○下条
委員 大学の法学部で講義を受けているような鮮やかな御答弁でありがとうございます。
そこまで
大臣が
法案、
法律について、今までの
大臣がそうじゃないというわけではないけれ
ども、卓越してすぐれていらっしゃることは大変ありがたいことですし、僕は余りこの後強くは申し上げませんが、前例がないということの難しさというのは私なんかの数十万倍
大臣の方が御存じだと思いますが、その部分で、やはりきちっとある
程度指針を、判定基準を設けておくことがこの
法律の執行権者である
国交省として必要である、こういう御提言でございます。
そこで次に、今ちょうど
大臣から出ました基金の問題に移らせていただきたいと思います。
まさに基金、
保険で払えない場合、基金だとおっしゃったものですから、基金の規模について私はちょっと調べさせていただいた。そうしますと、大体一件当たり五百円ないし千円ぐらいを
保険料から拠出して、その部分を基金として積み立てていきますと。
四月に先議の
参議院で局長が、例えば十八年度ですと、
住宅の新築戸数、着工戸数は百三十万戸である、その七割から六割ぐらいが
保険対象になるとすると約八十万戸で、五百円に八十万戸を掛けますと、それだけで四億円になる、十年間で申し上げると四十億円積み上げられるので、それで十分
対応できるのではないかという話をしています。
ただ、私は、こういう言い方をするとあれなんですが、日本全国でヒューザーの物件だけなのかなという
感じもしているわけですよ。そういうクエスチョンを持っちゃいけないかもしれない、あと全部完璧だよと言うかもしれない。ただ、例えばヒューザー、姉歯の
事件では何百億という被害が出ているわけであります。
おととしの十一月の
国交省の局長の御発言では、損失はそのとき百四十億円と想定なさっているという意見もいただいています。十年間で基金の方は四十億ぐらいいくかもしれないけれ
ども、膨大な部分も想定されるということだと思うんですね。だれも先を読めないから
法律をつくるわけでございますし、
法律は何か起きてしまったときにカバーするためだと僕は思います。
これは例えばの話でございますが、第二の姉歯が出てきた、この基金で
対応することになったけれ
ども、基金の額では到底足りないよ、一体どういうふうに対処するんだというふうに御省へ問い合わせると、
国交省では、既存の
住宅保証基金からの無利子貸し付けによって不足分を補う、既存の
住宅保証基金から無利子で貸し付けをする、そして補いますよということでございます。
そこで、私もこの
住宅保証基金というのを調べましたら、去年の四月で約八十六億円の基金があって、そのうちの約半分、四十一億円がお国から入ってきています。金が四十一億入ってきているということであります。
そこで、私もたまたま二十年金融
機関にいましたので、無利子貸し付けかと思いまして、それと、今までこの基金は貸し付けをやっていないんです。まあ、釈迦に説法でございますが、やっていないですね。やっていないところが無利子で貸し付けをしていく。一体どういうふうにやっていくのかなと僕は非常にクエスチョンです、単純に。
金融関係でずっとやっていれば、どういったものをどういうふうにしていって、どうやって押さえていって、先をどのぐらい読んで、その貸し金が倒れちゃったら、その貸し金をやった融資
担当者は、ボーナスは減らされ、飛ばされちゃうわけですよ。それが民間でございます。そういう
意味では、この無利子貸し付けというのは非常に僕は危惧を持っているんですよ、
体制について。
こうやってお貸し出しをする、無利子貸し出しで保証基金からやるということは決まっているわけです。したがって、今後、この基金にとって、どういうふうに審査
体制をつくって人員配置をして審査基準を設けていくか。これまたきちっとしておかないと、最終的に、
保険じゃないぞ、それは基金だよと。
基金でも、実を言うと、始まったばかりで、基金の金額は、さっき言いました一年間で四億円です。本当に四億で足りない場合、十何億、八十億、九十、百何億になったときに、いやいや、ちょっと待てよ、じゃ、無利子で貸してやろう、基金から引っ張るぞと。基金も、今言ったように八十六億しかありません。そのときに、この審査
体制を一体どういうふうにしていくかが僕はまたそこでネックになってくると。
これは申しわけないですけれ
ども、本当に八割が今度の
法案は金融でございますので、そういう
意味では、非常にその部分に僕は危惧を持っているわけです。どんどん貸しちゃって、いや、いいじゃないか、補助金でフォローしちゃえばと。
結局そこを補助金でフォローするのであれば、結果的には、一般の国民が、補助金の裏は一般の国民の税金でございますので、そういう一、二、三のラインに入ってきてしまうとしたら、これはあくまで想定です、これから一生、姉歯、ヒューザーは出ないかもしれない。でも、今のこのままでは、この無利子貸し付けの審査
体制、審査基準、人員
体制をきちっと
国交省が命令の中でとっておかないと、これは、言いにくいですけれ
ども、大変な垂れ流しになってしまう危惧を私は持っております。あくまで想定でございます。
それで、その基金だって、このままでいって、今までの基金の主目的である
保険の保証部分が、この
法案の基金の部分がなくなっちゃって無利子の方で取られていくのであれば、
住宅保証基金の本来
業務がおかしくなっちゃうし、また、返ってこない焦げつきの貸し金もふえちゃう。それが今度は、民間でいう不良債権ですよ、焦げつきになります。
私は、本当にこの
法案はいいと思っているんですよ。だけれ
ども、その関所が、僕が金融をやっていた限りだと、まあ、これからですけれ
ども、ぜひその部分の審査
体制、審査基準、人員配置の部分について、局長の御決意と想定をお聞きしたいと思います。