いものになる。つまり、高値安定することによって、本来もう少し安いコストでできたはずのものが、その額でできることによって、やはりそこには損失が生まれるということが一つ。
そして、
二つ目を言いますと、それがアンフェアな競争格差になるわけですね。当たり前ですけれ
ども、受け入れているところと受け入れていないところでは、ちょっと出どころを忘れましたけれ
ども、OBを受け入れた業者の平均受注額というのが、これはどこかの
役所でした、ちょっと出典は忘れましたけれ
ども、二〇〇〇年から二〇〇四年の間に二百五億円、受け入れていない業者の平均は五十一億円、大体四倍ぐらい違うんだというようなデータを見ました。また次回
質問に立つ機会があったら出典を調べてまいりますけれ
ども、実際こういうのがあった。
これまた長くなりまして恐縮ですけれ
ども、一つの例を挙げます。
以前、私の選挙区でした静岡県の御殿場市というところに防音工事の仕事がございました。これは防衛施設庁の仕事です。あそこは東富士演習場がある。来られた方も多いと
思います。それから、自衛隊の駐屯地が三つ、四つあります。その周辺で大砲の、火力の演習なんかをするものですから、防音工事を行うために、地元にそういう話が来た。それによって地元の建設
関係の業者さん
たちが、まずそこで営業をかけるわけですが、来年度ここの地域が今度防音工事の対象ですということで地元の建設会社の方々がその地域に営業に行ったら、もう既に隣の神奈川県から厚木の業者さんが来ていると。厚木の業者さん
たちが先に来て、お宅の防音工事をやらせてもらえたら、お宅のその雨どいも直しましょう、ガレージも直しましょうと、つまり、おまけつきで工事をやるんです。地元の業者にしてみると、そんな情報はさっき初めて知ったのに、もう既に、
天下りを受け入れている厚木基地の周辺にあるそれ専門の業者さんは先に営業に来ているんです。そういうことが実際あるんです。
これは、一度私はどこかの
委員会でも取り上げたことがありますけれ
ども、つまり、
天下りを受け入れたことによって、受け入れた側と受け入れた側でないところでは情報のスピードが全然違う。結果としてアンフェアな競争が生まれるということ。
三つ目を申し上げますけれ
ども、きょう資料を配付しましたけれ
ども、膨大な数の
公益法人が
天下りを引き受けているわけでありまして、この膨大な数の
公益法人がどんどんふえることによって、社会のコスト、
生活のコストが下がらないということなんですね。それによって、多重な組織ができることによって、非効率な社会構造、あるいは業者さんの負担がふえるということなんです。私は、これが
天下りの根本的な問題だというふうに
思いまして、順次伺っていくわけでございます。
まず最初に、今回の
議論の中で、
人材バンクの制度設計についていろいろ言われていますが、これから、来年にはバンクをつくって三年後に運用するんだということでございますが、今も
人材バンクはあるんですよね、
大臣。その点については、いかがですか。