○松浪(健四郎)
委員 松浪健四郎でございます。
まず、昨年の七月まで、陸上
自衛隊の諸君が長い間
イラクのサマワで
人道復興支援活動に従事され、無事に撤収されましたけれども、この功績に対して、まず敬意を表しておきたいと
思います。
永田町の日の丸とその横にある星条旗を見て、
アメリカの偉い人が来たんだろう。大体、その国を代表される人が来た折に、あそこに国旗が掲げられる、このように承知しておりますけれども、それなりの人がお見えになったんだ。それはチェイニー・
アメリカ副
大統領であるということは申すまでもございません。
総理を初め
外務大臣、官房長官、いろいろと
イラク問題等についてお話をされるんだろう。申すまでもなく、
内容は、
我が国がどういうような形で
イラクやアフガニスタンに対して国際貢献していくのかということに尽きるんでしょうけれども。
私のつたないイスラムの国での生活経験から申しますと、実感として、これは長くなるだろう、こういう
思いを持っております。と申しますのは、イスラムの国の人々、この人
たちの日常生活が宗教実践であります。それゆえに、毎日毎日宗教
活動をするということが生活をすることであります。そして、押しなべて民族意識、部族意識、これらが、我々が想像できないぐらい強い。
そして、
民主主義というものがなじむのかなじまないのか。私は、一九七〇年代、イランに再三参りました。パーレビ政権の全盛期でありましたけれども、至るところにSAVAKと言われる
秘密警察官がたくさんいました。これはもう目つきを見ただけでもわかる。これで、イランの人々は自由を謳歌しているけれども、この人
たちの存在に
不快感を持っているんだな、こう思っておりました。
そして、八〇年にイスラム革命があったのは御案内のとおりでありますが、それから何度かイランを訪問いたしまして、昨年末にも、衆議院から
派遣をしていただいて、イランに滞在をさせていただきました。驚いたのは、同じように
秘密警察官がうろうろいるということでありました。イスラムの国になったからみんなが解放されたのかというと、そうではなくて、逆に厳しくなったんだという実感を持ちました。
それで、
アメリカやまた二十数カ国が
国連軍をつくって
イラクの
支援をしたり、また、NATO軍がアフガニスタンにおいていろいろな協力をしておるわけでありますけれども、私
たちの願うのは世界の平和でありますし、世界が平和であって初めて我々の国が栄えるということ、これを忘れてはなりません。とりわけ、
我が国のエネルギーの九〇%はイスラムの国から輸入されておるという現実から逃避することはできませんから、やはり、
イラクがうまく平和な国になるように、アフガニスタンが落ちつくように、こういうふうに毎日毎日願っております。
宗教指導者が大きな力を持っている国にあって、この人
たちが一たびジハードだ、聖戦だということになりますと、
民主主義になれていない、
マリキ首相の
イラク政権は民主的にできた政権だ、こういう認識を持っておりますけれども、この民主的な政権と宗教指導者の言うことと、国民はどちらの話を信用し、聞くだろうかということになると、宗教指導者の言うことを聞くんだ、こういうふうに私は思っております。
となりますと、我々の価値観と全く異なった価値観を持つ国の人々とが、どういうふうに平和を構築することができるんだろうか。
外務省は大変苦慮されておりまして、先ほど
奥田局長からもお話がありましたように、いろいろな
イラクの指導者を
我が国に招聘して、そしていろいろな平和的な対話をしようじゃないか、こういう試みをされておりますし、そして
円借款で、とにかく人道
支援をしなければならない。もちろん
航空自衛隊によるC130Hの
輸送、これらも貢献していかなきゃならない。
いつどうするのかというような、私
たちはすぐに、何かをやり始めたとき、いつ終わるのかと、簡単に期限を切ってしまいますけれども、この期限を切るというのは、イスラムの国ではなじみません。一、二、三、たくさん、これがイスラムの考え方でありますから、この滞在はたくさん、長いというふうに、恐らく
イラクの人々も、アフガニスタンの人々も、私はそう思っておると
思います。
そこで、まず最初に、
アメリカが
イラクを、今のような
状況になったことに手をやいておる、私はそう思っております。そして、
大統領の教書演説で、二万一千五百人の
増派、これを
決定いたしました。私は、これは
アメリカからすれば、
治安を改善していくためにはこれしかないというふうに考えた策だと。もっと言うならば、二万人ぐらいでは少ないのではないのかという
思いを私は持っておるんですけれども、このような
アメリカ側のとっておる
政策、もちろんその
政策の中には、
大統領はシリアともイランとも対話をしないという強い決断で演説をされておりました。
これらを含めて、
アメリカの
イラク政策に対しての評価を
外務省はどのようにされておるのか。同時に、
外務省はこれから
イラクへの
支援をどのようにやろう、こう考えているのか。それらをまずお尋ねしたいと
思います。
〔中谷
委員長代理退席、
委員長着席〕